>   >  NVIDIA、Unreal Engineの最新技術情報と活用事例ー「~レンダリングの未来が見える~ ELSA リアルタイムレンダリングセミナー」
NVIDIA、Unreal Engineの最新技術情報と活用事例ー「~レンダリングの未来が見える~ ELSA リアルタイムレンダリングセミナー」

NVIDIA、Unreal Engineの最新技術情報と活用事例ー「~レンダリングの未来が見える~ ELSA リアルタイムレンダリングセミナー」

今年3月、エヌビディアより発表されたリアルタイムレイトレーシングレンダリング技術「NVIDIA RTX」。ちょっとしたデモという小手先の結果ではない、映画VFXレベルのリアルタイムレイトレーシングが可能になる一方、それらを実現するには100万円を超えるグラフィックスハードウェアを複数搭載した超ハイエンドのPCが必要であることも合わせて大きな話題を呼んだ。従来膨大なマシンパワーと時間をかけていたレンダリング結果が実時間で手に入るようになると、制作のプロセスも大きく変わってくる。そういった話題をふまえ、6月20日(水)に開催された「~レンダリングの未来が見える~ ELSA リアルタイムレンダリングセミナー」での講演内容をレポートする。

TEXT&PHOTO_安藤幸央(エクサ)/ Yukio Ando(EXA CORPORATION
EDIT_小村仁美 / Hitomi Komura(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada

<1>NVIDIA RTXの技術構成と今後の活用

  • 澤井理紀氏/Sawai Masaki
    エヌビディア合同会社・テクニカルマーケティングマネージャー

まず最初に、エヌビディアの澤井理紀氏より、RTX、Optix、AI denoisingといったGPUレンダリングおよびグラフィックスボードの最新技術情報に関する紹介が行われた。


エヌビディアの推定による、1年間のレイトレーシング画像の制作数

現在、世の中ではものすごい量のレイトレーシングが使われていること、その量はゲームにして約400タイトル、映画にして約500本、1,200万件のプロダクトデザイン、CGパースなどの建築用途に15万件ほど活用され、トータルで1年あたり10億枚のレンダリングが行われている。映画『ジュラシック・パーク』(1993)では50ショット程度だったVFXシーンが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)では2,680ショットにまで増大し、フォトリアルなレンダリングのニーズはとても増えてきているという。

レイトレーシングは美しい映像をつくることができるが、とても時間がかかる。その一方、GPUシェーダによるラスタライズ描画ではリアルタイムに描画できるが、表現に限界がある。「そのギャップを埋めるために、映画クオリティのレンダリングをリアルタイムに提供するものとしてつくられたのがNVIDIA RTXテクノロジーです」(澤井氏)。


RTXテクノロジの構成図

NVIDIA RTXは、NVIDIA Voltaアーキテクチャ、Tensorコア、NVIDIA NVLinkという3つの技術に支えられている。Voltaアーキテクチャは、SM(ストリーミングマルチプロセッサ)というレイトレーシングにとても向いたアーキテクチャによって構築されており、これによって命令のキャッシング技術の性能向上、ループ計算の多いレイトレーシング計算において浮動小数点と整数演算を同時に処理できること、メモリのバンド幅の増加などの恩恵を受けている。また、TensorコアによるAI(人工知能)を活用したノイズ除去も成果をもたらしており、さらにGPU同士の接続に高速のNVLinkを使うことで、GPU同士の高度な連携に貢献する。NVLinkのおかげで他のGPUが抱えているメモリの参照も速くなり、実質GPUのメモリサイズが増加したかのように扱えるというメリットもあるという。


AIデノイズ(ノイズを削減する処理)なし(左側)、デノイズあり(右側)の比較画像

NVIDIA RTXレイトレーシングを利用する際は、RTXを直接使うのではなく、グラフィックスAPI経由で活用することになる。それには、NVIDIA OptiXというレイトレーシング用API、または業界団体クロノス・グループが策定しているVulkanというAPIのレイトレーシング用拡張命令、Microsoft DirectX 12のレイトレーシング用API、Microsoft DXRを利用するという3つの方法がある。それぞれのAPIによって、モーションブラーの対応など活用できるRTXの機能が異なるとのこと。


RTXテクノロジのグラフィックスAPIごとの対応表

NVIDIA OptiXでは、マルチGPUにおけるスケーリングが自動的に行われること、AIによるレンダリングの高速化の恩恵を受けることができ、Microsoft DXRでは、DirectX 12ベースのエンジンに容易に統合可能というメリットがある。

SEED - Project PICA PICA - Real-time Raytracing Experiment using DXR (DirectX Raytracing)/エレクトロニック・アーツの研究部門SEEDによる、DXRを用いたデモ映像

また、Arnold、Clarisse、V-Ray GPU、Redshift、RenderMan XPUなど、NVIDIA RTXやレイトレーシングソリューションOptiXを活用する他社製ソリューションが揃ってきている。RTXの浸透により、試行錯誤の時間が短くなりパイプラインの省力化、効率化が期待されると澤井氏は述べた。

映画制作におけるVFXパイプラインと3Dアセット制作において、リアルタイムレイトレーシングによって効率化される箇所

最後に、今後のレンダリングのトレンドは、下記の状況にあると紹介。

  • ・扱うデータが大きくなってきていること、シーンが複雑化しディスプレイの解像度が大きくなっていること
  • ・プリビズの活用が広がってきており、最終的なイメージをすぐに求められている
  • ・より高いリアリティ、シミュレーションが求められている
  • ・VRの360度映像の作成にコンピューティングパワーが求められている
  • RTXの活用によって、より効率的に制作が行われるようになることが期待される。最新機器としては NVIDIA Quadro GV100 がVoltaアーキテクチャに対応した機種になるとのことだ。


    用途に合わせたコンピュータ構成

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    <2>ノンゲーム分野におけるUnreal Engineの活用例

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