2024年度、第1回目の開催となる学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」。テーマは「3DCGを用いた静止画作品」。
今回から「キャラクター部門」「背景・プロップ部門」に分かれての募集で、キャラクター部門60点、背景プロップ部門132点の、合わせて192点の作品が集まった。審査は国内外の特別審査員16名+企業審査数20社によって行われた。優秀賞&審査員講評コメントをご紹介しよう。
※講評コメントは全て原文ママ
■作品募集ページ
■結果発表イベント:
■作品応募条件・審査方法について
応募作品テーマは「3DCGを用いた静止画作品」。審査員はいずれも全作品の中からお気に入りの作品を選び、持ち点20の中から配点する。合計得点の高い作品から表彰されるシステムとなっている。参加対象は小・中・高校生から専門学校生、大学、大学院生など教育機関在学中の方が対象だ。通学中でなくても、クリエイティブ分野における就業経験のない方であれば応募OKとしている。AIの利用についてはNG。
キャラクター部門 1~10位(優秀作品)
第1位:『教会の外征騎士』 獲得点数:74点
高橋涼太さん(京都芸術大学通信教育部デザイン科)
二年ほど前に看護師からゲーム業界への転職を目指しました。学習時間を確保するために看護師を退職し、独学で学習しています。初作品のリアル系キャラクターモデルのため、至らぬ点が多いです。前回の経験を活かし、2作目に挑戦しています。
X : https://x.com/kanutarou
Artstation : https://artstation.com/kametarou
●作品解説
ソウルライクの影響を受けて制作したオリジナル騎士です。主人公を待ち構えている様に佇んでいる姿をイメージしました。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Photoshop, Unreal Engine5, Marketplaceのアセットを背景で利用
●審査員コメント 抜粋
▼【鈴木卓矢氏(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
ディティールの細かいところまでこだわりを感じますね。ひとつひとつのモデルがしっかり作られています。金属と革の質感の違いも表現できているのでとてもリアルに見えます。デザインもとてもカッコいいと思います。一つ残念なのが金属の劣化の仕方とスカート部分の布の汚れ方に差があるのでキャラクターとしてすこし表現が弱くなってしまっています。剣も骨董品のように見えるのでもう少し手入れがされた感じが出るといいと思いました。
▼【伊藤より子氏(ビジュアルデザイナー・講師)】
非常に美しい素晴らしいモデルです。細部もで細かく気を使いバランスも良いです。鉄、皮、生地の3つバランス良く質感、使いこなした感じも出てて文句無し。強いて言えば、見せ方に工夫をしても良いかも。何かシンプルなステージングを考えて、セカンドライトの色を入れても良いでしょう。
▼【東條あずさ氏(Visdev/Concept Artist)】
とても説得力のあるデザインで、造形も丁寧で素晴らしいです!細部までしっかり考えられ、リファレンスもよく観察されていることが伝わってくる非常にレベルの高い作品だと思います。もし一つだけアドバイスするなら、左にある斧の位置が肘と剣と接触してTangentになっている点です。ここを修正すると、さらに良くなると思います。本当に素晴らしい作品です。
▼【亥と卯 氏(フリーランス3Dキャラクターアーティスト)】
単純にキャラクターモデルとしてかなり完成度が高いと思います!表現したい世界観がストレートに伝わりますし、表現したいことに技術力がちゃんと合致している所が凄いと思います。ツールの使い分けが想像出来、デザインからきちんと練ってこだわりを詰め込んでいるのを感じました。
▼【トゥエンティイレブン 尾関昭宏氏(CGディレクター)】
単純に一つ一つのアセットの作り込みがよく出来ていて、それらが上手くまとまっている非常に丁寧に作られた作品だと思います。欲を言えば背景含めて全体の世界をもう少し作り込いければ、よりキャラクターが立ってくるかなと思います。
▼【ワンダリウム 佐野 覚 氏(取締役/シニアデザイナー)】
甲冑にレリーフや装飾が各所に施されていて、ディテールが細部にまで作り上げている印象でした。等身やポーズのバランスもよく、独学でここまで仕上げているのは素晴らしいと思います。甲冑なので、質感が単調になってしまうのですが、革の部分の色味を装備の場所で少し変えたり、剣の刃の部分の質感を変えるなどすると説得力が増すと思います。
▼【コラット 鈴木春奈氏(Modeling SV)】
鎧の裏側、革製品の身に着け方もリアルで、ステッチ、バックルなど、細部に至るまで丁寧に仕上げていてとても好印象です。造形力もあり、鎧のデザインも肩の顔など凝っていて格好いいですね!更に良くしていくには、「どこを主役にするか」を意識すると良さそうです。メインの上半身の鎧が凝ったデザインにもかかわらず、色味が無いため、色鮮やかなが腰布や武器の一部分に視線が集まってしまいます。モデルで特に見て欲しい部分はどこか?「頭部」なのか?「上半身」「剣」か?主役を決めてその場所に視線が行くように色を持たせ、他は色の鮮やかさを控えめにすると、更によくなりそうだと感じました。
第2位:『山頭狼』 獲得点数:68点
柿原諒也さん(東京藝術大学)
キャラクターモデラーを目指してCGを学んできました。まだまだ道半ばで、覚えることも多いですが、これからもツールを覚えて精進していきたいです。
●作品解説
このケルベロスは、ZBrushで木彫の質感と力強い造形を意識して製作しました。迫力を伝えるため、炎や筋肉のディテールにこだわり、ダイナミズムを工夫しています。
●使用ツール
Zbrush, substance painter, After effects
●審査員コメント 抜粋
▼【秋元純一氏(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
これまで、スカルプト作品を評価する際に、一番もったいないと感じていたのは、背景の寂しさだ。だが、どうやらこの作品を見る限り、さみしいのは背景ではなく、せめて背景があれば、、というキャラクターそのものの存在感なのだと気付かされた。そんな作品だと思う。むしろここまで存在感のある作品に到達していれば、野暮ったい背景など無用で、美術館や個展の展示の様相で十分なのだと思う。CGのキャラクターとしても、彫刻としても素晴らしいし、なによりもデザインそのものが優れている。キャラクターはやはりその存在感というのは重要だし、見ているものの心をうつものが、やはり求められるのだと思う。勿論それだけではないのだが、画面の構成として主役が構える様な静止画作品においては、特に重要な要素なのだと思う。この作者には、作品づくりというものに対しての姿勢に、そういった根幹を感じる。
▼【野口孝雄氏(Director/Character Designer・Art Director)】
木彫の質感がとてもよくできてます。また3つの狼の顔どれもが生き生きとしていて、また、炎の形状の躍動的で、迫力があります。静止画であるのに動きを感じる素馬らしい作品だと思います。存在感が増すような背景がつけられるとさらによくなると思います。
▼【若杉 遼 氏(CGWORLD編集長・ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ)】
木の質感のディテールがよく作られていたのと、その細かい作り込みとキャラクターデザインがしっかりとマッチしていて、世界観やキャラクター性をうまく表現できていたと思いました!
