Webマンガ発のリアル格闘アニメ『ケンガンアシュラ』。昨年7月よりNetflixで全世界独占配信されていた本作だが、今年1月からはテレビでの放送も開始。企業の利益と闘技者のプライドを賭けた拳願仕合が毎週放送された。今回はそんな熱い闘いを裏から支えたスタッフたちを代表して、5人の漢たちが集結。近年のアニメでは珍しい、肉体と肉体のガチンコバトルを描く本作の裏側を語っていただいた。5人から飛び出すマル秘エピソードの激しいぶつかり合い! 拳願仕合も真っ青の座談会の様子をとくとご覧あれ。
TEXT_野澤 慧 / Satoshi Nozawa
EDIT_小村仁美 / Hitomi Komura(CGWORLD)、斉藤美絵 / Mie Saito
Information
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アニメ『ケンガンアシュラ』
企業同士が利権をかけて闘技者を戦わせるガチンコ勝負、拳願仕合。十鬼蛇 王馬(ときた おうま)は、金のためでも権力のためでもなく、最強の証を求めて戦い続ける。
監督:岸 誠二
キャラクターデザイン:森田和明
アニメーション制作:LARX ENTERTAINMENT
アニメ公式HP▶kengan.net
Twitter▶@kengankai
Blu-ray&DVD第1巻発売中!
価格:Blu-ray 15,000円+税/DVD 13,000円+税
発売元:ポニーキャニオン
© 2019 サンドロビッチ・ヤバ子,だろめおん,小学館/拳願会
3DCGで描く! 監督も別人のように変えた現場の熱量
左から、CGモデラー・齊藤博一氏(exsa)、CG監督・福島涼太氏(ラークスエンタテインメント)、CG監督・西入俊雄氏(ラークスエンタテインメント)
写真なし CGディレクター・内山正文氏(ラークスエンタテインメント)、ラインプロデューサー・成田真人氏(exsa)
www.larx.co.jp
www.exsa.jp
CGWORLD(以下、CGW):『ケンガンアシュラ』のアニメ化の経緯を教えてください。
内山正文氏(以下:内山):本作は2012年から『裏サンデー』で連載していた格闘漫画を原作としたアニメです。この世界では、企業に雇われた闘技者同士で「拳願仕合」という非合法の格闘仕合を行なっています。そうして、勝利した側の企業は巨額の利益を得ることができる......というものです。
西入俊雄氏(以下:西入):2015年に『裏サンデー』で開催されたWeb投票で『ケンガンアシュラ』が1位を獲り、アニメ化が決定しました。
内山:まず監督の岸(誠二)さんにお話がいったんですが、その後、岸監督からラークスエンタテインメントにお話をいただきました。監督とは『暗殺教室』(2015)で一緒にお仕事をさせていただいていたので、今作でもCGスタジオとして一緒にやらないかと言う感じでしたね。
西入:監督からクライアントさんにCGでの制作を提案したそうです。というのも、まず格闘がメインになってくる作品なので、すごくアクションが多い。それに、原作の雰囲気を活かすために劇画みたいな画を動かしたいという希望もあって、作画では難しいと判断されたようですね。
内山:作画のカットは各話100カットくらいまでですかね。全体で300カットくらいなので、残り200カットがCG、というのが当初の予定だったんですが、絵コンテが350カットくらい上がってきて。つまりCGが250カットに増えていたんです。
齊藤博一氏(以下、齊藤):我々exsaもCG制作として参加させていただくことになっていましたが、200カットが限界だったので、残り50カットはラークスさん側でやりましょう! と言っていただきました。
福島涼太氏(以下、福島):内容も重いものが多くて、exsaさんの予算に入り切らなかったので(汗)。
成田真人氏(以下、成田):カット数だけでなく、内容的にもボリュームのある挑戦的な作品ですよね。
西入:最初、スタッフチームでプロレス観戦も行きましたしね!
