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ModelingCafe.HumanからAwwへ ~バーチャルタレントが秘める大きな可能性~ 第5回「CGWORLD AWARDS」大賞受賞記念

ModelingCafe.HumanからAwwへ ~バーチャルタレントが秘める大きな可能性~ 第5回「CGWORLD AWARDS」大賞受賞記念

実写と見まごうほどリアルな存在。「CGWORLD vol.246」(2019年2月号)の表紙に登場して以来、瞬く間に世界を席巻し今や多くのCMやポスターに登場しているバーチャルファッションモデルimma(イマ)。一方でインスタグラムでは日常を切り取った親近感のある写真も発信し、ファンの中に彼女はまちがいなく存在している。そんな世界でも稀有な存在である彼女をプロデュースするのが「バーチャルヒューマン」エージェンシーのAww(アウ)。この度、第5回「CGWORLD AWARDS」大賞記念として、AwwのM氏(プロデューサー)、岸本浩一氏(プロデューサー)、YUMI AN ANZAI氏(ディレクター)、ModelingCafeの松本龍一氏(モデリングスーパーバイザー)へのインタビューを行い、そのなかで大きな可能性を秘めたAwwの企業ビジョンを語ってもらった。

TEXT_日詰明嘉 / Akiyoshi Hizume
EDIT_沼倉有人 / Arihito Numakura(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada

<1>ModelingCafe.Humanのフィロソフィーを継承し、CGプロダクションの範疇に止まらずバーチャルヒューマンビジネスを追求する

CGWORLD(以下、CGW):第5回「CGWORLD AWARDS」大賞受賞おめでとうございます。まずは受賞の感想からコメントを頂けますか?

Cafeグループ代表取締役・岸本浩一氏(以下、岸本):「バーチャルヒューマン」は、5年以上前から研究開発を進めてきたプロジェクトでしたので、このようなかたちで一定の評価をいただけことを嬉しく思います。ここまで続けて来て良かったという思いと共に、自分の中ではこれでようやくスタートラインに立てたなと感じています。技術的にはまだまだやりたいことがたくさんあるのですが、「バーチャルヒューマン」というジャンル自体がこれからもっと盛り上がっていくと確信しています。これからも研究開発を続けて、世の中の人々に新しい驚きを提案していけるよう頑張っていきたいです。

ModelingCafe・松本龍一モデリングスーパーバイザー(以下、松本):自分としても、これがスタート地点だと思っています。これから技術が進むにつれ、新たなライバルが出てくると思うので、このまま足を止めずに進んでベストを尽くしていこうと思います。

第5回「CGWORLD AWARDS」各賞の結果は、こちら

CGW:マネジメントの観点から、immaがこれほど多くの方に受け容れられた理由をどのように分析しますか?

プロデューサー・M氏(以下、M):僕らはimmaを特別な子だとは思っていません。彼女の性格や質感も含め、本当に世間にいる一般的な子。そういった彼女という存在そのものが多くの方に共感を抱いてもらえたのではないのかなと。

immaのInstagramは、フォロワー18万に達している

CGW:2017年12月に「ModelingCafe.Human」ブランドを発表されましたが、ここで改めて現在に至るまでのCafeグループにおける「バーチャルヒューマン」の足跡を教えていただけますか?

岸本:2012年7月に設立したModelingCafeは、CGプロダクションの中でもモデリングに特化していることを強みとしています。その中でもさらに先を行くために、通常の仕事の範疇を超えたレベルのCGモデルを研究開発に取り組んできました。弊社ではゲームや映画の仕事がメインなので、そこで活かせるよう、フィクションの要素を含んだキャラクターをいかにハイクオリティでつくるのかが課題でした。そうしたR&Dの中で最初につくったモデルが、公式サイトのトップに載せているキャラクターです。ただ、エンターテイメントの領域以外にもCGモデリングにはもっと広い可能性があると感じて、「バーチャルヒューマン」の開発を始めてた頃に、Mさんと出会って意気投合しました。それが2017年の春くらいのことでした。

