Epic Games社は7月14日(火)、Unreal Engine公式YouTubeでUnreal Fest Chicago 2026における講演動画「State of Rigging and Animation Tools in Unreal Engine 5.8 | Unreal Fest Chicago 2026」を公開した。最新バージョンのUnreal Engine 5.8におけるアニメーションおよびリギングツールの最新アップデートとして、コントロール リグの物理シミュレーション拡張、メッシュを直接つかんで操作する直感的なポージング手法、そしてデータ転送ツールを活用した高度なリグ構築ワークフローなど、新機能を多数解説している。

コントロール リグ ダイナミクス

キャラクターの髪の毛や衣服の装飾といったセカンダリアニメーションのオーサリングツールとしてコントロール リグ ダイナミクスを新搭載。パーティクルベースの物理計算ツールで、既存の物理ソリューションと比較して5倍の処理速度となる。1つのノードで揺れものを設定でき、剛性(Stiffness)や減衰(Damping)といった細かな挙動のカーブ調整にも対応する。

コントロール リグ ダイナミクスはフルボディIKと組み合わせ、レイヤードコントロールリグ上で物理シミュレーションを自然にブレンドすることもできる。また、物理コリジョンの形状に凸ハル(Convex Hull)を利用し、カプセルなどの単純なプリミティブ形状ではなく、メッシュのアウトラインに沿った高精度な衝突判定を適用することもできる。

ダイレクト メッシュ コントロール

リギングの実験的機能としては、従来のコントロールリグで画面を埋め尽くしがちだった操作用のリングやカーブシェイプを廃止し、キャラクターのスキン自体をクリック&ドラッグして操作するダイレクト メッシュ コントロール(DMC)を搭載。ハイエンドな映像制作スタジオの専用プロプライエタリツールなどでしか見られなかった直感的な操作感を、UE上でそのまま実現する。ポリグループとして設定されたメッシュ上の制御領域は、リグのモード状態も動的に認識する。例えば、FKモードとIKモードを切り替えると操作対象となるポリグループのレイヤーが動的に変化し、腕全体がポールベクターに、手がIKコントロールへと自動的に再割り当てされる。

シーケンサーのAutoBake

アニメーター向けにはAutoBakeを新搭載。ライブ状態のコントロールリグとベイク済みのアニメーションシーケンスを、シーケンサー上でボタンひとつで瞬時に切り替えられる機能である。物理シミュレーションを含むリグを操作する際、毎フレーム再計算が走ると動きが予測不能になりがちだが、AutoBakeを利用することでシミュレーション結果を確定させることができる。講演では、タイムラインを前後にスクラブしながら、モーショントレイルを用いてキャラクターの軌跡を正確に確認・修正するワークフローを実演していた。

Dataflowを活用したリグやアトリビュートの転送

講演では、処理の軽い低解像度のメッシュでアニメーション作業を行い、最終的な描画時のみ高解像度メッシュへ差し替えるパイプラインを構築するため、Dataflowを活用する手法を解説。Dataflow内のアトリビュート転送ノードを利用することで、スキニングウェイトやリグのセットアップを別メッシュへ容易に移植できるようになる。

また、Dataflowを応用して新規制作されたシマウマのキャラクターリグと多数のモーフターゲットを、全く別のプロポーションを持つフランケンのキャラクターへと丸ごと転送し、キャラクターセットアップの手間を大幅に削減する実例も示された。

GPUドリブンのフェイシャルリグとショットコレクティブの導入

UE5.8ではモーフターゲット編集用のスカルプトツールが大幅に改良され、コントロールリグを顔のロジックエンジンとして機能させながら高品質なフェイシャルリグを構築することができるようになった。

また、特定のカットにおいてリグの限界で形状が破綻した場合の対処法として、ショットコレクティブのワークフローも紹介。これはアニメーター自身がシーケンサーとスケルタルメッシュエディタを並べて同期させ、崩れたポーズに対して直接スカルプトを加えて修正形状を作成し、アニメーションキーとして適用する手法である。

これらは全てGPUデフォーマによって高速に処理され、リアルタイムでの再生・プレビューが可能だ。

■State of Rigging and Animation Tools in Unreal Engine 5.8 | Unreal Fest Chicago 2026(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=yi-oDmC1nqU

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