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    本連載では2018年12月4日(火)∼7日(金)に東京国際フォーラム(有楽町)で開催されるSIGGRAPH Asia 2018の価値を、SIGGRAPH Asiaを愛するキーマンたちに尋ねていく。最終回となる第8回では、安生健一氏(カンファレンスチェア)、長谷川 勇氏(Real-Time Live! チェア)、石丸健二氏(VR Theater ディレクター)、西原紀雅(※敬称略 Production Gallery ディレクター)による座談会を通して、今回のSIGGRAPH Asiaで実施される3つの新プログラムの見どころをお伝えする。

    TEXT_尾形美幸 / Miyuki Ogata(CGWORLD)
    PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota

    ▲左から、石丸健二氏、安生健一氏、長谷川 勇氏、西原紀雅

    SIGGRAPH初心者のための、日本語によるBOFも実施

    CGWORLD(以下、C):10月24日に記者会見(※1)が実施され、SIGGRAPH Asia 2018の開催が目前に迫っていることを否が応でも感じますが、準備状況は如何ですか?

    ※1 記者会見の模様は「過去最多となる1万人の参加に向けて、着々と準備中。「SIGGRAPH Asia 2018」記者会見レポート」を参照。

    安生健一氏(以下、安生):毎日誰かから連絡が来て、日々いろいろありますが、なんとか前進しています(苦笑)。先日もSIGGRAPH Asia 2019 カンファレンスチェアのTomasz Bednarzさんから「Birds Of A Feather(以下、BOF)の詳細はいつ公開されるんですか?」と催促がありました。

    • 安生健一
      オー・エル・エム・デジタル 技術顧問/イマジカ・ロボット・ホールディングス アドバンストリサーチグループ ディレクター/ヴィクトリア大学(ニュージーランド)コンピューテーショナル・メディア・イノベーションセンター(CMIC)ディレクター。工学博士。国内外の研究者・技術者との「使える」技術開発のコラボレーションに加え、SIGGRAPHを始めとするCGの国際会議での研究発表などの対外活動も活発に行なっている。SIGGRAPH Asia 2018ではカンファレンスチェアを務める。


    C:BOFはSIGGRAPHだとお馴染みのプログラムですが、SIGGRAPH Asiaで実施されるのは今年が初めてですね。

    安生:そうです。Bednarzさんには、People in the Demoscene Subcultureと題したBOFを実施していただきます。彼のDemoscene(※2)はSIGGRAPH 2018のBOFでも大人気だったので期待しています。日本からもTokyo Demo Festの関係者が参加してくださいます。それからSIGGRAPH Tokyo(※3)委員長の安藤幸央さんには、Tips for First-Time Attendees. Perfect Guide to SIGGRAPH Asiaと題した日本語によるBOFを初日(4日)の11時から実施していただきます。タイトルにある通り、初めてSIGGRAPH Asiaに参加する日本人のために、その楽しみ方を解説する内容です。

    ※2 PC上でプログラムを実行し、リアルタイムに音楽・映像作品を再生するパフォーマンスのこと。日本では「メガデモ」とも呼ばれる。
    ※3 正式名称はTokyo ACM / SIGGRAPH Professional Chapter。通称「シーグラフ東京」。東京を拠点とするSIGGRAPHのローカルチャプター。

    SIGGRAPHでは恒例の河口洋一郎先生によるSAKE Party(※4)も、Kawaguchi's SAKE Party & CG Show at SIGGRAPH Asia 2018と題し、BOFのひとつとして実施します。ただし東京国際フォーラムの会場内では飲酒ができない決まりなので、4日の20時から近所にある別の会場で行います。同日の20時までTechnical Papers Fast Forward(※5)があるので、それを聞いてからでも参加できる時間帯に設定しました。

    ※4 SIGGRAPHで長年実施されている、河口洋一郎氏(CGアーティスト)主催のパーティ。日本酒の樽の蓋を木槌で割る、いわゆる「鏡開き」を実施した後、参加者に日本酒がふるまわれる。
    ※5 SIGGRAPH、およびSIGGRAPH Asiaの恒例プログラム。Technical Papersの発表者らが代わる代わる登壇し、1分の持ち時間の中で、自分らのTechnical Papersの概要や魅力をプレゼンテーションし、翌日以降に行われる本格的な発表にも足を運んで来れるよう聴衆にアピールする。

