>   >  学生限定投稿コーナー「WHO'S NEXT?」:2019年第2弾 結果発表! 学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」優秀賞&審査員講評コメント一挙公開
2019年第2弾 結果発表! 学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」優秀賞&審査員講評コメント一挙公開

2019年第2弾 結果発表! 学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」優秀賞&審査員講評コメント一挙公開

第11位:『Neo Japan 2』 獲得点数:17点

直江遼河さん(吉田学園情報ビジネス専門学校)
僕は世界中の人に映像やゲームなどのコンテンツを通してワクワクしてもらいたい、そのために世界で戦っていけるエンバイロメントアーティストになりたいと考えています。そしてエンバイロメントアーティストとして、憧れている方たちを超える勢いで駆け抜けて行きたいと考えています!

●作品解説
高校生の頃に観た『ブレードランナー』に憧れサイバーパンクなものをつくりたいと思い制作しました。以前も同じような作品をつくったのですが、技術力も今以上に足りなくフォトバッシュなどを用いていたため、全て3Dで表現しようと試みました。

●使用ツール
Cinema 4D, Substance Painter, Photoshop


●審査員コメント 抜粋

富安健一郎 INEI(コンセプトアーティスト/代表取締役)
絵心を感じる。自分独自のデザインランゲージを作品の中で構築できるとさらに良くなると思う。

神央薬品
サイバーな感じもちゃんと出ていて良かったと思います。画面に対してのレイアウトも上手に出来ていて将来が楽しみです。鳥居の奥のディティールも何か感じれるともっと良くなると思います。

イリンクス
左右のコントラストを強く意識されており、それはとても良いのですがレターボックス風の黒帯のせいもありますが2つのモチーフが画面内の上下で見た時かなり上めのほぼ中央に位置しており、レイアウト全体が浮ついて見えます。消失点が画面中央近くまで高く来ることへの意味付けが感じられませんでした。

Volca
暖色と寒色による遠近の強調効果が目を引きました。映画や特撮の1ショットのようで面白いと思います。

株式会社MARK
綺麗な画作りができていると思います。ただ鳥居のテクスチャ、看板の側面の黒ベタ、室外機のコピペ感、提燈などが悪く目立ってしまっているなと感じました。

●受賞コメント

今回は前回の結果よりも良い結果を残せた点ですごく嬉しかったです。ただまだまだ上位者には劣る点がたくさんあります。今後は審査員の方々からいただけたフィードバックをもとに自身の伸ばすべき部分を見極めて成長していきたいと思いました。またこのような、自身を含む学生とプロの方々が接点をもち私達の作品を見ていただけたことが嬉しく、こんな機会を用意してくださった皆様に大変感謝しております。

第11位:『Vegetable Store』 獲得点数:17点

松本潤子さん(デジタルハリウッド東京本校)
将来海外のフルCGアニメの制作会社でアニメーターとして働くことを目標にCGの勉強を始めました。モデリングでもアニメーションでも、何故そこにそのものがあるのか、何故今その動きをしたか、など想像をめぐらすのが好きで、またその考えが如実にクオリティに反映されるCGという表現方法が楽しくてしかたありません。その自分の中の想像が、どう表現すればより人伝わるか研究していきたいです。

●作品解説
メキシコのグアナファトという街をモデルに制作しました。カラフルなかわいらしさの中にも生活感を感じさせる古都のわびさびと、野菜のフレッシュさとのコントラストの表現に力を入れました。

●使用ツール
Maya, Substance Painter, Photoshop


●審査員コメント 抜粋

INEI 富安健一郎(コンセプトアーティスト/代表取締役)
どのような事を表現したかったのか伝わってくる作品で印象が良い。手前の果物達のテンションが画面全体にあるとなお良い。例えば、地面、ダンボール、果物のシズル感、空、壁、それぞれにもっと違った汚れや表現があることに気がついていくと良い。今はまだ本気で表現できていないのだろう。さらに病的なほどの作り込み、表現の追求があれば突然ものすごい作品に化ける可能性を秘めている。

秋元純一 トランジスタ・スタジオ(取締役副社長)
メキシコの乾いた空気感と日差しの強さを十分に感じられる作品になっていると思う。レイアウトも決まっていて、色彩も素晴らしいと思う。モデル、テクスチャともに丁寧で、作品への拘りが伝わってくる。ただ写実的なだけでなく、伝えたいローカルの雰囲気をうまく表現できている。

