アメリカHiggsfield社は4月1日(火)、同社動画生成AIプラットフォーム「Higgsfield」に新しい動画生成AIモデル「Higgsfield DoP I2V-01-preview」をリリースした。プリセット化された多様なカメラモーションコントロールによりシネマティックな動画を生成できるほか、1ショットに2つのモーションコントロールをミックスできる「Higgsfield Mix」(4月11日実装)も利用できる。

同社は従来の動画生成AIモデルについて、「意図とコントロールが欠けている」(Because they lack intent and control.)、つまり映画的な文法や一貫性を持ったストーリーテリングの視点が欠けていると指摘。その点「Higgsfield DoP I2V-01-preview」AIモデルは、拡散(diffusion)の後にカメラ&レンズワーク、ライティング技術、シーン構造などの芸術的要素について強化学習を適用し、DoP(撮影監督)のように訓練をしたという。

▲クレーンショットの仕上がりをGoogle Veo 2と比較した動画

Higgsfield AIで実現可能な撮影表現例

「Higgsfield DoP I2V-01-preview」では、実に45種類以上のモーションコントロールのプリセットが用意されている。

▲クラッシュズームイン
▲ロボットアーム
▲スノーリカム(SnorriCam、俳優の体に装着するカメラリグを使った撮影)
▲クレーンショット
▲魚眼レンズ
▲頭部のトラッキング
▲ウィップパン(Whip Pan、カメラを素早く動かして次のアングルやカットに繋ぐカメラワーク)
▲ズームアウトしてフレーム外のオブジェクトを見せる撮影手法
▲ズームインしてカメラがガラスを通り抜ける手法
▲スローシャッター
▲フォーカス送り
▲レイジースーザン(ターンテーブル)
▲バックルアップ(名称由来不明)
▲触手
▲POV(主観ショット)

2つのモーションコントロールを1ショット内に実現する「Higgsfield Mix」

4月11日(金)には、1ショット内で2つのモーションコントロールを組み合わせることができる「Higgsfield Mix」機能も実装された。

▲Higgsfieldワークスペースで、最初のモーションに「360 ORBIT」、もうひとつのモーションに「BULLET TIME」を指定したところ
▲操作デモ
▲爆発とクラッシュズームをミックス
▲クレーンショットとクラッシュズームをミックス

プランと価格

有料プランはBasic、Pro、Ultimateの3種類が用意され、Basicは月9ドル(約1,300円、年払いで月6ドル)でウォーターマークなし、商用利用可の動画が月15本生成でき、月150クレジットが付与される。

Free-Trialプランでは25クレジットが付与され、50枚までの画像生成、2本までの動画生成が行える。


クレジットは1枚の画像生成で0.5、1本の動画生成で10を消費する。有料プランのユーザーは、クレジットの追加購入も可能。

▲クレジットの追加購入オプション

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