▼【メタサイト 菅原一敏氏(代表・CGIディレクター)】
造詣もすごいのですが、見せ方もすごいです。どういうライティングをすれば良いのかが的確に表現されていると思います。
▼【ポリゴン・ピクチュアズ 坂間健太氏(演出/CGディレクター)】
ディテール量もバランスも素晴らしいと思います。表面の色落ちによる劣化も自然で「木彫」としか言われてないですが勝手に年代まで想像出来てしまいます。
▼【ジェットスタジオ 石井 裕 氏(CGディレクター)】
ただ一言、カッコいいです。木彫りの質感が良く出ていますし今にも動き出しそうな躍動感のある作品でした。ケルベロスの顔の造形も素晴らしいです。荒々しさもあって良いですね。
第3位:『鵜飼』 獲得点数:61点
金武倖平さん(トライデントコンピュータ専門学校)
ゲーム業界のモデラーを目指して日々勉強を続け、約2年半になりました。これからも様々な表現に挑戦していきたいです。
https://twitter.com/moyomotter
●作品解説
飼いならした鵜(ウ)を使って漁をする鵜匠と、魚を捕る鵜の様子を3DCGで表現しました。鵜飼の迫力が伝わるように制作しました。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【山本原太郎氏(ドリームワークス/Character Look Development Lead)】
非常に完成度の高い作品だと思います。モデリングや質感、ライティングと非常に細かく作り込まれていると思います。人物の目が見えにくいので、目を見開いて口ももっと大きく開いた表情にすると作品の感情がもっと豊かになって良いかもしれません。人物の肌のサブサーフェイスが鼻全体を光らせていて、肌も全体的に蝋人形に見えるので、調整しましょう。逆に鵜の羽が硬いので、炎の光で羽の先を少しサブサーフェイスで持ち上げても良いかもしれせん。船の質感が単一でCGっぽいので、水面のウエット感や乾いたエリアなどメリハリをつけましょう。船の構造ももっと丁寧に作り込むと良いでしょう。今後の作品も楽しみです。がんばってください。
▼【MARK 齊藤壮平氏(CG Director)、高津直人氏(CG Director)、高橋 豪氏(CG Director)、成田大輔氏(CG Producer)】
モデルのクオリティ、ライティングが上手にできている作品だと思います。水しぶきのパーティクルの玉が少し嘘っぽく感じましたが、全体的に雰囲気がよく、油絵や絵画を彷彿とさせる素敵な作品でした。
▼【オムニバス・ジャパン 宗片純二氏(CG部部長/CGスーパーバイザー)】
題材的には難しいシチュエーションをよく表現できている。夜、鵜飼、鵜、火、水など盛り沢山の要素を取り入れてまとめられている。持ち上げられた鵜の水しぶき、画面方向に延びる見えない鵜への紐など細かい表現も見せていて〇。鵜飼を表現できていて全体的に完成度の高い作品です。
第3位:『梵界般若』 獲得点数:61点
河村歩武さん(個人)
今年から本格的に作品制作ともに業界のことも学んでいこうと思っています。職種や役職的な目標は特にありませんが映像・映画製作において記憶と歴史に残るものを作りたいです。
●作品解説
仏教における密教信仰に存在する降三世明王というアジア文化圏のモチーフをメカニカルなビジュアルに落とし込み再構成しました。一つ一つのパーツや細部に至るまでゼロベースで作成しました。見て楽しんでいただけたらと思います。
●使用ツール
ZBrush, Blender, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【染野成美氏(Sony Pictures Imageworks/Character Animator)】
圧倒的な迫力と、作者さんの持つ世界観をしっかり表現できている素晴らしい作品だと思います。色合いや雰囲気もきれいですし、キャラクターの作りこみが細かくて見入ってしまいました。強いて言えば、画面全体の空気感が少し均一すぎるため、遠目から見るとキャラクターが埋もれてしまって見えるのが勿体ない気がしたので、見せ場にしたい部分とそうでない部分への光の当て方やディティールの描き込み量にもう少し変化を出しても良いかなと思いました。
▼【ニエイチ 八木敦也氏(CGデザイナー)】
降三世明王というモチーフにメカニカルな要素を上手く融合させた良い作品だと思います。筋肉の流れを意識した質感はとてもカッコイイ!全体的に作り込みが良く出来ており、こだわりが詰まっている作品なんだなと思いました。キャラクター自体の作り込みが良くできているので、色々なポーズを取らせたり、少し空間を開けて余白のあるレイアウトで取ってみたりと、様々なバリエーションが見たくなる作品でした!
▼【プロダクション・アイジー 中村智樹氏(CGプロデューサー)】
とにかくディテールにまでこだわって作りこまれているのを感じました。錆や傷の加工など、ここまでやりきるのは大変だったと思います。一方で、一番見せたいのはメカの本体部分かと思うので、手前をもう少し暗く落として、本体部分を明るくするとそちらに目がいってよいのかなと思いました。
第5位:『冬ちゃん』 獲得点数:44点
謝花佑太さん(ECCコンピュータ専門学校)
「可愛い」をいかに表現できるか。と日々挑戦をしています。特に日本では馴染み深いトゥーンやアニメ表現について、それらをいかに3DCGに落とし込むかを楽しみながら試行錯誤しています。
https://www.vivivit.com/jahanayuta_pf
●作品解説
季節をテーマとして作品を制作しました。制作当時は冬だったため、「冬」をモチーフとした季節感の表現やその中にある人の暖かみを表現できればと考えていました。また、一枚絵としての見栄えを意識し、髪を大胆になびかせた構図や女の子のしなやかさが表現できるよう細部や末端に至るまでしっかり意識しながら制作を行いました。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Photoshop, Unity
●審査員コメント 抜粋
▼【亥と卯 氏(フリーランス3Dキャラクターアーティスト)】
とても可愛く作れていると思います!構図としてはシンプルなものですが、髪やマフラーなど風でなびいている揺れ物のシルエットが素晴らしいです。ラインが描画されている部分とされていない部分が曖昧なのでアウトラインをもう少し整理すると良いと思います。後ろの街頭をもう少し光らせたり背景の明暗やボカシ具合に奥行を出せると画として更に綺麗になりそうです。
▼【カヤックアキバスタジオ(カヤック) 天野清之氏(プロデューサー/ディレクター)】
可愛らしくキャラクターが作られていますね。好きな気持ちで作っているのが伝わってきました。創作した作品に自分の気持ちが乗っかるのが見えてくるのはとてもいいことだと思います。このまま突き詰めていけるといいですね。
▼【KOO-KI CGチーム】
第一印象で、クオリティの高さに驚きました。モデルの出来栄えはもちろんですが、髪のなびき具合やポージングからキャラクターの性格が感じ取れます。実際にどうかは分かりませんが、Unityで作成されているようなので、実際に動かすことを想定しつつこの画を作れるのはとても素晴らしいと思います。動いている姿も見てみたい!と強く思わせられる作品でした。
▼【ボンズ 安東容太氏(3DCGディレクター)】
良く出来ていると思います。服の質感がCGっぽいのでもう少し顔や髪に馴染むルックになるともっと良いと思います。スカートの生地が分厚く見えたり、ニーハイ部分にポリゴン感が見えたり、そういった細かいところをブラッシュアップしていくだけでとても良くなると思います。キャラクターとは関係ないですが、背景のアイレベルやカメラの高さを見直してみてください。キャラクターがこの見た目だとカメラの高さは地上50cmとか70cmとかからのアオリになってるはずですが、そうなると地面はもう少し画面上に上げないと違和感が出てしまいます。
第6位:『can not lose』 獲得点数:39点
望月 平さん(個人)
独学で3Dを始めて一年弱ですが、キャラモデリング(素体)が得意です。この一年ほぼスカルプトのみをやってきたので今アニメーションを学び初めてこれからはスカルプトを活かしてアニメーションも頑張って行くつもりです。
