mcsGear合同会社は5月19日(月)、オープンソースのMaya用リギングツール「mGear 5.0」をリリースした。バックエンドに大きな変更が施され、カーネルのアップデート、PyMelへの依存解消と新システムPyMayaの導入、既存ツールの再構成、レガシーコンポーネントの削除などの変更が施されている。
また、mGear・Mayaで作成したリグをUnreal Engine 5.3以降とブリッジするオープンソースのプラグイン「ueGear 1.0」の正式版もリリースした。どちらもGitHubよりダウンロードできる。
mGear 5.0とueGear 1.0の更新内容

mGear 5.0(執筆時バージョンは5.0.7)では、Maya 2025・2026がサポートされたほか、コアフレームワークからPyMelの依存関係が削除され、maya.cmdsとmaya.OpenMayaの上に構築された独自の軽量ラッパーであるPyMayaを実装された。これにより、安定性やパフォーマンス、長期的な保守性が向上する。
その他、Shifterコンポーネントの改良やバグフィックス、ユーザビリティの向上が実装されている。なお、近日中にドキュメントの更新とラーニングリソースを公開予定とのこと。
■mGear 5(GitHub)
https://github.com/mgear-dev/mgear
正式リリースとなった「ueGear 1.0」は、MayaとUnreal Engineのパイプラインを接続する新しいブリッジプラグイン。mGearのリグをUnreal Control Rigへ直接再構築でき、アニメーションやカメラ、シーケンスの転送が行える。対応するUEバージョンは5.3〜5.5。
■mGear 5.0 and ueGear 1.0 Are Here!(公式ニュース、英語)
https://mgear-framework.com/mgear-5-0-and-uegear-1-0-are-here/
mcsGear合同会社について

mGearフレームワークを出発点に、映画、ゲーム、アニメーションプロジェクトのために、柔軟で信頼性の高いキャラクター制作パイプライン制作のサポートを行う企業。代表社員のMiquel Campos氏はオートデスクのカンファレンスイベント「Autodesk Day 2024」でセッション「mGearフレームワーク:ゲーム制作とアニメーションのためのリギングソリューション」に登壇。
CGWORLD関連情報
●推しが「そこにいる」、初音ミクや『あんスタ!!』ライブの舞台裏/No.2 繊細な調整をくり返す、アセット制作

マーザ・アニメーションプラネットが手がけた『あんさんぶるスターズ!!』ライブのアセット制作をレポート。素体のリギングにmGearを活用している。
https://cgworld.jp/article/202503-marza-2.html
●「Maya 2026」リリース! 群集シミュレーション「Golaem」、Bifrostリギング、Flow PTとの接続、MLデフォーマ改善、ボリュームメッシュブーリアン、リトポロジーのクラウド処理など新機能多数

オートデスクがMaya 2026をリリース。2024年8月にオートデスク傘下となった定番Maya用群衆シミュレーションツール「Goleam」がMedia & Entertainment Collectionユーザー向けに提供されるほか、モデリングからリギング、アニメーション、シェーダ、ショット管理など多岐にわたる更新が施されている。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202504-Maya2026.html
●話題となった『葬送のフリーレン』3DCGファンムービーの裏側! GACCHI氏によるmGearを活用したリギングフローに注目が集まる

リギングアーティストのGACCHI氏がXに「フリーレンファンムービー企画の裏話」を投稿し、mGearの活用経緯を紹介した。
https://cgworld.jp/flashnews/202310-frieren-mgea.html