2024年度、第2回目の開催となる学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」。テーマは「3DCGを用いた静止画作品」。
今回も「キャラクター部門」「背景・プロップ部門」に分けての募集で、キャラクター部門47点、背景プロップ部門139点の、合わせて186点の作品が集まった。審査は国内外の特別審査員10名+企業審査数27社によって行われた。このページでは背景・プロップ部門の優秀賞&審査員講評コメントをご紹介しよう。
※講評コメントは全て原文ママ
■作品募集ページ
■結果発表イベント
CGWORLD2024クリエイティブカンファレンス
https://cgworld.jp/special/cgwcc2024/
■キャタクター部門 結果発表ページ
■作品応募条件・審査方法について
応募作品テーマは「3DCGを用いた静止画作品」。審査員はいずれも全作品の中からお気に入りの作品を選び、持ち点20の中から配点する。合計得点の高い作品から表彰されるシステムとなっている。参加対象は小・中・高校生から専門学校生、大学、大学院生など教育機関在学中の方が対象だ。通学中でなくても、クリエイティブ分野における就業経験のない方であれば応募OKとしている。AIの利用についてはNG。
背景・プロップ部門 1~10位(優秀作品)
第1位:創作の断片 獲得点数:87点
小林 郁哉さん(日本工学院専門学校)
背景モデラーを目指して日々精進しています
X: https://x.com/imufneec
●作品解説
主人公の感情が伝わるように意識して制作しました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【秋元純一氏(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
構図、レイアウト、カメラエフェクト、質感、どれをとっても素晴らしく、非常に完成された作品に仕上がっていると思う。作者のコメントもシンプルで、どうぞ作品から読み取ってくれと言わんばかりの自信を感じる。事実、作品を読み解くうえで、カメラを通した構図が、手前から奥、奥から手前の遠近によってストーリーを感じられるギミックになっており、この作品を仕上げた作者とは対象的に、産みの苦しみが伝わってくる様だ。
▼【田崎陽太 氏(カーキ、Episode3/CG Supervisor・Environment Design)】
まず、目にした瞬間に絵に引き込まれました。大胆でダイナミックな構図と印象的なライティングがその要因だと思います。月明かりに照らされた中で項垂れる男性、その手前に倒れた本棚と散らばった本がドラマチックで、強いストーリー性を感じさせます。質感も完全なフォトリアルではなく、少しイラスト風のテイストが感じられて作品の雰囲気にぴったりとマッチしています。構図、ライティング、カラー、そしてストーリー性が完璧にコントロールされており、非常にクオリティの高い作品だと感じました。細かい演出ですが、レンズの歪み効果も雰囲気を一層引き立てていて素晴らしいです。
▼【コラット (SONIC)今井紀久(監督・ArtDirector)】
明るい室内を作る人が多い中で暗くパースの効いた部屋というので目が行きました。乱雑に荒れた部屋とうなだれている人物が作品タイトルを際立てていますね。あえて2Dイラスト調にされているのだとは思いますが、もっとディテールを足していくと作品のクオリティがさらに上がると感じました。
▼【KATACHI 馬場拓己氏(背景ディレクター/CGスーパーバイザー)】
構図やレイアウトが良くて、ご自身が使用されているソフトウェアの理解度も高い印象です。ぱっと見、第三者が荒らした部屋の奥で人が死んでいるようなミステリアスなシチュエーションにみえてしまいましたが、作品タイトル的には創作に行き詰った主人公が自分で感情的に部屋を荒らしたというシチュエーションでしょうか?個人的にはくしゃくしゃにしたメモ書きが大量に散らばってるとか、壁紙を搔きむしったり何かを殴った痕だったり、時間を掛けて部屋を破壊するに至った苦悩の工程を表現した方が作品の意図が伝わりやすくて良いのではと思いました。
▼【コンセプトラボ 中島 勇氏(プロデューサー)】
画作りや情報量も非常によく、一枚の画からストーリーを感じる構成も良いと思います。窓側の天井が全体的にもう少し暗くしつつ、キーライトの方向を感じにくいのでもう少し左側を暗くしてあげるとよりリアルに見えるかなと思います。窓の外も少し光の方角を感じる雲などがあっても良いかなと思いましたが、全体的に細かいところまで非常に良いと思います!
▼【ボンズ 安東容太氏(CGディレクター)】
コンセプト通り主人公の感情が伝わってくる素晴らしい作品だと思います。奥の寒色と手前の暖色のバランスや構図もとても良いバランスです。小物類の崩れた配置感、棚の下の埃が溜まった感じなど、細かな部分も丁寧に作りこまれていて感心しました。手前の棚の中にさりげなく置かれているトロフィーも主人公のバックボーンを演出する良いアクセントになっていると思いました。
▼【WACHAJACK 澤井富士彦氏(代表取締役/Art Director)】
今回一番高い点数を入れさせてもらいました。他の作品も見てみたくなるような素敵な作品です!映画のワンシーンのような、画のムードもそうですが、人物がうなだれて座っている事でいろいろな感情やドラマを作品から想起させる良いシーンになっていると思います。シーンの中に引きこまれました。ライティングの設計やモデルも丁寧に作られていて、とてもよい作品になっていると思います!ほとんど指摘する部分はないのですが、非常に細かいところで画のバリューの設計がもう一押し、明確になっていると良いと感じる部分があり、窓外をもう少し明るくして上手に向かって明かりが差し込んでいる状況だと思うのですが、下手奥のガラス部分のハイライトが強く、光源の位置的にもやや違和感があるのと不用意なフォーカルポイントになっていてもったいないと感じました。もう少し反射と輝度を抑えめにしたほうが良いかと思います!また下手側の暗部の黒レベルが一定なところがあり、若干の前後感のくみ取りがしづらいポイントがあるのでもう少し間にフォグを入れるなどで前後感を設定してあげても良いかなと思います。ただこのあたりはクリティカルなものではないので今後の作品作りの際に少し意識してみると良いかもしれません!
▼【白組 吉田裕行(Director/CG Supervisor))】
ドラマ性がレイアウト、ライティングから感じられ雰囲気よくまとまっていると感じました。現状奥も手前も明るくてやや「絵」として全体的に見えすぎているので、より窓外のライティングを強調し、奥手前の光源の差などを出すことで更にドラマティックにみせられるのでは、と思いました。
▼【ポイント・ピクチャーズ CGチーム(CGディレクター/美術監督)】
荒れた本棚、散らかった机の上、汚れた窓など、細部にわたる作り込みがとても丁寧で惹きつけられました。オブジェクトの作り込みだけでく、奥行きのあるパース感と床を斜めにした構図、さらに全体を寒色系の色調に纏めることで、人物の心情の不安定さを視覚的に表現できている点がとても素晴らしいです。多角的な表現方法の組み合わせでストーリー性を感じさせる深みのある作品に仕上がっていると思います。
▼【StudioGOONEYS 大山萌依氏(モデリングSV)】
なにかストーリーを感じる絵作りに好感が持てました。構図からも、キャラクターの感情や孤独さを感じ取れるようになっているのが、見せ方がとても上手かと思います。全体的な絵としての出来はとても良いですが、各小物の質感や若干リアルさに欠ける形状になってしまっている部分がとっても惜しい点です。そんな細部にまでこだわった作品を今後見れるのが、今からとても楽しみです。
第2位:雨宿り 獲得点数:57点
小笠原 淳さん(デジタルハリウッドスクール)
背景デザイナーになれるよう日々勉強をしております。将来的には背景だけでなく他分野にもチャレンジできる人になりたいです。
●作品解説
雨の日、サラリーマンたちがガード下で飲んでいる様子と周囲の様子を作成しました。
●使用ツール
Maya, Photoshop, Substance 3D Painter, ZBrush
●審査員コメント 抜粋
▼【鈴木卓矢氏(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
情報量が多く良く作ったなと感心しました。ある風景を切り取ったような臨場感とそこにあるという存在感がありますね。隅々まで作りこんでいてこだわりを感じます。雨の降った地面の濡れた感じも良いですね。気になったのは雨が歪んた形になってるのと質感の違いがあまりなくテクスチャーの立体感がなくなってしまっています。特に画面の上半分のテクスチャーがぼやけていたり濡れているところと濡れていない所の描き分けが出来ると良いなと思いました。
▼【竹下優子 氏(コンセプトアーティスト・マットペインター)】
高架下の飲み屋という変わった題材に惹かれました。高架下かっこいいですね!足場の骨組みもかっこいいです。構図も色で対比を取るシンプルな方向に持って行ったことで分かりやすくなっていて良いと思います。何となく哀愁漂う不思議な雰囲気が好きです。
▼【しいたけデジタル 玉城梨沙氏(モデルディレクター/マネージャー)】
絵としてのまとまりが取れている良い作品ですね。長時間露光やタイムラプスのイメージでしょうか、動体のぼかしと雨の煙る空気感が表現できていて素敵です。このまま形状を詰めていけるともっと良くなると思いますのでぜひブラッシュアップしてみてください!
