韓国CLO Virtual Fashion社は6月17日(月)、3D衣装制作ツール「Marvelous Designer 2024.1」をリリースした。AI活用のジェネレータなど4つの新機能を搭載するほか、細部にわたる機能改善も施されている。
AIテクスチャジェネレーター(ベータ)
生成AIによるテクスチャやシームレスパターンを作成可能なジェネレータが追加。生地の選択後、プロパティ内の「Basic Parameters」からジェネレータを呼び出し、テキストプロンプトを入力してテクスチャを生成する。
なお、テキストプロンプトの入力は英語のみ対応し、文章ではなく英単語によるキーワードをカンマ区切りで列挙することが推奨されている。また、特定のキーワードをカッコで括ることでそのキーワードの優先度が上がる仕組みだ。
生成した画像はプロンプト文と共にヒストリーとして保存され、Marvelous Designerを終了するまで保持される。
AIグラフィックジェネレーター(ベータ)
こちらはパターンではなくグラフィックを作成可能なジェネレータ。コンテンツタイプとして「Art」または「None」を選択でき、「Art」の選択時には、ポップアートのプリントやアイロンパッチ、刺繍など、どういったタイプの飾りなのかを指定できる。また、生成するグラフィックの背景を透過するオプションも備えている。その他は上記AIテクスチャジェネレーターと同様だ。
PBRマップジェネレーター
インポートしたテクスチャ画像からPBRマップを生成できる機能。Normal、Displacement、Opacity、Metalnessの各PBRマップに対応しており、生成時に自動でパスに保存される。適用先はファブリック、ボタン、副資材、グラフィック、ボタンホール、トップステッチ、パッカリング。
副資材(Trim)ウィンドウ
副資材を一括管理できるウインドウが追加。副資材スタイルをウインドウ内に登録し、ドラッグ&ドロップで衣装に適用でき、コピー&ペーストによる大量適用にも対応。そのほか、同一副資材のスタイルを一括変更することもできる。
その他、2Dウインドウ内でのレイヤー深度の表示対応、USDアニメーションデータのサポート、hpos形式のファイルを利用したハンドポーズの適用など、細かな機能改善が施されている。全更新内容はこちら(英語/日本語)。
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