内山:そうですね! 本当は何回か観戦しようという話もあったんですけど、後半は忙しくて、それどころじゃなくなっちゃいましたね。
福島:監督は、格闘アクション撮影に参加してくださった方の試合も観に行ってましたね。いつの間にか監督自身もトレーニングに目覚めて、別人みたいにムキムキになって(笑)。
内山:他のアニメ会社の人からも、「あの人はどこに向かっているの?」と聞かれるんですよ(笑)。『ケンガンアシュラ』によって監督の人生までブレ始めて、よくわからないところを目指しつつある。
福島:キャラクターについても、「人間だと思うな、ロボットだと思え。筋肉のパーツの集合体だと思え」と言っていましたからね。僕は話半分で聞いていましたけど(笑)。
内山:そんなムキムキなモデルはほぼ全てをexsaさんに作っていただきました。
福島:ラークスでは筋肉質な3Dモデルを、痩せ型・普通型・ムキムキ型と3パターン用意させてもらって、そこから先はexsaさんに頑張っていただくかたちでしたね。普通の作品だったら男性・女性の2パターンでベースモデルを用意するんですけどね(笑)。
左から、細マッチョベースから派生した今井コスモ、普通マッチョベースから派生した主人公・十鬼蛇 王馬、ムキムキマッチョベースから派生したアダム・ダッドリー(『アニメCGの現場 2020』より)
齊藤:ムキムキのバリエーションを用意するというやり方は他作品ではあんまりないですもんね。衣装や髪型の変化も含めると、メインモデルとしては60体ほどのムキムキモデルを作らせていただきました。後はモブも大量に準備しました。
福島:スケジュール的には、モデリング1体につき1〜2ヶ月くらいでしたかね。キャラクターの数が数なので、やっぱりかなり苦労されましたよね?
齊藤:そうですね、なるべく工数を抑えるためにも、使い回せるような構造にしました。社内で使い回し図をつくって、この顔はこの系統、この体はこの系統というかたちで進めていきましたね。
成田:共有化するというところで効率化を図ったというわけですね。
福島:メッシュもUVも共有化していますね。
前述の3パターンのベースごとにボディメッシュを並べたもの。メッシュおよびUVが共通化されていることがわかる(『アニメCGの現場 2020』より)
齊藤:格闘者の筋肉とUVを共有したことで、汗やエフェクトも共有して使えました。
福島:実は汗が流れているパターンも2〜3パターンしかないですからね。あとは、もちろんダメージを受けることもあって、そうするとUVを開かないといけないので、共有化するしかなかったです。内臓(3Dモデル)も1パターンで、適宜キャラクターに合わせて大きさなどを調整して使っています。
内山:そこから、作画のキャラクターデザインを参考に、原作と監督のイメージをすり合わせつつ作り込んでいきましたね。
齊藤:1体目はやはり主人公の十鬼蛇王馬です。他より汗や血の表現が多いキャラクターですね。ただ、どう使われていくかまだ定まっていない時期だったので、柔軟に使えるようになっています。UVに関しても、背景に使うようなマルチUVで、なるべくテクスチャの領域を多く使えるように工夫しました。
内山:王馬はずっと出てきますので、都度バージョンアップしております。
福島:今作のモデルで特徴的なのは、手の大きさですね。監督が手を強調したかったらしく、手を大きめにしています。もっと大きく、もっとバルクをと言われていました。
成田:ユリウス・ラインホルトなんかはだいぶ盛っていますね。
福島:モデルはリアルスケールなんですけど、ほとんどの登場人物が180cm以上でキャラクターによっては2mくらいあるので、部屋の中にあるプロップが小さく見えてしまいます。王馬も手が大きくて、500mlのペットボトルを持つと小さくなりすぎるので、カットごとに調整しています。逆に3話の関林が王馬の頭をつかむときなど、手を大きくしている場合もありますね。
内山:あとは影のギザギザとストロークも特徴的ですかね。
福島:影自体は基本的に順光気味で、競技場の照明というイメージでやや上からつけています。ライトは基本1灯、顔を見せるためにもう1灯というイメージですね。
