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国内CG制作環境の定点調査<br/>CGプロダクション制作環境一斉調査2021

国内CG制作環境の定点調査
CGプロダクション制作環境一斉調査2021

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国内企業が使用するPCのスペックおよび価格帯、PCパーツ選定基準に関して、昨年に引き続きマウスコンピューターの協力の下、5度目の一斉調査を実施した。映像制作に関する技術の進歩に呼応するように、現場でも高いスペックのPCが求められるなか、各社はどのような環境で制作を行なっているのか。79社の回答から、その傾向を見ていこう。

TEXT _神山大輝(NINE GATES STUDIO)

EDIT _池田大樹(CGWORLD)

アンケート実施概要
調査対象:「CGプロダクション年鑑 2021」掲載企業
調査期間:2021年7月8日(木)~7月16日(金)
調査方法:Webアンケート
回答社数:79社

過去実施調査記事
2020年度版 制作環境一斉調査
2019年度版 制作環境一斉調査
2018年度版 制作環境一斉調査
2017年度版 制作環境一斉調査

powered by マウスコンピューター

※アンケートの構成比は、小数点以下を四捨五入しているため、 合計しても100%にならない場合があります。

CGプロダクションの導入ハードウェアを一挙紹介

DCCツールの高性能化、4K/8K映像の一般化に伴うデータ容量の肥大化、ゲームエンジンを活用したリアルタイム3DCGの台頭などを背景として、以前にも増してPCスペックの重要性が高まっている。今回で5度目を迎える一斉調査では、3DCG制作をリードする79社からの回答が得られた。

年を追うごとにGPUの重要性が高まり続けるデジタルコンテンツ制作において、昨年との最も大きなちがいは、2021年に登場したRTX3000シリーズが一気にシェアを伸ばしている点。RTX3080は一世代前のRTX2080に比べてCUDAコア数が約3倍近くなっており、VRAMも増加していることからパフォーマンス向上への期待感は高く、価格高騰などの状況を加味しても最有力候補となっていた。

また、CPUのメインストリームはCore i7からCore i9へと移り変わっており、、さらに昨年度までは見られなかったRyzen 7/9、Threadripperなどコストパフォーマンスの高いメニーコアCPUも大きくシェアを伸ばしてきた。ここからは実際のアンケート結果と照らし合わせながら、搭載するCPUやGPUなど主要パーツの導入傾向や、メモリ、ストレージなどの容量について、前年度のデータとの比較も交えて解説していく。

Q1:現在、最も多く使用しているPCについてお聞きします。価格帯(税込)は?

PC購入価格に関しては、20万円以上30万円未満が43%と最多。次いで30万円以上50万円未満が27%となっている。2019、2020年度の結果とほぼ同様の数値となっており、メインの価格帯は大きく変わっていないが、その一方で90万円以上のハイスペックPCの数値が4%となっていた。これは2020年の4%と同じで、それ以前の年度から比べると増加傾向にあることから、ハイエンドマシンの需要は一定以上あることが窺える。なお、そのほかの価格帯に関しては前年度とほぼ同様の結果が得られた。

Q2:購入時に、重視した構成部品は?

[最も重視]

[2番目に重視]

[3番目に重視]

重要視する構成部品に関しては1位がGPU、2位がCPU、3位がメモリとなった。CPUやGPUはメインで使用するDCCツールによって重要度の度合いが異なるが、特筆すべきは今回はじめてGPUの割合がCPUを上回ったこと。この背景にはDCCツールのシステム要件の向上やGPUレンダリングの台頭などの理由もあるが、リアルタイムレンダリングの需要増も大きな要因と言えるだろう。また、前年度と比較すると「3番目に重要なパーツ」の筐体デザインが3%、筐体サイズが5%と微増している点にも着目したい(前年度はともに1%)。コロナ過に伴い、作業環境の刷新があったオフィスも少なくない中で、「スペックを満たした上で、より小型な筐体が欲しい」という需要増加があったものと思われるが、テレワーク需要の後押しと照らし合わせると今後さらに筐体そのものの関心が高まることが予想される。

Q3:CPUは?

