オートデスク株式会社は3月27日(木)、Maya 2026をリリースした。2024年8月にオートデスク傘下となった定番Maya用群衆シミュレーションツール「Goleam」がMedia & Entertainment Collectionユーザー向けに提供されるほか、モデリングからリギング、アニメーション、シェーダ、ショット管理など多岐にわたる更新が施されている。
モデリング
■ボリュームメッシュブーリアン

ブール演算ノードに新メッシュモードが追加され、ボリュームメッシュでジオメトリを計算できるようになった。ボリュームモードでは元のシェイプのヒストリが保持されるため、メッシュの微調整も可能。
■リトポロジーのクラウド処理 Flow Retopology for Maya

リトポロジーをクラウドで処理できるFlow Retopologyを搭載。設定の異なる複数ジョブを同時に実行でき、リトポロジーを進行しながらMayaで別の作業を続けることができる。
リギングとキャラクターアニメーション
■MLデフォーマの改善

MLデフォーマは、主要シェイプがパラメータ化され、トレーニング中に調整が行われるようになったほか、「学習サーフェス(Learn Surface)」がトレーニングウィンドウに追加され、デフォーム時のノイズを改善できるようになった。
■ヒートマップによるメッシュ比較

「メッシュ比較を適用」(Apply Mesh Compare)ではヒートマップによるふたつのメッシュのちがいを視覚化できる。
■Bifrostリギング

モジュールを組み合わせてプロシージャルリグを作成できるリギング用の新しいフレームワークが追加。IK/FKや各種マトリクス変換のノードが用意されているほか、独自のリグモジュールの作成も可能。
シミュレーション
■群衆シミュレーションプラグイン「Golaem」

Maya用群衆シミュレーションツール「Goleam」がMedia & Entertainment Collectionユーザー向けに提供される。


■Bifrost 2.13.0.0のFLIPソルバ

Bifrostグラフに対応する液体のFLIPソルバが新たに追加。高速移動する液体にパーティクルベースの泡シミュレーションを追加したり、カラーセットなどのソースプロパティに基づいて色付きの液体を放出したりできる。
シェーダ
■OpenPBRがMayaの既定のサーフェスシェーダに

物理ベースのオープンなサーフェスモデルであるOpenPBRがMayaの既定サーフェスシェーダとなった。
■LookdevX for Maya 1.7.0

LookdevXには改善されたパブリッシュワークフローや相対パスのサポートが追加された。また、新しいジェネレーティブテクスチャAPIを使用すると、Pythonなどで作成したプラグインを使って生成AIサービスをLookdevXに統合できる。
ショット管理
■MayaとFlow PTのフローを接続

「コンテキストでアニメート」(Animate in Context)機能を使用して、MayaとFlow Production Trackingのフローを接続し、カットをアーティストの作業環境に直接取り込むことができるようになった。アクティブなシーンの周囲のショットをMayaで直接表示し、シームレスにスクラブして確認できるため、作業性が向上する。
その他、全更新内容はこちら。
■Maya 2026 リリース(AREA JAPAN)
https://area.autodesk.jp/product/maya/features/2026/
■Maya 2026 の新機能(Maya ヘルプ)
https://help.autodesk.com/view/MAYAUL/2026/JPN/?guid=GUID-BAF59B47-E24F-4F87-9B77-ABE78D3F8268
CGWORLD関連情報
●「Wonder Studio」が「Autodesk Flow Studio」へ 新機能のカメラトラッキング、フレームからのアクターの除去、モーション予測も実装

オートデスク傘下のWonder Dynamicsが、映像内の実写キャラクターを3DCGに置き換えるAIソリューション「Wonder Studio」の名称を「Autodesk Flow Studio」へと変更。なお、2月には「Camera Track」(カメラトラッキング)、「Clean Plate」(フレームからアクターを除去して自然んい塗りつぶす機能)、「Motion Prediction」(モーション予測、遮蔽されたアクターでも動きを正確に予測)という3つの新機能が実装されている。
https://cgworld.jp/flashnews/202503-Autodesk-Flow-Studio.html
●Mayaの作業効率化ツール「RS Build Kit 2.1」リリース! メッシュ&カーブ操作、トポロジーの選択などの機能群をコンパクトにまとめたツール、Maya 2025対応

Erik Lehmann氏がMaya用作業効率化ツール「RS Build Kit 2.1」をGumroadでリリース。RS Build Kitはメッシュ編集・選択・レイアウト作業に便利なツールを集めたPythonツール。シングルライセンスの価格は30ドル(約4,500円)。
https://cgworld.jp/flashnews/202502-Maya-BuildKit21.html
●オートデスクのプロジェクト管理ツール「Flow Production Tracking」(旧ShotGrid)がアップデート! AIが納期・予算・チームの稼働状況などを判断し多数のタスクから瞬時にスケジュールを生成

オートデスクは同社プロジェクト管理ツール「Flow Production Tracking」(略称、Flow PT)の最新アップデートとして、タスクからのスケジュール生成機能「Generative Scheduling」をリリース。Autodesk AIが搭載された本機能の活用により、納期や予算、チームの稼働状況といった、常に変化するプロジェクトの変数を考慮した制作スケジュールが高速で生成できるという。
https://cgworld.jp/flashnews/202408-FlowPT-AI.html