    C:SIGGRAPH初心者の人は、初日の朝に安藤さんの話を聞き、夜はSAKE Partyで新しいネットワークを開拓すると良さそうですね。

    安生:ぜひ有効活用してほしいです。Technical Papers Fast Forwardも、各発表者が趣向を凝らした1分プレゼンテーションをするので面白いですよ。

    Real-Time Live!では、VTuberによるパフォーマンスも実施

    CReal-Time Live!もSIGGRAPH Asiaで実施するのは初めてですね。長谷川さんは2015年にSIGGRAPHを視察し、2016年以降のSIGGRAPHとSIGGRAPH AsiaではReal-Time Live!、Production Gallery、Coursesなどのプログラムにスクウェア・エニックスの発表者の1人として参加し、SIGGRAPH Asia 2018ではReal-Time Live! チェアを務めています。当初から、段階的にSIGGRAPHとの関係性を深めていくことを視野に入れていたのでしょうか?

    長谷川 勇氏(以下、長谷川):SIGGRAPHはリサーチ目的で参加するだけでも価値がありますが、継続して存在感を示すことで、会社の技術ブランディングや広報にもつなげたいという思いがありました。安生さんにはSIGGRAPH 2016の頃からアドバイスをいただいており「いずれは運営にも関わりたい」という話をしていました。

    • 長谷川 勇
      オープンソース開発、ソフトウェアプロダクト開発、エンタープライズシステム開発などの様々な開発を経てゲームプログラマに。スクウェア・エニックス入社後は、Luminous Studio、FINAL FANTASY XVの開発に参加し、VFXとUIを担当。専門は言語処理系。情報処理学会ソフトウェア工学研究会幹事、情報処理学会ソフトウェアエンジニアリング教育委員会などの学会活動にも参加している。SIGGRAPH Asia 2018ではReal-Time Live! チェアを務める。


    C:実際、Pixar Animation StudiosやWalt Disney Animation Studiosはブランディング、広報、リクルーティングなどを毎回手際よくやっている印象がありますね。社員がプログラムのチェアなどを務めるケースも珍しくありません。

    安生:当初は、長谷川さんとの縁がこんなに続くとは思っていませんでした(笑)。

    長谷川:このタイミングでSIGGRAPH Asiaが東京で開催されたおかげで、関わりやすかったという側面もあります。

    C:Real-Time Live!の準備は、いつ頃から始めたのでしょうか?

    長谷川SIGGRAPH Asia 2017の開催直後くらいからですね。当初は公募形式(サブミット形式)も検討したのですが、SIGGRAPH Asiaでは初開催なので、キュレーション形式にしました。現時点(2018年11月時点)では7チームの登壇が確定しており、ほかにも調整中です。SIGGRAPH 2018のReal-Time Live!の発表者からは、ヴィクトリア大学のCMIC(ニュージーランド)、PocketStudio(フランス)、Pinscreen(アメリカ)の3チームに登壇いただきます。

    SIGGRAPH 2018のReal-Time Live!では、Cory Strassburger氏(Kite & Lightning)のユーモア溢れるプレゼンテーションが注目を集めていました。それに近く、なおかつ日本らしいものと言えばバーチャルYouTuber(VTuber)のようなリアルタイムのキャラクターパフォーマンスだろうと思い、関連する研究開発を行なっているGREEにもお声がけしています。

    ▲【左】SIGGRAPH 2018のReal-Time Live!での、Cory Strassburger氏(Kite & Lightning)によるプレゼンテーションの様子。iPhone X、Xsensの慣性式モーションキャプチャスーツ、IKinema Action、Unreal Engine4を使い、リアルタイムのパフォーマンスキャプチャを行なっている。Strassburger氏の表情や動きが、Kite & LightningのVRコンテンツ『BEBYLON: BATTLE ROYALE』の不良ベビーたちへとリアルタイムに反映される様子に、会場から大きな歓声がおくられた/【右】Best Real-Time Graphics and Interactivity AwardのトロフィーをJesse Barker氏(Real-Time Live! チェア/写真内左)から受けとるStrassburger氏(写真内右)。本賞の審査は、会場に集まった聴衆によるSIGGRAPHアプリを使った投票によって行われた
    © 2018 ACM SIGGRAPH


    ▲Cory Strassburger氏によるプレゼンテーションの解説動画


    安生:日本にはユニークなコンテンツがたくさんありますから、この機会に世界各国から来日する参加者にご覧いただきたいと思い、Real-Time Live!だけでなく、VR TheaterやProduction Galleryでも、日本ならではの発表や展示を多めに用意しました。

