デル・テクノロジーズ株式会社主催、CGWORLD企画・運営の3DCGコンテスト「ステイホームVFX」が開催された。
応募テーマは自宅で撮影した動画素材を基に、CG・VFX技術を駆使して自由に作品を制作したVFX作品。応募作品総数はプロ部門・学生部門あわせて88作品集まった。審査員には国内外において、映画・CMなどの映像作品に携わるエキスパートが参加。「自宅での撮影素材を活かした面白い表現ができているか」と「CG・VFX技術を駆使した作品であるかどうか」の2軸で評価した。厳正なる採点の結果、各部門で優秀賞そして惜しくも学生部門で優秀賞は逃したが優秀な結果を残した作品を一挙に紹介する。
コンテスト企画・運営_池田大樹/Hiroki Ikeda(CGWORLD)
※講評コメントは全て原文ママ
■主催者
- デル・テクノロジーズ 株式会社
https://www.delltechnologies.com/ja-jp/index.html
ハイエンドモバイルワークステーションがあれば、場所を選ばず、3DCG・映像のクリエイティブ作業が可能です。さあ、カメラとパワフルなPCを持って、家の中でロケハンに向かいましょう!キッチンや寝室、玄関や洗面所etc..あなたの日常に魔法をかけませんか?
作品応募条件・審査方法について
01:自宅での撮影素材を活かした面白い表現ができているか
02:CG・VFX技術を駆使した作品であるかどうか
作品審査はCG・映像のプロフェッショナル計6名によって行われる。審査員は4月一杯まで更新される可能性がある。審査員はプロ部門・学生部門それぞれでお気に入りの作品を選び、持ち点40の中から配点する。1作品につけられる最大点数は5点。合計得点の高い作品から表彰。参加対象及び部門は下記2つ
■プロフェッショナル部門
■学生部門
■審査規定
作品審査はCG・映像のプロフェッショナル計6名によって行われた。審査員はプロ部門・学生部門それぞれでお気に入りの作品を選び、持ち点40の中から配点する。1作品につけられる最大点数は5点。合計得点の高い作品から表彰する。使用可能な撮影素材は庭などの屋外を含むご自宅の敷地内で、ご自身で撮影されたものに限り、動画の尺は30秒以内で制作する必要がある。動画撮影用のカメラに制限はない。
レンダリング失敗して間に合いませんでした、、でもせっかく作ったので上げさせてください...
※CGWORLD注:締切直前に作品応募方法が変更となり応募手続きが煩雑になったことを鑑み、応募締切を1日延期させていただきました。
岩崎航輔さん(Industrial Light and Magic)
プロ部門・最優秀賞「Dell Precision 5000シリーズ」をプレゼント!
クリエイティブ企業に勤務する方、フリーランスの方。
高校生から専門学校生、大学、大学院生など教育機関在学中の方を対象。
通学中でなくても、クリエイティブ分野における就業経験のない方。
プロ部門・最優秀賞:『RE:mote work』 獲得点数:31点
『RE:mote work』
リモートワークで郊外に引っ越す人が増えたので、いっそのこと超遠くに引っ越してみた!という動画です。#Stayhomevfx #blender #映像制作 #VFX #StayHome #b3d #映像クリエイター pic.twitter.com/veFsIowYXz
●審査員コメント 抜粋
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
ステイホームでのリモートコミュケーションとそれが無限ループするコンセプトがとても面白かったです。モデルや質感、ライティング、カメラワークなどもうまく作られていて、毎回ループする度に新しい発見がありました。切れ目を感じさせない編集とコンポジティングは素晴らしいかったです。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
演出自体が、アップロード先の特性にマッチしていて、ループ演出されている事を前提に作られているのが、まず素晴らしいギミックだと思います。それを作り出すためのカメラワークも秀逸で、マッチムーブも違和感がなく世界観に引き込まれる様な、スピード感の計算も素晴らしいと思います。背景も手抜き感がなく、重厚な雰囲気が十分伝わってきます。
【白組/八木竜一(監督)】
ループしているのが良かったです!何回も見ていられる不思議な世界ですね!
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
映像がループしており、遠く壮大な世界でもつながっているという世界観がとてもかっこよかったです。ドーム内世界観や、荒野のような景色もつながりの遠さを引き立たせ良かったと思います。ドーム内の建物と人物のスケールがもう少しマッチすれば、迫力がもっと強調できたのでは感じました。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
表現クオリティがなかなか。最初のお部屋がもっと庶民的なお部屋からスタートすると
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
まず流石ILMのアーティストということもあり火星と思しき極限の環境のクオリティとスケールが桁違いである。そしてループ構造の展開はポストコロナで繰り返される日々を思わせるのだが
作中のリモートでのミーティングに悲壮感は無く、この変化した日々を前向きに生きる意欲を感じた。
プロ部門・2位:『つむりん いいもの こうかん だいさくせん』 獲得点数:30点
『つむりん いいもの こうかん だいさくせん』
— room 29-Q (@room29Q1) May 24, 2021
不思議ないきもの(つむりん)が、突然おうちにやってきたよ!
っというお話です。
見たことないおいしそうな食べ物見つけたから、交換してもらおうとしてるみたいです?
彼ら、賢いんです??#STAYHOMEVFX#b3d #つむりんhttps://t.co/3NUrBYm5KJ
room 29-Qさん
プロ部門・2位 プレゼント!
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Dell U2720Q 27インチ 4K HDR USB-Cモニター
提供元:デル・テクノロジーズ株式会社
VESA DisplayHDR™ 400にも対応し、4辺全てが極細ベゼルの27インチ 4K USB-C モニターです。 (4K/IPS非光沢/HDR/USB-C,HDMI,DP/回転/高さ調整/DCI-P3 95%)
●審査員コメント 抜粋
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
おもしろかわいい!STAY HOMEならではの妄想か、モニター上の世界とリアル世界がシームレスにつながる、という夢のあるイマジネーション。それに説得力を持たせるオリジナリティあるアイデアと高い表現技術。キャラクターも可愛くて心が動かされる。STAY HOME中のたくさんの人を幸せにする作品。
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
画面と外との境界を感じさせないコンポジティングは素晴らしいが思います。短い尺で、ちゃんとストーリーがあり、ピタゴラスイッチのようなつい見入ってしまうような仕掛けもとても面白かったです。最後にフルーツを頂いた代わりにダイヤの玉を落としていくのもオチとしてとても考えられた構成だなと感じました。
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
テレビ画面の中から出てくるという古典的な表現だが、凝ったギミックと合わさると非常に新鮮に見えてくる。room 29-Q氏のこのつむりんの作品はどれもピタゴラスイッチ的ギミック満載で子供が間違いなく好きなテイストがいい。最後に交換する物も明らかに果物より価値が高そうで、「え、そうなの?!」という価値の逆転、ギャップも面白い。これによりつむりんとその仲間たちのバックグラウンドが知りたくなってくるという、これもひとつのギミックなのであろう。
【白組/八木竜一(監督)】
可愛い作品ですね!人間がいる中でこっそり「交換」していたら、もっと良かったです。また動機が足りない様に思いました。
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
ボリュームがあり、現実とゲームのような世界観が繋がるところにとても面白さを感じました。トラッキングは少し甘いところもありますが、ピタゴラスイッチのようなギミックも楽しめ、キャラクターも愛らしく良かったとてもと思います。欲を言えば、実写のカメラにもう少し動きをつけ、他の角度からも世界が見えると、アトラクションのような楽しさがもっと引立つのではと思いました。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
楽しい演出だと思います。本人のコメントにもあるように、短い尺には少し窮屈さが感じられました。確かに一回で細部のディテールまで理解するのは難しいかもしれませんね。やはり、作り手は見る側に親切になる部分が重要だと思うので、そこがこの作品の非常に惜しいところだと思います。世界観は作り込まれていると思うので、ぜひまたこういった機会にチャレンジしてもらえればと思います。
プロ部門・3位:『Alight』 獲得点数:26点
コロナ禍で会えない家族や友人に思いを馳せ、
— Ryo Oami (@ryooami) May 24, 2021
黄昏時のベランダからの見慣れてしまった光景に、
VFXで一握の願いと希望を託しました。
御覧頂けると幸いです。
『Alight』https://t.co/9v4tzTEzkL#STAYHOMEVFX pic.twitter.com/haxmLiSPHT
大網 亮さん (Pixomondo)
プロ部門・特別賞 プレゼント!
