ドイツMeshcapade社は2月6日(木)、同社デジタルヒューマンプラットフォーム「Meshcapade」の単眼動画からのマーカーレスモーションキャプチャコンポーネント「MoCapade 3.0」をリリースした。複数人のモーションの同時キャプチャ、手指の詳細な動きやジェスチャのキャプチャ、カメラトラッキングデータのエクスポート、GLB・MP4・SMPL形式によるエクスポートなどを新たにサポートしている。
複数人の同時キャプチャ機能
▲複数人のマーカーレスモーションキャプチャ
MoCapade 3.0では1本の動画に映る最大4人のモーションを同時にキャプチャし、アバターとして生成できる。動画のアップロード後に「Multiple people」を選択するだけでキャプチャを実行できる。
なお、この複数人のモーションキャプチャ機能を利用するには有料のProプランへのサブスクリプションが必要となるが、現在は期間限定で無料で機能をテストできる。
![](/flashnews/MoCapade30-04.jpg)
GLB形式でカメラのトラッキングデータをエクスポート
動画からのモーションキャプチャ時に生成された3Dカメラの動きはGLB形式でエクスポートが可能。エクスポートしたカメラはワールド座標での推定モーションと、シーン内の人物の推定モーションを表示する。
手指の細かな動きとジェスチャーのキャプチャと再現
手指の細かな動きやジェスチャーの再現精度、足の接地感も向上した。
SMPL(Skinned Multi-Person Linear model)形式のサポート
Meshcapadeのアバター技術は同社創立者らが米国特許を取得するSMPL(Skinned Multi-Person Linear model)フォーマットをベースに開発されたパラメトリック3Dボディモデル。
今回MeshcapadeではSMPL形式によるエクスポートに対応し、アバターやモーションデータをコンパクトに保存できるようになった。 また、オープンソースの新しい「smplcodec」Pythonライブラリを利用してSMPLモデルのエコシステムをユーザーが利用することもできるようになった。
また、SMPL形式を利用したUnreal Engine用プラグイン、UEFN(Unreal Editor for Fortnite)用プラグイン、Blenderアドオン、Maya用プラグインも配布されている。
■Introducing MoCapade 3.0(Medium内公式ブログ、英語)
https://medium.com/meshcapade/introducing-mocapade-3-0-1f9d8af42098
プランと価格
![](/flashnews/MoCapade30-10.jpg)
Meshcapadeは無料で利用できるFreeプランとProプラン(月25ユーロ、約3,910円)、Enterpriseプランの3種が用意されている。
Freeプランでは10秒までの動画でMoCapadeを利用でき、最大5体のアバターを生成可能だが、複数人のキャプチャには対応していない。
Proプランでは30秒までの動画でMoCapadeを利用でき、最大50体のアバターを生成可能。複数人のキャプチャも利用できる。また、モーションブレンディング機能も利用可能だ。
CGWORLD関連情報
●スマホで撮影した映像から高精度な頭部アバターを生成する技術「GAF」発表! アニメーション可能なアバターを3D Gaussian splatsで動的に再構成
![](/flashnews/140bcba6f309c415dc73720fe8d70832e473a0d9.jpg)
ミュンヘン工科大学、Toyota Motor Europe(トヨタ モーター ヨーロッパ株式会社)、ウーブン・バイ・トヨタの研究者らは、スマホなどの汎用デバイスで撮影した短い単眼映像から3D Gaussian splatsで頭部アバターを再構成し、新規ビューにアニメーションとフォトリアルなレンダリングを行う技術「GAF(Gaussian Avatar Reconstruction from Monocular Videos via Multi-view Diffusion)」を発表。
https://cgworld.jp/flashnews/202412-GAF.html
●Blenderでマーカーレスフェイシャルキャプチャ! FaceTracker for Blenderがオープンベータで公開(KeenTools)
![](/flashnews/c0f9bb3a473581b8c34f8763d93a9bb1c0e2e271.jpg)
KeenToolsが同社VFX・3Dアーティスト向けツール群「KeenTools v2024.2.0」をリリース。本アップデートでは、Blender向けのマーカーレスフェイシャルキャプチャツール「FaceTracker for Blender」がオープンベータとして公開された。対応するBlenderは2.80以降、ベータ期間中はライセンス不要で初回起動から30日間利用できる。
https://cgworld.jp/flashnews/202408-KeenTools.html
●AIを活用したマーカーレスモーションキャプチャソリューション「RADiCAL」がアップデート! 指のトラッキング対応とフェイシャルトラッキング強化
![](/flashnews/3e6d5c1537a35b6df823aedd892e51e48d88af97.jpg)
Radical SolutionsがAIを活用したリアルタイム・マーカーレス・モーションキャプチャソリューション「RADiCAL Motion」と、リアルタイム3Dプリビズ&デザイン制作ツール 「RADiCAL Canvas」のアップデートを実施。なお、同社は2022年にオートデスクから出資を受けている。
https://cgworld.jp/flashnews/202408-Radical.html