韓国CLO Virtual Fashion社は10月19日(土)、3D衣装制作ツール「Marvelous Designer 2024.2」をリリースした。アニメーションキャッシュにも対応するGPUシミュレーション、衝突プロパティの細かな制御などが可能になった副資材(Trim)のシミュレーション、ソフトセレクションを備えた高度なピンチ機能、GoZプラグインによるZBrushへのモデル転送などの新機能を実装している。

高速・高精度なGPUシミュレーション

バージョン2024.2では、CPUシミュレーションと同じ精度ながらCPUよりも高速処理が行え、かつアニメーションキャッシュにも対応するGPUシミュレーションを実装。パターン作成とシミュレーションが高速化し、作業効率が向上したという。なお、GPUとCPUはユーザーが必要に応じて切り替えることができる。

高度な副資材(Trim)シミュレーション

副資材のシミュレーションでは、衝突プロパティの詳細な制御が可能になったほか、重さや硬さなども簡単に調整できるようになった。副資材を含む衣装のリアルなシワなどを表現する、高度なシミュレーションに活用できるという。

ソフト選択ツールを備えたピンチ機能

従来のピンチ機能は単一頂点だけしか選択できなかったところ、2024.2ではカスタマイズ可能なソフト選択(セレクション)ツールを使用して、シミュレーション中に滑らかなフォールオフ形状で衣装を選択できるようになった。これにより、細部の微調整や交差するパターンの修正における精度・柔軟性の向上が期待できる。

GoZプラグインによるZBrushとMarvelous Designer間のモデル転送

Marvelous Designer 2024.2はGoZに対応し、Marvelous DesignerからZBrush、またはその逆へモデルデータの行き来ができるようになった。

厚さオプションの追加

厚みのある衣装をエクスポートする際に、厚さの押し出し方向を「Forward」、「Backward」、「Both」の3種類から設定できるようになった。

プランと価格

プランは個人(年間プランで280ドル、約43,000円/年)のほか、企業(スタンドアローン、ネットワークオンライン)の3種類が用意されている。

CGWORLD関連情報

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