ドイツMeshcapade社は2月6日(木)、同社デジタルヒューマンプラットフォーム「Meshcapade」の単眼動画からのマーカーレスモーションキャプチャコンポーネント「MoCapade 3.0」をリリースした。複数人のモーションの同時キャプチャ、手指の詳細な動きやジェスチャのキャプチャ、カメラトラッキングデータのエクスポート、GLB・MP4・SMPL形式によるエクスポートなどを新たにサポートしている。

複数人の同時キャプチャ機能

▲複数人のマーカーレスモーションキャプチャ

MoCapade 3.0では1本の動画に映る最大4人のモーションを同時にキャプチャし、アバターとして生成できる。動画のアップロード後に「Multiple people」を選択するだけでキャプチャを実行できる。


なお、この複数人のモーションキャプチャ機能を利用するには有料のProプランへのサブスクリプションが必要となるが、現在は期間限定で無料で機能をテストできる。

▲現在Freeプランでも複数人のキャプチャを試すことができるが、執筆時点では期限は明記されていない

GLB形式でカメラのトラッキングデータをエクスポート

動画からのモーションキャプチャ時に生成された3Dカメラの動きはGLB形式でエクスポートが可能。エクスポートしたカメラはワールド座標での推定モーションと、シーン内の人物の推定モーションを表示する。

手指の細かな動きとジェスチャーのキャプチャと再現

手指の細かな動きやジェスチャーの再現精度、足の接地感も向上した。

SMPL(Skinned Multi-Person Linear model)形式のサポート

Meshcapadeのアバター技術は同社創立者らが米国特許を取得するSMPL(Skinned Multi-Person Linear model)フォーマットをベースに開発されたパラメトリック3Dボディモデル。

今回MeshcapadeではSMPL形式によるエクスポートに対応し、アバターやモーションデータをコンパクトに保存できるようになった。 また、オープンソースの新しい「smplcodec」Pythonライブラリを利用してSMPLモデルのエコシステムをユーザーが利用することもできるようになった。


また、SMPL形式を利用したUnreal Engine用プラグインUEFN(Unreal Editor for Fortnite)用プラグインBlenderアドオンMaya用プラグインも配布されている。

▲UEFNでの活用例

■Introducing MoCapade 3.0(Medium内公式ブログ、英語)
https://medium.com/meshcapade/introducing-mocapade-3-0-1f9d8af42098

プランと価格

Meshcapadeは無料で利用できるFreeプランとProプラン(月25ユーロ、約3,910円)、Enterpriseプランの3種が用意されている。

Freeプランでは10秒までの動画でMoCapadeを利用でき、最大5体のアバターを生成可能だが、複数人のキャプチャには対応していない。


Proプランでは30秒までの動画でMoCapadeを利用でき、最大50体のアバターを生成可能。複数人のキャプチャも利用できる。また、モーションブレンディング機能も利用可能だ。

CGWORLD関連情報

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https://cgworld.jp/flashnews/202408-KeenTools.html

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https://cgworld.jp/flashnews/202408-Radical.html