●作品解説
乗っていたボートが波でひっくり返って海の底に剣が沈んでしまうところ、大事な剣を真っ先に取りに行く女戦士の様です。
●使用ツール
ZBrush, Blender, Substance 3D Painter
●審査員コメント 抜粋
▼【東條あずさ氏(Visdev/Concept Artist)】
造形やレンダリングなど、とても高いレベルで素晴らしいです。時間をかけてしっかりと考えて作られた感じが伝わってきます。ただ、キャラクター部門の作品なので、キャラクターの表情にもう少し時間をかけるとさらに良くなると思います。現在の表情が少しロボットのように硬いので、「乗っていたボートが波でひっくり返り、海の底に剣が沈む。大事な剣を真っ先に取りに行く女戦士」という設定に合わせて、もっと焦った表情を表現すると良いと思います。言えるとしたらそのくらいなので本当にとても素晴らしい作品と思いました:)
▼【メタサイト 菅原一敏氏(代表・CGIディレクター)】
すごくクォリティが高いと思います。光の感じも良いのですが、手前の泡の感じが奥の泡と違う所が違和感がありました。表情の生感が出るともっと良くなると思います。
▼【萌 平岡氏(代表取締役/アニメーション監督)】
設定も考えられていてキャラクターも魅力的で良かったです。作品をさらに良くしていくために、細かいディテールのリアリティーを向上させるとより良いキャラクターになります。リアルな作品なのに髪の毛がゲームモデルの板状になっている点や他にも改善できる点がいくつかあります。学生のレベルとしてはとても良かったと思うので、魅力的なキャラクター制作これからも頑張って下さい。
▼【神央薬品 ノブタコウイチ(CGプロデューサー/ディレクター)】
独学でというのが凄いですね。細かいところまで手が入っていて感心しました。水の中に入ってる感じ(ウェット感)がもう少し出せると良いかと思いました。アニメーションを勉強するとの事なのでポージングとかも意識してみてください。
第7位:『machine repairman』 獲得点数:33点
土井彩未さん(ASOポップカルチャー専門学校)
私は専門学校に入学してからCGをはじめました。主にリアルなキャラクターを制作することに力を入れています。CGモデラーとして勉強しており、今は特に映像業界を目指し就職活動中です。
●作品解説
この作品はオリジナルキャラクターで肌の質感やデザインにこだわって制作しました。また、キャラクターの性格にマッチするデザインを意識し、そして物語を感じさせるような一枚絵を完成させました。
●使用ツール
Substance 3D Painter, Substance 3D Sampler, Blender, After Effects, ZBrush, Unreal Engine, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【野口孝雄氏(Director/Character Designer・Art Director)】
不思議な魅力のあるとても良いキャラクターです。メイクや衣装どれも個性的で、その人の持つ特徴や性格などが表現されています。皮膚や金属の質感どれもとてもよくできています。影になっている部分が少し明るくなっていると背景との区別がつきやすくなると思います。好きなキャラクターです。
▼【成田昌隆氏(ILM/シニアモデラー)】
強烈なインパクトで私の一押しにしました。キャラクターの個性がとてもはっきり描かれていると思います。また色のアレンジがとてもうまく作品の存在感を与えています。表情や装飾、背景も物語をよくサポートできていると思います。このままでポップカルチャー的に優れた作品ですが、もしリアル感を追求するなら、細部の造形にこだわるといいと思います。頬から顎にかけて、口まわり、首など、人間は思っている以上におうとつがはっきりとしています。アナトミーを調べて骨や筋肉の形を浮き彫りにすればいいでしょう。またジャケットもこの距離ではヒーロー扱いになりますので、襟のエッジのふくらみやしわなどに気を配ればよりリアル感が出てくると思います。またこれは作者のアート的な意図なのかもしれませんが、顔と首に施された模様はできれば3Dテキスチャーで入れ墨的にした方が私には好みでした。
▼【slanted 帆足宣彦氏(CG Director)/西村 崇 氏(Lead CG Artist)】
悪戯心で何か仕出かしそうなキャラクターの内面を想像してしまいました。斜に構えた感じの表情が効果的です。瞳の映り込みが程良くて自然な印象を与えています。一方で、額とヘルメットの境目や首の模様の馴染みにはまだ改善の余地があるようです。
第8位:『HYBRID』 獲得点数:27点
北崎 隼さん(個人)
クリーチャ―を作っており、クリーチャーアーティストとして活躍したいと思っています。クリーチャー以外にもハードサーフェスも得意なジャンルなので異種混合のシルエットや造形ができればと思っています。また、自身の死生観でフロイトの『快感原則の彼岸』を軸に置いており、畏怖の造形について研究しています。
●作品解説
全体のルックとして明るいイメージの中に支配者を感じる強烈なインパクトのある畏怖を感じる顔つきやディテールの造形にこだわりました。映画『アバター』や『エイリアン』からインスピレーションを受け太古の地球にかつて居たかもしれないと想定し魅力的なエイリアンを作りたいと思いました。クリーチャーとしての造形力や全体としての画作りを見ていただければと思います。
●使用ツール
ZBrush, KeyShot, Blender, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【伊藤より子氏(ビジュアルデザイナー・講師)】
不思議な世界観が良い。デザインも美しくまとまっているが手のサイズが大きいのし対して顔(と上半身)が小さくバランスが悪いように感じる。ポーズのポジションが惜しい。右側のウィングのエッジが上半身の後ろの隠れタンジェントとなっているので理解しにくい。モデリングは素晴らしい。テクスチャーは荒く見えるが色はとても美しく配色してあって素晴らしい。
▼【白組 髙橋正紀氏(VFXスーパーバイザー)】
かっこいいですね。テクスチャーもよく見ると丁寧に描かれていて良いと思います。作品トーンだと思いますが、質感の書き分けがもう少し出来るともっと良くなると思います。
▼【ワンダリウム 佐野 覚 氏(取締役/シニアデザイナー)】
ディテールや造形に拘ったというだけあって、エイリアン特有の模様や昆虫や甲殻類を参考にして細部にまでモデリングしているなと感じました。ただ、顔がシンプルな人型なので『強烈なインパクトのある恐怖の顔つき』とは感じませんでした。もっとクリーチャー系に寄せても良かったのでは。あと、硬い皮膚の中に、粘膜で濡れた光沢のある部位も見受けられると、より生物感が出ると思います。
第8位:『Micro creature』 獲得点数:27点
大成龍聖さん(大阪情報コンピュータ専門学校)
26卒の学生です。キャラモデラー、コンセプトアーティストを目指しています。将来、業界の第一線で活躍できるクリエイターになりたいです。
●作品解説
ファンタジー作品などで普段フォーカスされないミクロなクリーチャーをコンセプトに制作しました。クマムシをベースに、キモカワなクリーチャーになるように様々な要素を取り入れました。花粉などに乗って移動します。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Arnold, After Effects, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【若杉 遼 氏(CGWORLD編集長・ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ)】
光、カメラ、パーティクルをうまく使ってキャラクターが実際にその場にいるような表現が出来ていたと思います。キモカワということでしたが、デザインの部分でもちょうど気持ち悪くなりすぎない、生物としてのリアルな存在感も感じさせるデザインをしていてとても魅力的に見えました。キャラクターへの光の当て方や手前に少し映る足も細部へのレイアウト的に素晴らしかったと思います!