    長谷川:日本からはポリフォニー・デジタルと、当社(スクウェア・エニックス)も登壇します。さらにMimic Productions(ドイツ)にもご参加いただきます。

    ▲SIGGRAPH Asia 2018の、Real-Time Live!主要スピーカー(プレゼンター)を紹介するスライド(SIGGRAPH Asia 2018記者会見(10月24日実施)時の資料より)


    C:Real-Time Live!は文字通りリアルタイム技術のライブパフォーマンスですから、事前の準備はもちろん、当日の運営も大変そうですね。

    長谷川:事前に覚悟はしていたものの、予想以上にいろいろあります(苦笑)。「こんなにたくさんPCを並べて電力が足りるのか」とか、「チームによってはパフォーマンスの必要空間が思ったより広い」とか、「操作画面、デモ映像、プレゼンターを撮影した映像の切り替えをどうするか」とか......。

    C:7チームもあると、画面のスイッチングひとつとってもややこしそうですね。

    長谷川:かなり複雑です。「スイッチングも自分たちでやりたい」と希望するチームもいれば、「運営側に任せたい」というチームもありますから(笑)。

    安生:いやー、大変ですね。

    長谷川:カンファレンスチェアが他人事のように言わないでくださいよ(笑)。ただ、そういうスリルもReal-Time Live!の醍醐味だと思われているようで「ちょっとトラブルがあるくらいが面白い。SIGGRAPH 2018では大したトラブルがなくて面白くなかった」と言う人もいました。実際、SIGGRAPH 2015で機材トラブルがあったときには「頼むから動いてくれ!」という気持ちで聴衆の心がひとつになり、すごく盛り上がったんですよ。

    安生:Real-Time Live!は最終日(7日)の最終プログラムですから、ちょっとやそっと時間が押しても大丈夫です。思う存分やってください。

    長谷川:ありがとうございます(苦笑)。チェアとしてトラブルがないよう最善を尽くしますが、100%の保証はできないので、何かあった場合は温かい応援をいただけると嬉しいです。

    C:本当に大変そうですが、ご成功をお祈りしています。

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    ストーリーテリングの多様性を体感できる
    VR Theater

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    ストーリーテリングの多様性を体感できるVR Theater

    CVR Theaterは既にチケットが完売しているそうですね。

    石丸健二氏(以下、石丸):1回あたり12席しかご用意できないので、会期全体を通しても視聴できる回数は限られてしまいます。完売は嬉しいですが、希望者全員にチケットがいきわたったわけではないと思うので、申し訳ない気持ちもあります。

    • 石丸健二
      講談社VRラボの代表取締役で、映像やVRコンテンツのプロデューサーとしても活動。代表作は、アイドルVRコンテンツ『Hop Step Sing!』、『シドニアの騎士』シリーズ、『げんきげんき ノンタン』OVAシリーズなど。SIGGRAPH Asia 2018ではVR Theater ディレクターを務める。


    C:VR TheaterもSIGGRAPH Asiaで実施するのは初めてですが、どういう経緯で実施が決まったのでしょうか?

    安生:最初に「やりたい」と言いだしたのは私で、Computer Animation Festival(以下、CAF)チェアの塩田周三さんも「やらなきゃならないでしょうね」と同意してくれたので、実施を決めました。ここ数年、SIGGRAPHでもSIGGRAPH Asiaでも、VR関連のプログラムはすごく人気があるので、VR Theaterの実施は必然だろうと思いました。とはいえ、まだまだVRは試行錯誤中の表現方法ですから、ディレクターの石丸さんにはご苦労をかけています。

    ▲SIGGRAPH Asia 2018の、CAFの概要を紹介するスライド(SIGGRAPH Asia 2018記者会見(10月24日実施)時の資料より)


    C:上映される4作品は、公募作品とキュレーション作品の中から選ばれたそうですね。

    石丸:私がディレクターになったのは公募期間の終了直前で、応募数は13作品に留まっていました。しかもVR Theaterの視聴環境だと上映できない作品が多数含まれていたのです。そのためほかの審査員とも相談して、キュレーション作品を加えることにしました。

