急速に進化するゲーム、映像、アニメ業界で、新たな可能性を切り拓く江口拓夢氏は、クリエイターとして、また経営者として独自のスタジオ運営に挑戦している。本記事では、Glitz Visualsなど複数の企業を立ち上げた経緯や、経営者としての決断の裏側、今後の展望について語ってもらった。若きリーダーが見据えるクリエイティブの未来とは?

記事の目次

    学生時代から変わらぬエンタメへの強い想い

    CGWORLD(以下、CGW):本日はよろしくお願いします。まずはせっかくですから、幼少期から学生時代、フリーランスを経て株式会社Glitz Visualsを起ち上げたところまで、順を追って伺っていければと思います。

    江口拓夢氏

    株式会社Glitz Visuals代表取締役。1998年生まれ。山形県出身。高校生の頃よりフリーランスとして映像制作の仕事を始め、HAL東京校を卒業後は多数の映像・ゲーム制作に携わる。情熱溢れるスタイルでディレクターやライティングアーティストとして活躍しながら、起業家・経営者としての側面も持つ。

    江口拓夢(以下、江口):僕は長男で母親がけっこう厳しくて、興味があったゲームは幼少期から禁止されていました。そこには強烈なコンプレックスがあって、どうにかしてゲームができないかと考えて、中学2年生のときにお年玉でパソコンパーツを買い揃えたんです。親にとってはパーツの箱なんて何なのかわかりませんからね。それで自分でパソコンを組み上げて、ロフトのベッドの下にシーツで隠しながらこっそりゲームをしていました(笑)。この体験がクリエイティブへ足を踏み入れたきっかけです。

    CGW:なるほど。そこからゲームづくりへと?

    江口:いえ、当時仲の良い友達がニコニコ動画でかなり稼げていた有名人で、彼のゲーム配信動画を編集してYouTubeにアップすることをやりはじめました。そして当時ボーカロイドが流行っていたこともあって、After Effectsを使ってボカロのMVづくりも始めました。

    CGW:中学生でもう動画編集やMV制作を。高校時代はどうでしたか?

    江口:水泳を長くやっていた関係で、高校はスポーツ推薦で入ったんですが、そこはインターハイの常連校、坊主で体育会系で……。僕は結果主義マインドの人間なので“先輩後輩”が苦手で、早く卒業してエンタメの世界に進みたいと考えていました。卒業後は親の反対を押し切って東京のHALに入学しました。

    CGW:反対されても行きたかったと。

    江口:エンタメって人を喜ばせることで給料もらえるので、それがすごく崇高に見えたんです。仕事に偉い偉くないはありませんが、自分のしたいことをしてお金を稼げるなら、それがたとえ薄給であっても、いちばんの幸せだろう、と。今でも当時の僕の選択は間違ってなかったと思っています。

    CGW:HALは何学科に入学したのですか?

    江口:4年制のCG映像学科です。入学前からMV制作で少額の収入を得ていたこともあって、映像制作にはある程度自信がありましたが、3DCGは全然だったので、それを学びたいなと。また、同じ夢に向かって走っている人がどれくらいいるのかにも興味がありました。

    CGW:実際HALに入ってみていかがでしたか。

    江口:2年生の夏ぐらいにはもう学ぶことがなくなっちゃったと感じて、早く就職したいと考えていましたね。同時に、とにかくお金がなくて。居酒屋でアルバイトをしながらの学生生活が辛くて、SNSに作品を載せてお仕事募集をして小さいお仕事を受けたり、ポートフォリオをつくってスタジオさんを回って営業をしました。CGWORLD CREATIVE CONFERENCEにも行きました(笑)。「こんなことできますから、最低時給で良いのでやらせてくれませんか」って。

    CGW:そうでしたか(笑)。営業の結果どこでお仕事を?