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Dell モバイル アダプター スピーカーフォン - MH3021P
提供元:デル・テクノロジーズ株式会社
内蔵スピーカーフォンを搭載したデル初のUSB-Cアダプターです。All-in-One の接続機能と会議に最適なソリューションを提供します。
●審査員コメント 抜粋
【白組/八木竜一(監督)】
素晴らしい!心に染みてきます!人々の繋がりを感じさせてくれる作品です!!
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
STAY HOMEの寂しさや切なさを感じさせる一本。派手ではないし、光だけなのにじわっとくる魅力がある。
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
自分の古巣PIXOMONDO所属の大網氏の作品は高い水準の合成技術で、ドローンによって支えられる起こりうる未来をユーモラスかつエモーショナルに見せてくれる。今は全世界的にワクチン接種が進みつつあるが、この作品はそれが上手く行かなかった世界線の未来だと考えると少し怖くもある。
しかし最後に希望を持たせる展開で前向きな気持ちになれる。最後ビルの窓の光は何らかのメッセージが隠されているのだろうか?タイトルの「Alight」の文字が見えるような見えないような、意味ありげな終わり方もいい。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
まず、トータルの物量は圧倒的だと思いました。また、演出も素晴らしく、起承転結がきっちりと伝わってきます。プロフェッショナルな技が沢山詰め込まれており、感動しました。物語がPOVで進むそのカメラワーク臨場感があり非常に良いと思います。
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
双眼鏡を通してベランダから見える風景に一つ一つストーリーを織り込んでいく見せ方がとても面白かったです。ロボットが人の代わりに外で犬を散歩させたり、配達したりするコンポジティングは良くできていると思います。最後の灯りで交信するところは、先にSTAY HOMEのサインを見せてから、おやおやと灯りを振る少年に振って、そこからカメラを引いて、ビルから灯りが応答してくる流れだと一層ドラマチックになると思います。
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
ベランダからの景色に、近未来が合わさり、いつも景色が少し変わることで、なぜか少し前向きに感じられる、暖かい不思議な作品だと感じました。
プロ部門・4位:『STAY HOME』 獲得点数:21点
『STAY HOME』
— 毛織 (@VJ_keori) May 24, 2021
主にUE4とblenderで練習がてら作ってみました。
「今は家にいることが各々の戦い」的な趣旨で、巨人との戦いで有名な像をモチーフに。#STAYHOMEVFX pic.twitter.com/h6GY2TWSFi
高橋勇佑さん (FLUX)
●審査員コメント 抜粋
【白組/八木竜一(監督)】
完成度の高い作品ですね!ダビデ像がもっと壊れている所から観たかったです。
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
映像は良くできており、カメラもキャッチーな動きだったと思います。ライティングも良く、像と蛍光灯の対比がいいと思いました。趣旨である、"各々の戦い"がも少し強調できるとより素晴らしい作品になるのではと思いました。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
短くてインパクトは大きい。なかなか興味を引く映像だが、あ!だからSTAY HOMEね!と言う納得が欲しかった。
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
常にハイエンド、ハイクオリティな作品を多く手掛けるFluxのCGディレクターである高橋氏であるが、そもそも多忙であるはずにも関わらずこれだけのクオリティのものを上げてくる所に元オムニバスジャパンの系譜の圧倒的な手の速さが垣間見れる。作品のコンセプトも他の作品と異なり直接的な表現ではないところもCM畑で培ったセンスの賜物なのだろうと想像できる。
巨人ゴリアテに対峙するダビデ像が形成されていく過程は、さしずめコロナパンデミックに対する人類の反撃の狼煙といったところであろうか。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
コロナと人の戦いのメタファーとして、ダビデと巨人の戦いを持ってきている演出が、個人的にはぐっと来ました。おしゃれな演出だと感じましたが、それを納得させてくれるのは、リッチな質感だと思います。ライティングも非常にかっこよく決まっていて、非常に好みでした。blenderとUE4を使用している所が、ライセンス的視点から更にステイホーム感を強めています。
惜しむらくは、もう少し尺が欲しいと感じました。起点のカットがもっと焦らして欲しく、インサートももう1カットくらい欲しいと感じました。十分素晴らしいので、これは贅沢かもしれませんが。
プロ部門・5位:『マスク着用スタンプ』 獲得点数:7点
『マスク着用スタンプ』
— KitajimaK (@FanMade_jp) May 24, 2021
コロナ下でマスク着用を軽視した私に、
チャットと現実でマスク着用を促す顔文字スタンプが送られてくる動画です。#STAYHOMEVFX #stayhomevfx pic.twitter.com/K3IccM5vLM
北嶋一樹さん
●審査員コメント 抜粋
【白組/八木竜一(監督)】
タイミングが良かったです!主観ではなく客観的なレイアウトで作られていたら、もっと面白くなりそうだと思いました。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
シンプルでまあ、ちょっとおバカな企画だけど表現技術によって見終わって不満が残らない説得力が生まれている。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
シンプルですが、どこか啓発的な演出が面白いと思います。皮肉のこもった作品だと思いますが、落ちがその皮肉を帳消しにしてくれていると感じました。惜しむらくは、中盤のスタンプが激しく流れる部分をもっと強調して(今は途中で止まってしまっている様に見えるため)、落ちてきた際に、手が画面を横切るなどして、驚きの演出が入ると更に良かったと感じました。
学生部門・最優秀賞:『新・整理整頓術「ルメナージュ」』 獲得点数:17点
1位いただきました!!ありがとうございます!!
— Daisuke Fujikawa (@cobalt_kura) June 25, 2021
『新・整理整頓術「ルメナージュ」』
新しい整理整頓術をご紹介します。
その名も「ルメナージュ」。こう唱えるだけで、一瞬で片付けが出来てしまうのです...!
ステイホームの今、これで家中ササっと整理整頓してみては?#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/FR3VfEpAvI
藤川大輔さん(大阪工業大学)
学生部門・最優秀賞 プレゼント!
