Siddharth Ahuja氏は3月24日(月)、オープンソースのBlenderアドオン「BlenderMCP 1.1.0」をリリースした。また、3Dモデル生成AI「Rodin」の開発元・Deemos社は本アドオンのユーザー向けにAPIキーの利用を無償で提供。これにより、ClaudeなどのAIエージェントに対して自然言語による対話形式のプロンプトで指示を行うだけでRodinが3Dモデルを生成し、MCP(Model Context Protocol)サーバを介してBlender内でシーン構築を行うことができるようになる。

▲「カートゥーン調の猫のキャラクターがいる居心地の良いシーン」生成デモ。ほしいアセットをClaudeにプロンプトで伝えるだけでRodinが3Dモデルを生成し、Blenderのシーン内にレイアウトしてくれる
▲リファレンス画像だけを使って等角投影法(アイソメトリック)のシーンを作成するデモ
▲細部までつくり込まれた部屋の生成デモ

MCP(Model Context Protocol)とは

AIエージェントのClaudeを手がけるAnthropic社が開発したAI用の汎用プロトコル。大規模言語モデル(LLM)のファンクションコールの仕組みをHTTP経由で実行する仕組みにより、AIエージェントがMCPを経由して対象のAPIの仕様を読み取り、必要に応じてAPIを呼び出して処理を行うことができる。

「BlenderMCP」においては、ClaudeがMCP経由でRodinのAPIにアクセスして3Dモデルを生成し、Blenderに取り込んでいる。

■Introducing the Model Context Protocol
https://www.anthropic.com/news/model-context-protocol

BlenderMCP 1.1.0の更新内容

バージョン1.1.0では上記のようにRodinによる3Dモデル生成がサポートされたほか、無料アセット配布サイト「Poly Haven」のAPIサポートも追加。

Poly Haven

ソケットベースのサーバを介してClaudeとBlenderが接続され、双方向通信が行えるようになることから、Blenderのオブジェクト操作(作成・変更・削除)、マテリアルとカラーの適用・変更、シーン検査(Blenderシーンの詳細情報を取得)、Claude経由でBlenderで任意のPythonコード実行が可能になる。

Claude

BlenderMCPの導入方法

Siddharth Ahuja氏はMCPの仕組みからBlenderとClaudeの設定方法、基本的なモデルの作成方法などをまとめた上記チュートリアル動画をYouTubeで公開している(英語音声)。

■BlenderMCP - Blender Model Context Protocol Integration(GitHub)
https://github.com/ahujasid/blender-mcp

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