    C:視聴環境に左右されるというのは、VRコンテンツならではの課題ですね。

    石丸:ハードウェアの問題だったり、権利の問題だったりで、泣く泣く上映を断念した作品がいくつかありました。それでも審査員のTuna Boraさんには「すごくいい作品が揃ったし、バリエーションも豊かだし、アジアらしさも出ている」と喜んでいただけたので、少し気が楽になりました。

    ▲【左】SIGGRAPH Asia 2018のVR Theater応募作品審査会の様子/【右】VR Theaterの審査員を紹介するスライド(SIGGRAPH Asia 2018記者会見(10月24日実施)時の資料より)。「審査員を全員日本人にすることは避けたかったし、女性の意見もほしいと思い、Boraさんに審査員を依頼しました。彼女は『Pearl』というアカデミー賞にノミネートされたVR作品のアートディレクションを担当していたので、適任だと思いました。待場勝利さんは私よりはるかに目が肥えており、最新の「VR作品の世界標準」を知っている方だったので、とても頼りになりました」(石丸氏)


    ▲SIGGRAPH Asia 2018の、VR Theater上映作品を紹介するスライド(SIGGRAPH Asia 2018記者会見(10月24日実施)時の資料より)


    ▲『Google Spotlight Stories: Sonaria』トレーラー


    ▲『結婚指輪物語VR』PV


    ▲『Shennong: Taste of Illusion』トレーラー


    ▲Hop Step Sing!『覗かないでNAKEDハート』PV


    C:先ほど安生さんが「まだまだ試行錯誤中の表現方法」と語っていましたが、どんな点で苦労がありましたか?

    石丸:一般的な映像は再生さえできれば何とかなりますが、VR作品はプログラムを基にリアルタイムに描画するコンテンツなので、HMDやPCとの相性などに問題があると正常に視聴できません。4作品をスムーズに連続視聴できるようにするだけでも、それなりの調整が必要です。

    C:従来のCAF以上に、本番上映中のトラブル発生率が高そうですね......。

    石丸:実際、SIGGRAPH 2018のVR Theaterでも機材トラブルで再生をやり直すケースがありましたね。だから予備の機材も用意してあります。4作品をベストの状態で上映し、「VRっておもしろい」「自分もつくりたい」と思ってくださる人を増やし、VR市場を活性化できるようベストを尽くしたいと考えています。

    特に今回は、VRにおけるストーリーテリングの多様性を体感できる貴重な機会です。例えば『Google Spotlight Stories: Sonaria』は、VRの機能を最大限に活用し、最上級の心地良いストーリーテリングを展開しています。一方で『結婚指輪物語VR』はマンガのコマ割りを応用し、VR空間の中でのカット割りを実現しています。4作品とも、ほかとはちがうストーリーテリングをしているので、VRの幅広い可能性を感じていただけると思います。

    ▲SIGGRAPH 2018のVR Theaterの様子
    © 2018 ACM SIGGRAPH


    C:どの作品も、トレーラーやPVを見ただけではサッパリその良さが伝わってこないので、逆に興味をそそられますね。

    石丸:そこがVRの難しさであり、面白さでもありますね。HMDをかぶって実際に体験すれば、そのクレバーな表現に感動すると思います。

    安生:いいですねえ。

    C:でもチケットは完売なんですよね?

    安生:そうでした(苦笑)。ただ、VR Theaterの視聴が叶わなかったとしても、Virtual & Augmented Reality(VR/AR)やEmerging Technologiesをはじめ、VRを体験できるプログラムはほかにもあります。加えて、会期中は世界各地のVRの専門家が集まります。VRにおけるストーリーテリングやナラティブ表現は世界共通の課題なので、その知見を広げる良い機会になると思います。

    ▲【左】SIGGRAPH Asia 2018の、Virtual & Augmented Reality(VR/AR)の概要を紹介するスライド/【右】Emerging Technologiesの概要を紹介するスライド(いずれも、SIGGRAPH Asia 2018記者会見(10月24日実施)時の資料より)

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    生(なま)の迫力を味わえる
    Production Gallery

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    生(なま)の迫力を味わえるProduction Gallery