▼【インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス ディレクター一同】
とてもよい雰囲気が出せていると思います。情報量が多い絵作りの中、見せたい部分に視線誘導もできていて、ぱっと見でいいなと思える作品でした。反面、右下の居酒屋以外の部分からはあまりストーリー性が感じられないため、他の部分にもよく見たら楽しめるプラスアルファの要素があるといいなと思いました。
▼【東映 バーチャルプロダクション部 Samuel Chew 氏(モデリングスーパーバイザー)】
1.Overall Scene Concept: The scene concept is praised, but adding more contrast in lighting would improve readability. Good work overall.
2.Material and Texture Adjustments:
・The bump or displacement on some models feels too strong; reducing it would add realism.
・Improved texture or shader work, especially in specular roughness, could create more interesting light interactions and breakups.
3.Lighting Enhancements:
・The light from the sign could affect the metal rim more; adding a bloom effect would make it more engaging.
・Some lights appear too bright and could be dimmed slightly for balance.
4.Object Variations and Detailing:
・The bicycles look too similar in shape; adding offsets and rotations would make them feel more natural.
・The van appears flat, almost like a cutout; adding some lighting to give it more form and dimension would improve depth.
The feedback appreciates the scene’s strong concept but suggests refining textures, lighting contrast, and object variations to improve realism and depth. Fine-tuning bump maps, light intensity, and object positioning would help achieve a more cohesive, lifelike result.
▼【TREE Digital Studio/LUDENS(Creative一同)】
路地の作りこみに関心しました。都会の都市計画から置いて行かれ、補修を繰り返す古いガード下の世界観が良く創られています。舞台に雨を降らす事でレイヤリング多重層表現が出来ており暗い画の中に情報量を増すことに成功しています。わずかな照り返しの中で古い鉄骨の質感を見せるなど好感が持てます。装飾多可になっているオブジェクトも在るのでどこを見せていきたいか、もう少し整理出来ればぐっと絵の良さが引き立つように思います。
▼【Production I.G 足立博志氏(モデリングディレクター)】
実在する場所なのか空想の情景なのか、どこか。懐かしくてイイ雰囲気です。建物の質感や細かい看板や標識などのテクスチャなども細かく作りこまれていてイイです。雨宿りという題のように、雨がもう少し効果に演出出来ていればもっとイイ雰囲気が出たかもです。雨粒を見せるだけではなく、水溜まりの波紋やプロップの照りなどをもう少し分かり易く、ライティングも含めて表現できれば更によかったかも。
▼【ポイント・ピクチャーズ CGチーム(CGディレクター/美術監督)】
ひと目見て他作品とのレベルの違いを感じました。寒色でまとめた冷たい雨の世界に、飲み屋の暖かい空間を入れ込むコントラストは素晴らしいと思います。アスファルトの濡れた感じもよく表現されていて湿度を感じる良いアクセントになっています。看板のデザインや文字情報もしっかりと考えて作られていて、細部へのこだわりを感じるのも好印象です。その反面、人物のブレ効果は勿体ないと感じました。視線が最初に向かう部分であるため、ブレを理屈で捉えた丁寧な表現ができれば、さらに完成度の高い作品になったと思います。
▼【トリサン 町田由美(開発部長)】
雨の表現や構図など全体的に画として非常に成功している。看板など細かい部分のこだわりを感じられる。呑みに行きたくなるような作品。
▼【萌 植木氏(背景モデリングディレクター)】
細かい部分までしっかり作られていて、ライティングによる見せ方もとても良い作品だと思いました。雨垂れ表現も入れられるとより雨の日感が感じられたかもしれません。リアリティーのある作品だからこそ、歩道にせり出したように見える椅子とテーブルや、高架下の時間指定の駐車禁止マークなど、実際ありなのかなとルック回りとは別のところに意識が持っていかれてしまいました。現実世界をベースにした作品は見た目だけでなく配置する物や場所などにも気を遣う必要が出てくるかと思います。
第2位:Canals 獲得点数:57点
市川友太さん(日本工学院八王子専門学校)
ゲーム系の背景モデラーを目指して頑張っています。
●作品解説
古き良きヴェネツィアをイメージして作りました。こだわったところは、レイアウトとライティングです。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Photoshop, After Effects, Megascans
●審査員コメント 抜粋
▼【宮川英久氏(Wizards of the Coast/シニアコンセプトアーティスト)】
シンプルなながら、とても見やすくメリハリのある構図になっていて、ぱっと見の印象が非常に良い作品だと思いました。ライティングの強さや色味なども絶妙だと思います。背景をただ見せるわけでは無く人物をきちんと登場させた事で、構図の魅力と作品の説得力が飛躍的に向上しているように感じました。全体的に丁寧に作りこまれた印象では有るものの、質感表現に関してはまだまだ追求できると思います。水に触れていたり触れていなかったりするぐらいの微妙なエリアの湿った感じや、雨などの水分が滴る事で劣化する壁面の表現など、まだまだやれる事は有るように思いました。(遠景の建物ではそれが出来ているのですが、画面右側の赤い建物にはそれがあまり感じられないのが気になりました。)また、ゴンドラの通った後の水面の形状(波)は暗い部分で目立たないとはいえ、きちんと作りこんでもらえると尚良い作品になると思います。
▼【竹下優子 氏(コンセプトアーティスト・マットペインター)】
安定の構図で、橋下を抜けた先の建物が素晴らしいです。美しく目を奪われます。ライティングも綺麗です。それ以外の要素でCGっぽさが抜けてないので、さらにディティールを詰めると良いと思います。特に人物や赤い建物など、目立つ面を効果的に攻めると良いと思います。
▼【サーリ ヤーッコ 氏(DHU特任准教授)】
素晴らしい作品です。ヴェネツィア思い出した!ぼく2002年行きました。コンセプトやフレーミングもばっちりです。目が自然に明るいところにいくから、このふねの人にもフォーカスいく。Godraysないので自然。入れるなら本当に少しだけ、でもこのままでも良い。カラーやポストプロセスも良い。
▼【コンセプトラボ 中島 勇 氏(プロデューサー)】
構図、画作り、質感どれをとってもすごくよくできていると思います。あまり言えることは無いかなと思うのですが、旗が回りと比べると質感の追い込みが甘いのかなと言う点でしょうか。街灯が一灯あるのですが、奥の建物の明るい部分と被ってしまって、少しもったいない気がします。左側の暗部に明かりを当てたかったのかなとも思うのですが、別の所につけるもしくは、船の船頭に付いているなども象徴的になりそうで良いかもですね。
▼【東映 バーチャルプロダクション部 Samuel Chew 氏(モデリングスーパーバイザー)】
1.Overall Composition: The composition looks good, with many nice details throughout the scene.
2.Lighting Adjustments:
・The lamp's light is casting too much onto the wall; dimming it slightly would be beneficial.
・The pole near the lamp isn't affected by the lamp's light; adding a rim light would help integrate it better.
・The pole in the shadows could be darker for better depth.
・The bounce light from the water should have a bluer tint for a more natural effect.
3.Texture Improvements:
・The dirt texture starts below a certain line; connecting it with the model above would help it blend more naturally.
・Some architectural elements look too uniform; adding offsets or breakups would improve the realism.
4.Additional Details:
・Adding dirt, grime, or chipped paint to the clean walls, with exposed brick underneath, would enhance the aged, realistic appearance of the scene.