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Precision 3561 ワークステーション
提供元:デル・テクノロジーズ株式会社
手の届くインテリジェンス
より薄型のデザインでパフォーマンスと生産性の向上を体験できます。Dell Optimizer for Precision、第11世代インテルプロセッサーを搭載。さらに、グラフィックスはプロフェッショナル向けのNVIDIA®グラフィックスを搭載しているモデルまでお選びいただけます。
●審査員コメント 抜粋
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
まずアイデアが面白かったです。とても身近なことで本当にそうだったらいいなと思わせる設定が好きです。ナレーションや編集もそうですが、整理整頓されていく、小気味よいアニメーションは見ているこちらも爽快でした。たくさんのオブジェクトを交差避けて順序良く動かすのは簡単ではなかったと思います。よくまとまった作品です。
【白組/八木竜一(監督)】
驚きました!思わず「ルメナージュ」を検索してしまいました(笑)フランス語なのですね。
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
是非、覚えたい魔法ですね。CGもよく作られており、途中でノートが傾いたり生活の空気感も存在しよかったと思います。欲を言えば、魔法が凄いので、冒頭の説明を曖昧にすることで、魔法の驚きをもっと際立たせられたのかなと思いました。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
単純にびっくりした!
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
ハリーポッターを彷彿とさせる展開が面白く、かつレンダリング品質やアニメーションの密度も高い。物が移動した後の微妙な傾きなどのセカンダリー的動きも細かくこだわりが感じられる。
またメイキングも丁寧に作っておりblenderのポテンシャルを存分に引き出しているところも好感が持てる。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
まず、ストーリーの起承転結が非常に簡潔にまとめられており、尺の制限の中、伝えたいことがきちんと伝わる様に構成されている事が素晴らしいと思います。VFXの技術力もプロ級で、必要なところに必要な要素をきっちりと丁寧に作り込まれているのを感じます。質感も十分素晴らしいと思いますが、手前の面積が大きいプロップ類など、目立つ部分の細部に気をつけると、なお説得力が出るのではないでしょうか。
学生部門・2位:『How to Solve a Rubik's Cube in Maya』 獲得点数:13点
『How to Solve a Rubik's Cube in Maya』
— Kei Kanamori (@kei_kanamori) May 24, 2021
Mayaにルービックキューブを投げ入れて、Hypershadeを使って色を揃える動画を作りました。自由に色を変えたりできるCGの楽しさが伝わるような動画になったとかなと思います。#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/MdkokHWxrv
※CGWORLD注:学生部門は2位・3位が同点となりました。今回は得点をいれた審査員の数で順位をつけることにいたしました。
金森 慧さん(デジタルハリウッド大学)
学生部門・2位 プレゼント!
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Dell U2720Q 27インチ 4K HDR USB-Cモニター
提供元:デル・テクノロジーズ株式会社
VESA DisplayHDR™ 400にも対応し、4辺全てが極細ベゼルの27インチ 4K USB-C モニターです。 (4K/IPS非光沢/HDR/USB-C,HDMI,DP/回転/高さ調整/DCI-P3 95%)
●審査員コメント 抜粋
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
思わず、そうかその手があったかと思ってしまいました!CGを作る人ならではの発想ですね。本物とCGの境が分からない程完成度の高いVFXだと思います。特にコンポジティングとタイミングの合わし方が素晴らしいです。どこからどこまでが本物なのか気づかせないクォリティーの高いVFXです。
【白組/八木竜一(監督)】
良く出来ていますね!一般の人にも分かる様なアイディアがあったらもっと良かったです。
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
モニターと現実の関係が非常にうまく表現できている。モニター内の世界と現実世界との交錯を描いた作品は多かったけど、ここまで表現できていれば説得力を持つ。キューブの色を塗って揃える、という夢みたいな発想が現実化するところも魅力。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
単純にびっくりした!
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
CG屋だったら誰でもにやけてしまうアイデアがいい。最後に戻すときにもUIの"export to real world"のメニューが用意されているのは芸が細かい。アイデア勝負の作品の中で頭一つ二つ抜けた作品になっている。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
まず、シンプルな構成を成立させる、CGのクオリティに驚きました。非常によく合成されており、プロ顔負けの技術力だと思います。アプローチは恐らく非常簡単なもので、うまく実写のプレートをOLでつないでいるのだと思いますが、そのつなげ方にも違和感が少なく、コストをかけずにリアリティを出せる手法を使いこなしていると感心しました。CGの質感も、実際のルービックキューブに非常に近い状態まで近づけられており、作者の丁寧さを感じます。中盤で徐々に早回しにして、視聴者飽きさせない様な対策をするなども、作品構成への姿勢が見受けられます。ただ惜しいなと感じたのは、それでもやはり中盤は冗長な雰囲気があるので、そこでも何かアイディアがあると、より引き込まれたと思います。現状でもMayaのUIをうまく使った構成になっているので、十分練られていると思うのですが、例えば、手のジェスチャで操作されているとかの演出があるだけで、飽きが来ないと思います。30秒という短い尺だとしても、視聴者は一瞬で中だるみを見抜いてしまうものなので、そういった構成部分への追求もしていって欲しいと思います。
学生部門・3位:『trashuman』 獲得点数:13点
『trashuman』
— barな子 (@barnako875) May 22, 2021
一度シワを付けたら伸ばせない。
過去に憧れる、人の気持ちを紙クズで表現してみました。#STAYHOMEVFX pic.twitter.com/A6sOLtsYlj
福田綾太郎さん(多摩美術大学)
学生部門・特別賞 プレゼント!
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Dell USB-C モバイル アダプター - DA310
提供元:デル・テクノロジーズ株式会社
使用できるポートの種類が非常に幅広い、コンパクトな7-in-1のDell USB-C モバイル アダプター - DA310。ビデオ、ネットワーク、データ接続、および最大90Wの電源パススルーをノートパソコンに提供します。
●審査員コメント 抜粋
【白組/八木竜一(監督)】
ばらける動きが気持ちいいです!ペーパーマンの気持ちがもう少し的確に表現できていたらもっと良かったです。
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
何気ないリビングからの、突然の紙人形にとても驚きました。ストーリーもしっかりあり、紙の動きや重さ、視点の誘導等とても良かったと思います。日常からの奇妙な世界観への展開がとても面白いと感じました。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
画面が実に映画的雰囲気に満ちている。合成された紙人形のライティング、トーンの合わせ方もプロレベル。多分デッサンや着彩など絵の基本ができている人なのではないか。なんて事ないお話で、何にもないんだけど、映像の魅力で何度でも見れてしまう。質の高い映像はそれだけで人の心を動かすんだなあ、と実感しました。大好きな作品です。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
VFXが非常に良く出来ていて、後半での展開にも驚きました。ストーリーのバックグラウンド設定も面白いと思います。実写プレートのグレーディングも不穏な雰囲気が良く出来ていています。キャラクターの造形や崩壊のエフェクトもよく出来ていて、CGの技術力も非常に高いものを持っていると感じました。カメラの構図も客観的な印象をうまく表現出来ていて、感情移入しやすい作品に作り上げられていると思います。
学生部門・4位:『Snake ToothBrush』 獲得点数:10点
『Snake ToothBrush』
— kakuto (@shimikaku_s) May 23, 2021
口の中に突っ込まれ隅々まで擦り付けられる歯ブラシの気持ちを考えたことはありますか?
