Agustin Gonzalez氏Pepe Buendia氏は1月21日(火)、両者が開発したカーブのみを利用してHoudiniで衣装を作成するツールセット「Cloth Curve Toolset in Houdiniを応用したワークフロー「USD Render Time Procedural」を公開した。現在は技術デモとして映像が公開されており、販売や頒布はされていない。

カーブのみで衣装を作成できる「Cloth Curve Toolset in Houdini」

昨年10月に技術デモとして公開された「Cloth Curve Toolset in Houdini」は、カーブのみを使用した衣服やファブリックの作成に特化して設計されたツールセット。生地や絡み合う糸により構成される現実のアプローチに基づいて衣服を作成できることから、よりフォトリアルで実在感のある衣服をつくり出すことが可能となる。


■Fabric Generator(生地の生成)

▲ジオメトリをPG_knitting_generatorに接続することでカーブに変換し、アトリビュートからパターンの設定を行う

▲マップを使用して糸の太さ(幅)をコントロールできる

■Fabric Patterns(生地のパターン作成)

▲COPや画像から生地のパターンを作成
▲伝統的なニットのパターン作成にも対応。シェイプや糸の太さのコントロールや複数の繊維の生成もできる
▲UVに直接描いたカーブから三つ編みを作成することもできる

■Stitches(ステッチ)

▲エッジループの選択範囲からステッチを生成し、自動的に生地に適応する。ステッチのタイプも複数用意。また、ジオメトリやUVにステッチのカーブを直接描画したり、画像からステッチを生成することもできる

■Damage(ダメージ、ほつれ)

▲マスクペイントまたは画像により生地のダメージを表現。重力の影響をほつれ部分に反映することもできる

■Karma IPRモードでのリアルタイムプレビュー

■SOPsでのカーブの変形

■Solarisを用いたUSDベースのカーブ変形

■Cloth Curves Toolset - Houdini(ArtStation)
https://www.artstation.com/artwork/Ov3a9K

軽快なクロスシミュレーションを可能にする「USD Render Time Procedural」

そして、上記「Cloth Curve Toolset in Houdini」を応用した、ストレージ節約とパフォーマンス最適化に繋がる技術デモが「USD Render Time Procedural」。これはディスクキャッシュなしで直接レンダリング時に衣服の変形・引き裂きなどアトリビュートの転送を行える、プロシージャルワークフロー

大容量になりがちなクロスシミュレーションキャッシュが不要となり、パラメータの変更とテストによるイテレーションを効率化できる。また、炎や流体などのエフェクトもレンダリング時にアトリビュートを転送することで簡単に統合可能だ。

▲炎のエフェクトも統合できる
▲Solarisのビューポートで変更結果をプレビューできる

そして本ワークフローはUSD上に構築されていることから、ArnoldやRenderManなど、Karma以外のHydraデリゲートでも使用できる

▲Hydraデリゲートで利用可能

■USD Render Time Procedural | Cloth Curves Toolset(ArtStation)
https://www.artstation.com/artwork/ZlOxYR

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