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Story 06:電柱のはなし

Story 06:電柱のはなし

<4>変圧器・開閉器

電柱にはいろいろなものがくっついています。その中でも放熱板がついていて一番大きく、目立つのが「変圧器」です。電気は発電所から超高圧変電所まで27.5万~50万Vの電圧で届きます。そのあと、いくつかの変電所を経由して電圧は徐々に下げられていきます。街の電柱を通るころには6,600Vまで下がっています。そこから電柱に取り付けられている「変圧器」で100Vや200Vに電圧を下げてから各家庭に引き込まれます。

次に大きいのが「開閉器」です。これは電路遮断を行うためのスイッチです。事故が起きたときに自動的に電路が遮断される開閉器もあります。

また、電柱の下にデコボコしたシートが巻かれているのを見たことがあるかと思います。これはチラシを貼りにくくするためのものです。もし貼られてしまっても剥がしやすいように、表面がデコボコに加工されているのです。コンクリートや鋼管に直接、チラシなどを糊でベッタリ貼られてしまうと剥がすのがとても大変です。そこで、このシートを巻いて糊の接着面を減らし、剥がしやすくしているわけですね。

<5>電線について

続いて電線をみてみます。電線は、上下に何層かに分かれて張られています。一番上が「高圧線」(6,600V)でその下が「低圧動力線」(200V)になっています。一番下には「光ケーブル」「電話回線」などの通信用のケーブルが張られています。

よく見てみると、上の写真のように電柱間に張られたワイヤーにグルグルとケーブル状のものが巻かれ、その中に太めのケーブルを通しているのがわかります。このグルグルを「スパイラルハンガー」といいます。ワイヤーに等間隔にハンガー(ケーブルハンガー)などで1個ずつ固定していくよりも、このスパイラルハンガーを使用した方が楽に電柱間にケーブルを張ることができますし、ケーブル自体に負荷がかからないため、スパイラルハンガーを使用しているところが増えてきているようです。

電柱の近くに取り付けられている黒い箱は「接続端子函」といい、光ケーブルや電話回線を分岐させるための装置です。

今回の「電柱のはなし」はこれで終わりです。電柱に限らず、想像上の工場などをモデリングする際も今回取り上げた変圧器や開閉器、接続端子函にあたるモデルを設置すると、よくわからないまま進めるより作りやすくなるのではないでしょうか。今回は解説しませんでしたが、電線も向きを変える箇所や本数を増やす箇所には様々な器具が取り付けられていますので、注意して観察してみて下さい。

次回は「動物のちがいのはなし」ということで、ジュゴンとマナティのように似ているけど違う動物のおはなしをしようと思います。筆者は小さいころの夢は動物博士でした! 図書館に行きいろいろ調べてノートにまとめてオリジナル図鑑を作ったり、テレビ番組の『わくわく動物ランド』(1983〜92)を楽しみにしておりました。若い人は知らないと思いますが......。

参考文献

Webサイト
電柱装柱資料館
http://www.tawatawa.com/dentei/
送電のしくみ - 電気事業について | 電気事業連合会
https://www.fepc.or.jp/enterprise/souden/
道路:無電柱化の推進 - 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/

Profile.

大島夏雄/Natsuo Oshima(コロビト)
株式会社コロビト 代表取締役、リードモデラー
奈良県出身。多摩美術大学(絵画学科 油画専攻)を卒業後、数社のCG制作会社に所属しモデリングチーフを務める。その後、フリーとなり2009年7月2日に株式会社コロビトを設立。ゲーム、映画、アニメ、CMなど様々なジャンルの仕事を手がける
colobito.com


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