Oshino氏は3月7日(土)、Unity上で動作する照明制御システム「Art-Net DMX Lighting for Unity」をGitHubで公開した。本システムは、実際の舞台照明などで用いられる標準的な通信規格のDMX信号を、ネットワーク経由で送受信するプロトコルのArt-Netを介してUnityで受信し、バーチャル空間内の照明をリアルタイムに制御できるオープンソースのプロジェクト。ソースコードおよびUnityアセットは商用利用も含めて自由に使用・改変ができるMITライセンスで提供されている。

「Art-Net DMX Lighting for Unity」は、Art-Net経由でのDMX受信をユニバース(Universe:DMX信号を管理する最大512チャンネルのまとまりの単位)ごとに処理できる。フィクスチャ(Fixture:照明器具の本体や灯体そのもの)のプロファイルに基づいた精密なDMX制御を実現し、単純な光のオンオフだけでなく、RGBを用いたカラー変更、ディマー(Dimmer:光の明るさを調節する調光機能)、パンチルト、さらにはレンズ表現まで、現実の舞台照明と遜色のない高度な演出をバーチャル空間内で再現する。

▲インストール後にデモシーンを開いた様子

また、標準のビルトイン描画方式に加え、URP(Universal Render Pipeline)HDRP(High Definition Render Pipeline)に向けたライトドライバ(LightDriver)の切り替え機能も備わっている。さらに、Unityのエディター拡張機能により、プレハブの置換やライトの複製、CSV形式でのデータ書き出しにも対応。

▲Light Driverコンポーネントにより各パイプラインのライティングに対応(図はHdrp Light Driverの場合)

Art-Net DMX Lighting for UnityにはLiveモードとTimelinePlaybackモードという2種類の動作モードが用意されている。

Liveモードでは、外部の照明制御ソフトから送られてくるDMX信号を受信し、Unity上の照明をリアルタイムで直接制御できる。さらにこのモードには、動作中の照明データを記録し、Unity標準のアニメーションクリップとして書き出す機能が組み込まれている。

▲Liveモードへの切り替え

TimelinePlaybackモードでは、ライブモードで記録して書き出したDMXのアニメーションクリップを、Unityのタイムラインに配置して再生できる。これにより、リアルタイムでの即興的な操作だけでなく、事前に綿密に作り込んだ照明演出を映像作品や音楽の進行と正確に同期させる用途にも対応する。

▲照明データはアニメーションクリップとして保存できる

本プロジェクトはUnity 6.0(6000.0.48f1)を使用して開発されており、他のバージョンでの動作は検証されていない。システムの検証には、ChamSys社が無償提供しているプロ向け照明制御ソフトウェア「MagicQ」が用いられている。ユーザーがすぐに動作確認を行えるよう、MagicQ用のショーファイルもデモ用として同梱・配布されている。

プロジェクトの導入にあたっては、容量の大きな3Dモデルやシーンデータを管理するためのGitの拡張機能であるGit LFSの導入が必須。ライセンスについては、リポジトリ内のスクリプトおよびUnityアセットはMITライセンスが適用され、制限なく自由な利用が可能である。ただし、プロジェクト内にデモ用途として含まれているユニティちゃん(Unity-chan)関連のアセットについては、別途ユニティちゃんライセンス条項3.0バージョン(要約版はこちら)が適用される。

■Art-Net DMX Lighting for Unity(GitHub)
https://github.com/nao40031/Art-Net-DMX-Lighting-for-Unity

■Art-Net DMX Lighting for Unity by Oshino セットアップ手順・公式ドキュメント(Notion)
https://sleepy-smoke-ee3.notion.site/Art-Net-DMX-Lighting-for-Unity-by-Oshino-313d1c2c96f580be8e67eef37628ef5f

■MagicQ Software ダウンロードページ(ChamSys)
https://chamsyslighting.com/software/magicq-downloads/

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