カリフォルニア・マーセッド大学(UC Merced)Adobe Researchは12月30日(月)、頭部の画像1枚から3D Gaussian Splatsによる360°の頭部モデルを生成する技術「FaceLiftを発表した。生成にはAdobe Researchが研究に携わった3D Gaussian Splats生成モデル「GS-LRM」(Large Reconstruction Model for 3D Gaussian Splatting、Gaussian Splatsを利用した大規模な再構築モデル)が利用されている。

FaceLiftのメソッド

FaceLiftは人物の顔の画像1枚を入力として頭部全体のモデルを生成する技術。生成は2ステージに分かれている。

ステージ1では画像条件付きのマルチビュー拡散モデルでトレーニング済みの高品質な合成データを活用して、高い忠実度と一貫性のあるマルチビュー画像でビューを再現する。


ステージ2では生成したマルチビュー画像とカメラポーズを入力としてGS-LRMを微調整し、最終的な3D Gaussian Splatsによる頭部モデルを生成する。

FaceLiftによる3D頭部モデルの生成メソッド

FaceLiftで利用されている変換器のGS-LRMはピクセル単位でGaussianを予測できるため、オブジェクトの再構成しかできない従来の大規模再構築モデル(LRM)とは異なり、スケールや複雑さの変動が激しいシーンを自然に扱えるという。

生成結果。上段が入力画像、下段が生成された3D Gaussian Splatting

動画の入力と4Dビュー合成にも対応

FaceLiftのもうひとつの特長は、入力に動画を扱えること。各フレームが個別に処理され、3D Gaussian Splattingによるシーケンスを生成できる。

左が入力動画、右が生成されたシーケンス

また、2D顔画像のアニメーション生成技術「LivePortrait」と組み合わせることにより、2Dの顔画像や顔イラストから3Dのフェイシャルアニメーションを生成することもできる。

LivePortraitとFaceLiftを組み合わせて3Dフェイシャルアニメーションを生成

■FaceLift: Single Image to 3D Head with View Generation and GS-LRM
https://www.wlyu.me/FaceLift/

■GS-LRM: Large Reconstruction Model for 3D Gaussian Splatting
https://sai-bi.github.io/project/gs-lrm/

■LivePortrait: Efficient Portrait Animation with Stitching and Retargeting Control
https://liveportrait.github.io/

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