    江口:まずはCG映像を中心とした制作会社様にてインターン的なアルバイトをやらせてもらいました。『機動戦士ガンダム』関連の案件でライティングやコンポジットを担当したんです。After Effectsのコンポジター兼ジェネラリスト的な立ち位置でした。そしてその後、今度は大手のパブリッシャー様のIPを担当していた開発会社様がライティングチームを起ち上げることになり、僕に声をかけてくれました。「あのライティングの考え方をゲームに活かしてください」と。

    CGW:当時から江口さんがやっていたことの需要は高かったんですね。

    江口:高かったですね。そこから、Unreal Engine(以下、UE)を使ったゲームのリアルタイムのライティングをかなり詳しく勉強しました。この経験のおかげで、僕の中の新しい扉がバンと開きました。

    CGW:コンポジターとしての強みをゲームに落とし込んだと。

    江口:はい。すごく良い経験をさせてもらって、今も感謝しています。ちなみに、当時起ち上げたライティングチームに僕の次に入った人物は、今もその開発会社様にいて、僕の法人化の背中を押してくれたひとりです。4~5年前になりますね。

    デベロッパーを目指してGlitz Visualsを設立

    CGW:ゲーム開発の現場でライティングとコンポジットの技術をリアルタイムで活かすためのノウハウを蓄積して、Glitz Visualsを設立されたと。

    江口:はい。2022年4月1日、23歳でGlitz Visualsを創立しました。当時自分には「他社の社員になる」、「フリーランスを続ける」、「ひとり会社をやる」という3つの道がありました。その岐路に立って自分にしかできないことは何かをずっと考えていたんですが、これまでゲーム業界と映像VFX業界の両方を経験していたことから、“ゲームと映像の交差点”にある接着剤のような会社を創立したい、と考えるようになりました。

    ▲Glitz Visuals Webサイト(www.glitzvisuals.com

    CGW:なるほど。ちょうど映像でもUEの需要が高まり始めた頃ですね。

    江口:そうですね。だから自分の得意なところでポジショニングができたのは幸運でした。法人としての最初の案件も大河ドラマ『どうする家康』(2023)で、UEを使ったワークフローでした。

    CGW:会社の初仕事はUEでの映像制作なのですね。

    江口:はい。僕は2019年頃からUEやUnityをゲーム案件やCMで使っていましたが、当時から「UEがあればプリレンダーをやる意味はない」と考えていました。UEを映像で活用できる人材がいなかった2022年当時、そこの対応ができたのは大きかったです。

    CGW:映像案件からのスタートですが、現在ではゲーム案件が増えているのですよね?

    江口:映像案件は比較的短期ですから、会社の実績としては映像が多めになります。でも実際はゲーム案件、AAAタイトルの案件が多いです。

    CGW:会社としては今後もゲームを中心に映像も手がけるというポジショニングで考えているのですか?

    江口直近の目標はゲームの“デベロッパー”になることです。日本で唯一の、映像プロダクションを完全に内包したデベロッパーです。僕のデベロッパーの定義は「ゲームをイチからつくること」と「IPを借りること」。IPを借りるというのは、『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』などで外部のスタジオがシリーズや関連作を制作していることです。Glitz Visualsでもそれをできるようになりたい。そのレベルの実績と信用がほしいです。そのために今は、信用に足るアウトプットと更に大きな案件をお請けできるようなスケールを目指しています。今はそれが今の会社の夢ですね。

    CGW:なるほど。明確なビジョンですね。ところで、独立時に考えていた選択肢は「ひとり会社をやる」でしたが、Glitz Visualsには現在30名弱の社員がいますよね。

    江口:最初はひとり法人にしようと考えていました。ただ、HALの同級生で就職ができなかった人材がいて、彼にはそれまでCG案件の雑務などを手伝ってもらっていたんです。それで、Glitz Visuals設立時に彼からうちの社員になりたいと相談があって、それで最初の社員になったんです。ひとり雇ったらあとはふたり、3人と簡単にハードルが下がっていったのと、再委託ができない案件が多くなってきたのとで、少しずつ人が増えて、結局1年で6人になりました。

    CGW:なるほど。あれよあれよという間に、ですか。

    江口:創業1年目はアーティストから経営者に変わっていく1年だったと思います。各社員が家庭を支えられるぐらいの給料を僕が支払って、大黒柱の大黒柱にならないといけない。大企業でも中小企業でも、世の中の経営者って凄いな、と思いましたね。

    CGW:創業2年目以降、経営者としてはどういうマインドに?