The composition and detail are praised, but adjustments to lighting and textures would enhance realism. Fine-tuning light effects, integrating textures, and adding signs of aging or wear would contribute to a deeper, more authentic scene.
▼【TREE Digital Studio/LUDENS(Creative一同)】
シャドウを使ったレイアウト・フレーミングが上手だなと思いました。そのお陰で、メインとなるセンターの建築物に視線が誘導され、良いと思います。作り込みも良く出来ていると感じました。ただ、CGのレンダリングに見えるので、実際にカメラで起きる現象や、空気遠近感を足せばもっと良くなると思います。
▼【KASSEN 吉川 平氏・井上 凱氏(Flame Artist)】
手前レイヤーが暗く落とされていることでフレームの役割をになっていて面白い構図だなと思いました。全体的にいい空気感で聖堂のディテールもいいなと思いました!せっかくの夕方ですので、左右での明暗と彩度の差をもう少しだけ出してあげると(手前レイヤーよりは暗くならず、空気感が残る範囲で)よりドラマチックな印象になるのではないかなと思いました!アンビエントオクルージョンなどを使って空気感は出しつつディテールは沈み切らない様にしてさらに聖堂の存在感を調整できればより良くなりそうな気がしました!
▼【トリサン 町田由美(開発部長)】
全体的に上手くまとまっていて空気感が出せている。明暗の捉え方が良い。人物をもう少し作りこんでるとより物語が感じられて良いと思う。
▼【シーズクラフト 立花大輔(代表取締役)】
奥の建物の雰囲気が非常に良かったです。ただ、それに比べて手前のディテールが少し少ない印象を受けたので3にしました。
▼【ニエイチ 林 一喜氏(CGディレクター)】
写実的な細かさ、画の繊細さがとてもよく出ており引き付けられる良さが出ていると思います!細かな部分まで情報が無くならないようなシャドウの出し方は画が引き締まって重厚感を得られて良いと思いました。あとはよりドラマチック感を出すために、本物の夕日の赤から青黒くなるグラデーションを再現できたら実写のような目を奪われる光景になるかもしれません!(林)
第4位:『朝食 breakfast』 獲得点数:51点
深居昌哉さん(デジタルハリウッド東京本校)
キャラクターモデラー志望の25歳です。この作品は、私がMayaではじめて制作したものになります。次はキャラクター作品応募にむけて精進します。
X : https://x.com/fukaimasaya_cg
●作品解説
料理の中でも、盛りつけられた完成品ではなく、調理中という過程に着目しました。それぞれの物体が熱いか冷たいか、濡れているか乾いているか、匂いや音の有無などの対比を意識して、リアルな臨場感の演出に努めています。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Photoshop, Arnold(テクスチャやコンポジットに外部フリー素材を使用)
●審査員コメント 抜粋
▼【若杉 遼 氏(CGWORLD編集長・ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ)】
食べ物をCGで作るのは本当に難しいと思いますが、やはり美味しそうに見える作品は際立っていて、本当に良くできています。この作品は、その点において、卵やベーコンの作り込みが素晴らしく、見た目だけでなく、その周りの小物やカメラアングルによって、朝食のふわっとした優しい雰囲気が演出されており、「朝食」というタイトルにふさわしい印象を与えていて、本当に素晴らしかったと思います。
▼【鈴木卓矢氏(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
ジュージューとベーコンが焼ける音が聞こえてきます。ふつふつと脂が跳ねているフライパンの中の油の表現も良いですね。卵もめちゃめちゃきれいに焼けていておいしそうです。ただベーコンの焼き具合に対して目玉焼きが奇麗に焼けすぎなのが気になってしまいました。この火力であれば黄身の周りが生の白身でも良いのかなと思います。白身同士もくっついていてほしいです。胡椒の形も粗挽きのとがった感じが欲しかったです。フライパンが使い込まれているのでヘラの先も焦げて黒くなっているともっと料理してる感じが出ると思いました。
▼【トゥエンティイレブン 尾関昭宏氏(CGディレクター)】
ぱっと見の完成度が非常に高く、細かい部分もフライパンの焦げた感じや、コンロのシルバー部分なども丁寧に作り込まれています。なかなか表現が難しい食べ物もちゃんとそれぞれの質感が上手く出ていると感じました。欲をいれば調理中という事なので、ベーコンの油がもっと出ていたり、油のはねなんかも表現出来るともっと臨場感が出るかと思います。
▼【KATACHI 馬場拓己氏(背景ディレクター/CGスーパーバイザー)】
木べらやフライパンのオイリーな表現が良く出来ていると思いました。生活感があって、映えを狙わず、ただ食べるために作っている普通の料理というのが良いです。もう少し卵の白身が固まっていない部分が残っていると情報量も増えるし、調理中というのが伝わって良いんじゃないかと思いました。
▼【Million Edge 原田裕一氏(取締役)、所谷悠太(アートディレクター)】
とてもジューシーさを感じる朝食で、その周辺のキッチンの経年劣化・汚れもいい味を出していると思います。ターナーに付いた油もコップの傷など細かい表現を入れている辺り、優れた観察眼を持っている方だなと思いました。室内の1カットだけでなく、深居さんが創造する広い世界の作品も見てみたいですね!
▼【exsa 佐藤勇一郎氏(部長/プロデューサー)】
使い込まれたフライパンや少し油で湿った木べら等のキッチン用具や食器類、目玉焼きやカリカリに焼かれているベーコン、パン等全体的に質感が良く作りこまれていて、リアリティを感じさせる作品だと思います。個人的にこういった朝食は大好きなので、思わず目を奪われてしまいました。強いて言えば、目玉焼きとベーコンにかけられたブラックペッパー?について、もう少し大きさや色味が馴染んでいた方が、より食欲をそそられる作品になるかと思います。
▼【StudioGOONEYS 大山萌依氏(モデリングSV)】
質感にとてもこだわりを感じました。日常の一部を切りとったような構図がとても印象的で、各モノに対して丁寧に作っている点にとても好感が持てます。若干フライパンのものが浮いてて見ててしまう点だけ、とても惜しく思いました。
第5位:『country kitchen』 獲得点数:43点
土田和也さん(ECCコンピュータ専門学校)
ゲーム業界志望の26卒の背景モデラーです。
https://www.vivivit.com/tutidakazuya_0808
●作品解説
ライティングでの雰囲気を一番重視して制作しました。
●使用ツール
Maya, Photoshop, Substance 3D Painter
●審査員コメント 抜粋
▼【若杉 遼 氏(CGWORLD編集長・ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ)】
日常的に見慣れた世界は、逆に作り込むのが難しいと感じます。なぜなら、慣れているためにちょっとした違いが簡単に違和感として現れてしまうからです。この作品はその点にしっかり注意を払い、丁寧に作り込まれていたと思いました。作品のリアルさを表現するためには、このような作り込みが重要ですが、例えば椅子の角度などが巧妙で、本当に人が生活しているような雰囲気がうまく作られていたと思います。
▼【宮川英久氏(Wizards of the Coast/シニアコンセプトアーティスト)】
オブジェクト一つ一つの作り込みがとても丁寧で、それらの配置も生活感を感じさせるそれになっていて、更にライティングもリアリティを感じさせる、とても良い作品だと思いました。安易に室内灯に逃げずに外からの光だけに絞った上で、部屋の中にきちんと暗い部分を残しメリハリのある画面にした事が素晴らしいです。色調自体もとても調和が取れていますし、それぞれのオブジェクトの固有色を感じさせるのも良い感じですね。ただ、テーブルの上の赤い食器は色がとても強く特別な意図を感じてしまうのですが、構図としての意味合いはあまり感じないので悪目立ちしてしまっているように思いました。カメラアングルは左側の戸棚を入れたい気持ちは解るのですが、思い切って素直にもっと右側に振った方が良いと思います。
▼【Million Edge 原田裕一氏(取締役)、所谷悠太(アートディレクター)】
構図、レイアウト、ライティングどれも高いクオリティで制作されていてとてもよいですね。生活感が伝わってくるようなレイアウトで素朴な雰囲気が表現されています。1点もっとアセットの質感の違いを出せると、よりリアルな説得力のある絵に仕上がると思います。
▼【しいたけデジタル 玉城梨沙氏(モデルディレクター/マネージャー)】
埃っぽい空気感とてもいいですね。タイルの汚れやマット、机と椅子のの質感はとても良いと思います、ちょいちょい角部分のスムーズが足りないですが形状も大体詰められていて全体のクオリティバランスがとれているのが素晴らしい。汚しが上手いのでこれからもテクスチャ頑張っていけばもっと良くなると思います!