前年度と比較すると、AMD Ryzen 7/9シリーズが4%から15%と大幅に増加しているのが特徴。同価格帯のインテルCPUよりもコア数の多いAMD CPUシェアが順調に拡大しており、まさに群雄割拠の様相となっている。一方のインテルCPUはトップシェアを維持しながらも、前年度比で94%から82%とやや減少傾向。その中でも、今回はCore i7とCore i9の比率が逆転していることから、年を追うごとに順当にスペックが向上していることが窺える。業務用ワークステーションへの採用が中心となるインテルXeon CPUに関しては14%から20%と純増。アンケートに回答した企業の属性に依存する部分はあるが、扱うデータ量の増加に伴う変化ともとれる。

Q4:メモリは?

メモリに関しては、前年度から全体的に数字が伸びており、1%とわずかな差ながらトップシェアが32GBから64GBへと変化している。また、128GBも前年度の8%から13%と伸長。DCCツールのシステム要件の変化や扱うデータ容量の増加に伴うプロジェクトファイルの肥大化、複数ツールをまたぐ作業など、様々な要因が挙げられるが、今後もメモリ容量に関しては増加傾向が続くだろう。

Q5:ストレージ(システムドライブ)の種類は?

ストレージの種類は、NVMe SSD(PCIe/M.2)が前年度比で2倍近くシェアを伸ばしている。これまではSATA SSDやHHDとの価格のちがいから導入に至らないケースも少なくなかったが、現在はNVMeSSDの速度面での優位性(SATA SSDに比べてRead/Writeが4倍程度)が市場に浸透しており、コストも下がっていることから、一気に導入が伸びたかたちとなる。HDDは一昨年から26%→18%→15%と減少傾向にあり、少数派になってきた。

Q6:ストレージ(システムドライブ)の容量は?

ストレージ容量も純増傾向にあり、特に2TBは12%から24%と倍増。パーツの低価格化が後押しとなり、一気に数字を伸ばしている。3DCG制作現場においては、アセットの高解像度化・大容量化だけでなく、Houdiniなどの高度なシミュレーションの活用も広まっているため、ローカルストレージの必要性は高まっている。

Q7:GPUは?

2021年発売のRTX3000シリーズが全体の35%を占める結果となった。品薄が続き、高価格化が進む一方で、2000番台から3000番台のパフォーマンス向上に対する期待や、リアルタイムCG分野の隆盛による需要増加が後押しとなっている。前年に引き続きRTXシリーズがGPUトップシェアである一方で、安定性から底堅い人気のあるQuadroシリーズは16%と少数派になってきた印象だ。

多様化する制作現場で大切なのは「総合的なバランス」

現在はプリレンダリングだけでなくリアルタイムレンダリングによる映像制作も一般化しており、レンダラもCPUベース、GPUベースそれぞれ特色豊かな選択肢をもつ。制作ツールの多様化と要求スペックに応じて、PCには総合力が求められるようになってきた。20万~30万円レンジがボリュームゾーンである点は例年通りであるものの、ストレージやメモリの低価格化、AMD Ryzenシリーズのシェア増加によるCPUの選択肢の増加など、スペックの内訳も多様化。3DCG開発の現場においては、従来よりモデリングやエフェクトなどの担当箇所に応じて異なるスペックのPCを使い分けるスタジオも多いため、必要な箇所だけを低コストで増強できるBTOマシンの需要はさらに高まる見込みだ。

なぜマウスコンピューター製品が選ばれるのか? Why mouse computer?

クリエイター向けモデル「DAIV」シリーズの展開をはじめ、近年は特に映像制作・CG開発のクリエイティブシーンに力を注いでいるマウスコンピューター。コストパフォーマンスに優れたBTOメーカーとしての高い知名度はそのままに、消費者からのブランドイメージはどのように変化しているのか。アンケートから紐解いていく。

Q1:マウスコンピューターを知っていますか?

