ブルガリア共和国のChaos Software社は10月29日(火)、CAD/BIMツール用リアルタイムビジュアライゼーションツール「Chaos Enscape 4.2」をリリースした。

EnscapeはRevitSketchUpRhinocerosArchicadVectorworksといった建築・設計業界向けツールのプラグインとして、各CAD/BIMツール上のデータをリアルタイムレンダリングし、ウォークスルーやVRコンテンツを生成するソフトウェア。


バージョン4.2では、各ホストアプリケーションとの統合が強化されたほか、建築パフォーマンス分析アドオンの「Enscape Impact」が製品版としてリリースされている。

Revitグラフィックスのオーバーライド

Revit Filtersで定義されたレンダリングのマテリアルや色のオーバーライドを視覚化できるようになった。これにより、RevitとEnscape間の一貫性が保たれ、レンダリングビューのコントロールが容易になった。

RhinocerosでのWCSマッピングに対応

WCS(ワールド座標系)によるマテリアルのマッピングをサポートすることにより、柔軟なワークフローと、現実世界に即した正確なスケールを利用可能になった。UVマッピングとの切り替えのために追加設定は不要で、RhinocerosのUIから切り替えが行える。

ソフトウェアレイトレーシングの改良

GI用ソフトウェア レイトレーシングの品質が向上し、特にハードウェアレイトレーシング非搭載のデバイスでリアルなGI効果(照明、陰影、反射)を得ることができるようになった。また、太陽光の影もよりリアルに強化された。

複数の断面平面対応

Rhinocerosでは最大6つの断面平面を視覚化、Vectorworksではクリックキューブのレンダリングをサポート。詳細な断面ビジュアライゼーションを用いたプレゼンテーションに活用できる。

Enscape Impactの製品版リリース

Enscapeのコア製品と連動するWindows用の建築パフォーマンス分析アドオン「Enscape Impact」が本バージョンで製品版としてリリースされた。建物のエネルギーパフォーマンスを設計の初期段階から確認でき、設計のサステナビリティについての情報収集に利用できる。

■Enscape Impact
https://enscape3d.com/jp/impact/

その他、全新機能についてはこちら。
■Learn About the Latest Updates in Enscape 4.2(英語)
https://blog.enscape3d.com/enscape-version-4-2

■Chaos Enscape日本語公式ページ
https://enscape3d.com/jp/

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https://cgworld.jp/flashnews/202409-Twinmotion202411.html