嫌気がさしたそんな歯ブラシを作ってみました。#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/krGTv2PAfW
清水穫斗さん(日本工学院八王子専門学校)
●審査員コメント 抜粋
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
すごくシンプルな作品ですが、パフォーマンスとの動きとCGをマッチさせながら、鏡の反映もちゃんとマッチさせているのは見事です。ライティングとコンポジティングも実写と上手く調和できていると思います。私としては、口を開けているだけで積極的に歯を磨いてくれる歯ブラシが欲しいです!
【白組/八木竜一(監督)】
面白かったです!最後は思いっきり振り切ったドタバタになると、もっと良かったと思います。
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
全体的に動きもあって、とても面白い作品でした。鏡の移りこみを
メインに持ってきたところも、洗面所の雰囲気を膨らませ良かったと
思います。実写との絡みも、違和感なく作られており、楽しく見せて
いただきました。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
シンプルなネタだけど演技と技術がうまく噛み合ってちゃんとエンターテインメントできている。役者の表情もいいし結末の演技に今の子たちのリアリティを感じる。
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
古典的な展開ではありつつも作りが丁寧で良質なコントを見ている気持ちになる。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
根底にある理由が凄まじくシンプルでバカバカしい位ですが、それをうまくVFXを通して表現しており、納得の仕上がりになっています。本コンテストの趣旨に非常にピッタリだと感じます。また、鏡を通してVFXを表現するというギミックで構成されている事も評価ポイントです。歯ブラシもよく表現出来ています。ただ、最後のがっくり来ているのが少し唐突なので、もう少し頑張って、歯ブラシに攻撃されるなどの展開があったりすると、かなり引き締まった作品なっていたと思います。
学生部門・5位:『Thirsty(サースティ)』 獲得点数:8点
『Thirsty(サースティ)』
— TaDa (@Tada_20av0126) May 24, 2021
渇いた日常にちょっとした驚きがあったら楽しそうだなと思い制作しました。私自身はUFOキャッチャーが苦手です...。
iPhoneで撮影した素材での合成が初めてだったので、CGを馴染ませることを頑張りました。#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/eZqIUgOeFl
多田美月さん(日本電子専門学校)
●審査員コメント 抜粋
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
意外性がピカイチでした。最後のお母さんからのメモがストーリーとしても良かったです。ドアの開け閉めで中身を変えるクラシックなテクニックも自主制作らしくて好感が持てました。中盤でカフェオレに床とズレが若干ありましたが、冷蔵庫のメインルームから下の引き出しへのカメラのトラッキングもよくできていました。私の家にもこんな冷蔵庫が欲しいです。
【白組/八木竜一(監督)】
最後のお母さんメモ良かったです!シンプルにUFOキャッチャーだけで作っていたら、もっと良かったと思います。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
最後のお母さんの一言が泣ける。かわいい想像力
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
意外な結末にほっこりとさせられる。根詰めないでリラックスしてねという母のやさしさとユーモアがいい。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
演出が素晴らしく、展開は文句なしです。オチも完璧で、序盤の演出に対して優しすぎて、逆に読めない展開だと思います。VFXに焦点を絞ってしまうと、少し残念な部分は確かにあります。マッチムーブが取り切れていないなどのエラーはありますが、演出がそれを帳消しにしていると感じました。ステイホームからのスマホ撮影という事であえてと理解しましたが、願わくば、カメラを16:9で撮って欲しいと思ったのは、私が時代について行けていないだけでしょうか。
学生部門・6位:『STAY BEHIND THE RED LINE』 獲得点数:7点
『STAY BEHIND THE RED LINE』
— Harada (@harada71745903) May 24, 2021
ステイホーム期間の中で多くの学生が自宅学習を強いられた環境で、様々な思いに寄り添い、アイデアで元気付けられたらと思い制作しました。#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/Fcj2NXNhRt
原田海生さん(日本電子専門学校)
●審査員コメント 抜粋
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
アイデアが学生ならではもので、その着眼点がとても斬新だと思いました。消える色は赤だけに絞ったほうが、見ている人には分かりやすかったかもしれません。果物の種やヘタ落ちるアニメーションも面白かったです。消える時の効果音や音楽の入れ方、編集のテンポも良かったです。ラストも早く終わってほしいという思いが伝わってきました。
【白組/八木竜一(監督)】
楽しかったです!最後の文字はもっと太く書いていたらもっと良かったと思います。
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
赤いフィルターでいろいろ消していく、学生ならではの発想がとても
良かったと思います。アイデアはとても良かったと思いますが、ラスト
のCOVID-19が見えにくかったところが勿体無いと思いました。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
ふとしたイマジネーションを映像のマジックで実現している。困ったことが起きてしまった?からの発想の転換で今みんなが求めていることを実現する魔法に。最後の文字、もう少しちゃんと見えればさらに感動。
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
受験の時に使う赤い下敷きで赤文字を消すところから赤いもの全てを消す着想は面白く、最後のCovid-19の文字を消す所に早く元の日常が戻ってきて欲しいという願望を強くかつユーモラスに
感じることが出来た。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
なんてことの無い演出ではありますが、構成としてシンプルに完成されているなど思います。展開も非常によく、短い尺の中に十分な情報量が詰まっていて、見ている人は実際の尺よりも、良い意味で長く感じるかもしれません。赤で回答を消しながら確認する手法(それすらも思い出せませんが、、)が、私にとってはノスタルジックにすら感じましたが、作者にとっては、未だ身近に感じられるくらいの世代差があるのだと言うことも相まって、それぞれの思いがあるのだなぁと、しみじみ考えさせられる作品だと思いました。非常に素晴らしかったです。
学生部門・6位:『ステイホームの最高の過ごし方』 獲得点数:7点
『ステイホームの最高の過ごし方』
— 新国語辞典 (@shinkokuCG) May 24, 2021
ステイホームと聞くとどこか悲しいイメージを持つ方が多いと思います。しかし決してそんなことありません。自分なりにはじけてみてください!きっと素晴らしいものが待っています。#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/A3HKWKr9s1
上田奏頼さん(大阪府立交野高等学校)
●審査員コメント 抜粋
【白組/八木竜一(監督)】
勢いがある作品ですね!服がなびいていたり、カメラワークに工夫があるともっと面白くなったと思います。
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
コロナを吹き飛ばすような爽快感がとても良かったです。
服の動きなども効果的に使われ、風を感じられる爽快な作品だと