▼【MARK 齊藤壮平氏(CG Director)、高津直人氏(CG Director)、高橋 豪氏(CG Director)、成田大輔氏(CG Producer)】
オリジナリティがあり、ライティングや造形がよくできている作品でした。ミクロの世界観を演出していますが、物体に光が透けていないため、クリーチャーが大きいものだと感じるかもしれません。マテリアルで透明感を出したり、高倍率のマクロレンズで撮影したような被写界深度の浅い画にすることで、よりミクロの世界観に近づけられると思います。
▼【シーズクラフト 立花大輔氏(プロデューサー)】
狙ったようにミクロ、キモカワの雰囲気が出ているのでよいかと思います。気になるところとしては、テクスチャの解像度などバラバラなところです。全体的に均一にする必要はないですが、密の粗のバランスはもう少し調整されているとよかったかも。特に花粉が粗くそこに目が行ってしまうので。
第8位:『永遠の時を共に。』 獲得点数:27点
久保凜華さん(ECCコンピュータ専門学校)
https://www.vivivit.com/2025ecckubo
●作品解説
ネクロマンサー(死霊魔術を行う術師)をモチーフに魂を集めている女性を製作しました。ファンタジーな世界を表現するため、コスプレ衣装のような服を意識し、スカートなどの広がりや服のコーディネートにこだわりました。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Marvelous Designer, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【伊藤より子氏(ビジュアルデザイナー・講師)】
丁寧な美しい作品ですね。緑の煙とデザインとポーズも避け見せ方も、鏡に映ったように後ろも見せてにくい。細部に適度に細かいデザインが施されてセンスの良さがわかる。ポーズ、デザイン、テクスチャー、色合いも文句無ししです。特に顔と髪の毛の質感が素晴らしいフォーカルポイントになっていますね。もう1歩惜しいのがライティングで、緑の魂が光っているのでそれが魔術であっても少し、女性の洋服、顔に反射している感じ、緑を入れてまとめた方が自然だと思います。左下の緑の魂が少し明るすぎて目がそちらに向かっています。
▼【成田昌隆氏(ILM/シニアモデラー)】
キャラクターの妖艶な雰囲気がよく出ていますね。とても美しいイメージです。各パーツのモデリングも秀逸で、ルックデブ、ライティングも素晴らしいです。顔、髪の毛、衣装などとてもよく出来ていると思います。かなり完成度の高い作品ですが、ひとつだけどうしても気になる点があります。それは首の位置です。というより、おそらくリグによる体の不自然なポージングにあると思います。襟から上の首だけをフォトシップで切り取って、5mmほど右下に動かして気持ち拡大すれば、より自然に見えるはずです。この点がなければ私は3点つけていたと思います。
▼【東映 ツークン研究所 饗場一輝(リードCGデザイナー)】
衣装の作りこみが良くとても魅力的なキャラクターとして仕上がっていると感じました。異素材を駆使したデザインで、カッコよさと可愛さのバランスがキャラの魅力を引き立てていると思います。目を引く顔周りの髪の毛の束感が少し単調に感じたので、1枚絵では毛先や束からはみ出した毛まで調整できるとより顔周りの印象がアップできると思いました。今回は立ち絵で微笑んでいる姿でしたが、どのような表情で動くのかとても気になりました。
▼【exsa 海老澤広樹氏(プロデューサー)】
衣装の細かな所まで丁寧に作られており、好感が持てます。丁寧に作った部分がやや暗くディティールが見えづらくなってしまっているのが勿体ない印象です。ライティングが良くなると、モデルの魅力を引き立てられるのでお勧めです。
背景・プロップ部門 1~10位(優秀作品)
第1位:『ラーメン』 獲得点数:105点
玉木匠翔さん(ECCコンピュータ専門学校)
作品を作るときは、今までやったことのない表現にチャレンジするように心がけています。加えて、自身が表現したいことが見てくださる方にしっかりと伝わっているかを重視しています。
●作品解説
「おいしそう」に見えるかを第一に考え制作しました。リファレンスから自分が美味しそうに見える要素を抜き出し、作品に落とし込んでいきました。作業時間の半分以上をインプットに費やしていたと思います。ラーメンを食べに行くたび写真を送ってくれた友人に感謝します。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【鈴木卓矢氏(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
一目見ておいしそう、食べたいと思いました。それほど印象を作れているのだとおもいます。ラーメンを制作するにあたって印象のポイントを抑えるための観察が良くできていたのだと思います。各所にこだわりを感じます。卵の半熟の部分だったり、ねぎのチラシ方もポリゴンがめり込んでいるところが無いように地道な作業が垣間見えます。一番は食材がスープをまとったシズル感が表現できているところです。最初に目に入ってくるチャーシューの質感が全てをきめていますね。背景も右上のメモの紙の歪みなど自然に見えるような細かいこだわりを感じます。作品としてストーリー性はありませんが、代わりにメッセージ性が飛びぬけて強い作品としてよくできています。
▼【田崎陽太氏(カーキ・Episode3(CG Supervisor・Environment Design)】
今回の応募作品の中で最もリアルだと感じました。インプットに多くの時間を費やしただけあり、ディティールや情報量が実写に負けないほど表現されています。細部への異常なこだわりが、作品全体を非常に説得力のあるものにしています。とてもおいしそうで、思わずラーメンが食べたくなりました。
▼【東映 ツークン研究所 森香那海(CGデザイナー)】
見た時点でお腹が空きました。食材のテカリや透明度、スープの油と濁りの表現、机のディテール、どれも完成度が高く非常に素晴らしいです。食べ物をテーマにするチャレンジ精神と、こだわったポイントに記載してある様に「おいしそう」である事を丁寧に表現出来ており、作者のこだわりと執念を感じました。今後のご活躍を楽しみにしております。
▼【オムニバス・ジャパン 宗片純二氏(CG部部長/CGスーパーバイザー)】
食べ物という難しい題材を、高いクオリティで表現できている。ラーメン以外の周りの作りこみも、お店の雰囲気を感じさせて評価できる。麺、スープ、油の表現が秀逸。個人的に刻みネギがもう少し瑞々しかったら良かった。
▼【神央薬品 ノブタコウイチ(CGプロデューサー/ディレクター)】
一目見た時にこれは僕がコメントしないといけないと思いました。自称業界一のラーメン好きですが、かなり美味しそうで今からラーメンを食べたくなりました。ラーメンだけでなくカウンターや食券等もしっかり作り込まれていてグゥの音もでません。ラーメンの写真を送ってくれる友人に感謝ですね!将来ラーメンモデラーとしての活躍を期待しております!
第2位:『陸上艦隊』 獲得点数:48点
佐藤愛琉さん(仙台デザインアンドテクノロジー専門学校)
佐藤愛琉と申します。専門学校3年で、フリーランス一年目です。芸術、CG分野全般に興味があります。
https://www.vivivit.com/airuworks
https://www.artstation.com/airu_works
●作品解説
内燃機関が発達していて、兵器や重機が巨大になった世界のww2をコンセプトに制作しました。こだわった点は、メカのデザインとスケール感です。
●使用ツール
Blender, Photoshop, mixer, asset, bms, Megascans, Sketchfab
●審査員コメント 抜粋
▼【秋元純一氏(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
巨大な重兵器の存在感が圧倒的で、シネマティックな雰囲気が良く表現されている。グレーディンもかなり巧みだと思う。兵器のデザインも無骨で、デザイン性に富んでおり、見ていて引き込まれる作品に仕上がっている。空気感はよくできていいるが、手前の人物と背景の溶け込みに若干違和感を感じる。また、奥の燃えているエフェクトも惜しい。修理工がいる兵器には、トラックだけではなく、高所作業が出来るリフト付きの大型車両などを登場させたりすると、物語のバックストーリーに厚みが出る。修理作業に火花などを足しても動きが出ていいと思う。細かいところだが、手前兵器の足元から抜けて見える土の部分など、こういった所の輪郭に歪みがないと、自然物としての違和感を感じさせてしまうので、もう少し兵器の足でえぐられた場所を作るなど、イレギュラー感を追加していくと更にリアリティが出ると思う。
▼【行弘進氏(Niantic/Art Director)】
