アドビ株式会社は7月30日(火)、ノードベースのプロシージャルテクスチャ生成ツールSubstance 3D Designer 14.0をリリースした。入力画像をポスタライズ(色数を減らし階調を調整)するQuantize colorノードや絵画風の仕上げを可能にするKuwaharaフィルタをはじめとする新ノードがいくつも追加されたほか、ユーザビリティの向上、APIの改善なども盛り込まれている。

新しい表現を可能にする新ノードとフィルタ

バージョン14.0では、カラー操作に特化したQuantize colorノードやカラーパレット作成用のツールノードファミリー(Modify Color Paletteノードなど)、IDマップを用いてカラーパレットを別の画像に適用するApply color paletteノードなど多数のノードが追加。また、異方性Kuwahara(Anisotropic Kuwahara)カラー/グレースケールフィルタも搭載され、画像のディテールに沿って異方性の方向性ぼかしを適用することで、形状の方向に沿ってながれるような絵画風のエフェクトを生成できる。

ボーンデジタルでは新ノードのQuantize colorやPaletteノードの具体的なチュートリアル記事を公開中だ。

●新しいQuantize ColorノードとPaletteノードを使用する方法(Born Digital サポート)

https://support.borndigital.co.jp/hc/ja/articles/35762317335961

また、その応用として、フォトリアルなマテリアルからスタイライズされたマテリアルを生み出す方法のチュートリアル記事も公開している。

●Substance Designer 14の新ノードを使用してリアル系マテリアルからスタイライズマテリアルを作り出す(Born Digital サポート)

https://support.borndigital.co.jp/hc/ja/articles/35840064713625

なお、Quantize colorノードやKuwaharaフィルタの利用方法については、アドビの公式デモ動画(英語)も公開されている。

その他、強力なノードが4つ追加。新しい「Curvature smooth」ノードは全タイルモードを正しくサポートし、凸度と凹度の新出力を追加、精度とパフォーマンスが向上。「Histogram equalize」ノードはグレースケール画像のヒストグラムを均等化し、値を調整して均等な分布を得る。「Bevel smooth」はマスクの境界からグラデーションまたはフラットカラーを描くことができるノード。「Normal uncombine」ノードはハイトマップに書かれた表面のディテールをノーマルマップから削除する。

  • 適用前
  • 適用後

ユーザビリティの向上

大規模プロジェクトでのパフォーマンスと応答性が改善。ノード削除は最大75倍高速になり、ビットマップを複数回参照するグラフの計算時間も短縮されたという。また、2Dビューでタイル表示が有効な場合、隣のタイルをまたいでピクセル値を取得できるようになり、タイル間のサンプリングや値の遷移の確認がしやすくなった。

2Dビューのタイル表示ではマウスオーバーで複数タイルの値(図下部INFORMATION欄)が簡単に取得できるようになった

APIの改善

スクリプティングAPIには、下記4つの新しいメソッドが追加された。

Substanceコンポジットグラフのグラフタイプを取得および設定するメソッド:myGraph.setGraphType("newType") myGraph.getGraphType()

パッケージリソースをそのエディタで開くメソッド(例:Graph ViewでSubstanceグラフを開く):myUIManager.openResourceInEditor(myResource)

パッケージリソースをエクスプローラで選択するメソッド(例:Substanceグラフを選択する):myUIManager.setExplorerSelection(myResource)

グラフビューで特定のノードにフォーカスするメソッド:myUIManager.focusGraphNode(myGraphViewID, myNode)




全更新内容はリリースノート(英語)またはボーンデジタルによる日本語のリリースノートを参照してほしい。

●Substance Designer V.14リリースノート(Born Digital サポート)

https://support.borndigital.co.jp/hc/ja/articles/35733340652569

CGWORLD関連情報

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https://cgworld.jp/article/202404-so2r-1.html

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https://cgworld.jp/flashnews/202307Asano-adobe.html

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https://cgworld.jp/flashnews/202407-Substance-Sampler.html