▼【exsa 佐藤勇一郎氏(部長/プロデューサー)】
ライティングによって良い雰囲気が出ていると思います。若干部分的にスケール感に少々違和感を感じる部分もありましたが、テーブルの上に置かれた物や、所々に配置された調味料類、戸棚の上のハサミや細かい置物など、細部まで拘りを感じ、良い作品に仕上がっていると思いました。
▼【イメージ・ロジック 伏見滉生氏(アニメーションディレクター)】
小汚い生活感あふれる民家の台所が、上手く表現できていると思います。よれたキッチンマットや、半開きの引き出し、刺さり方が甘いコンセントなど細かいアクセントが効果的でこの家で暮らしている住人の生活感が垣間見えて、面白いです!四人掛けテーブルに備え付けの椅子プラス、お誕生日席に別のデザインの椅子があるのがいいですね。細かい発見がいくつもあって、楽しかったです。よく考え抜かれていてアイデアが光っていますね。写実的な表現を求めるのであれば、テーブルと椅子の木材や蛇口やガスコンロ、ヤカンの金属の質感がもう少し出るといいと思います。
▼【D・A・G カン 覇実寿 ラシッド氏(Digital Artist)】
昔住んでいた実家の写真が紛れたのかと思うくらい、精工に再現された台所でした。「実家の台所ってこういうのあるよね...」と思うようなモデルが何個もあり(特に火難除け)、生々しさすら感じました。ライティングが狙い通りで一番最初に視線が向いた先が机でした。モデルの汚しが経年劣化による自然な汚れに感じ、全体的に寂びれて味のある作品にまとまっていました。(カン)
第6位:『Midnight Fortress』 獲得点数:31点
鈴木天空さん(日本工学院専門学校)
背景モデラー志望の専門二年生です。CGの技術を磨くため、日々頑張っています。
●作品解説
映画のワンシーンを想定して制作しました。スケール感に気を付けたビルの配置や、空気感に意識しました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【田崎陽太 氏(カーキ、Episode3/CG Supervisor・Environment Design)】
まず、このようなダイナミックなシーンをモチーフにした作品は非常に珍しく、目を引きました。特にこだわったという空気感とスケール感がよく表現されており、印象的です。構図も映画のワンシーンを意識しているとのことで、シネマティックでダイナミックな構図になっていると感じました。一点気になったのは、全体の質感やライティングがやや均一に見える点です。コンクリートだけでなく、金属や他の素材感を加えることで、さらにリッチで奥行きのある表現が可能になるかと思います。
▼【竹下優子 氏(コンセプトアーティスト・マットペインター)】
映画に出てくるワンシーンを良く再現出来ていると思います。構図もいいですね。もしフォトリアルを目指しているようでしたら、テクスチャの繰り返しを無くすとさらに良くなると思います。夜の街にはもっと色とりどりの色が溢れていると思いますので、さらに観察を進めてみてください。
▼【コラット 新美遥香氏(Production manager)】
構図や配置のバランスが良く、多くのアセットと要素がある中で、世界観を見事統一されている点が素晴らしいと感じました。ループを感じさせない、細やかなライティングが良いですね。各アセットのクオリティはもう少し上げていきたい所ではありますが、鑑賞者に物語を創造させる、ストーリー性のある良い背景だと思いました。
▼【KASSEN 吉川 平氏・井上 凱氏(Flame Artist)】
色味がかっこいいです!直線的名になりがちなビルの背景に曲線の高速道路がアクセントになりつつフォーカルポイントに向かっていっていい画面構成だなとおもいました!ヘリの後ろに見えているビルの窓のテクスチャが少し浮いて見えるように感じました。(具体的に言えば他のビルより窓のテクスチャのサイズと色味が違う?)目がいくポイントの付近なのでできるだけ悪目立ちしないほうがいい部分かなとおもいました!
▼【白組 吉田裕行(Director/CG Supervisor))】
レイアウトも安定していて雰囲気も出ていると思います。一番肝心なヘリポートのあるビルがライティング的に浮いているのが気になりました。ディティール感が弱く、テクスチャもリピート感が気になるので、見せたい箇所をしっかりと補強することで「絵」としての説得力が上げられると思います。
▼【ジェットスタジオ 石井 裕 氏(CGディレクター)】
横長のレイアウトがうまく使えていて見やすい絵だなと思いました。一つ一つの要素が良い感じに配置できているので雰囲気出てると思います。メインのビルの質感を詰められるとさらに良くなりそうだなと感じました。
第7位:『15:21』 獲得点数:24点
後藤悠人さん(ASOポップカルチャー専門学校)
普段は専門学校でフォトリアル調の背景CGを制作しております。ただフォトリアルなだけではない、わくわくするような世界観を構築できるよう、日々制作に励んでおります。
●作品解説
「街中に溶け込んだ不気味な場所」をイメージして制作しました。曇り空で影のコントラストを抑えつつ、全体的に青みがけることで空気の冷たさや孤独感を表現しています。
●使用ツール
Blender, Substance 3D Painter, UnrealEngine, PhotoShop
使用モデル(CC0)
GrassMedium01 https://polyhaven.com/a/grass_medium_01
GrassMedium02 https://polyhaven.com/a/grass_medium_02
Celandine01 https://polyhaven.com/a/celandine_01
Shrub03 https://polyhaven.com/a/shrub_03
Shrub04 https://polyhaven.com/a/shrub_04
WeedPlant02 https://polyhaven.com/a/weed_plant_02
●審査員コメント 抜粋
▼【若杉 遼 氏(CGWORLD編集長・ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ)】
背景の細かい部分、例えば木やガードレールの作り込みは素晴らしかったと思います。本当に日本のどこかにあるような、見覚えのある景色が再現されていました。その意味では、リアルな表現が素晴らしいのはもちろんですが、それに加えて、トンネルの中の不気味さというストーリーテリングの要素も、背景のリアルさや作り込みの高さと合わせて、ただのクオリティとしてではなく、ストーリーテリングに活用する道具として扱われていたと思います。この点はCGをやっていると簡単に忘れがちなことで、ただリアルに作り込むことが正解ではないということ、作品の作り込みは常にストーリーテリングの一部として存在していることを忘れてはいけません。そうした大事なことをしっかり理解されていて、私自身も改めてその部分を思い出させてくれる素晴らしい作品でした。
▼【鈴木卓矢氏(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
不気味な雰囲気が出ていてすごくいいですね。高低差を利用して日常と切り離された空間が上手く表現できていると思います。奥になにかの存在を感じるような絵になっていて想像力が働きますね。これだけでも良いのですがもうガードレールの横に草を生やしたりトンネルの上の草が空いてしまっているのですこしブロックにかかるような草があると放置された感じが出るといいかなと。そういう風にして不気味な部分を背景にすこし溶け込ませると良いかもしれません。手前の情報量が少ないので自販機にもう一工夫あるともっと想像力が膨らむと思いました。
▼【サーリ ヤーッコ 氏(DHU特任准教授)】
ぜんたいてきな感じはとても良い、とくに植物とコンクリート、細かくまでマテリアルもできている。この左の方の自販機は光ってないのでアブノーマルでもっとホラーになる。天気も曇りだし、湿気間も感じる。なにか物語感じるようなオブジェクトほしいかも、すこしヒントのために。どんな場所だろう。怖い!