メタサイト
メキシコの乾いた空気感と日差しの強さを十分に感じられる作品になっていると思う。レイアウトも決まっていて、色彩も素晴らしいと思う。モデル、テクスチャともに丁寧で、作品への拘りが伝わってくる。ただ写実的なだけでなく、伝えたいローカルの雰囲気をうまく表現できている。

東映 ツークン研究所
全体としての色彩感などでコンセプトが伝わってきてとても好感がもてます。ただメインになっている野菜の質感が少しチープでフレッシュさが感じられないので、そこが改善点かなと思います。

Volca
配色や構図が良いと感じました。絵の中に面白い主題 (見せたいもの、伝えたい事)があればもっと良い絵になったと思います。

●受賞コメント

このたびは賞をいただき本当にありがとうございました。審査員の方からいただいたコメントを読んで、自分の作品のどこが評価されたポイントか、また今後評価を上げるために必要なポイントはどこかということが明確になり、次の作品作りへの指針が出来ました。今までは自分の好きなものをがむしゃらに作っていましたが、このコンテストで人に作品を見てもらうとはどういう事かを学べた気がします。自分も楽しく、また見る人がより楽しめる作品づくりに励みたいと思います。

第13位:『Shoe Atelier』 獲得点数:15点

太田一希さん(デジタルハリウッド大学)
背景モデラー目指して頑張っています!

●作品解説
生活感を出しつつ、各道具も使い古された感じに仕上げました。窓から入る光で部屋全体を温かく、見ていて心地良い作品を目指しました。

●使用ツール
Maya, Photoshop, Substance Painter, After Effects, V-Ray


●審査員コメント 抜粋

鈴木卓矢 SAFEHOUSE inc.(取締役/背景モデリングSV)
モデリングも丁寧に作られているし質感の住み分けもよくできてます。画面を占める情報のバランスもとれていて静止画という点で絵画的で素晴らしいと思います。もったいないのが木材の凹凸が強くてノイジーな部分です。凹凸が強くそこにスペキュラーが入っているので画面がちらつく要因になっています。触ったらささくれが指に刺さりそうな廃墟感が出てしまっているので雰囲気との調和が取れるともっとよくなると思います。

スマートエンジニア
影の使い方がうまくできていてそこにある空気感が表現できています。細部のディティールやテクスチャの作りこみがよく全体的に丁寧な作品に仕上がっています。

バンダイナムコスタジオ
絵画的な構成や光と影による雰囲気がとても良いと思いました。使い込まれた道具は、劣化するだけでなくツヤが出たりもするので、そのあたりを使い分けられるともっと良くなると感じました。(バンダイナムコスタジオ:東)

slanted
ディテールの作り込み、テクスチャ感が素晴らしいです。ライティングもとても丁寧にされていてCGスキルがとても高いと思いますが、一枚の絵としては構図が平面的で主題がはっきりしません。もっと大胆に切り取ってみてはいかがでしょうか。

●受賞コメント

Who's next を知って以来、入賞することが1つの目標でしたので、こうして叶えられたことは嬉しいです。審査員の方々に頂いた講評から、気付いたことや見直すべき点が分かり、制作の中で意識する観点も広がりました。今後のスキルアップに繋ぎ、1歩を踏み出していきたいです。今回の結果に決して満足せず、精進したいと思います。審査員、関係者の皆様、ありがとうございました。

第14位:『石竜保護協会』 獲得点数:14点

孫イヒさん(HAL東京)

日本のゲーム業界を目指し、留学中に幅広い技術を身につけ、特にオリジナリティーのある造形が大好きです。将来人々に感動を届けられる作品を作りたいという夢を抱いてます。 作品ポートフォリオ:https://www.vivivit.com/profile/public/wJw1FuwGFQ

●作品解説
世界観が表れてて、見てて楽しい背景を作りました。どんな人が住んでいるのか、何のための部屋なのかを伝わるように、小物の配置や協会の紋章、ドラゴンの置物にこだわりました。珍獣である石竜を世界中で探し、保護活動を行うための協会で、会長が良く趣味で彫刻をしていたという設定です。

●使用ツール
Maya, Substance Painter, Photoshop, ZBrush


●審査員コメント 抜粋

森田悠揮(アーティスト・クリーチャーデザイナー)
アセットやシーン内の全体的なボリューム感、とてもよく作られていると思いました。これからもう1ステップアップするには、見せ場である竜の骨への視線誘導、画面全体の明暗のバランス、見せたい場所の質感のクオリティアップなどを行う必要があるかもしれません。