    江口:ある日、ふと「キーエンスの社員は給料が高いから働くのではなく、キーエンスで働けるのが嬉しいから働いている」といった内容のインタビュー記事が目に留まりました。それってゲームや映像業界にもありますよね? それで、「そうか、Glitz Visualsに所属していることが社員にとってお金以外のアドバンテージになる何かが必要だ」と思ったんです。だからまずビジョンをつくろうと考えて、“デベロッパー”になることを掲げたんです。

    CGW:なるほど、腑に落ちました。

    江口:もうひとつ、Glitz Visualsを含め、クリエイティブは実力主義で、年齢は関係ありません。年功序列に振り回される若いクリエイターを応援したいので、26歳の僕が今言っておきます。

    ポーカーバーと映像企画・制作会社も創業

    CGW:ここからが江口さんのユニークなところですが、Glitz Visualsの創業後、ポーカーバーのPokerBar Fratzや映像企画・制作会社のEnban株式会社も起ち上げました。

    江口:僕は個人的に、僕がお金を払う場所は全部自分の会社だったら良いなと思っていまして(笑)。例えばPokerBar Fratzは、僕のカジノ好きが高じて開店したお店です。かねてから、あるポーカーバーにすごく通い詰めていて、「これが自分のバーだったら良いな」と考えていたんですが、高田馬場に引っ越したタイミングで、そのお店から遠くなってしまったので、馬場に自分のお店をつくっちゃおうと(笑)。

    ▲PokerBar Fratz Webサイト(fratz-poker.com

    CGW:すごい動機ですね(笑)。Enbanについては?

    江口:Enbanはお話できることがまだ多くはないのですが、昨年色々な出会いが重なり創業に至りました。

    CGW出会いに感謝、ですね(笑)。

    江口:そうなりますね(笑)。Glitz VisualsがCGの受託制作会社として規模の拡大を目指す一方、Enbanは小さな映像スタジオというイメージです。

    ▲Enban Webサイト(enban-inc.jp

    CGW:江口さんは順調そうに話されますが、いくつもの会社経営にはリスクもありますよね?

    江口:リスクだらけですよ。特に去年、ゲーム業界は大きなあおりを受けて、Glitz Visualsでも開発中のコンシューマー作品10タイトルのうち、4タイトルがなくなってしまいました。ただ、それで何ができるかと言えば、もう地道に別の案件を受注してコツコツやるしかないですから。「どうしようもないものはどうしようもない」って言いながら、ただ走ってる感じですね。経営はギャンブルです。僕はギャンブルが好きなので、向いてるんだと思います。

    CGW:起ち上げのフットワークの軽さはギャンブル好きから来ているのですか?

    江口:いえ、実は僕、フィリピンで死にかけまして、その経験が大きいですね。フィリピンのカジノで、ポーカーの大会で入賞したお金を別のルーレットに入れたら15倍ぐらいになったので、その夜、そのお金で遊んでたんです。そうしたらギャングに目をつけられて、スラムに連れていかれて、服を全部脱がされて、銃を頭に突きつけられて……(笑)。

    CGW:そ、それはすごい経験です。

    江口:あの時、命の危険を感じたことで、お金のリスクは少し怖くなくなりました。全く怖くないわけではないですが、どこかで「命があればどうにかなる」と思っているところがあって、アクセルを大胆に踏めるようになったんですよ。それからです、PokerBar FratzやEnbanを創業したのは。

    CGW:それは説得力ありますね。まだ他にも創業を考えていますか?