ブランド認知度は2年連続で100%に達しており、「個人または家族・ご友人で既に導入・購入経験あり」が6%から14%と大幅に伸長。個人で活動するクリエイターが選ぶ機種として定着しつつある様子がうかがえる。「会社またはオフィスで既に導入・購入経験あり」も61%から62%と微増しており、全体として導入が進んでいるようだ。

Q2:(導入経験ありと回答した方のみ)導入・購入したマウスコンピューター製品のブランドと所有台数は?

昨年もトップシェアだったDAIVシリーズが499台と、2位以下に大きな差をつけた独走状態となっている。「クリエイター向け」という明確なターゲットの打ち出しが功を奏したかたちとなったが、ワークステーションなども展開する法人向けの「MousePro」も昨年の60台から186台と大幅に増加。一般向けの「mouse」、ゲーミングPC「G-Tune」も数値的には伸びており、全体として順調にシェアを伸ばしている状況が窺える。

Q3:(導入経験ありと回答した方のみ)構成以外で選んだ理由は?※複数回答可

「コストパフォーマンス」が最も多く、昨年の55%を大きく上回り83%と急増。それと並行して、「納期」は25%(昨年15%)、「デザイン」は14%(昨年8%)と、いずれも大きく伸長している。

導入企業が語る、マウスコンピューター製品のお気に入りポイント

・コスパがとても良い
・コストが抑えられて、安定性がありサポートもしっかりしているので大変ありがたいです
・Core i9+GeForce構成で、メモリ128GB搭載の構成が組めること
・DAIVシリーズのようにクリエイター向けを銘打ってプランがあり、クリエイター支援の意気込みを感じて好み

2021年動向をふまえたマウスコンピューターのオススメ!

CGWORLD(以下、CGW):今年度の調査では、重要視するパーツの1位が「GPU」に変わりました。従来通り「CPU」、「メモリ」の重要性は認識されつつも、今後はさらにGPUの需要高が見込まれるような結果となりました。

マウスコンピューター担当者:一番の印象として、世界的なGPUの供給不足であったなか、RTX3000番台の導入が35%と大きく進んだことは驚きでした。実際にDAIVシリーズでもRTX3070搭載モデルなどが安定的に販売を伸ばしていますが、部材供給不足で入荷待ちとなっていた時期もありました。安定供給が実現できていれば、さらに多くの方の導入が進んだかも知れません。

CGW::CPUに関してはいかがでしょうか。昨年まではインテルCore i7/i9がメインストリームでしたが、今年度はAMD Ryzen CPUが勢いよく台頭してきた印象があります。

担当者:AMD Ryzen 7、Ryzen 9、RyzenThreadripperシリーズが全体の18%に大きく飛躍したことも印象的です。AMD CPUの導入が進んだことは、DAIVのデスクトップの売れ筋の傾向とも近いです。今年度は年間を通して、Ryzen 7 3700X搭載モデルの販売数が多く、納得のいく結果になりました。GPUだけを意識するのではなく、CPUもぜひ最新世代を使っていただきたいですね。また、メモリについてもDAIVシリーズは16GB、32GBの構成で展開しており、カスタマイズによって64GB以上を購入する層も多いため、本結果の内容と相違がないように思いました。

CGW:クリエイター向けマシンへの期待感や、コストパフォーマンスを評価する声が多くありましたが、今後どういった製品展開を行いますか?

担当者:DAIVシリーズは、今後も最新のCPUやGPU搭載の製品をタイムリーに販売していきます。CPUはIntel Core i9が主流になりつつも、ワークステーション向けに安定性の高いXeon導入も増えているため、このラインナップも継続的に販売していきます。そのほかにも、EIZOの液晶セットモデルなども追加予定で、クリエイティブ環境をすぐに整えることのできる展開を強化していきたいと考えています。その一方で、カスタマイズ性の幅についてのお声が多いことは真摯に