思います。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
オチがなかったらもう一つだけど、オチによって前半の頑張りがすごく生きてきた。アイデアは作品を救うんだ、と思いました。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
まずストーリーが突拍子もなくて、それでいて見ていられる不思議な作品だと感心しました。VFXもそれなりに上手く出来ていて、全体として成立していると思います。オチのカットもかなり手の混んだものとなっているのに驚きました。ただ、ストーリーの激しさの割にカメラワークがおとなしい雰囲気がしてしまうので、もっと派手なカメラワークがあっても面白いかもしれないですね。
学生部門・8位:『1人ぼっちぇす~最速のチェックメイト~』 獲得点数:5点
『1人ぼっちぇす~最速のチェックメイト~』
— AKINORI ONO (@noppo_Onocchi) May 23, 2021
未来のチェス盤ってこんな感じかな。そんなチェスを使って贅沢にも最速でチェックメイトを決めるとういう愚行。#STAYHOMEVFX pic.twitter.com/ecs3wQyyjA
小野晃義さん(東放学園映画専門学校)
●審査員コメント 抜粋
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
天井でバーチャルチェスをする発想が面白いです。これならベットで寝ながらも楽しめますね。映像としては見せ方がとてもカッコイイなと思いました。手から離れた駒がバーチャルチェスになり、ゲームが終わるとまた手に戻ってくるシームレスな一連の流れが素晴らしいです。バーチャル映像のノイズなどのディテールもリアルでした。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
表現のレベルはとても高く良くできている
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
本人が狙ったかどうかは分からないがこの作品のループ構造がボッチの哀愁を際立たせているのは面白いと思う。「延々と続く変わらない日々に突破口を求めてばかなことをしてみる。」
こういう行為に対して共感を持つ人は少なくないのではないだろうか。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
画面の構図も斬新で、展開もよく構成されていると思います。展開のエフェクトや、照り返しの表現など、VFX自体も非常に良く出来ており、違和感なく楽しめます。細かい所で言えば、駒の差別化はもっと感じたかったかもしれないですね。動きが高速なのが作品のテーマにあるので、視認性を高める事も、この作品においては重要だと感じます。また、ホログラム表現をもっと新しく開拓して欲しいと感じました。どうしてもホログラムというと、この様な色味になりがちなので、是非新たなチャレンジに期待したいです。
学生部門・9位:『ジュース』 獲得点数:4点
『ジュース』
— M.I (@Buls_1919) May 24, 2021
いちいち飲み物を買いに出かけるのって面倒ですよね?もしも画面の物が取り出せたらな?と思い、作ってみました。#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/Jyol3f5Aua
石塚仁継さん(日本電子専門学校)
●審査員コメント 抜粋
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
うまい。テンポ。リズム。表現力。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
この作品に関しては、非常に悩ましかったのが正直な所です。VFXという意味では少々CG要素の少なさがあるので、評価基準から影響がありましたが、それを加味したとしても、作品の構成が素晴らしく、カメラワークもセオリーに則った秀逸なものだったので、評価しました。キーボードを叩くクローズと、POVのつなぎなども、非常に上手いテンポだと感じました。最後の落ちに関しては、わかりやすくシンプルではありますが、実写の繋がりも違和感が少なく仕上がっていると思います。VFXがテーマではありますが、こういった構成力の素晴らしさは、次世代のVFXを担う方に必要不可欠だと感じました。どれだけCGが素晴らしくても、ストーリーや構図などがチープでは活きて来ないのは事実です。こういったシンプルなVFXでも、十分見せられるという事を伝えてくれる作品だと思います。
学生部門・9位:『Visualization』 獲得点数:4点
『Visualization』
— しょーご (@s_shogo728) May 24, 2021
世の中では様々なものが日々進化し、どんどん便利になってきています。もしかしたらこの先、携帯やPCなどの端末がなくても様々な情報が"可視化"され、さらに手軽に扱うことができるかも...?
夜の中が進化していくのを想像するとわくわくしますね!#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/kXaDQ2fEFE
佐藤省吾さん(東京工芸大学)
●審査員コメント 抜粋
【白組/八木竜一(監督)】
こんな事が出来る世の中になりそうですね!もう一捻り欲しかったです。
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
朝の雰囲気がでており、テンポも良い作品だと思いました。カメラも
動きがあり、ホログラムもマッチしていたと思います。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
UIのデザインが少々チープさを感じてしまうのが、まず目についてしまいますね。トラッキング等、合成はよく頑張っていると思いますが、もっと馴染んでいるとより良いと思います。ARの透過性や発光感などが表現されていると、ぐっとクオリティが上がると思います。
学生部門・努力賞:『手紙』
『手紙』
— HouKan22 (@HouKan22) May 24, 2021
誰から送ってもらったの手紙であった。
コロナに負けたくないの気持ちを共感している。
実写合成が苦手だけど一生懸命に頑張りました! #STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/QNDgckmAid
鮑涵さん(日本電子専門学校)
●審査員コメント 抜粋
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
清楚な雰囲気がとても良かったと思います。トラッキングも
、ライティングもマッチしており綺麗にまとまっていたと思います。
欲をいえば、植物の成長過程の尺を2カットに伸ばすことで、
"コロナにまけるな"というメッセージを
もっと際立たせられたのではと思いました。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
シンプルで短いけどちゃんと伝わる技術を感じる
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
ライティングの馴染みもよく違和感なく見れた。手紙から現れる本物の植物は自粛疲れしている人への優しさを具現化していて見ていて温かい気持ちになる。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
マッチムーブも色味も頑張っていると思います。実写とうまく馴染んでいて、そこまでの違和感は感じません。ただ、カット構成には少し疑問もあって、同等のサイズと構図でカットを分ける位なら、敢えて一連だったほうが良かったと思います。花が咲く雰囲気も非常にいいと思いますが、もっと手紙を囲むように、周りにも発生してくれると、ストーリー的には豪華かなと感じました。技術力は十分に高いものを持っていると感じますので、是非構図や構成などの組み立てにも取り組んでみてください。
学生部門・努力賞:『FOOD PRINTER』
『FOOD PRINTER』
— あかつか (@a_m_0201) May 24, 2021
ステイホーム期間中にお腹が空いた主人公。しかしレストランはどこもコロナ休業。
家に食材もない。困り果てた主人公はふと隣のプリンターを見てあることを思いつく。
「そうだ!自分で描いた絵をプリントして料理を創り出そう!」#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/sInmggLYb1
赤塚麻結さん(日本電子専門学校)
●審査員コメント 抜粋
