アイルランドのゲーム開発スタジオ・Romero Gamesのメインライティングアーティスト・Maria Yue氏は7月14日(月)以降、Unreal Engine 5とLumen、NVIDIA RTXテクノロジを用いたライティングデザインのブレイクダウンをXに投稿し、話題を呼んでいる。

Here's a breakdown of my lighting design, more breakdown in the reply.  


I always think twice before placing each light—because every incident angle tells a story.  Colour theory is my lighthouse whenever I seek the rhythm behind mood breakdowns.



こちらが私のライティングデザインのブレイクダウンです。各ライトの配置には常に慎重を期しています —— なぜなら、それぞれの光の入射角度が物語を語るからです。カラーセオリー(色彩理論)は、ムードのブレイクダウンに潜むリズムを探求する時、私の指針となります。



ブレイクダウンの画像は、左が「Complementary(補色)」。オレンジの光が上部から射し込み、水色のトーンが柱や床に反映されており、オレンジと水色の補色関係による強い対比が生み出されている。



中央は「Split Complementary(分割補色)」。ある色の補色(カラーホイール上で正反対に位置する色)の両隣にある2色と、ベースカラーの3色を組み合わせる配色方法で、補色を分割することでより柔らかく洗練された印象をもたらす配色。作例では紫の補色である黄緑の両隣、黄色と緑の2色を含め、紫・黄色・緑で分割補色のトーンを構成している。



右は「Analogous(類似色)」。カラーホイール上の隣接色を組み合わせる手法で、ここではオレンジ・黄色・黄緑・緑・水色の隣接する5色を用いることで、調和性と統一感を生み出している。

I love a 90-degree angle—it delivers the strongest and most articulate indirect light response across the scene, sculpting the surroundings with precision and details.



私は90°という角度が大好きです —— この角度は、シーン全体に最も強く、最も明確な間接光の効果をもたらし、周囲の環境を精密かつ詳細に形づくります。

Semi-open space is my favourite—it offers the perfect canvas to harness the strength of directional light. 


A subtle sprinkle of local lights acts as a final brushstroke, enriching depth and dimension throughout the scene.



セミ・オープンスペースは私の好みです —— 方向性のある光の力を最大限に活かすための理想的なキャンバスを提供してくれます。ローカルライトの繊細なスプリンクルが最終のブラシストロークとなって、シーン全体に深みと立体感を与えます。

A quiet trick I love: the lighting pool. A hotspot in an enclosed space lets light stretch—directly and through ambient bounce. Subtle, but transformative. It's a quiet way to let the scene breathe.



私が愛する静かなテクニック:ライティングプール。閉鎖された空間内のホットスポットは、光を直接的に、そして環境光のリフレクションを通して広がります。控えめですが、変革的な効果をもたらすもので、シーンに呼吸をさせる静かな方法です。

Places I visited + my lighting project + atmospheric lighting data.


Exterior lighting is a system, where directional and sky light working together like a choir. I love begin with neutral fog, let the light blend quietly.



訪れた場所+私のライティングプロジェクト+空間ライティングのデータ


エクステリアのライティングは、ディレクショナルライトとスカイライトがコーラスのように調和するシステムです。中立的な霧から始まって、光が静かに溶け合うのを私は好みます。

Yue氏は訪問した場所から得たインスピレーションを自身のライティングプロジェクトに反映していることを図で説明。左列が訪問した場所の写真画像、中央がライティングを反映したレンダリング画像、右がサンライト・スカイライト・フォグのカラーを示している。

一例として、6年前にArtStationで公開した、ロンドンの霧をライティングに反映したプロジェクトを紹介している。

■MARIA LIGHTING(Maria Yue氏の公式サイト)
https://mariayue.com/

■Maria Yue氏のArtStation
https://www.artstation.com/xiaowantou

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