アメリカ・Movella社(旧Xsens)は6月24日(火)、同社Facebookページ「Xsens Health & Sports - Movella」にて、イタリア技術研究所(IIT: Istituto Italiano di Tecnologia)のIdil Ozdamar氏が4つのロボットアームを同時に遠隔操作する動画を公開した。
Ozdamar氏らが手がける研究「A Shared Autonomy Reconfigurable Control Framework for Telemanipulation of Multi-Arm Systems(多腕システム遠隔操作のための共有自律型再構成可能制御フレームワーク)」では、筋電図(electromyography、EMG)とXsensモーションキャプチャデータを統合し、異なる自律レベルの複数のロボットアームを、人間が直感的に一体制御できる新しいフレームワークを開発。本技術によってロボットアームたちがシンクロされた動きを見せているのが、今回公開された動画となる。
■ロボットアームダンスの動画(Facebook)
https://www.facebook.com/watch/?v=1266520141632529
論文「A Shared Autonomy Reconfigurable Control Framework for Telemanipulation of Multi-Arm Systems」について
▲画像はIEEE内論文公式ページより
Ozdamar氏らは本研究において、ロボットアームの制御方法として、従来のジョイスティック制御や単一ロボットアームへの直接マッピングといった遠隔操作に留まらない新しいフレームワーク、リアルタイムアシスタンスの提供手法を開発した。
これにより、複数のロボットアームについて、それぞれが独立したアーム、連携するアームのペア、または仮想的な大きなロボットハンドの指として、個別または組み合わせて制御できるようになる。オペレータ(人間)は両腕や両手の操作パターンやコマンドを利用してロボットの動作を制御する。
■A Shared Autonomy Reconfigurable Control Framework for Telemanipulation of Multi-Arm Systems(多腕システム遠隔操作のための共有自律型再構成可能制御フレームワーク)(IEEE)
https://ieeexplore.ieee.org/document/9830842
Xsens Motion Captureについて

Movella社のXsens Motion Captureは、Xsensモーションキャプチャシステムから取得したデータを処理するために設計された、人間動作解析に特化した動作解析ツール「MVN Analyze」やアニメーション制作ツール「MVN Animate」、モーションキャプチャ用ハードウェア「Xsens Link」「Xsens Awinda」などからなる。Ozdamar氏の研究では「MVN Analyze」が活用されている。

■Xsens Motion Capture公式ページ(Movella)
https://www.movella.com/products/motion-capture
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