Adobeは4月24日(木)、同社生成AIスイート「Adobe Firefly」を更新した。画像生成AIモデルのアップデートと動画生成AIモデルの一般提供が開始したほか、テキストからのベクターグラフィック生成、Fireflyボード(旧称Project Concept、ベータ機能で要承認待ちリスト登録)によるコラボレーション機能も実装する。なお、iOSとAndroid向けFireflyモバイルアプリも近日リリース予定とのこと。
画像生成AIモデルの更新
Fireflyの画像生成AIモデルがアップデートされ、新たに「Firefly Image Model 4」と「Firefly Image Model 4 Ultra」を搭載。前者はシンプルなイラストやアイコン、基本的な写真オブジェクトの作成に向いたモデル、後者はディテールとリアリティを追究したフォトリアルなシーンや人物ポートレートなどに向いたモデルとなる。

▲Firefly Image Model 4 Ultraによるポートレートの生成サンプル。プロンプトは「超現実的な、40代半ばのアジア系女性。顔に手を当て、壁に掛かった楕円形の鏡の前に立っています。鏡には、より滑らかな肌をした自身の反射が映っており、彼女は幸せそうな表情をしています。」(左)、「自然の中に囲まれ、外でゲームを楽しむ子供たちのポートレート。顔には大きな笑顔が浮かんでいる。」(右)
▲動物と建造物の生成サンプル。プロンプトは「早朝の光に照らされた氷の上のホッキョクグマ。側面から温かい日光が差し込む。」(左)、「深い森の奥に建つ豪華な現代的な2階建てのキャビンが、暗い空を背景に温かく輝いています。」(右)
動画生成AIモデルの一般提供
これまでベータ提供だった「Firefly Video Model」が一般提供となった。ベータ時よりもフォトリアリズムが大幅に改善し、テキストのレンダリングや風景、VFX、トランジション効果も強化されたという。

テキストからベクターを生成
新搭載の「ベクターを生成」機能は有料サブスクリプションユーザー向けに提供されるが、無料ユーザーにも10回の無料生成権が付与される。


チームコラボレーション向けキャンバス「Fireflyボード」

これまで「Project Concept」の名称で開発が進められていたチームコラボレーション用の機能が「Fireflyボード」としてパブリックベータで提供。現在は要承認待ちリストへの登録が必要となる。
Fireflyボードでは、プロジェクトのコンセプト開発と探索にFireflyの生成AIを用いた、共有・協業用のキャンバス。同一のスペース内でムードボードやコンセプトプレゼンテーションを作成し、クリエイティブの方向性を探求したり、ストーリーボードを使った構造づくりなどが行える。
プランと価格

Firefly Image Model 4 Ultraや他社画像生成AIモデル、Firefly Video Model、ベクターを生成の利用には、有料サブスクリプションへの加入が必要となる。
なお、Adobe Creative Cloud コンプリートプランのユーザー特典として、毎月1,000のFirefly生成クレジットが付与されるが、Fireflyの有料サブスクリプションに加入しない場合、当該クレジットで利用可能となるのはFirefly Image Model 3またはFirefly Image Model 4による画像生成のみとなる。

■Adobe Firefly:クリエイティブAIの次の進化がここに(Adobe Blog)
https://blog.adobe.com/jp/publish/2025/04/24/cc-adobe-firefly-next-evolution-creative-ai-is-here
■Adobe Firefly公式ページ
https://www.adobe.com/jp/products/firefly.html
■Adobe Firefly web版
https://firefly.adobe.com/
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