内山:陰面を気持ち多めに出したいという監督の要望で、影を強調しつつ順光にしています。3話のクルマの照明で左右から挟んでいるところは、複数ライトを挟んでいますね。
西入:常に影が落ちているところは描き込みだけど、それ以外はライトの影ですね。
齊藤:デザインがリアル寄りのテイストなので、そういった意味では出しやすかったなと思います。
福島:ポリゴンの流れをどれだけ詰めていくかが影の形状のポイントですね。のっぺりしたアニメキャラだと、欲しい影が出ないことが多い。
内山:そうですね。今回は全体的にくどいから、画にしやすかった(笑)。
齊藤:ごまかしやすかったです(笑)。
福島:その上で、影に加工している感じですね。影のギザギザはPencil+にバンプマップを当ててギザギザにしています。影にストロークが入るタッチは他の作品でもやっているんですが、今作からPencil+のバージョンアップでUVを追従できるようになりました。
影境界線のギザギザ加工と掛網なしの状態(左)、ありの状態(右)(『アニメCGの現場 2020』より)
西入:汚れやダメージの傷はテクスチャで分けてつくっているので、カット対応で増やしたり減らしたり簡単にできるようになっています。
内山:タッチや顔の皺も基本的には板ポリゴンを突き刺してつくっていて、カット対応で調整していますね。
齊藤:テクスチャはPhotoshopを使用しています。なるべく手描きを少なく、パスで構成するように、そして大きくしても小さくしても遜色がないようにつくっていました。
福島:カット対応は修正に手間がかかるからやりたくはなかったですが......。
齊藤:一度福島さんにコストがかかると伝えて、監督と話してもらいました。斜線もない方が良いです、オススメしませんよと。
内山:「本当にやりますか?」って監督と戦って。
齊藤:そして負けてくる(笑)。でも結果的に良くなっているので、監督が正解だったんだと思います。
福島:ダメージもテクスチャで作りました。色は色指定さんがつくるので、マスクをつくって汚れと血とを分けて出しています。
西入:1年くらいずっとダメージテクスチャばかりを担当している人がいらして。
内山:傷口の資料を見ながら、ずっとダメージを描いていたので......暗い目をしていて(笑)。
福島:でも、そんな皆さんの頑張りでほとんどリテイクが出ませんでした! ただ、一部SNSで乳首の有無を突っ込まれたんですよね。これは完全にミスりました(笑)。
西入:キャラクターデザインで関林だけ乳首を描いていたので、関林だけ乳首があります。
福島:今考えれば乳首なしで良かったですね。
内山:モーションを付ける中で気になっていましたよ(笑)。
福島:森田(和明)さんのせいですよ!(笑)。
※森田和明:『ケンガンアシュラ』キャラクターデザイン、OP作画監督、作画監督、原画担当
内山:デザインの順序も早かったですからね、関林は。とまあ、いろいろありますが、ここまで真面目に動きを付けているアニメはなかったと思います。そこはかなり自信があります。後半ではそうした話を含めた具体的な制作についてご説明しますね。
[[SplitPage]]原作の担当編集も参加した格闘アクション撮影
内山:今作の一番のポイントは、やはり格闘アクションのロケ撮影ですね。
福島:絵コンテが上がってから格闘アクションのロケ撮影をして、それをやった後でカッティングという流れです。アニメーターはカッティングされた映像を見ながらアニメーション作業に入っていきます。
内山:アニメーションをつけた後にまたカッティングがあったりしつつ、ダビング・音入れがあって、V編と続いていきます。
福島:格闘アクションロケは、実際に格闘技経験のある方をお呼びして、殴り合ってもらいました。どうしてモーションキャプチャじゃないかというと、機械をつけたら体に当てることができないんですよね。監督としては、当てた画、当てた動きを撮りたいということで、ヘッドギアとグローブを着けて、安全面を確保した上で本気で殴ってくれと。
格闘アクションロケの様子(『アニメCGの現場 2020』より)
内山:20〜30本くらい撮りましたね。
