>   >  Unityが可能にした6ヵ月という短期開発ーViveコントローラで日本初の16人同時プレイを実現した『ダスキンダストバスターズ』Vol.2
Unityが可能にした6ヵ月という短期開発ーViveコントローラで日本初の16人同時プレイを実現した『ダスキンダストバスターズ』Vol.2

Unityが可能にした6ヵ月という短期開発ーViveコントローラで日本初の16人同時プレイを実現した『ダスキンダストバスターズ』Vol.2

昨年3月、株式会社ダスキンが手がけるダスキンミュージアムおそうじ館内に登場した体感型シアターアトラクション『ダスキンダストバスターズ』。プレイヤーはミクロサイズの戦闘機DB-01に乗り込み、HTC Viveコントローラを操作し"掃く、拭く、吸う、取り除く"という4種類の特性をもった武器を駆使して部屋のホコリや食べこぼしを掃除していく。HTC Viveコントローラによる16人同時操作を実現したコンテンツは日本初だ。Vol.1 企画編に続き、FLAMEを中心とする開発チームにUnityベースの開発におけるワークフローや工夫点について話を聞いた。

TEXT_神山大輝 / Daiki Kamiyama(NINE GATES STUDIO
EDIT_小村仁美 / Hitomi Komura(CGWORLD)
PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota

日本とフィリピンでの国際連携

大阪・ダスキンミュージアムおそうじ館に設置されている「ダスキンダストバスターズ」の外観

本作の開発を担当したのはFLAMEと、そのグループ会社でありフィリピンに拠点を置くプロダクションNeun Farben。FLAMEの森 陽祐氏はチーフプログラマーとして、沼口勇也氏はアートディレクターとして本作に関わっている。Neun FarbenにはFLAMEの社員が2名出向しており、時差もわずか1時間のため、本作は日本語での綿密なコミュニケーションの下、制作が進められた。

「協力会社ではありますが、ほとんどFLAMEのフィリピンオフィスというレベルでの連携が可能です。制作においてわからない点があればすぐSkypeが飛んで来るような状況で、担当者同士のコミュニケーションがしやすい空気感でした。システム開発、UI開発、エフェクト周りなどタスクを分けて並列処理をするために協力を依頼しています」と、FLAME代表取締役の大林 謙氏は語る。

写真左から 大林 謙氏(FLAME・代表取締役)、沼口勇也氏(FLAME・CGディレクター)、谷田光晴氏(SPOON・代表取締役)、森 陽祐氏(FLAME・プログラマー)

一方のNeun Farben側はプログラマーが3名、モデルなどアセット制作で5名という編成で、プログラムなどの実制作をリード。FLAME側は監修のような立場となっていたが、実際には機材の検証や現地での調整、プログラムなど幅広く業務を行うかたちとなった。

FLAMEとしては本件が初のゲーム開発となるため、これまでの使用経験やライセンス等の都合からゲームエンジンにはUnityが採用された。フィリピン国内ではUnreal EngineのエンジニアよりもUnityエンジニアが多く、Neun Farbenにもエンジニアが多くいたため、導入自体は比較的スムーズだったという。

16人同時プレイのため独自システムを構築

企画編でもお伝えしたように、今回は"併設の「ミスドキッチン」(1回の体験人数32名)の待ち時間に遊べる"ようにするため、16名が体験人数の要件として挙げられていた。また、子どもたちが遊ぶときに不公平感が出ないよう、全員に同じコントローラで同じ役割をもたせるようなしくみが必須であった。

しかし、HTC Vive コントローラには1台のPCに対して最大13台という接続台数の制限があり、メーカー側も「16台同時プレイの前例はない」ということで、「できるのかわからない、というのが正直なところでしたが」、森氏が独自にシステムを構築。プロジェクタを接続しているサーバーマシンと2台のクライアント(ベースステーション)にマシンを分け、マシン1台あたりコントローラ8台ずつの入力をマージしてUnity側へ送っている。会場の広さは決まっているため、空間設計を考えながらの作業となったほか、無線では各コントローラが干渉してしまうことがわかったため、全て有線接続とした。


コントローラとプレイヤー番号を紐付ける設定画面。SteamVRから取得したデバイスIDを参照して紐付けを行うとPCの再起動とともに設定がリセットされてしまうため、コントローラのシリアルナンバーとプレイヤー番号を紐付けて設定を保持するしくみを採っている


アトラクション内部。16台のチェア全てに有線接続のHTC Viveコントローラが置かれている

次ページ:
わずか6ヶ月で完成ーUnityによるスピード感のある開発

特集