こんにちは、CGWORLD編集部です。CGWORLDの大きな節目となる最新号、vol.300(2023年8月号)が本日7月10日(月)に発売となりました! 今月号の見どころや業界の気になるトピックを、CGWORLDアドバイザリーボードのメンバーが紹介します!

記事の目次

    ※本記事は、CGWORLD vol.300掲載の「アドバイザリーボード 今月の視点」に情報を追加して再編集したものです

    CGWORLD vol.300(2023年8月号)

    特集:『ONI ~ 神々山のおなり』
    判型:A4ワイド
    総ページ数:112
    発売日:2023年7月10日
    価格:1,540 円(税込)

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    『ONI』特集を機にこれから開く様々な扉

    CGWORLD編集長・アニメーション&海外映像担当:若杉 遼

    300号のタイミングでトンコハウスの『ONI ~ 神々山のおなり』を特集できたことは、国内外問わずこれからのアニメーション業界に大きな意味があると思っています。トンコハウスが先に立って開けてくれた扉、僕らがさらに開けていかないといけない扉。これからが楽しみです。

    『ONI ~ 神々山のおなり』 特集に期待大!

    CGアート全般&実写VFX担当:Khaki

    今回は『ONI ~ 神々山のおなり』の舞台裏を巡る特集ということで、とても注目しています。SNSやイベント等で制作過程を頻繁に発信されていて、いつも興味深く拝見していました。今回の特集でより詳しくまとまった内容を読めそうなので、とても楽しみにしています。

    リアルタイム向けのデジタルヒューマン技術

    ゲームエンジン(映像・VR)&VIZ担当:スタジオブロス&モデリングブロス

    6月9日にMetaHuman AnimatorがEpic Gamesからリリースされました。深度カメラを搭載するiPhoneを使えば、簡単そして高速にフェイシャルアニメーションを作成できます。

    新しいMetaHumanはChaos物理エンジンと連携することで、斜面を転がり落ちるモーションなども生成することができるようになりました。さらにUE5.2で搭載されたMLデフォーマーにより機械学習で筋肉をリアルに表現できるようになり、タイムコードを合わせることで高品質キャラクターアニメーションが制作可能です。

    一方マッスルアニメーションで有名なZIVAが提供しているZIVA FACE TRAINERの機械学習フェイシャルモーションの進化もめざましく、こちらはUnity、Maya、UEで利用することができます。2023年後半から今までとはレベルがちがうリアルタイム・デジタルヒューマンが登場するでしょう。

    大規模なVPスタジオが千葉にオープン

    CGを活用した新領域&ビジネス担当:岸本浩一

    投資先のHCA社が運営に携わる、有効面積600坪、 日本最大級の撮影スタジオが千葉にオープンしました。スタジオにはHCA社が開発・運用するバーチャルプロダクション(VP)システムを常設。中〜特大規模の本格的なVPをはじめ、AR・XRを併用したハイブリッドなVPにも対応しています。常設100㎡、総面積200㎡の超高精細LEDを保有し、巨大なパノラマ一面使いや箱型の配置など、企画や撮影シーンに合わせてフレキシブルな組み換えに対応しています。

    ゲームの背景制作技術をまとめた書籍がリリース

    ゲーム開発技術&海外ゲーム担当:榊原 寛

    私が企画者となり、この分野で第一線で活躍されている強力な執筆陣を集め、ゲーム背景CG技術を包括的に解説する共著の書籍が、ボーンデジタルさんより8月ごろ出版予定です!

    各コンテンツ制作からレイアウト、制作パイプライン、最適化まで、特定のソフトの使い方に依存せず、プロの「考え方」を伝えることに重点を置いた内容です。ほかでは聞けない非常に貴重な情報盛りだくさんですので、ご期待ください!

    AMD EPYCによる超メニーコアCPU時代

    レンダラ・ハードウェア担当:澤田友明

    AMDにはEPYCと呼ばれるサーバグレードのCPUがあり、エンタープライズやデータセンター環境で高い性能を発揮するために、Ryzen 7000シリーズな どの一般向けのCPUとは比較にならないほどのコアを搭載しています。

    現在リリースされている第4世代 EPYCは、Zen 4アーキテクチャを採用し最大96コア/192スレッドとなっており、これをデュアルで搭載するブレードサーバが存在します。さらに先日発表されたZen 4cベースのEPYC 97X4は、最大128コア/256スレッドという超メニーコアCPUとして登場します。ちなみに、これまでArnold Renderは最大で256コアという制限がありましたが、今年3月にリリースされた7.2.0.0以降は最大1,024コアに対応しているので、まだまだコアが増えても大丈夫ですね。