    江口:まずは3社それぞれを強くしていきたいですが、今、不動産だけは興味があります。不動産ビジネスをやりたいわけではなくて、全てのお金をエンタメのために使うには、不動産が必要かもしれないと思っているんです。今3社で約60人の社員がいるんですが、彼らの家賃補助や引っ越し、オフィス移転などを自前でやったり、PokerBar Fratzのフランチャイズ店舗の取り扱いもやったりすると、お金の循環が生まれて余剰が出るのかなと。そしてそのお金でゲームセンターをつくったりしてみたいんです。

    ゲーム業界のワークフローを変えるのが大きな目標

    CGW:この先5年、10年ではどういうビジョンを描いていますか。

    江口:ひと言で「内製化にこだわってGlitz Visualsを大きくしたい」と考えています。直近の目標として“デベロッパー”になることを掲げたのは、IPをつくれる力をつけるためだけでなくて、この内製化も実現したいからです。今、ゲーム業界はウォーターフォール構造で無駄が多いと思うんです。クライアントの意図が外注先・再委託先までしっかり通らない。意思疎通がしづらい。

    CGW:なるほど。構造改革はかなり大きなビジョンですね。

    江口:そうですね。なので、まずはコストパフォーマンスが高いゲームづくりをして、次にそれを利益に繋げるためのデベロッパーになる。そして社員の所得を上げ、会社の規模を大きくし、最後に業界のワークフローを変える。そのためのマイルストーンが“デベロッパー”です。社員規模で言えば、Glitz Visualsだけでまずは100人。

    CGW:100人は節目ですね。

    江口:Glitz Visualsは、小規模でも大きい仕事を任せてもらえる会社よりは、大規模で大きい仕事を数多くやる会社にしたいです。

    CGW:締めくくりとして、若いクリエイターにアドバイスを。

    江口:35歳までのクリエイターには「ワークライフバランスは捨てろ」と言いたいです。20代から35歳までの頑張りは、その後の30代40代で掛け算になると信じているので、それまでにどれだけ努力して結果を出せるか。迷ったり、リスクがあるとかは言わない。死なないんだから(笑)。

    CGW:若いうちの苦労は買ってでもしろ、という。

    江口:だから外に出ることが大事だと思います。会社選びにしても、この業界では給料や働きやすさだけで決めてしまうのはもったいない。業界の中で上に行くには、どう努力していくか、どうプロセスを踏んでいくかの方が大事です。目先のお金よりも生涯年収を考えた方が良いと思います。

    CGW:江口さんが自らやっていることですね。力強いアドバイスありがとうございます。

    スタジオサザンカ小澤氏に訊く江口氏の人物像

    CGW:ここで、小澤健司氏が先日創業されたゲームスタジオ、スタジオサザンカ江口さんが出資をされたということで、小澤さんに少しお話を伺います。

    小澤健司氏

    ゲームクリエイター

    2015年、バンダイナムコエンターテインメント入社。日本では『機動戦士ガンダム』、同上海支社では中国大陸向けの『ドラゴンボール』IPのスマートフォンゲームのプロデューサーを経験。2019年より中国・広州で「NetEase Games 桜花スタジオ」に参加。桜花スタジオでは日本拠点の立ち上げや組織のマネジメントに加え、『聖剣伝説 VISIONS of MANA』のディレクターも行った。その後、スタジオの閉鎖に伴い退職し、株式会社スタジオサザンカを創業する。

    スタジオサザンカ 公式webページ:studiosasanqua.com
    小澤健司 Xアカウント: x.com/kenjitheemo

    ▼スタジオサザンカ設立のニュース記事(CGWORLD)
    https://cgworld.jp/flashnews/2503-studio-sasanqua.html

    小澤健司(以下、小澤):スタジオサザンカの小澤です。江口さんとは去年9月の東京ゲームショーでご挨拶する機会をいただいてからのお付き合いになります。

    江口:ゲームショーにはGlitz Visualsが共同出資のインディゲームを出展していて、商談用にビジネスマッチングのパスも用意してたので、その場でお話をしました。

    小澤:Glitz Visualsさんが強みにされているUE周りのノウハウをもつスタジオと繋がるのはなかなか大変なので、ぜひにとお時間をいただいて。共通点として社長の先輩だったり、お互い大学生時代はクラブ主義で嗜好が近かったりといったこともありますが、驚いたのが、リスクを避ける気がゼロなところ。全く感じなかったんです(笑)。

    CGW:死にかけた経験が活きてます(笑)。

    小澤:面白そうだったら、やる前提で現実的なお金と時間の問題を話すという。まずやる前提って話をしてくれるのがすごくありがたくて、そこにいちばん惹かれました。ゲームのプロジェクトをつくるにあたっては、江口さんのような前のめりな人がそばにいることで、小さい会社から始める自分も精神的にアクセルを踏めますから。

    CGW:出資のお話はどちらから?