メカのデザインが素晴らしく、スケール感や構成が非常によく考えられたコンセプトだと感じました。うまくデプスを使って、すべてのディテールを見せすぎないようにしている点が、スケール感を引き立てていると思います。しかし、クレーンと大砲が重なってしまい、大砲のシルエットが見えにくくなっているのが少しもったいないですね。これらを少しずらすことで、より良いシルエットが得られるでしょう。また、足にあるバネがボールペンのバネのように感じる(質感の影響もあるでしょう)ので、その部分にも少し工夫を加えると良いかもしれません。さらに、地面に少し埃などを加えると、スケール感が一層際立つと思います。
▼【カヤックアキバスタジオ(カヤック) 天野清之氏(プロデューサー/ディレクター)】
雰囲気と世界観が出ていてともて目を引きました。多脚ロボットが僕は好きだからかな。この作られているシチュエーションは戦闘前?整備中?奥では炎上しているからな?など作品人を考えたいなっと思うくらいに魅力がありました。
▼【プロダクション・アイジー 中村智樹氏(CGプロデューサー)】
メカの脚部のギミック等よく考えて作られているなと思いました。空気感など全体的な画作りも素晴らしいと思います。一点、手前の兵士が少し悪目立ちしているように感じました。切って貼ったように見えるのがもったいないので、もう少しなじむようにできるとよいかと思います。
第3位:『友達』 獲得点数:45点
張 宇さん(ECCコンピューター専門学校)
30歳から日本語を勉強して、31歳で来日、今35歳の専門学校3年生です(笑)。2年生まではキャラクターモデラー志望でしたが、今はエフェクト志望です。コンセプトや演出などで人を笑わせる面白いコンテンツを作りたいです。技術研究としてStableDiffusionの服装Loraも作っています。
https://civitai.com/user/takosuika
●作品解説
「女子高生たちが放課後にクトゥルフ神話TRPGをする」というコンセプトの作品です。「キャラクターなしでキャラクターを表現する」を考え、質感や造形はもちろん、ライティングや雰囲気、キャラクターの性格の説得力など満遍なくこだわっていました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Unreal Engine, Photoshop, フリーアセット:「『新クトゥルフ神話TRPG』の探索者シート」by KADOKAWA CORPORATION
●審査員コメント 抜粋
▼【中村基典氏(モトナック/代表取締役)】
コンセプトがとても面白いです。そこがこの絵の魅力となっています。パッケージもひとつひとつが作りこまれていて見ていて楽しいです。各プロップの質感もよく表現されています。
アドバイス:乱雑さを狙った感もありますが、視線誘導を考慮に入れるともっと良いでしょう。現在フォーカスが合っている箇所はポテトチップスの袋の中あたりですが、特徴が無いので、絵としてぼやけた印象になってしまいます。女子高生がクトゥルフ神話のTRPGをしている状況を表現するために何から見せたいのか、何を一番見せたいのかを意識すると良いかもしれません。机がオレンジ一色なので、木目を出すなど情報量を上げると良いでしょう。
▼【若杉 遼 氏(CGWORLD編集長・ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ)】
日常的によく知っているものほど、少し違う部分があると違和感になってしまうので、作り込むのが難しいと思うのですが、そういう意味でもとてもリアルに作れていて素晴らしかったと思います。お菓子のディテールだけでなく、袋の内側の油汚れなども作られていて細やかな表現に圧倒されてしまいました。
▼【萌 植木氏(CG背景モデリングディレクター)】
それぞれのオブジェクトのクオリティが高く、一枚絵でストーリー性を感じられる素晴らしい作品だと思いました。画面には小物類しか映っていませんが、やわらかい色味とライティングによる影の伸び具合で放課後だと想像できたり、ポテチの袋をお皿にしてグミが入っていたり、時間帯や人物の関係性など想像できる演出がされているところに感動しました。画面外にいる人物達の会話などが想像できてしまうようで、観ているだけでとても楽しい気持ちになりました。
▼【ニエイチ 八木敦也氏(CGデザイナー)】
友達というタイトルの通り、高校時代の放課後に教室で残って友達と楽しく遊んでいるといったストレートな雰囲気に惹かれました!星形のグミを大事に手元に取って置いたり、紙の端にくまちゃんの絵を描いてしまったりと遊び心満載で、とても楽しくCG制作をされているんだなと伝わってきました。一点、過密のバランスを取りつつ、何を一番見せたいのかを意識するともっと良くなるかもしれませんね。
第4位:『雨の冬月路面電車』 獲得点数:41点
山﨑葵偉さん(デジタルハリウッド東京本校)
CGを始めて一年程度で歴は浅いですが、映画業界への就職を目標に毎日制作しています。主に映画作品を参考に魅力的な画作りや印象的な表現を目指しています。
X →https://x.com/nakedchinese9
●作品解説
テーマ的に物量が出しづらかったため、その分質感や雰囲気づくりに時間をかけて表現しました。雨の日の湿気感や無人の路面電車のノスタルジックな雰囲気を感じていただけると嬉しいです。
●使用ツール
Maya, Photoshop, Substance 3D Painter
●審査員コメント 抜粋
▼【MAEDAX氏(アシスタント背景美塾/塾長)】
個人的には3点を一番高い評価として点数を付けています。文句なく3点、高評価です!雨の日の車内の湿気や床の湿り気。文字のデザインや心配り。自身の経験と観察眼が細部に至るまでしっかり発揮されていて、細かいところを見ながら楽しめるいい作品でした。特に古い車体の重々しい鉄の質感や土砂降りの雨の表現が見事です。画面の中には誰もいないけど次止まることへのストーリーへの誘導。なんだかその場の空気を感じ、雨の音や路面電車の軋む音まで聞こえてきそうな良質で魅入ってしまう作品でした。
▼【香取政人氏(アプリボット/Environment Artist)】
モデル、テクスチャ、ライティングどれをとってもハイクオリティですね!ただ、左下から中央までのびる座席の切れ方が気になったり、どこを一番見せたいのかがフワッとしている印象です。このカメラが主人公の目線なのか?などその辺が感じられるとより良くなるかと思います。
▼【ポリゴン・ピクチュアズ 坂間健太氏(演出/CGディレクター)】
見たことがない車内ですが漠然と懐かしさを感じるリアルさがあると思いました。水の表現はよくスペシャルな味付けとして捉えられることが多いですが、この作品では全体の説得力やリアルさとして貢献している点が素晴らしいと思います。
▼【ジェットスタジオ 石井 裕 氏(CGディレクター)】
直接的な雨を見せずに雨の日をしっかり表現できていたのでとても良い作品だなと感じました。ジメジメした感じがちゃんと伝わりますし雨音も聞こえてきそうですね。雰囲気作りがとてもうまいので他の作品も見たくなりました。
▼【ワンダリウム 佐野 覚 氏(取締役/シニアデザイナー)】
物量が少ないと感じさせない造形の丁寧さ、雨で濡れた地面の足跡や窓の雨垂れ、車内の湿度感、全てにおいてきめ細やかに調整されていると感じました。電車内、シンプルに見えて多種多様なモデルの質感が混在しているので、かなりレベルの高い作品だと思います。
第5位:『At day's end』 獲得点数:36点
小林郁哉さん(日本工学院専門学校)
背景モデラーを目指して日々精進しています
X: https://x.com/imufneec
●作品解説
日没の寂しさと落ち着く雰囲気にこだわって制作しました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Zbrush, photoshop, Quixel Megascans
●審査員コメント 抜粋
▼【宮川英久氏(Wizards of the Coast/シニアコンセプトアーティスト)】
非常にシンプルな構図ながら(だからこそ)パッと目に飛び込む、随所に丁寧な作業が光る魅力的な作品だと思います。絵としての魅力は高い水準に到達していると思います。全体的な色味も心地よくリアリティもあると思います。しかしながら、例えば右側の家屋の屋根の勾配が切り替わるポイントには多少雪が溜まっていた方が自然なのではないか、とか、倉庫の外の梁の上部等を含め少し雪が残る等していても良いのではないかと疑問に思うポイントは幾つか有ります。また、この絵の焦点はトラクターに寄りかかる人物なのだろうと思うのですが、この人物が一見しただけではそうであると理解しづらい点はまだまだ構図の工夫の余地があると思いました。また、手前の盛られた雪は前景として構図の奥行き感を演出するにおいて大きな役割を果たしていると感じますが、同時に横一直線に配置されている点は絵を狭く見せる逆効果を生んでしまっているように思います。