ModelingCafe.Humanとして、最初に発表したバーチャルヒューマン。CGWORLDにメイキングを寄稿してもらった

M:僕は最初に映像やカルチャーの仕事をした後、今度は真逆のビジネスサイド(インダストリー系)の仕事をしていたんです。それはそれで上手くいったのですが、でもやっぱりクリエイティブのことが忘れられなくて、ハイエンドなCGでTVCMやミュージックビデオなどを制作するプロダクションを起業しました。その後、世の中のマーケットがマスよりもコア主体になっていくと、個人のビジネスマーケットを確立できるのではないかと思っていた頃に岸本さんと出会って、彼らの「バーチャルヒューマン」を見せていただきました。こういったハイエンドなCGキャラクターを映画やゲームに使うのではなく、このCGキャラクターの存在自体を主軸として展開したら面白いことが起きそうだし、日本らしさのあるカルチャーを発信できるのではないかと考えました。

岸本:VTuberが流行り始めた頃、その次にブームとして来るのはもっとフォトリアルなキャラクターになるだろうと漠然とは思っていました。ただ、それをどのように展開していくのかが課題だと思っていたのですが、そのタイミングでMさんと出会いました。Mさんと意見交換するなかで「バーチャルヒューマン」という道が直感的に思い浮かんで、その第1弾としてimmaを創り出しました。ファッションの方面からのリアクションがビビッドで、バーチャルモデル(CGキャラクターのファッションモデル)としてのお仕事をいただけるようになりました。もちろん、ファッション以外にも活動の幅は広げていくつもりです。

CGW:immaがメディアに最初に登場したのはいつですか?

岸本:instagramを始めたのが2018年7月です。当時は細々と活動していたのですが、「CGWORLD vol. 246」(2019年2月号)で、表紙を飾らせていただきました。これがメディアにおける初披露でした。この記事が注目をあつめて、デジタルアーティストや専門家の枠を超えて一般の方々にも知られるようになりました。それも世界規模で、ブラジルの著名YouTuberで3,000万フォロワーくらいいる方が広めてくださったので、ブラジルにはimmaファンが大勢います。そこからですね。本腰を入れていこうと2019年5月にマネジメントに特化したAww(アウ)をMさんと設立し、ModelingCafe.Humanとしての活動は、Awwとしての活動にシフトしていくことにしました。

CGW:ここで改めてAwwとはどんなプロダクションなのか、教えていただけますか?

M:基本的にはバーチャルヒューマンを創造し、複数のキャラクターをマネジメントしてそのマーケットを担っていく会社です。

CGW:YUMIさんはバーチャルヒューマンのどんなところが面白いと思ってAwwに参加されたのですか?

YUMI AN ANZAI氏(以下、YUMI):私はもともとポスプロに勤めていて、映像制作の現場に携わってきたのですが、immaちゃんのようなバーチャルヒューマンはこれまで見たことがないものでした。そこからVR、AR、そしてxRと無限に可能性があるなと興味を抱き、ディレクター兼COOとして参加することに決めました。

M:僕も岸本さんもYUMIさんも、それぞれバックグラウンドが別々なので、それがimmaをどのようにプロデュースしていくかの多様性につながっています。

本インタビューは、コロナ禍による非常事態宣言発令中の4月上旬にオンラインで行われた。図はバーチャルトロフィー贈呈の様子。(上段・中央)松本龍平氏、(上段・右)M氏、(下段・左)岸本浩一氏、(下段・右)YUMI AN ANZAI氏

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<2>次なる技術的チャレンジはバーチャルヒューマンのリアルタイムCG

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(上段・中央)松本龍平氏、(上段・右)M氏/(下段・左)岸本浩一氏、(下段・右)YUMI AN ANZAI氏
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