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
本当にあればいいなと思わせる夢のある作品だと思います。書いたものがそのまま浮き出てくるというファンタジーではなく、プリンターを使って料理を作り出す近未来的なコンセプトがとても良かったです。出てきた料理も美味しそうにシェーディングされており、湯気のエフェクトも食欲をそそられました。シンプルですが、映像のテンポもよく、料理出るまでの少しのタメから勢いよく飛び出してくるのも面白いです。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
フードの表現最高。最初の絵、書くプロセスあれば最高だった
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
普通にプリンターを3Dプリンターのように見せるのはありそうで無かったかもしれない。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
非常に惜しいと感じた作品です。構成もシンプルに纏まっており、簡潔で素晴らしいと思います。それであるが故、マッチムーブの若干のブレと、ハンバーグに使用しているシェーダーのSpaceが、オブジェクトのSpaceになっておらず、FrequencyにOffsetがかかってしまっているのが、非常に目に留まる状況に陥りました。それが回避できていれば、かなり評価も違ってきていたと感じます。細かい技術的な部分ではありますが、更に細部まで配慮できると、作品のクオリティはグッと向上します。
学生部門・努力賞:『Sack's NG』
『Sack's NG』
— momo (@otk_snyu) May 22, 2021
自主制作で作ったVFX作品のおまけNGカットとして作成しました。
画面からドル袋が飛び出してきて、泥棒が追いかけてくるシーンです。
トイ・ストーリーのエンディングの雰囲気をイメージしています。#STAYHOMEVFX pic.twitter.com/j5HGRGivpc
西村ももさん(デジタルハリウッド大阪)
●審査員コメント 抜粋
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
NGカットを見るのは大好きです。NGは映像づくりの醍醐味の一つですしね!アニメーションがとても可愛いらしいです。金貨袋や強盗の影や反射がちゃんとデスクに映っているのでフラットなシェーディングでも違和感なく見れました。ディスプレイから飛び出してくる際もディスプレイの表面に波紋が立たせている作りこみが良いです。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
昔ながらのスラップスティックアニメーションの感じがよく出ている。最後の女の子たちの笑い声に和む。この声によって作品全体が暖かくなっている。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
敢えてNGカットをストーリーにしてしまうというアプローチは面白くて良いと思います。ただ、NGだと言うことをタイトルなどで伝えないと伝わりきれないというのがもったいないですね。例えば、始まる前にカチンコなどをカメラ前に入れて、フォーカスを2Dエフェクト的に施したりする事で、編集前の雰囲気を出すことも出来ると思います。キャラクターのアニメーションも頑張っていると思いますので、どうせなら手の混んだ冗談を入れてあげると、ぐっと雰囲気がよくなると思いますよ。
学生部門・努力賞:『Smart Phone』
『Smart Phone』
— チャプ (@Chapu210420) May 24, 2021
こういうスマートフォンが欲しくて、作ってみました。
見やすいために、ライトを消して、撮影しました。#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/mwiWQJUBKK
リンイシュウさん(日本電子専門学校)
●審査員コメント 抜粋
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
シンプルだが、非常によく出来ていると思います。実写のライティングの効果もよく出ており、CG素材を引き立てていると思います。ただ非常に惜しいのは、画面のディテールがよく出来ている割に全体の動きがあまり無く、冗長的であることです。「画面の展開→現在の演出→簡単なスワイプ→画面収束」といったような、起承転結が演出出来ていれば完璧だったと思います。きれいに合成出来ているだけに、もったいなく感じてしまいました。
学生部門・努力賞:『30秒"自己流"Cooking』
『30秒"自己流"Cooking』
— おぐら (@ogu_0110) May 24, 2021
料理の楽しさや、素晴らしさを伝えられるように頑張りました。
みなさんも、こんな時期だからこそ料理をしてみてはいかがでしょうか?#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/ouqxsdW3I8
小椋夢人さん(日本電子専門学校)
●審査員コメント 抜粋
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
エフェクトを豊富に取り入れたかなり力の入った作品だと思います。まず、エフェクトの見せ方が良かったです。全体を見せずに一部を見せることで効果的に使えていました。火花なども簡単そうに見えて、適量、サイズ、周りとの調和などが難しいエフェクトですが、とても上手く作られていました。テンポの良い編集も素晴らしかったです。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
人参の固さが最高
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
料理は大変でもあり楽しくもありというところの表現は面白い。鍋のところは上が詰まりすぎているので余裕を持たせたレイアウトをとれば最後の爆発も生きてきた。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
展開が早く、見ごたえのある演出になっていると思います。コメディタッチですが、ハードなVFXを使用していて、それがまた演出に対して効果的です。合成の粗さはありますが、それを感じさせないテンポの良さですね。オチが爆発ですが、もう少し間を詰めて、最後に料理の完成品を見たいと感じました。それは、ボロボロでもオチますし、すごく美味しそうでもオチると思いますが、それは序盤のテンポからくる下準備の良さだと思います。
学生部門・努力賞:『Stay Home Fishing』
『Stay Home Fishing』
— Satoru Kasahara (@3106Harugo) May 24, 2021
アウトドアをする機会が減って悲しいので、家の中で釣りをする作品を制作しました。#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/2qi178LVhx
笠原悟春さん(日本電子専門学校 CG映像制作科)
●審査員コメント 抜粋
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
私も釣り好きで、同じような妄想をしたことがあるので個人的にとても共感が持てました。魚を釣り上げた時の合成もとてもよく出来ていました。釣られた魚もとても生き生きしていてリアルでした。水しぶきのエフェクトを少し加えれば、もっと臨場感が出ると思います。
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
ネタとしては面白いのでもっと水面の反射や水しぶきなどのVFXの精度が上がるとより没入感があって面白いと思った。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
アイディアがバカバカしいくらいにシンプルですが、確かに子供にとって隠し扉は異次元だった事を忘れていました。作者にはその気持を持ち続けて表現者になっていって欲しいと思います。演出がシンプルなだけに、展開にもう少し盛り上がりが欲しいと感じました。アタリが来てから釣り上げるまでにもう少し格闘する尺を取り、釣れている臨場感を見ている側に与えて欲しいです。欲を言えば、竿先も合成でしならせるなどがあれば、バカバカしい演出にリッチなVFXで盛り上がる事間違い無いです。
学生部門・努力賞:『ことば。』
読書月間のCM作りました。本は人間のコピーなので、引きこもりすぎて嫌になったとき、本棚から出せば一人じゃなくなります。情景を言葉として可視化させました!!