▼【MARK 齊藤壮平氏(CG Director)、高津直人氏(CG Director)、高橋 豪氏(CG Director)、成田大輔氏(CG Producer)】
シンプルな構成ながら、見せすぎずパッとみの印象や構図がとてもよい作品でした。手前のボケているレイヤーが嘘っぽく見えるので、奥と手前をつなげる中間層をつくることでよりよい作品になると思います。人物の足がタイヤと同化しているので、人物のポージングや配置を変えてみるのもよいかもしれません。
▼【コラット 鎌田友樹氏(CGI SV)】
映画のワンシーンを思い起こさせるレイアウト、ライティングになっており、静寂を感じることができます。コントラストが弱く感じるので、夕日近辺の輝度を上げて、奥にはデプスを入れて、カメラ手前のオブジェクトはコントラストを上げると、絵が引き締まってより光を感じ取れるようになると思います。煙突に煙を入れたり、建物の中に灯りを入れることで、生活感が出て、身近に感じる絵になるので、様々な要素に挑戦してみてください。
第6位:『工房』 獲得点数:35点
峯田愛子さん(多摩美術大学)
ゲーム系の背景モデラー志望です!大学で絵を描きながら背景CGや背景イラストを描いており、普段はファンタジー寄りの物を作っています。
●作品解説
今回はリアル寄りの表現に挑戦しました。自分にとって身近なものを作ろうと思い、私自身美術系の大学に通っているため工房を作りました。アピールポイントは、質感をよく観察してテクスチャを作ることとライティングを意識した点です。
●使用ツール
Blender, Substance 3D Painter
●審査員コメント 抜粋
▼【伊藤より子氏(ビジュアルデザイナー・講師)】
とてもよくモデリングされて、質感も良く出ています。ライティングも綺麗です。全てがそつなく良く出来ています。ここのストーリーを観察したのですが、この工房は果たして何の工房かしら?木工?皮、靴、何かメタルの製品かしら?と。臨場感を出して、少し切れ端を入れたり、材料の屑などが机の上にあっても良いかも。
▼【萌 植木(CG背景モデリングディレクター)】
使い込まれた道具の汚しや錆表現などよく観察して作成されているのだなと思いました。物の配置もちゃんとそこで仕事をしている人物がいることを感じられる自然な乱雑さもあり説得力が感じられて素晴らしいと思います。画面中央に汚れなど付いていない新品のように見える工具があり、真ん中にあるので余計に目が行ってしまいそこだけ世界観からずれているように感じてしまいました。
▼【KOO-KI CGチーム】
身近なものをつくられたということもあり、大変説得力のある画だと思います。新しい道具と使い古された道具を混在させていることで、歴史、時の流れも感じました。1つ1つの道具の鉄や壁など質感に比べ、木材の質感だけちょっともったいない気がしましたが、こだわりのライティングも空気感があり、ステキです。
第7位:『残業の舞』 獲得点数:29点
長谷川雄大さん(デジタルハリウッド東京本校)
3年半SEとして仕事をしておりました。現在はデジタルハリウッド東京本校でCGを学んでおります。実写VFX系のゼネラリストを目指しています。
●作品解説
一人で残業をしていると踊りたくなることがあったので、そんな感情を取り入れました。PCが使いまわされていて汚かったりWindowsの更新がやたら遅いPCがあったりといった「会社あるある」を可能な限り取り入れました。
●使用ツール
Maya, Photoshop, Illustrator, Substance 3D Painter, After Effects
●審査員コメント 抜粋
▼【鈴木卓矢氏(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
どこかで見たことあるような風景に惹かれました。静止画として客観的な構図に対して主観的な表現になっているのがこの絵の魅力だと思います。深夜残業で踊りたくなるという表現を静止画でやる場合このようにシャッタスピードを遅くしたような時間表現は素晴らしい演出だと思います。静止画で感情や時間の表現をするのは難しいのですがこういったやり方で作品の中に落とし込めるのはセンスがいいです。造形や質感の細かいこだわりも感じられるのでリアルな作品というよりもリアリティーを感じる作品です。キャプションがないとホラー作品に見えてしまうのと共感を得られない人もいるという点が残念ですがシュルレアリスム作品としてよくできていると思います。
▼【トゥエンティイレブン 尾関昭宏氏(CGディレクター)】
ぱっと見写真かなと思うほどよく出来た作品だと思います。よく見るとノートPCのタッチパッドの汚れ具合など細部まで作り込まれていて、そういった細部までの作り込みがリアイリティを生んでいるのだと思います。強いて言えば椅子のシートの質感などもう少し感じられるといいかなと思いました。
▼【ジェットスタジオ 石井 裕 氏(CGディレクター)】
下手すると地味にもなりそうなシチュエーションですが、構図がとても良く視線誘導もしっかりしているのでクオリティが高く魅力的な作品だな感じました。写実感と視線の先にいる踊り狂った人とのアンバランスさも良いですね。現実の中で見てはいけないものを見てしまったという感じもあり非常に面白い絵でした。
第8位:『聖橋』 獲得点数:27点
長久茉央さん(大阪府立大学)
大学は経済系のためCGを独学で勉強していますが、専門学生やプロにも負けないほどの作品を作ることを目標にしています。
●作品解説
東京の有名な聖地がモデルです。実際に大阪から東京まで何度か足を運び、様々な角度から注意深く観察することでリアルなスケール感を表現することにこだわりました。
●使用ツール
Unreal Engine, Maya, Substance 3D Painter, Substance 3D Designer, Photoshop, SpeedTree
●審査員コメント 抜粋
▼【exsa 海老澤広樹氏(プロデューサー)】
とても細かな物まで丁寧に作られていて、それによりリアリティも出せており、とても良いと思います。画面を占める面積が大きい空、そこにある雲にも拘れると、もっと良い作品になると思います。
▼【メタサイト 菅原一敏氏(代表・CGIディレクター)】
雰囲気はすごく良く出来ていると思います。ディティールも良く観察してあって細部に渡って再現されています。CG技術では無い部分ですごく良いものをお持ちだと思うので、物を見る目をもっと良くして頂いて、それを再現すると尚良い作品が作れると思います。
第9位:『Cafe of memories』 獲得点数:26点
森浦将希さん(総合学園ヒューマンアカデミー大阪心斎橋校)
3DCGに触れ始めて1年になりますが、現在は背景モデラーとしての実力を磨きつつ、将来的にはゼネラリストとして多岐にわたる分野で活躍できるようになることを目指しています。
●作品解説
パリのマンモルトル地区に訪れた時に寄ったとあるカフェをテーマに、その時に撮った写真や記憶を元に「思い出でのカフェ』として制作しました。物量と鏡の中に広がる奥行きのある店内をこだわって再現しました。" "私は背景モデラー志望として就職活動をこの春から始めました。
●使用ツール
Maya, Photoshop, Substance 3D Painter
●審査員コメント 抜粋
▼【宮川英久氏(Wizards of the Coast/シニアコンセプトアーティスト)】
これは実在のカフェそのままなのでしょうか。各オブジェクトが丁寧に作りこまれていて見ごたえが有ると同時に、このアングルにしたお陰で空間の疎密のバランス感も良く、見やすくも魅力的な構図になっていると思います。また、画面右側の曲線主体の空間と左側の直線主体の空間の対比も見ていて楽しいです。取り立てて大きな問題点も無いのですが、若干この空間はきれいすぎるように感じます。もっと汚れや傷が有っても良いと思いますし、画面左側のカーテンの形状なども少々違和感を感じてしまいます。全体的な構図としては、もう少しだけ左側を見せた方がバランスが良かったかな…と思いました。
▼【白組 髙橋正紀氏(VFXスーパーバイザー)】
ライティングが素晴らしいいです。モデリングの見せ方はライティングで決まるので大切です。後は一つ一つのプロップの精度を上げていくと良いと思います。この背景を別のライティングでも見てみたいですね。
第10位:『残業!残業!』 獲得点数:20点
山下皇我さん(ECCコンピューター専門学校)
ゲームクリエイターになるために日々努力しています。自身の作品を見て少しでも「面白い」と思ってもらえるような作品を作りたいです。
●作品解説
会社員が夜遅くまで孤独に残業しているシーンです。キャラクターの性格やその場の状況が伝わるように制作しました。毎日働いている方たちには本当に頭が上がりません。毎日お疲れ様です。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, ZBrush, Unreal Engine 5, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【slanted 帆足宣彦氏(CG Director)/西村 崇 氏(Lead CG Artist)】