    CProduction Galleryも、SIGGRAPH Asiaで実施するのは初めてですね。

    安生:VR Theaterと同様、「やりたい」と言いだしたのは私ですね(笑)。

    西原紀雅(以下、西原):ボーンデジタルは「映像制作の仕事展」と題したコンセプトアーティストやモデラーの作品展示会を2016年と2017年に1回ずつ実施しており、「すごく刺激になった」という声を数多くの来場者からいただいてきました。映像やWebサイトなどでみたことのある作品でも、大きなサイズでプリントされていたり、ミニチュアや造形などの実物を見たりすることで、心が動かされたと語る方が多くいましたね。ぜひ継続開催したいと思っていたところに「SIGGRAPH Asia 2018でも実施できませんか」という提案を安生さんからいただき、ご一緒することになりました。

    • 西原紀雅
      ボーンデジタルにて、CGWORLD関連コンテンツ、「映像制作の仕事展」などの企画や実施を手がける。SIGGRAPH Asia 2018ではProduction Gallery ディレクターを務める。


    安生:2017年に「映像制作の仕事展」を見に行ったときに「これをSIGGRAPH Asia 2018でも実施して、多くの人に見ていただきたい」と思ったのです。

    西原:国内外の多くの人に見ていただける機会なので、作品を展示するアーティストの皆さんも喜んでいます。今回は過去2回の「映像制作の仕事展」に参加したアーティストを中心に、全16名の作品を展示します。SIGGRAPHのProduction Galleryは有料ですが、SIGGRAPH Asia 2018では無料です。作品の写真撮影も可能なので、CGや映像制作の仕事に対する認知度を上げる機会になればと願っています。

    安生:レジストレーションフロアに、Production Galleryの特設会場をつくります。すごく人通りの多い場所なので、たまたま通りがかった人にも見ていただけるかもしれません。

    ▲SIGGRAPH 2018のProduction Galleryの様子
    © 2018 ACM SIGGRAPH


    ▲SIGGRAPH Asia 2018の、Production Gallery・映像制作の仕事展の見どころを紹介するスライド(SIGGRAPH Asia 2018記者会見(10月24日実施)時の資料より)


    C:作品を展示しているアーティストに会える機会はありますか?

    西原:「会場に来たい」と言ってくださるアーティストは多いので、ライブペイントなどのイベントを企画中です。展示会ならではの生(なま)の迫力を味わえるギャラリーにしたいと思っています。

    安生:欲を言うと、せっかく会場まで足を運ぶなら、Experience Pass(※6)を購入いただき、VR/ARやEmerging Technologiesも体験していただきたいですね。期間中は全日有効ですから、CAF、Art Gallery、Posters、Exhibition、Job Fair、Keynote Sessionsなどにも入場いただけます。

    ※6 Experience Passは、通常料金 3,000円、当日券4,000円。詳しくはこちらを参照。

    C:業界研究と就職活動がまとめてできますし、SIGGRAPH初体験の学生にはちょうど良い値頃感のパスですね。

    ▲SIGGRAPH 2018のJob fair(リクルーティング)の様子
    © 2018 ACM SIGGRAPH

    「会場に行かないと見えないもの。体験できないもの」を数多く用意

    C:最後に、安生さんからSIGGRAPH Asia 2018の魅力を改めて語っていただけますか?

    安生:SIGGRAPH Asia 2018では、来場者の皆様に「来て良かった」と思っていただけるよう、「会場に行かないと見えないもの。体験できないもの」を数多く用意しています。そういうものは、世代を問わず人の心を動かすと信じていますし、実際にどのくらい響くのか、この目で確かめるのを楽しみにしています。加えて、いろいろな地域、いろいろな分野の人がクロスオーバーし、影響しあい、新しいコラボレーションが生まれる機会になるように、発表者の多様性も意識しています。誰にとっても新たな発見があると思うので、期待してご来場ください。

    C:今回ご紹介いただいた新プログラムは、どれも「会場に行かないと見えないもの。体験できないもの」ですし、多様性もありそうですね。

    長谷川:Real-Time Live!は、まさに会場に行かないと面白さを体験できませんから、ぜひご来場ください。

    石丸:SIGGRAPH 2018のVR Theaterでは、見終わった人たちがその場で感想を語り合っていました。複数人で視聴するシアターには、そういう楽しみもあると思います。

    西原:Production Galleryでも、皆さんの創作意欲を刺激するような展示をしてお待ちしています。


    安生:実際のところ、運営する側は目の回るような忙しさになるので、ゆっくり見て回る余裕はありません(笑)。それでも、しっかり味わいたいと思っています。ぜひとも楽しくやりましょう!

    C:お話いただき、ありがとうございました。SIGGRAPH Asia 2018の成功をお祈りしています。

    info.


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