記事の目次

    ※本記事は、CGWORLD vol.314掲載の「アドバイザリーボード 今月の視点」に情報を追加して再編集したものです

    CGWORLD vol.314(2024年10月号)

    <特集>「3Dビジュアライゼーションの最前線」

    判型:A4ワイド
    総ページ数:128
    発売日:2024年9月9日
    価格:1,540 円(税込)

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    関わっていたプロジェクトの予告が解禁されました!

    CGWORLD編集長・アニメーション&海外映像担当:若杉 遼

    今月は1年半にわたり関わっていたプロジェクトがようやく終了し、日本でも続々予告が解禁されてきて、少し安心しています。紆余曲折あり、今まで関わった作品の中で最も長い期間関わったプロジェクトになったので公開が楽しみです!

    CEDEC 2024が開催! 生成AI関連の発表も

    ゲーム開発技術&海外ゲーム担当:榊原 寛

    今号はゲーム系の記事がお休みなので別のことをば。8月21日(水)~23日(金)にCEDECが開催されましたね。この原稿を書いている8月中旬現在、プログラムをみると去年に引き続き生成AI関連の発表がかなり目立ち、加えてプロシージャル・量産・効率化といったワードも散見されます。

    変化の只中にあるゲーム開発現場で、時代に対応するための知見の交流が盛んです。私は今年は現地には行けないのですが、ぜひアーカイブなどからキャッチアップしたいと思います!

    若いアーティストの技術以外の部分にも注目したい

    CGアート全般&実写VFX担当:Khaki

    当社では最近インターンを積極的に実施していますが、若いアーティストたちの優秀さに驚かされています。SNSなどの普及により、誰もが高い技術を身につけられる一方で、技術だけでの差別化がますます難しくなっていると感じます。今後、AIのさらなる発展などを考えると、技術以外の部分での差別化がさらに重要になってくると感じています。

    OpenUSDフォーマットのデータが無料公開!

    ゲームエンジン(映像・VR)&VIZ担当:スタジオブロス&モデリングブロス

    7月末にActivision『Call of Duty:Warzone Caldera』(PS5/Xbox Series X、ほか)のマップデータをOpenUSDフォーマットでオープンソースとして公開し、GitHubから無料でダウンロードすることができるようになりました。

    このデータを活用するにはNVIDIAのOmniverse LauncherからUSDViewをインストールします。約2マイル(3.2km)四方で、1,750万プリミティブ、20億以上のポイントで構成されています。同社の目的としては、ゲームのツールの進化に役立つだけでなく、AIのトレーニングに活用することで業界内の成長とイノベーションを促進することが重要だと考えているとのことです。

    イマーシブ体験の普及は3DCG業界にも影響あり!

    3DCGを活用した新領域&ビジネス担当:岸本浩一

    イマーシブ体験とはユーザーが没頭できる体験を指し、進化したLEDディスプレイを空間全体に設置することで、圧倒的な視覚的インパクトを与えます。この技術はエンターテインメント施設や商業施設で広がりを見せ、訪問者にまるで別世界にいるかのような感覚を提供します。

    さらに、今後は飲食店など身近な場所でも活用され、より日常的な場面で特別な体験を受けられるようになっていくと思います。これらの技術の進化は、3DCG業界にも新たな需要を生み出すことでしょう。

    PCは性能だけでなく安定性も追求を

    レンダラ・ハードウェア担当:澤田友明

    8月にAMDの新世代CPUがリリースされ話題になっています。その背後の水面下ではIntel第13、14世代CPUのクラッシュ問題が取り沙汰されて注目していましたが、Intelからのマイクロコード欠陥報告でようやく一般的なニュースサイトでも取り上げられ、認知されました。

    当社でも多数のレンダーサーバーを抱えており、一度痛い目を見ているため安定性と消費電力の問題には大変気を遣っています。プロセス技術の進歩により性能が上がることは大歓迎ですが、CG制作では連続フル稼働させることが当たり前なので、瞬間的な性能よりも長時間に渡ってコンスタントに高性能を発揮してくれる方を求めます。ぜひPCメーカーにはより良いものを提供していただきたいと切にお願いしたいです。