— ハナコ (@875_udon) May 24, 2021
『ことば。』#STAYHOMEVFX#学生部門 pic.twitter.com/3dhtVh4lAT
岩瀬葉那さん(日本電子専門学校)
●審査員コメント 抜粋
【DNEG/竹本宏樹(Senior Environment Generalist TD)】
雰囲気があり、CMのような作品だと思いました。音楽も映像の雰囲気にあってたと思いますが、文字数の工夫などをすると作品の意図がもっと伝わるのではと思いました。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
センス感じる。じわる。
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
言葉が本から抜け出し情景と交じり合うことで人間は孤独から解放されるというコンセプトは詩的で素晴らしい。ただレイアウトによるものか、本の中の文章と実写の文字の対応が初見で分かりづらいのが勿体ない。
そこが改善されればより強いメッセージ性となって視聴者に刺さると感じた。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
CMをイメージした作品との事ですが、カットの構成などもよく練られていて、素晴らしいと思います。演出の構成に関して言えば、少し文言を詰め込み過ぎかもしれませんね。作者にとっては、言いたいことは沢山あります。ただ、伝わる事は意外と僅かです。情報量の多さは、その僅かな理解をも消し去ってしまうものです。文字を読ませる為には、文字量に対しての秒数はある程度セオリーがあります。それを意識した構成する事で、より伝わるいい作品になると思います。演出で難しいのは削ぎ落とす作業です。演出家の意図をじゃぶじゃぶと詰め込んでしまうのは、ディレクターズカット版ですね。VFXに関しては、少々マッチムーブの粗が目立つのと、質感を合わせきれていない箇所が多く見受けられました。静かに見せる演出なので、VFXの整合性に目が行ってしまうのは損です。そうならないよう、是非技術力を高めて、素晴らしい作品を作ってください。
学生部門・努力賞:『BeCreative』
『BeCreative』#STAYHOMEVFX #学生部門 pic.twitter.com/NJcjJSPvUd
— Purevdorj Khishigdorj (@PKhishigdorj) May 24, 2021
Purevdorj Khishigdorjさん(日本電子専門学校)
●審査員コメント 抜粋
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
最初のアナログチックな表現からりんごまで。なかなか。
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
最初はStayHomeとの関連性はなんだろうと思わされたが、そもそもStayHomeしているからこそ自分の好きなものを自由に作りストレスから解放されるべきなのだ。そう考えると
作者が楽しんでこれを作っている様子が想像できて見ている側も楽しくなれる。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
ストップモーションの撮影も非常に頑張っていると思います。大変な撮影だったと思いますが、根気よく仕上げていると感じました。ただ、後半のVFXパートに乗り代わるワイプが激しく、位置関係を一瞬見失ってしまうのが、非常にもったいないですね。また、せっかくであれば、浮き出す紙を実際のストップモーションからの繋がりで頑張れたら最高です。今だと質感が違って見えてしまって、先程言及したカットのつながりから言っても、まるで別物に見えてしまいます。また、どうせなら、ストップモーションの時点で、りんごを彷彿とさせる円形な形状を伏線で見せれていたりすると、なお良いと思います。構成はやりたいことをやれる分だけやるのではなくて、やりたいことをうまく見せる為に、どうアプローチすべきか検討するのが最善だと思います。
学生部門・努力賞:『DIYライトセーバー』
『DIYライトセーバー』
— Conor Sheehy (@SheehyConor) May 24, 2021
遠隔授業の空き時間にブレンダーとadobe after effectsを使って自家製ライトセイバーを制作しました!!#STAYHOMEVFX pic.twitter.com/QPf3HQUsbf
シーヒーコーナさん(横浜美術大学)
●審査員コメント 抜粋
【白組/八木竜一(監督)】
かっこいいだけではなく、何か失敗して落ちがついていたらもっと良かったです。
【StealthWorks./米岡馨(代表取締役・FXスーパーバイザー)】
(恐らく)オビワン・ケノービの型を取る辺り筋金入りのスターウオーズファンだと見受けられる。本人のノリノリの雰囲気が伝わってくるのも好印象である。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
頑張ってトラッキングしていますが、もう少し根本や剣先に丁寧さが欲しかったですね。発光感はよく出来ていると思いますが、もう少し広い発光のハレーションが入っているとより馴染んできそうです。また、モーションブラーや、ライトセイバーの微妙な明滅などもあると、なおリアリティがまして良いと思いますよ。ステイホームVFXの名にふさわしい作品だと思います。
学生部門・努力賞:『ここから出して!』
『ここから出して!』
— Fujimochi (@Fujimochi6) May 24, 2021
MayaとNukeを使って作成しました!
コップを糸を使って動かしてみました。#STAYHOMEVFX#学生部門 pic.twitter.com/7tnd9AS36S
藤本七海さん(デジタルハリウッド東京本校)
●審査員コメント 抜粋
【Pixar Animation Studios/成田裕明(Lead Technical Director, Effects)】
実写に上手くキャラクターを溶け込ませているのが印象的でした。キャラクターの動きや表情も可愛いらしいです。特にカップに閉じ込められているキャラクターと実写のカップの動きがマッチしてるのは良かったです。ちゃんとカップの中に入っているように見えました。コンポジティングでテーブルの反射や影、仕掛けのロトなど細かい作りこみが素晴らしいです。カップの中のキャラクターのリフレクションも少し見えるとより完成度を増すと思います。
【東北新社/中島信也(CMディレクター)】
すごくかわいいけど、音が欲しい!!
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(取締役副社長)】
合成も非常に頑張っていて、なおキャラクターのアニメーションも可愛らしく表現されていると思います。少し全体的におとなしい雰囲気があるので、傍観のキャラクターがもう少し動き回ったりすると、構図全体に動きがでてよかったかもしれません。また、テーブルへの映り込みもきちんと作られていますが、コップ内のキャラクターの'リフレクションが表現しきれていないのが逆に気になっていまいました。それを差し置いても、コップの中に入れ込む合成は非常に難しいと思いますので、技術的に非常に優れた作品だと思います。
審査員総評
今回の作品審査に参加していただいた審査員のみなさんの総評を紹介しよう。
-
秋元純一氏
トランジスタ・スタジオ(取締役副社長)
2006年に株式会社トランジスタ・スタジオ入社。専門学校時代よりHoudiniを使用し続けて、現在ではCGWORLD.jpにて「Houdini Cook Book」を連載中
http://www.transistorstudio.co.jp/
【総評】
プロ・アマ問わず、どちらも非常に楽しませてくれる作品が多くありました。やはりプロの作品は削ぎ落とされた演出で、リッチな質感で見せてくれるものが多くあり、納得の仕上がりになっていると思いました。ギミックが凝っているものから技術力が圧倒的なものまで、納得の作品ばかりでした。当然業務の合間で対応する事もあり、応募総数こそ少なかったものの、作品は凝縮されており、非常に見ごたえを感じました。学生作品も、プロ顔負けの作品も多数あり、正直、年々レベルが上がっていると感じています。レベルが上がっているという表現よりも、もしかすると、技術が学生レベルでも扱えるように、簡単になっているのかもしれません。
ただこれは警鐘ですが、使用できる技術が、自分に見合っているかどうかはまた別物です。きっちりと基本的セオリーを身に着けている事がいかに大事な事か、今回の作品作りを通して感じて貰えればと思います。どんなに技術力があっても表現力が劣っていれば役には立ちません。逆もまた然りで、全てはバランスが重要です。
例えばモデラーになりたい人でも、映像作品を一通り作ってみる事で、モデラーとして重要な事柄をコンポジットの時点で発見出来たりする事も、一連で作業をして初めて気がつく事だと思います。例えハイクオリティなものが出来なくとも、経験値としてチャレンジする事が大切です。今回は、プロフェッショナルな方の作品を拝見する事も出来る機会だったので、是非自分の作品と何が違っていて、どう作り込まれているのか、参考にしてみてください。
-
竹本宏樹氏
DNEG (Senior Environment Generalist TD)
大阪出身。1999年大阪市立工芸高等学校、2001年大阪ヒューマンアカデミーを卒業。大型商業施設内装デザインおよび映像デザイナーとして働いた後、半年間の語学留学へ。帰国後の2003年、CG制作会社でジェネララリストとしてキャリアを再スタート。2007年フリーランスアーティストとして活動し、2010年デジタル・メディア・ラボに所属。その後、再びフリーランスを経て2016年8月からロンドンのDNEGへ所属。
https://www.dneg.com/
【総評】
沢山のアイデア、想いが集まり、とても面白い作品が沢山集まったのではと思いました。こういった制作や取り組みを通して、VFXで伝えられる面白さや、日常のストレスや寂しさを、楽しみに変えれるアイデアや視点が、少しでも明日への活力に繋がれば、とても素敵なことだと思います。
全体を通して今回少し気になったのは、"ステイホーム"という言葉を少し意識しすぎた人が多かったのかなと思いました。もっと自由に、自宅でできるユーモア作品を追求しても
よかったのではと感じました。
最後に、今回のコンテストを通じて、VFXの魅力や力を改めて考え直すことができました。
ありがとうございました。また、機会がありましたら他にももっと面白いアイデアも見てみたいと思います。
-
中島信也氏
東北新社(CMディレクター)
1959年福岡県生まれ大阪育ちの江戸っ子。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。 '83「ナショナル換気扇」でCM演出デビュー。デジタル、VFXを駆使した娯楽性の高いCMで受賞多数。アリナミンV「魔人Vシリーズ」、日清食品カップヌードル「hungry?('93カンヌ広告祭グランプリ)、サントリー「燃焼系アミノ式」、「伊右衛門」、 TOTOネオレスト「菌の親子」、AirPAY「オダギリジョーシリーズ」などを演出。 '96劇場用映画「ウルトラマンゼアス」'10「矢島美容室」監督。
https://www.tfc.co.jp/
【総評】
未来は明るいんとちゃうかな、って感じさせてくれる作品にたくさん出会えておっさんは幸せを感じました。予想もしてなかった「ステイホーム」という世界。でも目の前に「コンピュータ」さえあればイマジネーションの旅をどこからでも、いつからでも始められる。誰とでもつながることができて、どこへでも旅立つことができる。この「ステイホーム」という世界の中で生まれた作品たち。そこにはアイデアとクオリティの両面で「わあ、こいつらこのまま行ったらきっとこの先、たくさんの人を楽しませる映像作品を生み出しよるで!」っちゅう人類の明るい未来を予感させるポテンシャルを持ったものがわんさかありました。PCネイティブたちにとって「ステイホーム」は時間というプレゼントを与えてくれた臨時サンタさんかもしれないですね。「ステイホーム」が明けたとき、今度はリアルの中の感動をいっぱい体験して、またまたPCの前に戻ってきてほしい。そこにはこれまでよりもっと多くの人の心を動かすクリエイティブが生まれるはず。未来は明るい!
