第10位:『台所』 獲得点数:14点
岩佐 一輝さん(日本電子専門学校)
専門学校では3DCGを用いた映像作品を制作しながら、モデラ--をを目指して勉強しています。沢山の心に届くような作品を作れるクリエイターになりたいです。
●作品解説
コンセプトは日本の昔ながらの台所です。配色やライティングを工夫し、日本の文化が持つ温かさを表現しました。
●使用ツール
Maya、Photoshop、Substance Painter
●受賞コメント
人の心に届くような作品を作ることを目標に頑張っています。また、背景以外にも力を入れて、技術の幅を増やしていきたいです!
●審査員コメント 抜粋
【東條あずさ(ILM アートアシスタント)】
パット見たときにいい色、とムードだなーって思ったので、イメージとしてライティングなどの雰囲気のセンスがとてもいいと思います。
これから頑張ってほしいこと
どうしても3D感を強くかんじてしまう点を直したらとても素敵なアーティストになれるきがします。
小さなテクニカルなことを直せば改善できます。
一つはオクルージョンに気を付ける。
壁やパイプのところ、あと流し台の中が真っ暗なとこを見ると
わかりやすいんですが現実はここまでオクルージョンは強くなくて
あまり強調しすぎると3D感は出てしまいます。
もう一つの理由にマテリアルとテキスチャ。
こだわってるところとささっとやったとこの差が目につきます。
リアルでいいなと思う鍋とかある一方で、
パイプとか、砂糖入れとかかっている布巾などはまだ改善ができそうな気がします。
あと、うっかり洗剤がフォーカルポイントになっているので、それでもよいならいいのですが、あまりにも目立って少し違和感を覚えるので一部を隠してみたりとかしてみるといいかもです。
とてもセンスがいいのでこれからの作品も楽しみにしています:)!
【宮川英久(コンセプトアーティスト)】
とてもよく出来ている作品です。ライティングが若干強すぎるかなという印象は抱くものの、これも暗所から出てきてこの風景を見れば光がとりわけ強く感じる、という演出と取れてしまう位には「それらしく」見えます。ただ、本当に自然なライティングを目指すのならば、やはり光が強すぎると言わざるを得ません。今のライティングの80?90パーセントくらいで良いのでは無いでしょうか。また、シンクから伸びるパイプの質感が少し違和感があります。止め具などがあっても良いかもしれません。とはいえ、そういう重箱の隅をつつく事くらいしか言うことが無い程度に完成度の高い作品だと感じます。
【スパイス 本橋大史/杉本玲(ディレクター)】
一つ一つのオブジェクトを良く観察して質感付けしてあると思います。
かなりローポリなモデルが混じっているのが残念。クオリティが悪い方に引っ張られてしまいます。
カメラの横振りもスナップショット感が出ているというよりか中途半端な印象があるので正対でいいのかも。
ブラッシュアップすればかなりリアルに見えるので頑張ってください。
【メタサイト 菅原一敏(CGIディレクター)】
何か懐かしさの感じる台所です。質感も素晴らしいと思います。ボールやフライパン、ケトルなどに傷や凹みがあると尚、昭和感が出てくると思います。
第10位:『雪子』 獲得点数:14点
中野 凌さん(ECCコンピュータ専門学校)
人を感動させる作品を作れるように頑張っています。
●作品解説
寂しそうな、儚い雰囲気をコンセプトに制作しました。特に全体的な雰囲気を大切にするためにライティングに拘って制作しました。
●使用ツール
Maya、ZBrush、Photoshop、Substance Painter
●受賞コメント
作品を選んでいただきありがとうございます。これは自分自身の努力もありますが、先生方のご指導や友人たちからのアドバイスのおかげで受賞することができたと思います。これからも怠ることなく日々、技術を磨いていきます。
●審査員コメント 抜粋
【StudioGOONEYS 大山萌依(モデリングスーパーバイザー)】
ライティングや全体の雰囲気がきれいだなと感じました。寒さで鼻が赤くなっていたりと制作者のこだわりを感じました。
その分、傘を持つ手や着物のしわが不自然になってしまっていたる部分がとても惜しいと思います。色使いや全体的な絵のまとめ方がとても上手な方だと思うので、こだわりポイントを引き立たせるためにも細部まで気を配れるともっと絵としてよくなると思います。
これからも作品作り頑張ってください!
【ポイント・ピクチャーズ CG部一同】
まず女の子が可愛いですよね。3DCGで人物を魅力的に見せるはとても大変なので素直に脱帽しました。
和の魅力や儚さなどもよく表現されており、明暗のバランスや配色も良いです。
欲を言えば、手の表情を突き詰めればさらに良くなると思います。
「風情がある」という言葉がひったりな作品だと思います。
【コロッサス CGアーティスト一同】
人を作る作品は学生ではかなり少ないイメージでしたが、意図して赤くしたかわからいにしても寒くて悴んでいるような肌の褐色などに引き込まれました。
傘が半透明に見えるのが少しだけもったいないなとも思いました。
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服のしわや、顔の造形がうまいと思います。1点惜しいと思ったのが手の造形です。手首の骨の出っ張り、指の曲がり方など突き詰めればもっといい作品になると思います。
第12位:『達磨落とし』 獲得点数:13点
平田 翼さん(デジタルハリウッド大学)
Twitter=Lapwv
●作品解説
だるま落としの崩れる一瞬を作りました。
●使用ツール
Maya、Redshift、Substance Painter
●審査員コメント 抜粋
【トランジスタ・スタジオ 秋元純一(取締役副社長)】
正直、加点しようか非常に悩んだ作品だ。今回は惜しくも入れることが出来なかったが、非常に面白い、ハイセンスな作品だと感じた。主観でなおかつ主役であるだるま落としが、ブラーでよく見えない所など、かなり評価したい。実際に、止まっているだるま落としは意味がなく、この刹那が一番活かされているのだ。そこを切り取った大胆なセンスは非常に素晴らしいと思う。シンプルだけど納得の行く精度で作られている背景も良い。
【モデリングブロス 今泉隼介(代表取締役)】
製作する題材をシンプルに絞る事で細かな所までキッチリ作り込めている作品だと思います。一つ一つの輪っかの傷の描き分けやライティング、モーションブラーの設定など完成度が高いと思います。また、絵的にはだるまの目線をハンマーのある下に向けることで、こちらの視線にうまく流れを作りつつ、コミカルな表現になっている所が素晴らしいと思います。全体的なフォトリアル表現が素晴らしいので、これからもこのクオリティで作り続けて欲しいと思います。
【東條あずさ(ILM アートアシスタント)】
ぱっと見たとき写真と思ったので、CGの作品のレンダーとしては大成功です。
きっと何によって写真と思えるのかという観察眼がある方なのかなあと思いました。
ただ平田さんが、これから物語を伝える要素などを入れた作品を見てみたいなと思いました。
これからを応援しています:)
【khaki 横原大和(CGディレクター)】
ダルマ落としの一瞬をカメラで切り取ったかのような絵が面白い。モーションブラーを絵の見せ方に効果的に使用している。質感も所々表面が剥げていたりしてダルマ落としの使用感がしっかりと出ている。
【ポイント・ピクチャーズ CG部一同】
シンプルな構造物に「動き」を与えることで、複雑な構造物のリアリティ感とは一味違ったリアリティ感を醸し出している点がとても印象的でした。
また「動き」だけに頼らず、極めてシンプルな形状の達磨の下の段に、木の塗装の剥げ方や光沢感の差を細かく表現することで、実際に使い込まれている雰囲気を出せている点も素晴らしかったです。