イギリス在住のVFXアーティスト、Rassoul Edji氏は8月23日(金)、Xに自身のパーソナルプロジェクト「Hyperion」のWIP(Work In Progress)を投稿。Mayaで組まれた高度なメカのリグが動く様子を収めた下記の動画が話題を呼んでいる。

「Hyperionは、ピストンなどの部品で駆動するメカらしいデザインのキャラクターで、私は地に足の着いたルックを維持することにこだわりました。リグの動きによってオブジェクトが押し出されるような、細かいディテールも気に入っています。これら全てがアニメートすると、個性的なショットになります」

Edji氏はこれまでに、映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』や映画『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』、ディズニープラス『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』などの作品に携わってきた。

そしてその傍ら、パーソナルプロジェクトも精力的に制作している。

Hyperionはそうしたパーソナルプロジェクトのひとつで、現在フルCGのショートフィルムとして制作を進めている。

Edji氏はHyperionのキャラクターリグビルダーもXで公開。「この自動化システムのおかげで、リグ内のパーツ更新に時間をかけすぎず、リグを開発しながらモデルを継続的に改良できました」とコメントしている。

HyperionのリグはフリーランスのキャラクターTD・Tim Coleman氏によるもの。フェイスリグや定番のアニメーションコントロール(ユーティリティコントロール、IK&FK、ドリブンキー、カスタムパネルアニメーション)を備える完全なプロダクション対応のリグで、アニメーションの再生パフォーマンスを管理するためのLODシステムも組み込まれているという。

「私はアニメーターではありませんが、ショーリール用に動かす作業はとても楽しいです。フルCGのショートフィルム制作では、Hyperionに命を吹き込むために協力してくれるアニメーターを探しています」
Vimeoで公開されているショーリール
「HyperionのボクシングアニメーションをMayaのビューポートから。リグが見えてとてもクールです」
「Hyperionの両腕に取り付けるバルカン砲をつくりました。現在、武器のアップグレードをしているところで、次はソードです」
「武器が完成しました。デュアル・バルカンキャノンとパワーソードです。それらを見せるための簡単なアニメーションもつくりました」
「Hyperionのレールガンのクロッキングアニメーションテスト。結果として、私のショートフィルムではこのレールガンは使わず、デュアル・バルカンキャノンをモデリングしました。ソードを構えながら使える銃がほしかったんです」

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