西入:撮った後に、倍速にした上でモーションのアタリにしています。
福島:殴り合うだけでなく、投げてもらったりもして。いろいろ参考になりましたよね。単発のアクションだと、サンドバックを構えて本気で一撃、というのも参考にしました。あとは人間に対して不可能な「トンデモ技」は人形で再現しています。
内山:この人形はもともと『クズの本懐』(2017)の絡みのシーン用に用意したものなんですが、それがこういうふうに使われてしまいました。本来はもっと優しいシーンに使われる子だったのに、『ケンガンアシュラ』の方が遥かに使用頻度が高かったですね(笑)。
西入:アクション映像があったことで大きかったのが、殴り続けるアクションのときですね。この映像がなかったら、左撃って・右撃って・脚が出て......みたいなコンビネーションをアニメーターが考えなければいけなかったので。
内山:原作の編集担当の方も空手経験者で、撮影に協力いただいたんですよ。編集者さんなので、流れや意図を誰よりも理解しているんですよね。実際にアニメで動かしたら漫画通りにいかないことが結構あるんですけど、アニメならこう変えても大丈夫という判断を同時にしてもらえて。アニメのアクションとしておかしくないだけでなく、格闘としておかしくないという判断も同時にしてもらえたので良かったです。
西入:現役の格闘家の方に来ていただいたときは、拳が大きくて当たったら怪我しそうでした。こういう方が来ると迫力がすごく伝わるので参考になりました。
内山:特にこの作品はおかしな身長のキャラクターが出てくるので、ご協力いただく方も身長を意識してオファーしていました。
福島:いろいろなことを試しながらやったので、いろいろ無駄にもなったところもありましたけど、結果的には良かったですね。
内山:弊社の2階で撮影していたので、下の階の森田さんから毎週毎週、うるさいと怒られましたけど(笑)。
福島:一生分殴り合った気がしますね。
西入:そうして撮った映像を参考にフルコマで素材をつくって、AEで抜いて、変則的なコマ打ちになっています。
福島:現場的にはここまで動かさなくても見せる方法はあるんじゃないかなと思いつつ、撮影した動画の動きがあるので、結果的に逃げ道があまりなくなっていました。
内山:監督もあまり逃げる気がなかったですね。
福島:今作では、足の動きを止めてエフェクトで表現、みたいな画はなくて。殴る・食らう・ガードを見せたいというねらいがありました。
成田:20話に関節技を取り合うシーンがありまして、すごく印象に残っています。関節を取っているけど、アクション監督にこの取り方は痛くないのでこういう取り方をしてとか、細かく見ていただけて、本当に作業者のレベルを上げていただいて良かったなと。
福島:なんどの戦いは新鮮でしたね。
内山:髪が動くキャラクターがいるくらいなので、正直リアルファイトじゃなくて良いんじゃないかという話もあったんですけど、監督がどうしてもリアルファイトにしたいということで......。カット的にも経済的にも重いことにはなってしまったんですが。
福島:話数予算は200カット分しかなかったんじゃないのかと! 次にやる作品はビームの打ち合いが良いな(笑)。
内山:かなり大変でしたけど、とても勉強になりました。
西入:本当ですね。スタッフがみんなすごく上達しました。
福島:アニメーションは向き不向きを考慮して振り分けていました。女性キャラの繊細な動きは女性スタッフにといった感じです。
内山:アクションをやりたいと言われたときにはシーン単位で振ってみたりと、フレキシブルにやっていましたね。
福島:後は殴られたときの肉の変化をやりたいと言われていたので、殴られた顔については、モーファーと微調整用コントローラで、カットごとに対応しています。
内山:まず、原作マンガからこの顔を使う・使わないと精査して、表情のモーファーをつくっています。原作ではかなり崩した顔が出ることが多いので、対応できるようなコントローラを事前に仕込んでいますね。最終的に作画を被せることもできるように下準備だけはしてありました。
福島:他に大変だったところはありますか?