中村 基典(3D背景アーティスト)
物量が多く、とても見ごたえのある絵になっていて、作者の力量を感じます。一つ一つのアセットがちゃんと観察され、それが丁寧に反映されていますので、高クオリティに落とし込めています。 配置についても、見ている人を飽きさせないように、丁寧にかつ自然な形で配置されており、とても好感が持てます。 更に良くなるアドバイスとしましては、 ライティングの明暗が均一に感じますので、例えば手前の頭骨や地球儀のある一角、左側のイスを少し暗くして、奥の窓に目が行くようにする、もしくは奥の窓の光とその光が当たっている箇所以外をもう少し暗くしてみると、絵が整理されて良いかもしれません。 また、ライティングで環境光に隠し味として少し別の色を入れてみるのも面白いかも知れません。例えば窓の外には緑があるので、窓からの光の環境光に少し緑を混ぜてみるとかです。 また、その絵の主が彫刻をしていたという設定であれば、木の削りカスを置くとか、行動や人柄、歴史を表現し、ストーリーを感じさせることが出来ると更に良くなると思います。 全体的にとても高いクオリティで仕上げていて、素晴らしい作品です。今後の活躍が楽しみです。

デイジー
とてもたくさんのプロップを丁寧に作成、配置されていて、情報量に圧倒されます。ファブリックの質感もすごく良いです。あえて言うなら作品の中の面積が広い窓と光の表現が手前のオブジェクトにくらべ弱い印象で一番見せたい部分が曖昧になってしまったかもしれません。

slanted
主題が分かりづらいので石竜の頭をもっと大きく見せたらよかったと思います。小物まで全てとても良く作られてますし、レースのカーテンも綺麗ですね。

●受賞コメント

受賞できることをとても嬉しく思います!点数を入れて頂いた方々、ありがとうございます。頂いたアドバイスを生かして、表現したいことをもっと伝えられるような作品にブラッシュアップし続けたいと思います。このイベントを通じて、夢を追って日本へ来たことは正解だと確信出来ました。これからも好きなゲーム業界で活躍出来るように、楽しみながら自分を磨き続けます。

第15位:『ダイニングルーム』 獲得点数:13点

小谷勇樹さん(トライデントコンピュータ専門学校)
https://takeshi112.artstation.com/
https://www.facebook.com/profile.php?id=100025457683127

●作品解説
田舎の夫婦が住んでいる印象と、生活感が出るように意識しました。冷蔵庫の張物や食器の並び方などに乱雑感を与え、生活感をつくりました。

●使用ツール
3ds Max, After Effects, Photoshop, Substance Painter


●審査員コメント 抜粋

鈴木卓矢 SAFEHOUSE inc.(取締役/背景モデリングSV)
一個一個のモデルが丁寧に作られていて素晴らしいです。小物も多く作られているのでリッチに見えますね。ただ物が意図的に置かれている感が強いので家具の展示場のように見えてしまっています。もう少しモデルの動的な配置感を心がけると自然に見えていいと思います。

秋元純一 トランジスタ・スタジオ(取締役副社長)
作品の雰囲気は良いと思う。物量は多く、それぞれが作り込まれているのも良い印象。折角、夫婦の食事を表現するなら、テーブル中央の鍋が、会話の邪魔にならないか心配になってしまう。それと、夫婦それぞれがワインボトルを抱えている事も心配要因の一つだ。狙ったストーリーであればよいが、物量を無理やり増やしてる感も否めない。

坂本一樹(DigitalArtist)
今回のコンテストでは、背景や風景の応募が非常に多かったのですが、こちらの作品はキッチンというありふれたテーマでありながらも頭一つ秀でた作品でした。構図、質感、ライティング、空気感、奥行き感、情報量など、かなり完成度が高く、見るたびに発見のある良い作品です。強いて言うなら、画面手前に来るテーブルクロスや木のテーブル、椅子などの質感設定をもう少し丁寧にしてあげると更に良くなるかと思います。PBRテクスチャを用意し、カメラの近くに来る場所には木目や細かい傷などのセカンドマップの設定などをしてやると更に情報量が現実的になり、違和感がなくなります。最近ですとSubstance等で簡単に質感やテクスチャが作成できるので、仕上げのひと手間を加えて上げると完璧な作品に仕上がるのではないでしょうか。他の作品も見てみたくなりました。今後の作品も期待しています!

