Unity Technologies社は9月19日(木)、同社ゲームエンジンUnityの年次イベント「Unite 2024」のキーノートにて、最新の「Unity 6」が10月17日(木)にリリースされると発表した。

Unite 2024 Keynote

Unityは公式ブログで、本キーノートのまとめを公開。
■Unite Keynote summary: A peek inside Unity 6(unity.com)
https://unity.com/ja/blog/unite-2024-keynote-wrap-up

主要な新機能についてはこのように述べられている。

Unity 6 includes powerful graphic performance features like Render Graph, a rendering framework for Universal Render Pipeline (URP) that reduces memory bandwidth along with energy consumption on mobile. The release’s new lighting features are available for both Scriptable Render Pipelines (SRPs), URP and the High Definition Render Pipeline (HDRP), including a new Light Baking Architecture and Adaptive Probe Volumes (APVs), a system that places light probes automatically based on geometry density to power realistic lighting and dynamic effects like lighting scenarios.


We also showcased new tools to help you maximize CPU and GPU performance, like the GPU Resident Drawer and Split Graphics Jobs for faster rendering, or GPU Occlusion Culling, which improves GPU performance by reducing per-frame overdraw. Spatial-Temporal Post-Processing (STP) takes frames rendered at a lower resolution and upscales them, producing a high-quality and temporally antialiased image.


Unity 6には、Universal Render Pipeline(URP)用のレンダリングフレームワーク「Render Graph」のような強力なグラフィックパフォーマンス機能が含まれ、モバイルでのエネルギー消費と共にメモリ帯域幅を削減します。


新しいライティング機能は、スクリプト可能なレンダーパイプライン(SRP)、URP、高解像度レンダーパイプライン(HDRP)の両方で利用可能です。


新しいライトベーキングアーキテクチャやアダプティブプローブボリューム(APV)は、ジオメトリの密度に基づいてライトプローブを自動的に配置するシステムで、リアルなライティングやライティングシナリオのようなダイナミックなエフェクトに力を与えます。


また、GPU Resident DrawerやSplit Graphics Jobsによるレンダリングの高速化、GPU Occlusion Cullingによるフレームごとのオーバードローの削減によるGPUパフォーマンスの向上など、CPUとGPUのパフォーマンスを最大化するための新しいツールもキーノートで紹介しました。


Spatial-Temporal Post-Processing(STP)は、低解像度でレンダリングされたフレームをアップスケールし、高品質で時間的にアンチエイリアス処理された画像を生成します。

シネマティックデモ『Time Ghost』

Unity 6の発表と同時に、最新のリアルタイムシネマティックデモ『Time Ghost』も公開。これまでに『The Blacksmith』、『Adam』、『Book of the Dead』、『The Heretic』、『Enemies』などのプロジェクトを手がけたチームによるもので、Unity 6で実現できるビジュアルクオリティやプロジェクトの複雑さ、機械学習ワークフローの実用面での進歩を強調している。

新シネマティックデモ『Time Ghost』

『Time Ghost』は、改善されたHDRP、APV、シナリオブレンディング、洗練された煙のライティング、GPU Resident Drawerによるパフォーマンスの向上といったUnity 6の新しいグラフィックス機能により描画されているほか、DOTS ECSを活用した最大1,200万インスタンスにおよぶ草木の植生環境、機械学習(ML)モデルによる高品質な布の変形、改良されたヘアシステムなどの新機能も活用されている。

なお、布の変形を利用した環境とキャラクターが含まれる『Time Ghost』のシーンデータは、10月17日のUnity 6リリース時にUnity Asset Storeでリリースされる予定。その他、デモで使用されている技術などの詳細はこちら。

■Time Ghost(unity.com)
https://unity.com/ja/demos/time-ghost

開発中のFPSゲーム『Den of Wolves』のテックデモ

その他、ゲームデベロッパー10 Chambersは、Unity 6でつくるフォトリアルなゲームシーンのサンプルとして、現在開発中のFPSゲーム『Den of Wolves』のテックデモを公開した。

テックデモ『Den of Wolves』

Unity 6以降のロードマップ

Unity 6リリース以降のUnity EditorとUnity Engineのアップデート、開発方針などロードマップについては、「The Unity Engine Roadmap」セッションで詳細に紹介された。

The Unity Engine Roadmap

CGWORLD関連情報

●VRChatのワールドのクオリティが爆上がりする! Unityライトベイクのいろは

VRChatのワールド構築に欠かせないUnityでのライトベイクの基本をQuickBrown代表のLura氏が解説。
https://cgworld.jp/article/2409-313T-vrchat02.html

●日本のインディーゲーム開発者の現場から Unity HDRPで描く6500万年後の海、開発者Studio Snowblind渋谷氏に聞くインディーゲーム『グレイシャード』メイキング。

日本でインディーゲーム開発者として活躍する人々を紹介する連載の第4回。UnityのHDRPを用いて水中アクションゲームを開発するStudio Snowblindに話を訊いた。
https://cgworld.jp/regular/202408-Snowblind.html

●「アニメ×ゲームジャムU25* in 京都」前編:UnityのAnime Toolboxを活用し、これからのアニメ制作に挑戦

京都市とNPO法人アニメ産業イノベーション会議(ANiC)によるハッカソン「アニメ×ゲームジャムU25* in 京都」のレポート。
https://cgworld.jp/article/202406-agjam-1.html