▼【WACHAJACK 澤井富士彦氏(代表取締役/Art Director)】
一目で観て、特に何か直接的なものが描かれているわけではないのにゾクっとしました。背景モデルも丁寧に作られていて、自動販売機のカラーリングと奥の地下道との対比も良い感じです。雰囲気作りと着眼点が素晴らしいです。不気味な地下道の表現、、絶対に入りたくないのと空の不穏な感じも更にムード作りに一役買ってると思います。ほとんどいう事はない作品ですが、あえてのポイントあげるとしたら例えば上手のガードレールの一部が少しへこんでいたり曲がっていたりしても更に不穏さの前振りみたいになって良いかもしれません。落ちたへこんだ空き缶があるなど、、あくまで演出的なところですが。少し導入部での予感めいたものを入れ込んでも良いかもです。
▼【D・A・G 後藤彰玖氏(Digital Artist)】
細部の造形や質感の表現にもこだわりを感じます。見覚えのあるような街の風景の中に、曇り空の薄暗い中でもひときわ不気味さが漂うトンネルなど影の使い方が上手く、全体的な雰囲気作りがとてもうまくできているよい作品だと思いました。(後藤)
第8位:『A streetcar in Toronto』 獲得点数:19点
冨久丈丸さん(N高等学校)
現在15歳で高校1年生の冨久丈丸と申します。3DCG歴は1年半ほどで、完全独学です。主にBlenderとOctane Renderを使って作品を制作しています。3DCG以外にも写真撮影、DTMなどが趣味です。デジタルハリウッド大学主催のコンテスト DHU U-18 2024にて3DCG部門最優秀賞ならびにグランプリを受賞しました。
https://www.dhw.ac.jp/p/articon/
●作品解説
カナダ、トロントの路面電車をコンセプトに制作しました。特にこだわったポイントは"雪のボケ感"と"路面電車の汚れ"です。どうすれば実際のカメラで撮ったような絵になるかを意識しました。
●使用ツール
Blender, Octane Render, Photoshop, Megascans, Mixer
●審査員コメント 抜粋
▼【秋元純一氏(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
シンメトリーで大胆な構図は、赤いライトによって更に強調されて、非常にアーティスティックな作品に昇華していると感じた。地面や車両の汚しなどに甘さを感じるが、全面にレイアウトされた雪の美しさに紛れて、それも目立たない為、一見、ポストカードの様な美しさも感じる。実際のカメラを触っている作者だからこそ、レンズの特性を理解して作品づくりをしていて、非常に説得力のあるリアリティを生み出していると思う。リアリティだけではなく、絵としての美しさにプライオリティをおいている辺り、プロフェッショナルな一面を感じ取る事ができる。
▼【田崎陽太 氏(カーキ、Episode3/CG Supervisor・Environment Design)】
こだわったポイントという雪のボケ感が見事に表現されており、全体の印象をぐっとドラマチックにしています。また、ライティングを抑えめにして過剰に見せないことで、電車の存在感が一層引き立っています。全体にただよう冷たさや物悲しさといったムードも見事で、見る者を惹きつける作品です。ただ、電車を真正面から捉える構図はやや単調に感じられたので、もう少しストーリー性やドラマ性が伝わる構図を探ってみるのも良いかもしれません。
▼【ボンズ 安東容太氏(CGディレクター)】
完全独学かつ15歳とは・・恐れ入りました。作品とても良いです。色使いやコントラストも良いですが、構図が好きです。シンメトリ構図ですが微妙に芯をずらすことによって良い感じの崩しができていると思います。バランスをとるために上手と下手でビルの窓明かりに差をつけたりと、作者の思考やこだわりが感じられてとても好感が持てました。これからも是非頑張ってください。
▼【コラット 山元太陽氏(VFXProducer)】
「寒さ」が伝わってくる非常に良い作品だと思います。実際にカメラで撮影した風に意識して作られているように見えつつも、「写真らしさ」を若干オーバー目に絵作りをされており、それがまた1枚の作品としての完成度を上げているように感じました。
▼【ニエイチ 八木敦也氏(CGデザイナー)】
絵作りがとても好きな作品でした!全体の色味や汚れ感、構図などから見せたい絵を表現するにはどうするのかをしっかり意識しているのが伝わってきます。個人的には、特にテクスチャの作り込みを感じる反面、路面電車のモデルがとてもシンプルに見えたので、次回は更にモデルの作り込みを意識すると更に良い作品になるかもしれないなと思いました。今後の作品も楽しみにしております!(八木)
第9位:『Doll maiking』 獲得点数:14点
永野恭平さん(HAL東京)
背景モデラー志望の学生です。ゲーム業界への就職を目標に精進しています。将来はストーリーを引き立てる背景を制作することで、よりユーザーにゲームへの没入感を感じてほしいので、設定の掘り下げを意識しています。
●作品解説
「人形作家の作業デスク」をテーマに制作しました。人形の儚くも美しい魅力を表現したかったので、メイクや髪型は女性の友人に確認してもらいながら制作を進めました。人形が最も魅力的に映るよう、ライティングや視線誘導もこだわっています。
●使用ツール
Blender, Substance 3D Painter, Photoshop, illustrator
●審査員コメント 抜粋
▼【宮川英久氏(Wizards of the Coast/シニアコンセプトアーティスト)】
自然なライティングがストーリーの表現に一役買いつつもシンプル見やすい構図の演出を同時に達成していて、パッと見の印象がとても良い作品ですね。配置されているオブジェクトも多すぎず、舞台設定を正しく理解できる物になっているのが好感触です。オブジェクトの質感設定も良い感じで、特に人形の色味にこだわりを感じます。若干気になったのはオブジェクトの配置です。前述のように内容そのものは良いのですが、例えば「人形をいよいよ仕上げる段階に差し掛かってきているのに、スケッチとの対比をするだろうか?」「鉛筆は必要だろうか?」などなど、物語の整合性に疑問符がついてしまうのは勿体ない違和感です。そういった点でのリアリティを意識する事、作品としての見せ場をもう少し増やしてみる事を意識すればより良い作品になると思います。
▼【鈴木卓矢氏(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
今までにない作品だったので1点入れました。今にも動き出しそうな生気のある怪しい雰囲気がいいですね。髪の毛が体にめり込んでしまっているのでもったいないです。あとパレットと机の木目が同じ向きなのでもう少しパレットがしっかり見えるように色やテクスチャーを変えてみても良いかもしれません。何度も設計図を書き直した跡や消しカスや右上のボトルの配置に少しランダム感を入れたりするともう少し人形が良く見えると思います。
▼【トゥエンティイレブン 尾関昭宏氏(CGディレクター)】
まずぱっと見た時に人形の質感に魅せられました。それに付随して髪や下に敷いているタオル地の質感もかなり上手く出ていると思います。何気ない絵の具の質感もいいと思います。大体いつもこれをこうしたらと思う部分があるのですが、この作品に限ってはあまりそういった事が出てこないので、それくらいきれいにまとまった作品なんだと思いました。
▼【イメージ・ロジック 伏見滉生氏(アニメーションディレクター)】
とても素敵なテーマかつ、高い技術力でまとまっている作品だと思います。人形の肌の質感やメイクはもしかしたら動き出すかもしれないと予感させる、艶美な仕上がりに驚きました。周囲に散りばめられた設計図や使用感のある塗料もいいアクセントになっていますね。人形作家のデスクにはどんなものがあるのか、設定をよく考えてチョイスしていることが伺えます。周囲の環境が、整いすぎているようにも感じたのでもう少し机に塗料が付着していたり、削りカスや没になったパーツの欠片を映り込ませるなどすると、ハンドメイド感を強調したり、美しい人形との対比が出ていいのではないでしょうか。
第10位:『地に足をつけて』 獲得点数:12点
内田隆宏さん(デジタルハリウッド東京本校)
自分自身で映像制作を完結できるジェネラリストを目指しています。機械工学や設計方面への知見が強みです。
●作品解説
打ち捨てられた宇宙エレベーターの足元で農業を営む普通の人というコンセプトで制作しました。奥の近未来感と手前の風景の対比が伝わるよう意識しました。
●使用ツール
Maya, Substance 3d painter, Zbrush, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【若杉 遼 氏(CGWORLD編集長・ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ)】