構図とライティングが良く、遅くまで一人作業をして疲れた雰囲気が上手く表現出来ている作品だと思います。モデルもひとつひとつ丁寧に作られているのが伝わってきます。画全体を占める割合が多い人物の作り込みをもっとしてもいいなと思いました。特に髪・眉の表現に違和感を感じるのでFur・Hair等の使用も検討して表現するといいでしょう。
▼【ボンズ 安東容太氏(3DCGディレクター)】
23時半でしょうか?お疲れ様です・・!雰囲気とても好きな作品です。ヘッドホンのサイズが「この人じゃ被れんやろ!」って思ってしまったのと、後ろのサーキュレーターのリボンが風受けっぽいのでファンが回っているような表現にできると良いのではないでしょうか。
▼審査参加企業・アーティスト
<<特別審査員>>
<< キャラクター部門 >>
染野成美氏
Sony Pictures Imageworks
Character Animator
【総評】
どの作品も高いクオリティで、点数をつけるのが非常に難しかったですが、終始楽しみながら審査をさせていただきました。キャラクターのデザインだけでなく、テーマの独創性やストーリーテリングに工夫が凝らされた作品が多く、自分自身も大変刺激を受けました。CGソフトの技術の進歩により、個人制作の平均的なスキルも年々高まっていると感じますが、その中でも、自分が本当に好きなものへのこだわりを貫いた作品は、見る人の心を掴むと思います。これからも自分の「好き」に対する情熱を大切にし、制作に取り組んでください。いつか一緒にお仕事させていただけるのを楽しみにしています。
【採点結果(キャラクター部門)】
高橋涼太 5点 河村歩武 5点 望月 平 5点 久保凜華 2点 小林真緒 2点 蓬田悠太 1点
<< キャラクター部門 >>
成田昌隆氏
ILM
シニアモデラー
【総評】
今回の審査で、自分がCGを独学して職探ししている時代を思い出しました。新しいことを覚えることが楽しくて、それをとにかく使ってみたい。私が初めて作ったデモリール( http://www.naritafamily.com/cgi.htm )を今見ると、とにかく自分が学んだことをぶち込んでみましたというホームワークのような代物でした。こんな稚拙な作品で始めた私も、長年の努力で今の技量にまで達しました。まだCGを初めてまもない皆さんも、これからどんどん成長していけると確信しています。そのためには、スタジオが何を求めているか、どんなレベルのものが必要とされているかをよく知ること、その完成度にむけて、独りよがりな作品にならないことが重要と思います。他人の意見に耳を傾け、良いものはどんどん吸収していく、そんな姿勢が大切です。私はここの審査員でもあります伊藤頼子さんに「あなた、デモリールにこんなデッサン入れて誰が感銘を受けると思うの?」と一喝されて、プロになるには人を感動させてなのぼのものなんだというこの仕事の厳しさ、プロ意識というものを学びました。ここで、モデラーとしてとても重要な2点をお伝えしたいと思います。架空のキャラクターにはアナトミーは重要でないと思われている方が多いと思います。実は逆なんです。想像上のクリーチャーだからこそ、体を動かす仕組み、どうやって筋肉が付いていて、どのように動作するかをおさえなければ、キャラクターに現実味は生まれません。ましてや人間などの現存する生物をやです。リグによる不自然な姿勢や、関節が曲がった時のスキンのありえないデフォームをひとつづつつぶしていくことが大事です。自分の体や動物などをよく観察してみてください。またこれは宇宙船やロボットなどのハードサーフェイスにも同じことが言えます。不必要で意味のない部品は存在してはいけないのです。また各ジョイントがしっかり機能して動作することでリアルになるのです。もうひとつは、リアルにおける不完全さの実現です。我々に要求されるのはCADモデルではありません。現実世界の物を表現することです。それらには決して完ぺきな直線、平面、曲面は存在しません。またエッジが剃刀のようにとがっているのもNGです。顕微鏡で覗けば、それらはかなり丸みがあってでこぼこです。ライトを当てると一目瞭然です。不完全なモデルがリアルなのです。これからは皆さんの時代です。フィードバックを糧に成長して未来のCG界をけん引していってください。何かご質問ある方はお気軽に masa@naritafamily.com まで。
【採点結果(キャラクター部門)】
土井彩未 4点 大場史斗 3点 高橋涼太 2点 森島 光 2点 柿原諒也 2点 謝花佑太 1点 北崎 隼 1点 久保凜華 1点 田中正麻 1点 芳賀 叶 1点 小野瀬瑠世 1点 小西真実 1点
<< キャラクター部門 >>
野口孝雄氏
Director
Character Designer
Art Director
【総評】
応募してくださった方の情熱のこもった意欲的な作品を見させていただきました。キャラクター部門ということですので、そこに描かれるキャラクターが魅力的に描かれているかどうか、という観点からから審査をさせていただきました。どの絵にもそれぞれの魅力があり、私自身、多くの刺激を受けました。作者の方々の今後の活躍を楽しみにしております。
【採点結果(キャラクター部門)】
土井彩未 4点 柿原諒也 3点 北崎 隼 3点 高橋瑞貴 3点 河村歩武 2点 呉 啓祐 2点 松本星南 1点 小林真緒 1点 小野瀬瑠世 1点
<< キャラクター部門 >>
亥と卯 氏
フリーランス3Dキャラクターアーティスト
https://www.itou-nko.com/
【総評】
アニメ調からリアル調までさまざまな表現方法の作品があり、また世界観や魅せ方もそれぞれの個性が出ていて審査していてすごく面白かったです。上位の作品には全体の纏まりも勿論ですが、作品を見たときにどこを見て欲しいか、作者の頑張った部分がパッと分かる作品が多いのではないかなと思います。学生の方々の作品には学生にしか出せない尖った世界観やパワーを感じる前のめりな作品が多く、とても刺激を貰えます。積極性に勝るものはありませんから、今回のコンテスト参加や講評を通じて成長し、更に前のめりに作品を制作し、そして公開していただけると嬉しいです。プロの現場で皆さんと共に切磋琢磨し世の中に感動を与える作品を生み出せる日を心待ちにしています!
【採点結果(キャラクター部門)】
高橋涼太 4点 柿原諒也 4点 謝花佑太 3点 望月 平 3点 金武倖平 1点 土井彩未 1点 松本星南 1点 森 絢哉 1点 内田芳弘 1点 椎葉美乃莉 1点
<< キャラクター部門 >>
東條あずさ氏
Visdev/Concept Artist
https://linktr.ee/azusatojo
【総評】
毎回講評をさせていただくたびに、皆様の作品から多くの刺激とインスピレーションをいただいております。独自の視点と強い情熱が感じられる魅力的な作品が多く、とても感動しました。今後、アーティストとして皆様と一緒にお仕事できる日を楽しみにしております。
【採点結果(キャラクター部門)】
高橋涼太 5点 内田芳弘 5点 望月 平 4点 芳賀 叶 3点 二村 拓 2点 松本星南 1点
<< キャラクター部門 >>
山本原太郎氏
ドリームワークス
Character Look Development Lead
https://www.dreamworks.com/
【総評】
応募者の作品を拝見し、想像力の豊かさと技術力の高さに驚かせられました。CGというのは密室に籠って黙々と画面と向き合う時間が多いだけに、こうして皆様の作品を拝見して私自身大変に刺激を受けました。皆さんもたまにこうして他人の作品を見ながら自らを見つめ直すきっかけにもなるのではないでしょうか。これからもどんどん面白い作品を作って腕を磨いて頂きたいと思います。
【採点結果(キャラクター部門)】
金武倖平 4点 高橋涼太 2点 河村歩武 2点 土井彩未 2点 二村 拓 2点 柿原諒也 1点 北崎 隼 1点 久保凜華 1点 松本星南 1点 森島 光 1点 叶 欣 1点 糀谷早南 1点 渡邉凜久 1点
<< 背景・プロップ部門 >>
香取政人氏
株式会社アプリボット
Environment Artist
https://www.applibot.co.jp/
【総評】
一つ一つ丁寧に拝見しましたが、テーマが多種多様でとても面白かったです!世界観設定も作品に大きな影響を与えるので、そこにしっかり向き合えているかどうかもあわせて細かく見させていただきました。また、近年はフリーアセットを活用した作品が多いですが、とくに今回は多かったのではないでしょうか?ただ、良い食材を使っても、おいしい料理を作れるとは限らないので、このあたりの「背景アーティストとして本質的に大切な能力」があるかないかによる差もかなり感じられた印象です。単純なモデリング、テクスチャリングスキルだけでなく、自身で「表現していく力」をどんどん磨いていただければと思います!改めてお疲れさまでした!
