World Machine Software社は10月10日(木)、シミュレーションを使用したノードベースのプロシージャルアプローチによる、フォトリアルな地形生成ツール「World Machine 4041」をリリースした。作成した地形はゲームエンジンや3DCGツール用にメッシュまたはハイトマップとしてエクスポートできる。

2021年リリースのビルド4019による8Kのリアルタイム地形描画の様子
  • フラクタルジェネレータを利用して生成した地形サンプル
  • プロシージャルで生成した地形にスケッチして大陸を作成したり、山や谷、道路や川などを自由に配置できる
  • 渓谷を削り、山全体を浸食(Erosion)する水の動きをシミュレート。他にも崖斜面の分解と堆積を表現する熱浸食、降雪と融雪をモデル化する積雪もシミュレート可能
  • 河川が地形を変えながら海にながれ出る過程をシミュレートし地形に反映する「Flow Restructure」ツールや、地質学的に適切な場所に湖を作成して半自動的に水をながす機能、海岸浸食なども表現できる

World Machine 4041の主な更新内容

World Machine 4041では、8K以上の解像度の地形を扱う際のビューポートとビルドのパフォーマンスが大幅に向上。浸食など主要なノードの処理が最大100倍高速化し、メモリ利用の最適化、ビューポートの応答性の向上も実現したという。

また、ワークフローの効率化のためにUIが見直された。画面右側に編集ペインが追加されたほか、視覚的な表示ガイドの強化、プロジェクトのバージョン管理機能などを実装している。

整理されたUI
勾配(Slope)をガイドとしてオーバーレイ表示
プロジェクトのバージョン管理

また、新しい浸食モデルが実装され、土に覆われた丘などの形状表現が可能となった。

  • 新しい浸食モデルによる形状表現

本バージョンではシェイプエディタもアップグレード。シェイプのグループ化、フォールオフの調整、頂点単位でのハイトコントロール、高度な合成モード、滑らかなサーフェイスをスカルプトするための新しいシェイプタイプなどが実装された。

シェイプツール群の強化

その他、World Machine 4041の全更新内容はこちら。

■Build 4041 ‘Hurricane Ridge’(英語)
https://help.world-machine.com/topic/version-hurricane-ridge/

プランと価格

有料ライセンス3種類に加えて、非商用に限り利用できる無料のFree Community Editionライセンスも用意されている。

■Free Community Editionのダウンロード
https://www.world-machine.com/download.php

CGWORLD関連情報

●PHENOMENAL THINGS WORK 043 "Landscape in UE5"(1) / World Machineを活用した地形デザイン

森田悠揮氏による、Unreal Engine 5とWorld Machineを用いたランドスケープ作成の基礎解説記事。
https://cgworld.jp/regular/202205-pt-043.html

●PHENOMENAL THINGS WORK 044 "Mountain v02" / World Machineを活用した地形デザイン(2)

森田悠揮氏による、Unreal Engine 5とWorld Machineを用いたランドスケープ作成の基礎解説記事第2弾。
https://cgworld.jp/regular/202206-pt-044.html

●『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』後編:原作の背景やエフェクトを、現在の3Dでリメイクする

『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』のメイキング記事。Houdiniを使った地形制作についても解説している。
https://cgworld.jp/article/202404-so2r-2.html