この作品はやはり何と言ってもアンバランスさが魅力的ですね。農業をしている人の背後に少し近未来的なオブジェクトがあるというバランスや、全体的な色使いが、画面の上と下で全く異なる世界観になっている点も良かったです。また、最近ではスマホや映画館、テレビなど、さまざまな画面で作品を見ることが多くなり、画面のアスペクト比もストーリーテリングにおいて重要な要素になってきていると思います。そういう意味で、この縦長の構図は作品にぴったりで、構図の細部においても視聴者がどこに注目すべきかが明確にわかる素晴らしいものでした。
▼【サーリ ヤーッコ 氏(DHU特任准教授)】
とても良い感じです。フレーミングとらいチングは良くできています、そうしてテーマとサブジェクトも! Space Elevatorのモデリングはとても良い、カラーバランスも。スケールも感じます。rice paddyのモデリングやマテリアルもう少しかな。Roughness MapとDisplacementもつかったほうがいいかもしれない。
▼【ジェットスタジオ 石井 裕 氏(CGディレクター)】
SFではありますが不思議と実際にありそうだなと感じさせられるだけの説得力はあったので面白い絵だと思いました。現状の淡い夕景も良いですが奥のタワーにもう少しだけ夕日の光が差し込んだ眩い絵も見てみたいなと思いました。
▼【Production I.G 足立博志氏(モデリングディレクター)】
軌道エレベーターの麓で働く農民の情景でしょうか。超未来的なデザインのエレベーターと荒廃した道路に挟まれて佇む素朴な農民と田んぼの対比が色々なドラマ性を感じさせます。田植えの途中でふと体を休めて腰をさすりながらソラを見上げるという演出が人物の動きを感じさせてイイですね。田んぼのあぜ道や自然物がややパキッとしているので起伏や質感にもっと生々しさが出ていれば更に良かったかもです。
▼審査参加企業・アーティスト
<<特別審査員>>
サーリ ヤーッコ 氏
DHU特任准教授
【総評】
ぜんたいてきな感じは良かったです。とくにコンセプトやフレーミングは良くできていました。可愛さも、温かさもとても良かった。みんなのそれぞれの出したい雰囲気、熱意を感じました。素晴らしいです。フォトリアル背景の表現のためにPBRマテリアルはもっとやってほしいです。とくにラフネスマップやDisplacementマップは使ってない人たちは多かったです。SubstanceDesignerはとくにおすすめなToolです。
【採点結果】
牧野海都 5点 畠山和之 5点 小泉愛莉 4点 大森将弘 3点 渡邉凜久 2点 常盤優太 1点
竹下優子 氏
コンセプトアーティスト・マットペインタ
https://yukotake.artstation.com/
【総評】
皆さんがCGが好きで一生懸命作成しているのが伝わってきました。まだプロとしての合格点には達していないものの、情熱が全面に押し出されたたくさんの作品を楽しみながら拝見させて頂きました。全体的にCGっぽさが抜けきれない作品が多かった気がするので、普段生活している中でも周りを見渡して観察力をつける練習をしてみてください。制作大変お疲れ様でした。
【採点結果】
光成葵陽 3点 小泉愛莉 2点 真野なな子 2点 鈴木天空 2点 宇野颯汰 2点 小林郁哉 2点 小笠原 淳 2点 市川友太 2点 渡邊 光 1点 深居昌哉 1点 岸本翔大 1点
田崎陽太 氏
カーキ
Episode3
CG Supervisor・Environment Design
https://khaki.tokyo
【総評】
今回も審査員を務めさせていただきました。皆さんの作品データを開く瞬間は、毎回ワクワクします。期待を上回る素晴らしい作品に出会えることが多く、とても良い刺激を受けています。僕が点数をつける基準としては、モデリングや質感のクオリティはもちろん、構図やライティング、ストーリー性がどれだけ優れているかを重視しています。特に僕はモデラーではないため、構図やライティング、ストーリー性に注目する傾向があります。モデルの細かさよりも、全体の雰囲気や魅力がしっかりと伝わる作品を評価したいと思っています。皆さんもぜひ、ストーリー性が感じられ、見ていてワクワクするような作品をたくさん見せていただけることを期待しています。フォトリアルで精密な作品が入賞する可能性は高いですが、何よりも心に残るインパクトが大切だと思っています。
【採点結果】
小林郁哉 5点 市川友太 4点 小泉愛莉 3点 鈴木天空 2点 土田和也 2点 渡辺隆太 1点 小笠原 淳 1点 七尾夏未 1点 冨久丈丸 1点
【総評】
今回は意欲的な表現をした作品も多く、コンテストに置いてどういったものが評価されるかを意識したアプローチが浸透してきたようにも感じた。リアリティを追求したものから、ストーリー性を意識したものまで、幅広い作品があり、講評においても非常に難易度が上がってきたように思う。過去の受賞作品から、評価されやすい傾向を意識する事は、芸術性という意味においてはチートでもある。ただ、プロフェッショナルな仕事という意味においては、クライアントの好みや意向をリサーチするというのは、非常に重要なポイントでもあり、そういった部分は、私個人的には評価対象だと考える。自分の表現したいものと、評価されやすいもののバランスをとりつつ、より良いものを追求できるのが、プロフェッショナルな意識だと思う。同時に、自分の表現だけを純粋に追求して他に提示する事も、経験値としては重要な事だとも思うので、コンテストに勝つことだけを目的にするだけではなく、幅広い意識で望んでもらいたいと思う。
【採点結果】
深居昌哉 3点 冨久丈丸 3点 小泉愛莉 2点 小林郁哉 2点 小笠原 淳 2点 市川友太 2点 繁永延明 1点 久野恵吾 1点 永野恭平 1点 土田和也 1点 小野寺晃希 1点 因幡都頼 1点
【総評】
素晴らしい作品の数々でした。見ていてとても楽しかったです。皆さんの高い技術的な水準には驚かされるばかりです。その先で評価の分かれ目になるのではないか、思われるのが「四角い画面の中にどのように情報を納めるのか」という事の難しさです。往々にして足し算をしていく事はそこまで難しくありません。しかしどこかのタイミングで引き算をする瞬間を見極める必要もあると思います。必ずしも解り易いヒントを用意せずとも、ちょっとした繊細な変化やオブジェクトの配置の仕方でも語れる物語があるのではないでしょうか。個性的な作品も散見されますが、一方で似通った切り口の作品も多くみられたのが印象的でした。決して奇を衒う必要はありませんが、恐れず自分の表現したいものに真っすぐ向き合ってみて欲しいと思います。この様な貴重な機会を頂きまして感謝につきません。ありがとうございます。
【採点結果】
大内遥貴 3点 小林郁哉 2点 市川友太 2点 深居昌哉 2点 土田和也 2点 仙田昊大 2点 雨田伴慈 2点 小笠原 淳 1点 永野恭平 1点 小泉愛莉 1点 前田真樹 1点 伊藤泰行 1点
【総評】
今回背景部門に関しては僕にとってはどれも同じような感じで横一線でした。どこかに優劣をつけるのが難しく接戦であったと思います。良く言えばクオリティーが均一化してきたと言えますが悪く言うと雑な部分が似てきたなという感じでした。その中での丁寧に作っている作品が頭一つ抜けて得点に繋げているとおもいます。モデリングとテクスチャリングの丁寧な作業が見えて、なおかつ作品としての構成力が求められているのかなと。そういう意味では今回どこに評価の軸を置いているか、審査員の好みで点数が振り分けられているかもしれせん。大切なのは評価された作品をマネするのではなく、どこが評価されているのかを理解して自分の作品に取り入れることだと思うので学生の皆さんにはブレずに自分の表現したいものを形にしていってほしいと思います。
【採点結果】
小林郁哉 2点 小笠原 淳 2点 市川友太 2点 深居昌哉 2点 後藤悠人 2点 大内遥貴 2点 小泉愛莉 2点 大塩恒平 2点 松本尚人 2点 永野恭平 1点 七尾夏未 1点
【総評】
毎年のことですが素晴らしい作品が多く、採点するのがいい意味で本当に難しかったと思います。特にここ最近はSAFEHOUSEの鈴木さんのすばらしい影響を中心に、背景モデリングのレベルはすさまじく高くてどうしても選ばざるを得ない作品が多くてそれぞれの配点が全体的に低めになってしまいました。笑 これから先 AI がクリエイティブの領域にも入ってくる可能性がある中で、作品作りを通して自分たちが何を伝えたいのか?そういう技術とは別な”ものづくり”としての根幹的な部分を、皆さんしっかりと考えながら作られているのが作品を通して感じられて、どの作品も見ていて嬉しくなってしまいました。クリエイティブな力は CG の技術とは別にあって、そういうものを追求する”ものづくり”の面白さというのをこれからも、自主制作でも仕事を通しても、忘れず持っていて欲しいなと 思います。また、そういう方と一緒に仕事できたら幸せですね。
【採点結果】