-
成田裕明氏
Pixar Animation Studios(Lead Technical Director, Effects)
兵庫県出身。サンフランシスコの大学院卒業。ソニーピクチャーズ・イメージワークス(ロサンゼルス)にて、エフェクト・テクニカルディレクターとして実写映画のVFXに携わる。その後、ウォルトディズニー・アニメーション・スタジオへ移籍し、「ベイマックス」「ズートピア」、「モアナ」等の制作に携わる。2017年にピクサー・アニメーション・スタジオに移籍。「インクレディブル・ファミリー」、「トイストーリー4」、「ソウルフル・ワールド」等に携わる。
https://www.pixar.com/
【総評】
ステイホームということで、空間が限られていた分、その制限を突き破るような発想や工夫が組み込まれた作品がたくさんありました。
今回は技術的な部分ももちろん評価の対象でしたが、それ以上にVFXをどうを取り入れているや作品の全体的な仕上がりなどに注目して見させてもらいました。
映像やStorytellingをどれだけ効果的に見せるかというのがVFXの大きな役割です。作りこまれたモデリングや派手なエフェクトが必ずしも最善な表現ではないのが面白いところです。
自分も学生時代の自主制作は技術や道具、設備がないなりに知恵を振り絞って作っていたので、応募作品を見ながら「ああ、ここは苦労しただろうな」「ここは上手く見せてるな」と共感できました。
ステイホームから湧き上がってくる思いや願い、メッセージが込められた作品もありました。今回のようにコンテンツを発信し、共有する機会を活かしていくことで、ひとりのアーティストとしてさらに成長し、たくさんの人を勇気づけていくのだと思います。
応募された皆さんは既に発信する力と手段の両方をお持ちなので、これからまた世に送り出されていく作品を目にするのが今から楽しみです。
作品制作、本当にお疲れさまでした。
-
八木竜一氏
白組(監督)
東京都出身、1987年に白組に入社。CMのデジタルマット画やゲームムービーのCGディレクションに携わる。CGディレクターとして参加したゲーム『鬼武者3』のオープニングムービーでは、国内外の数々の賞を受賞。以降、NHK教育で短編アニメ『うっかりペネロペ』の演出などを務める。『friends もののけ島のナキ』(11)で映画監督デビュー。監督2作目の『STAND BY ME ドラえもん』(14)が、第38回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞。最新作は『STAND BY ME ドラえもん 2』(20)。
https://shirogumi.com/
【総評】
学生の皆さん、たくさんご応募して下さってありがとうございました!大変見ごたえがありました。
プロの方々は、どの作品もコダワリが詰まっておりました。
ステイホームという事で、ご自身の机まわりの作品が割と多かったです。
また、人が出てきて演技する作品の方が面白くなりやすいと思うのですが、その様な作品が少なくて勿体無いと思いました。
僕は、「一般の人が観た時、心が動かされるか?」を基準に作品を選びました。
選出作品はどれも、驚いたり、笑えたり、ウキウキしたり、不思議な気持ちになったり、ジンワリさせて頂きました。
長編映画を作るのも、30秒の映像作品を作るのも、「観てくれる人のため」という所は一緒だと思ってます。
これからも「気持ち」が入った「心が動く」作品をお互い心掛けましょう!
-
米岡 馨氏
StealthWorks.(代表取締役・FXスーパーバイザー)
2002~2011年にかけて、アニマ(旧笹原組)、アニマロイド、デジタル・メディア・ラボ、オムニバス・ジャパン、OXYBOTなど、複数の国内プロダクションでCG制作に携わる。2011年、エフェクトアーティストとして、PIXOMONDOのベルリンスタジオへ移籍。2012年、ScanlineVFXのバンクーバースタジオへ移籍。 両社で学んだハリウッドクオリティのエフェクト制作を日本で実現するため、2014年帰国を決意。2015年、エフェクト専門プロダクションのステルスワークスを設立。シン・ゴジラ、鋼の錬金術師を代表とする大規模エフェクト制作だけに留まらずセミナー、執筆などの分野でも活動中。
https://www.stealthworks.jp/
【総評】
全体の総括としては、皆さんSTAYHOMEという限定されたシチュエーションで色々な妄想を膨らませつつVFXという技術を使って
閉塞感を打破しようとアイデアを出し合っているところにCG、ひいてはエンターテインメントの可能性の広さを感じた。SNSが当たり前になり皆が発信者になれる時代、VFXを扱えることがいかに強力な武器になり得るかを再確認したのではないだろうか。これがまず良かった点である。
そして改善点を挙げるとすればSTAYHOMEという縛りから如何に遠くへ離れるかというアイデアの重要性といいアイデアにより深い没入感をプラスするためのVFXそのもののクオリティアップであろう。ただしこの手のコンテストはお祭り騒ぎになってこそのものであり、完成させること、参加することに意義がある。今回納得の行かないものだったとしても一つのものを完成させたことは確実に次への布石になる。
まずこのコンテストを盛り上げようとして頂いた全ての方に感謝の念を送りたいと思う。そしてまた新たなタレントの発見を楽しみにしたい。ただ次回はSTAYHOMEという題材ではない、コロナ禍を確実に克服した明るい未来の先にある物が題材になることを切に願っている。
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