中村 基典(3D背景アーティスト)
一番奥の壁や窓、冷蔵庫は密度感があり、小物の物量も多く、とても説得力があり絵の魅力を引き立てています。ライティングもとても整理されていて、アセット一つ一つの陰影を引き立たせています。とにかく物量がしっかりあるので素晴らしく、見ている人を飽きさせません。更に良くなるアドバイスとしましては、一番目を引く小物であるポットのディテールがほとんど無いのがもったいないので、汚れや模様など何か目を引く情報を追加してみましょう。テーブルクロスや椅子のディテールもさらに追加してみましょう。 ライティングでは、手前のテーブルクロスの影を少し暗めにしてみるとテーブルの上がさらに引き立つと思います。 環境光として少し別の色をスパイスとして入れてみる実験をしてみると良いでしょう。 物量、ライティング、配置、雰囲気、とても素晴らしい作品です。

神央薬品
ダイニングの暖かい雰囲気が出てて良いと思いました。モデルも丁寧に作成してあるのですが手前に映る部分はもう少しディティール足せればまた一段と良くなると思います。あとはライトの処理はもう少し丁寧にやれるともっと雰囲気が出ると思います。

Volca
ライティング、質感、構図が綺麗にまとまっており絵としてとても見やすいです。絵の中に少し遊び心があったらさらに魅力的になると思います。

●受賞コメント

ダイニングルームは様々な方の協力や講評のお陰で完成したので、協力してくださった友人や講師の方々に感謝を。そして、今回の受賞を今後の作品制作のモチベーションや自身の強みとして取り組んでいきたいと思います。最後に、今回自分の作品に講評して頂いた審査員の方々のコメントを今後の作品制作に取り入れてゆき、今後の自分の作品制作により良い物ができるよう努力してゆきたいと思います。

第15位:『星集めの日』 獲得点数:13点

畠山朋子さん(デジタルハリウッド東京本校)
もともとイラストを描いていましたが表現手法を広げるため3DCGの勉強を始めました。分野を問わずクリエイターとしてさまざまなお仕事に携われるようになりたいです。

●作品解説
ビネットフィギュアのイメージで制作しました。1体2,000ポリゴン程度のローポリで魅力的なキャラクターと世界観を表現できるようこだわりました。

●使用ツール
Maya, Photoshop, Illustrator, Substance Painter,CLIP STUDIO PAINT


●審査員コメント 抜粋

秋元純一 トランジスタ・スタジオ(取締役副社長)
ローポリゴンの表現としてまとまっているし、世界観もあって素晴らしい。 もっとレンズエフェクトを効果的に使って、空気感などを見たくなるような、作品のまとまりを感じた。

坂本一樹(DigitalArtist)
ローポリゴンがペーパークラフトのような味を出していて、とても可愛らしく素晴らしいヴィネットに仕上がっていると思います。キャラクターのデザインや小物も素敵で、この世界観のゲーム作品を遊んでみたくなりました。ただ、もし今後手を加えることができるなら、地面のテクスチャだけがラスタライズ(手書き風テクスチャ)ではないのが気になります...せっかく全体が良い世界感で統一されていて勿体ないので、地面だけ修正すると更に良くなるかもしれません。今後も素敵なヴィネット作品を期待しています!(追伸:ぜひSketchfabにアップして3Dでグリグリ回して見れるようにして下さい)

ピコナ
キャラクター背景合わせてファンタジーな感じにまとまっていていいですね、かわいいです。右の子のポーズがちょっとかたそうな感じがしますので少し肘曲げてあげたりとか入れてもいいかもですね。

ポイント・ピクチャーズ
元々イラストを描いていたということもあり、レイアウトもビネット風にうまくまとめられたかわいい作品だと思います。スマホゲームのローポリキャラモデルの需要も多いですし、様々な分野で活躍できるのではないでしょうか。頑張ってください。

三悟
フォトリアル調な作品が多い中、デフォルメのキャラクターと箱庭やオブジェのように世界観を作っていらっしゃって素敵だと思いました。キャラクターはローポリゴンでも可愛らしくディティールまで作られていて良いと思います。背景に関して、今一歩作りこみが甘い箇所があるのかなといった印象です。例えば、地面のテクスチャの粗さ、ツタの色味が夜にしては緑の色合いが強いかなと。窓から光が漏れる様子ももう少し表現されても良かったですね。全体的にまとまりよく雰囲気も伝わってくる可愛らしい作品だと思いました。今後も畠山様の作品を楽しみにしています。

●受賞コメント

この度はこのような賞をいただき、誠にありがとうございます。現場でご活躍されている方からの貴重なコメント、大変励みになりました。CG制作に関わりたいと思い、現在会社を辞めてCGの学校に通っております。在学中に結果を残せて大変嬉しく思います。これからも慢心することなく精進していきたいです。受賞したキャラ達で動画も制作しました。よろしければご覧ください。

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