    小澤:江口さんからですね。当時はいろんな会社さんから出資するとか一緒にやるとかオファーに近いものを受けたりしていました。僕のほうが「ちょっとすいません、待ってください」と言ってたぐらいでして。

    CGW:大きな規模のお話も?

    小澤:かなりまとまった金額の提示を受けた、大規模なお話もありました。いろいろ悩んだ結果、自分の足元に近いサイズから少しずつ実績や売上を積み上げるやり方を選びました。資金力はなくても自由度が高いほうを選んだんです。

    CGWなるほど。出資はかなり控えめな規模に留まっているんですね。この提携は今後どう活かされるのでしょうか?

    小澤両社の異なる強みを掛け合わせた実開発、人材育成双方での連携の強化と、成長の加速が狙いです。Glitz Visualsさんの技術力であるリアルタイムエンジンの表現的な強みを早期から取り入れつつ、弊社の(スタジオサザンカの)強みであるゲームデザイン的な魅力を掛け合わせた、尖らせた企画なども検討中です。

    CGW:Glitz Visualsとスタジオサザンカは同じビルのフロアに同居されているのですよね。仕事中の江口さんはどんな感じなのですか?

    小澤:外と中で印象は変わらないですね。悔しいときは声を出して悔しがってるし、嬉しかったら子どもみたいにテンションが上がっています。江口さんのそういうところ、良いですよね。それがちゃんとGlitz Visualsのチームメンバーにも伝わってるし、そういう人だから背中を追いかけたいんじゃないかなと思って見ています。

    CGW:社内の雰囲気が良さそうですね。

    小澤:そうですね。それと、Glitz Visualsでは各メンバーが常に横のメンバーと、今やっている仕事をもっと良くできないか話し合ってるんです。この空気が作れている会社はかなり少ないですよね。そこにはすごく良い意味で衝撃を受けました。

    江口:風通しが良いのは仕事と遊びを地続きにしているからかもしれないですね。僕が最後に出向していた会社がすごく“面白い”会社だったんです。遊ぶ道具があって、遊ぶ人がいて、遊べる雰囲気がある会社。「ちゃんと働くけど、俺たちは遊びをつくってるんだから、俺たちには遊ぶ権利がある」みたいな思想のオフィスでした。だからうちもボードゲーム、麻雀、ポーカー、コンソールゲーム、マンガとかを全部揃えて、オフィスと遊ぶ部屋を地続きにしているんです。

    CGW:なるほど。それは上手いオフィスの空間デザインですね。

    江口:最新のコンソールゲームが出るとセーブデータがたくさんできていて。社員みんなで進み具合を競ってるんですよ(笑)。僕らはゲーム開発という仕事上、最新のゲームを研究のためにやることもありますけど、ゲームをするのが辛くなってはいけないと思うんですね。だから社員には仕事中もゲームを楽しんでやってほしい。それが会社に来たいと思うきっかけになれば良いなと。

    小澤:ゲームには、没頭することや何かを見つめ直すきっかけになるような側面もありますからね。

    江口:ゲームで誰かの人生変えたいですね。マネタイズとしては、大勢にゲームが行き届くことが正解ですが、僕は誰かひとりの人生を良い方向に変えられるのであれば、そのゲームを精一杯つくりたいです。

    小澤:そうそう。こういうところでね、要所要所気が合うんですよ。

    CGW:良い言葉ですね。これからの展開に大いに期待しています。本日はありがとうございました。

    TEXT_kagaya(ハリんち
    PHOTO_弘田充
    INTERVIEW_阿部祐司(CGWORLD)