深居昌哉 4点 後藤悠人 3点 内田隆宏 3点 市川友太 2点 小林郁哉 1点 土田和也 1点 鈴木天空 1点 大内遥貴 1点 谷平 陽 1点 小野寺晃希 1点 新保天音 1点 後藤久美子 1点
<<企業審査員>>
【総評】鎌田友樹 氏(CGI SV)/(SONIC)今井紀久 氏(監督・ArtDirector)/新美遥香 氏(Production manager)/山元太陽 氏(VFXProducer)
両部門とも、model単体ではなく、一つの作品としての画作りを意識されている作品が多くなっているように見受けられました。ファンタジーな物もあれば、日常風景を切り取った物まで様々あり、「そんな世界観を作るのか!」「そこを切り取るのか!」っと楽しみながら講評させて頂きました。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可
■トゥエンティイレブン
https://cgworld.jp/jobs/30481.html
【総評】尾関昭宏 氏(CGディレクター)
今は多くの作品に触れられる機会が多い中、それらをどう受け止めて自分の中で消化し表現して行くことが出来るのか、そういった力が大切なのかなと思います。年々進化するソフトや素材の力を借りると比較的簡単にそれらしい絵作りができますが、大切なのはそれ以前の何を伝えたいかを自分の意思で考えてアプローチすることだと思います。そんな想いの強い作品も多くあり自分自身も大変刺激を受けました。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/CG未経験可
【総評】馬場拓己 氏(背景ディレクター/CGスーパーバイザー)
今回、背景/プロップ部門を担当させていただきました。クオリティを出しつつ、沢山の応募者の中で目を引くような作品を作るの難しいと思いますが、予想以上に応募作品の平均レベルが高く、点数の割り振りにすごく悩みました。一方で、レンダラーやライトの設定など、ほんの少しの知識を入れるだけでもっとクオリティが出せるのに、と思った作品も多く見受けられました。個人のセンスやスキルに依存しない、ただの知識差で周りとクオリティの差がついてしまうのはすごくもったいないと感じますので、様々な場で色々な知識を学んでいただきたいと思いました。また、今回私の方で点数を入れなかった作品でも、PRやその他の欄に見てほしい部分などが明確に書いてある応募者の方には少し多めにコメントさせていただきました。数年後にプロジェクトでご一緒するご機会がございましたら、その時はよろしくお願いいたします。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
【総評】中島 勇 氏(プロデューサー)
応募作品全体を通して、独自の世界観を創り上げている点が印象的でした。構図・ライティング・ディティールに力を入れた作品は、、観る人に強いインパクトを与えており、みなさまの想像力と工夫が伝わってきます。見る人を引き付ける仕上がりを目指すためには、さらにストーリ性を感じると、作品全体が一層引き立つと思います。アイデア出し/技術取得/チャレンジを続けることが、次のステップへの鍵になるでしょう。今後も創造力を磨き続け、多くの方に影響を与える作品を期待しています。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可
■Million Edge
https://cgworld.jp/jobs/30430.html
【総評】白水正剛 氏(代表取締役)、所谷悠太 氏(アートディレクター)
この度は、フレッシュで力強い作品の数々を拝見できる、貴重な機会をいただき誠にありがとうございました。作品数も多く、それぞれの個性(エッジ)が出ており、審査は非常に悩ましかったです。私たち自身、今回の審査を通して、長く業務を行っていると忘れがちな感覚を思い出すことができ、とても良い刺激を受けました。近年ソフトウェアの進歩が著しく、物理的に正しいアウトプットが出来る中、そこから「さらに一歩」踏み込んだクオリティが求められる時代です。ジャンルに関わらず、自分の伝えたい意図や表現を組み込み、見る人を無条件で納得させる「魅せる絵」を作り続けていってください。これからも技術を磨いて、今後のCG業界を牽引するアーティストやデザイナーになっていくであろう皆様と一緒にお仕事が出来る事を楽しみにしております。今後の活躍を期待しています!!
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/CG未経験可
■しいたけデジタル
https://cgworld.jp/jobs/30682.html
【総評】玉城梨沙 氏(モデルディレクター/マネージャー)
色々な「好き!」「これが作りたい!」という熱意の伝わる作品ばかりで見ていてとても心踊りましたし、良いと思った方々が多くコメントや講評を書くのが大変でした。企画に参加するチャレンジ精神も作品を見てもらいたいという姿勢も素晴らしく、若さにあふれていて輝かしいばかりです…。皆さんのような若く熱意溢れる方々が業界に入ってきてくれることを楽しみにしています!
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用
■インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス
https://cgworld.jp/jobs/30125.html
【総評】ディレクター一同
審査に参加させていただく度、若い皆様の熱量にあてられて刺激を受けています。年々技術レベルの平均値が上がってきており、驚いております。ただ、チュートリアルなどの充実の結果か、似通った表現が多くなる傾向もあり、この人ならではという尖った個性が見られなくなってきているのは少し残念に思います。そんな中、「こういう絵をつくりたい」という思いを感じた作品に加点させていただきました。技術の研鑽はもちろんですが、ご自身のつくりたい想いも大切にしていただき、いつか皆様と一緒にお仕事できる日があることを願っております。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
【総評】安東容太 氏(CGディレクター)
みなさま制作お疲れ様でした。高校生の方だったり独学の方だったりがいらっしゃって、みなさん上手い・・・。なにより好きなものだったり作りたいものを楽しんで作っていることが感じられる作品が多く、見ていてとても楽しかったです。仕事にするにしろ、趣味で続けていくにしろ、モノづくりの楽しさをこれからもずっと感じていただきたいなと思いました。今回も貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
【採用対象】
2026年度採用
【総評】佐藤勇一郎 氏(部長/プロデューサー)
お疲れ様でした。恐らく、制作するにあたり色々な考察や観察を重ねる努力をしてこられたと思います。作品の一つ一つに個性があり、細かい部分まで拘りを持って作成されていると感じました。考えを重ねて何か一つの作品を作り上げるという経験自体が、今後現場で制作をする上での考え方の土台になり、必ず活かしていくことができると思いますので、是非今後も創作を続けて下さい。今後のご活躍を期待しております。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集/インターン募集
■東映 バーチャルプロダクション部
https://cgworld.jp/jobs/30723.html
【総評】Samuel Chew 氏(モデリングスーパーバイザー)
This was my first time participating in the judging process, and I was surprised by the large number of entries. The difference in quality and technical skill among the works made the judging quite challenging. While there were some works that did not reach a high level of quality, I believe they will certainly improve with more experience. I hope they will continue to take on challenges in the future. It was also impressive to see many individuals who are self-taught in CG achieving high-quality results. I hope that initiatives like this will further invigorate the Japanese CG industry.
