Foundryは12月9日(月)、3Dプロジェクションペイントやプロシージャルワークフローを備える3Dペイントツール「Mari」のアップデート「Mari 7.1」をリリースした。レイヤーやノードグラフを利用しながら、2D画像に対してペイントやレタッチが可能になる「2Dペインティングモードを搭載」するほか、プリセットの拡充やノードグラフのUX改善なども盛り込まれている。

Mariの中で本格的なペイントとレタッチが可能な2Dペインティングモード

2D画像のペイントや編集が行える2Dペインティングモードが追加され、任意の画像を読み込んでカスタムデカールのペイントを行ったり、リファレンス画像の一部をクローンツールで修正するといった作業が行える。Mariが備えるペイントバッファ、2D/3Dのノードグラフ、レイヤースタックとリンクして2Dイメージを更新すると、3Dプロジェクトのテクスチャも自動更新される。こうした機能群の組み合わせにより、高度なペイントやレタッチにも対応する。

スマートマスク・ユーティリティノード・プリセットなどの拡充

カスタムプロシージャルシェルフは「スマートマスクシェルフ」にリニューアルし、50種類以上のスマートマスクとユーティリティノードが追加。プロが設計したプリセットやグランジマップなどのエフェクトが含まれている。

ノードグラフのUX改良

ノードグラフの操作性・効率性改善を目的に、新たにペイントノード作成プリセットやスイッチノード、ノードをシェルフアイテムとして保存する機能が設計・実装された。

ペイントノード作成時にプリセットを利用可能に

新しいペイントノードを作成する際に、よく使うスウォッチから選ぶか、ペイントノード作成リストの新しいカラープリセットシェルフに自分のスウォッチを追加できるようになった。

スイッチノードによるカラーバリエーションの切り替え

スイッチノードのプロパティ値の変更によって、テクスチャのカラーバリエーションを素早く切り替えることが可能になった。

ノードグラフをシェルフアイテムとして保存

ノードグラフの一部をNode Packageとしてエクスポートできるようになった。Node Packageは、ノードネットワークとソース画像を1ファイルにまとめたもの。コラボレーション作業などでノードグラフを簡単に共有でき、画像パスが見つからない場合の再インポート作業を省略できる。

Backdropノード内の全ノード選択がワンクリックで可能に

Backdropノード内の任意の場所をクリックするだけで、そのエリア内のノード全体を選択可能になり、効率的にノード整理を行えるようになった。

■Mari 7.1新機能紹介ページ(英語)
https://campaigns.foundry.com/products/mari/whats-new

■Mari製品公式ページ(日本語)
https://www.foundry.com/ja/products/mari

CGWORLD関連情報

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https://cgworld.jp/flashnews/202406-Nuke15-1.html