西入:個人的には因幡の回(11話)のCGディレクターを担当したので、髪の流れの表現が大変ではありましたね。体の動き自体はアクション撮影の動画があるので付けられるけど、髪の流れは誰ひとりわからないので......(笑)。結局、ハッタリでやったのが良い感じになりました。
内山:まっすぐの毛をセットアップして、Spring Magicで追従させて動かしています。
因幡の髪の毛のボーン参考(『アニメCGの現場 2020』より)
福島:根元はボーンにはスクリプト適用せず、めり込みを防ぐように誤魔化しつつ作業しました。リアルさというより、ここでは記号的なものなので、フサフサしていればそれで良いと。
西入:実は髪が地面に垂れ下がって止まっているときの方がカット的には大変でしたね、
内山:因幡はモデリングしていたときからどうしようかと思っていましたけどね。最終的には格好良いかたちにしていただきました!
成田:私たちとしては、大変だったのは雨ですね......。弊社スタッフに「何で雨が降るんだ!」と怒られました(笑)。
福島:雨はAEで、拡散で散らして再現しています。ラークス側ではそれだけで良かったんですけど、exsaさんの方で地面の雨の反射までつくっていただきまして。
成田:地面にも降らなきゃおかしいでしょ、となりまして......。
福島:頑張っていただきました!
内山:後は大変とは違いますけど、見どころという意味では、特殊回想シーンですね。
福島:本来は3Dモデルをつくるのも大変だし、作画で画を動かすのも大変だから、止メ画にできないかというところから始まったんです。
内山:何とかお金がかからないようにしようと進んでいたんですけど、結局監督という人たちが、ああしたい、こうしたいと言い始めて......。最終的にはサイクロングラフィックスさんにお願いすることになりました。
福島:きっと断られますよって言っても、やだ、あそこが良いと。ダメ元でお願いしたら受けていただけて、すごいものが上がってきました。
サイクロングラフィックスが担当した特殊回想シーン(『アニメCGの現場 2020』より)
内山:カロリーOFFの予定だったのに凝ったものになりましたね。こういうものをつくれる会社さんはなかなかないので、お願いしてすごく良かった。これのおかげで作品全体がリッチなものになったなと。
福島:サイクロンさんのカットは、スケジュールに乗せてもらわないと困るという意向もあり、最優先で進めました。
内山:サイクロンさんに「やらない」と言われたら終わりなので。絵コンテもサイクロンさん担当のカットはスケジュールが別でした。本編は上がってないけどサイクロンさんのところだけありますみたいな(笑)。サイクロンさんが以前制作されたTVアニメ『DRIFTERS』(2016)のOPも良くできていて、ああいったクオリティを結構な本数つくっていただいて良かったなと思っています。
福島:今回の作品をやって、世間ではCGアニメに抵抗があるという声が多いけど、一方で観てみたら良かったという声もあったので、安心しました。何かしらアニメに貢献できたという気持ちがありますね。
内山:そうですね。ジャンルとしてこういうアニメもあるというのは提示できたかなと思いますね。
福島:実はセルルックのCGは、止メという意味では何年も前から完成しています。今回は動きで詰めています。何年もすれば作画に近いCGアニメができていくと思っている。
西入:作画で濃い画を描ける人の高齢化もあって。
内山:今はこういう濃い画を描ける人がいないからこそのCG制作というのもある。こういうジャンルが盛り上がると良いなと思います。
福島:続編もあったりなかったり?
内山:やりたいという話はあります。監督から「実はこういうのやりたかった」といろんな要望が出てきそうで大変だとは思いますが......。期待していてください!
豪華スタッフ陣による座談会、いかがだったろうか。本作の最大の魅力である迫真のリアルファイトへのこだわりとその影に潜む努力。驚くほど実際の組み手に忠実なアニメーション、またそれを表現の域へと押し上げるための工夫があるからこそ、『ケンガンアシュラ』は観る者の血を滾らせるのだろう。そしてなにより、スタッフ陣がただ監督に従うのではなく、それぞれが最善を尽くし、時には監督ともぶつかり合うという環境が、本作のような新しい色のアニメを生み出したのだと感じた。今後の展開を期待できる言葉も飛び出し、ますます目が離せない『ケンガンアシュラ』。王馬の拳はどんな未来を切り拓くのか。その行く末にぜひ注目していただきたい!
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