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可
■TREE Digital Studio
https://cgworld.jp/jobs/10068.html
【総評】Creative一同
これまでのWHOSNEXT?に引き続き、力の入った魅力的な作品を見せていただきありがとうございました。今回、良い評価をいただけた方も、酷評された方も寄せられたコメントに真摯に向き合い、さらなるスキルアップを目指して制作を続けていただければと思います。今後、クリティティブの一線でのご活躍されることを期待しております。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
■WACHAJACK
https://cgworld.jp/jobs/30686.html
【総評】澤井富士彦 氏(代表取締役/Art Director)
今年も全体的にレベルの高い良い作品が多く選定に非常に悩みました。作品としての品質の高さもそうですが何か作品に込めた思いやメッセージ、画として感情が動いた印象に残る作品を元に選ばせてもらいました。また今回は作家性や自分の好きやこだわりのある作品が多く、それが背景だったりモーメンタムショットだったり、プロップだったりと多様で、若い学生の皆様の感性に心を動かされました。今後、今回ご応募いただいた皆様のご活躍を応援すると共に、素敵なお仕事をご一緒出来る事を心から楽しみにしております。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集/インターン募集
■イメージ・ロジック
https://cgworld.jp/jobs/30522.html
【総評】伏見滉生 氏(アニメーションディレクター)
ハイレベルな作品が多く、応募者の熱量に圧倒されながらもひとつひとつの作品をしっかり目を通して審査させていただきました。作品の設定や時代考証、下調べをしっかり行ってから制作する対象を選定している作品は自ずと完成度の高いものに仕上がっている印象を受けました。近年、DCCツールの発達やゲームエンジンの普及、チュートリアルの充実など比較的CGでの作品制作を始めるハードルが低くなったと感じるなか、ツールを触る前の企画、情報収集、コンセプト立案の重要さを改めて感じました。今回、静止画の課題ということもあり、審査員はモデラー寄りの方が多くを占めるところ、アニメーターの立場で審査に参加させていただきました。モデルのクオリティもさることながら、ストーリーや時代背景を感じさせる作品を作ろうとしている方が多く、皆さんが作品に込めた想いを感じながらとても楽しく審査させていただきました。使用モデルの版権など、懸念点は数多くあるかと思いますが、ぜひアニメーション部門も新設されると嬉しいです。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/インターン募集/アーティスト職以外、CG未経験可
【総評】吉川平 氏・井上凱 氏(Flame Artist)
まず、提出するということこれはとても勇気のいることだと思います。にもかかわらずこんなにたくさんの作品が応募されてきているのを見てとても感銘を受けました。日々クリエイターたちがデジタルネイティブ世代に切り替わっていく昨今、自分たちもより一層頑張らないとと緊褌一番の思いで日々を過ごそうと思わされました。みなさんと一緒に働ける日が来ることを楽しみにしています!
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
【総評】吉田裕行 氏(Director/CG Supervisor)
沢山ご応募いただいた作品群は非常に見ごたえがあり応募者皆さんのこだわりを感じる事ができ刺激をいただきました。自身が作ったものをより良い形で見せるにはどうするべきか、どの様にすればより相手に伝わるか、見た人はどのように感じるのか、等を考えて手を動かす事はプロフェッショナルを目指すうえでとても大切です。日々の創作活動においても是非その点を意識しつつ、引き続き「ものつくり」に励んでいただければ幸いです。近い将来皆さんとこの業界で一緒にお仕事出来る日を楽しみにしています。
【採用対象】2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集/インターン募集
■ジェットスタジオ
https://cgworld.jp/jobs/46.html
【総評】石井裕 氏(CGディレクター)
いつも皆さんの想いが詰まった作品にとても刺激を受けております!自分だったらどういう作品を作るだろう、このモチーフだったらどういうレイアウトにするだろう、など応募作品を通して自らを振り返る良い機会も頂けてるなと感じています。技術が進歩していくとどうしても似たり寄ったりの作品が多くなってきますが、自分だったらどうするか、という視点を常に持ってこれからも楽しみながら自分らしさを追い求めてもらえたらと思います。皆さんの今後のご活躍楽しみにしております!
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
■Production I.G
https://cgworld.jp/jobs/10098.html
【総評】足立博志 氏(モデリングディレクター)
今回は特にクオリティの高いBG(背景)作品の応募が多くてとても楽しく拝見させていただきました。背景にも対比としてさり気なく人物が佇んでいたり、テーマ性のある静物が添えられていたりして演出力が感じられるものは心に残り易いですね。敷居が高いと思われがちなキャラクターや生き物系はやはり同族意識というか、好感を覚え易いですが、応募が減っているのがちょっと寂しいです。自分の場合、マテリアルの細かい質感や精巧なディテールなどより一枚の絵としての全体のバランスや造形の表現力などに注目してしまいがちで、CGの技術が高いとか、ソフトを上手く使いこなしている等はあまり見ていないので評価がやや偏っているかもしれません。技術は後から付いてくる、技よりもまずは「イイ感じ」を見るタチです。正直、どれも熱意に溢れるイイ作品ばかりであまり順位は付けたくないですが、皆さんがプロとして現場に立つ時にはおのずと順位が付くものなので、そこは修行の第一歩と思っていただくしかありませんね。どこかでお仕事ご一緒出来る日が来るのを楽しみにしております。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
■ポイント・ピクチャーズ
https://cgworld.jp/jobs/20040.html
【総評】CGチーム CGディレクター/美術監督
上位に選出させていただいた方々の作品については、技術面で大きな差はないという印象でした。わずかな作り込みや工夫によって、作品に深みを感じられる点が評価の決め手となりました。この小さな努力の積み重ねこそが、人の心を動かす作品作りに欠かせないものだと思います。今回のコンテストで得た経験が今後の作品作りに活かされ、ご活躍されることを願っています。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
■StudioGOONEYS
https://cgworld.jp/jobs/30043.html
【総評】大山萌依 氏(モデリングSV)
年々レベルが上がっており、毎回見るのが楽しみになっています。今回はまだCGを始めたばかりなのにハイクオリティな作品も多く見られて、今後の皆様の成長がますます楽しみになりました。ご自身の表現したいキャラクターや世界観を大切に、今後もたくさんの物づくりを楽しんでもらえたらと思います。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
【総評】立花大輔 氏(代表取締役)
キャラクター部門が少なめだったのは少し残念でした。また、作品の仕上がりに若干のバラつきを感じましたが、優れたツールが増えている中でもう一歩工夫を重ねていただけると、全体的なレベルアップにつながるかと思います。とはいえ、質の高い作品には本当に素晴らしいものがあり、感心しました。作品のクオリティは、良いものを見て目を養うことで自然に向上するものですので、引き続き多くの良い作品に触れながら、さらに素晴らしいクリエイティブを目指していただけると嬉しく思います。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/インターン募集
【総評】植木 氏(背景モデリングディレクター)
今回もクオリティの高い作品ばかりで大変感動いたしました。ぱっと見で目を引くクオリティーの作品もあれば、じっくり見ると細部のこだわりを感じられる作品などもあり、どれも個性的で楽しく拝見させていただきました。こだわりたい部分をとことんこだわって作れるのが学生の間の良いところだとも思うので、今後も好きを追求した作品を生み出して頂けたらと思います。また有料アセットなども使用されている方もいらして、どこまでがその人の実力なのか画像だけでは分からなくなってきているのだなという印象も受けました。前回に比べてまだ完成ではないのだろうなという作品も多かった印象なので、また機会があるなら完成版を見せて欲しいなとも思いました。皆様の今後のご活躍に期待しております。ありがとうございました。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/CG未経験可
【総評】林 一喜 氏(CGディレクター)、八木敦也 氏(CGデザイナー)、山中秀馬 氏(プロデューサー)
今回の「WHO'S NEXT?」では高校生など若い方々や他の業界からの応募も多かったように思います。全体を通して挑戦をしようとする意欲や、独創的なアイデアを込めたフレッシュな作品が印象に残っており、作品に込められた情熱を感じました! 作品がどれだけ想像力を刺激し、心に残る印象を与えるかというのは非常に重要なポイントで、私たちも日頃から考えています。答えは状況によってさまざまに変わるものですが、今回のコメントが皆様の創作の参考になれば幸いです。今後どこかで皆様とお会いできることを心より楽しみにしております!
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可
【総評】カン 覇実寿 ラシッド(カン ハミス ラシッド)氏(Digital Artist)
数々の素敵な作品を拝見させていただき、どの作品も独自の視点と技術が感じられ、私自身これまで見たことのない斬新なアイデアや表現方法に触れることができ、制作意欲や仕事へのモチベーションが一層高まりました。特に、細部へのこだわりや新しい表現技法に挑戦している姿勢が素晴らしく、私も学ばせていただくことが多かったです。CGという手法が多様な可能性を秘めていることを再認識しました。中には作成途中の作品があったりし、「これ完成版見てみたいな...」と少しもったいない気持ちにもなったりしましたが、個人的には参加する意思がある時点でCGに対しての姿勢は素晴らしいと思うので今後もさらに挑戦し続け、皆さんと共に成長できることを楽しみにしています。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集
企画・運営_池田大樹(CGWORLD)