【採点結果(背景・プロップ部門)】
峯田愛子 3点 兼子奈緒美 3点 玉木匠翔 2点 山﨑葵偉 2点 小瀬諒太朗 2点 石川允教 2点 宮野匠朗 2点 小林郁哉 1点 長久茉央 1点 野口隆成 1点 村田崇光 1点
<< 背景・プロップ部門 >>
中村基典氏
株式会社モトナック
代表取締役
https://motonak.jp/index.html
【総評】
皆さんが何を作りたいのかをしっかりと固め、粘り強く納得が行くまで作り込んでいる作品が多く、大変見ごたえがありました。3Dツールへの理解度も高く、作品の内容からその深い理解を感じ取ることができました。皆さんの将来が大変楽しみです。一点だけアドバイスをさせていただくとすれば、モデリングとライティングが終わったら終了というわけではありません。カメラの画角や被写界深度、撮影場所、アセットの配置を慎重に考慮し、視線誘導までも計算することで、作品の質がさらに向上します。これからの制作においても、この点に留意して取り組んでいただければと思います。
【採点結果(背景・プロップ部門)】
玉木匠翔 4点 佐藤愛琉 3点 張 宇 2点 山﨑葵偉 2点 森浦将希 2点 峯田愛子 1点 長久茉央 1点 野口隆成 1点 山口明日美 1点 西浦諒也 1点 安藤 淳 1点 梶川愛未 1点
<< 背景・プロップ部門 >>
MAEDAX氏
アシスタント背景美塾
塾長
https://haikeibijuku.com/
【総評】
どの作品も全力投球で作品を制作されていて、とても刺激的でした。技術だけではなく、自分の個性表現の道具として使いこなしている作品も多くて、ワクワクしながら審査をさせていただきました。自分の作品と他の人の作品を比べてみることができる場でもあり、応募された皆様自身も大きな気づきや、次への試行錯誤に活かしていただきたいと思います。とはいえ、今回感じたのは次世代のクリエイターの皆様のジャンルの幅広さ。皆様の今後のご活躍に期待が募るばかりです!
【採点結果(背景・プロップ部門)】
玉木匠翔 3点 山﨑葵偉 3点 楯 圭吾 3点 峯田愛子 2点 兼子奈緒美 2点 今井唯人 2点 加藤風音 2点 長谷川雄大 1点 本田良希 1点 幸野 響 1点
<< 背景・プロップ部門 >>
行弘 進 氏
Niantic
Art Director
nianticlabs.com/ja
【総評】
今回は背景・プロップにフォーカスを当てた部門ということもあり、これまでよりも多くの作品を拝見させていただきました。しかし、ほぼ完璧に近い作品と少し荒いなと思う作品の差が今回は特に目立った印象があります。レベルの高い作品でも、最も多かったのが、バンプ値の設定が高すぎる点です。私もCGを学び始めた時に同じ失敗をしましたが、CGっぽく見えてしまうフラットな表面の質感を簡単に変えることができる反面、これが強すぎると逆効果になってしまいます。写真などをよく観察すると、ざらざらしていそうな表面でも実際にはそれほど凹凸が激しくないことが多いです。現在では、インターネットを利用して簡単に資料を探せるようになりましたし、プロやその他の優れた作品と見比べて上達することができます。次回はさらに「おおお!」と思わせるような作品を期待しています!
【採点結果(背景・プロップ部門)】
玉木匠翔 3点 長谷川雄大 3点 長久茉央 3点 山﨑葵偉 2点 山下皇我 2点 三原浩輝 2点 翁田充 2点 佐藤愛琉 1点 小瀬諒太朗 1点 コプラダ 真梨子 1点
<< 背景・プロップ部門 >>
田崎陽太氏
株式会社カーキ
Episode3
CG Supervisor・Environment Design
https://khaki.tokyo/
【総評】
今回もたくさんの応募があり、作品もバラエティ豊かで非常に楽しんで審査することができました。毎回、クオリティの高い作品が多く、自分でこんな作品を作れるのかといつも不安になるほどです(笑)。今回からキャラクター部門と背景部門を分けたことで、審査がとてもやりやすく感じました。やはり背景とキャラクターでは評価基準の違いや審査員の適性など、さまざまな課題があったと思いますが、部門を分けたことによって、応募者と審査員の双方にとって良い効果があったと感じました。これからも、皆さんの情熱と創造力に満ちた作品を楽しみにしています。
【採点結果(背景・プロップ部門)】
瀧川丈輝 5点 玉木匠翔 4点 長久茉央 4点 佐藤愛琉 3点 張 宇 2点 福本光琉 2点
<< キャラクター/背景・プロップ部門 >>
秋元純一氏
トランジスタ・スタジオ
CGディレクター・取締役副社長
http://www.transistorstudio.co.jp/
【総評】
今回は、背景とキャラに分けて講評を行えたので、これまで迷っていた部分が解消された所も多かった。逆に、どちらかの要素に偏っている分、厳し目な判定になることもあったと感じる。比重としては背景の方が多かった印象で、比例してクオリティが高いものも多かったようだ。逆に言えば、それだけキャラクターで表現する事の難易度は高いと言わざるを得ない。私が学生の頃は、こぞってキャラクターを作ったものだが、近年はゲームなどの発展もあり、ハイクオリティな背景需要があり、人口も非常に増えている様に思う。コンテストになると、どうしてもネタが似たようなものが多く見受けられ、どこかで見たような事がある背景が多い印象だ。これの原因は、CG作品自体がリファレンスになっているからだと推測する。決して悪いことではないが、日常で感じた事や、なんてことのない風景、頭の中の景色など、表現の幅は無限にあるにもかかわらず、作りたいと思うものが似てきてしまうのは、少々寂しさもある。キャラクターも同様で、どうしても似通ってしまうのは避けられない。オリジナリティのあるものを生み出すのは、非常に難産で、ついついありネタに飛びついてしまう気持ちは十分理解している。ただ、せっかくの自己表現の場なので、是非、みんなとは違う隙間を突いたような作品作りをしてみるのも一興では?それもまた良い勉強になるし、自己ブランディングとしても良い体験になると思う。
【採点結果】
キャラクター部門
柿原諒也 4点 河村歩武 3点 謝花佑太 3点 高橋涼太 2点 金武倖平 2点 望月 平 1点 久保凜華 1点 二村 拓 1点 香山亮太 1点 叶 欣 1点 西山瑞姫 1点
背景・プロップ部門
小林郁哉 4点 張 宇 3点 佐藤愛琉 3点 山﨑葵偉 3点 玉木匠翔 1点 長谷川雄大 1点 長久茉央 1点 山下皇我 1点 三原浩輝 1点 石ヶ崎雷世 1点 園田夏希 1点
<< キャラクター/背景・プロップ部門 >>
宮川英久氏
Wizards of the Coast
シニアコンセプトアーティスト
https://www.artstation.com/supratio
https://twitter.com/HidehisaM
【総評】
非常に見ごたえのある作品ばかりで大変感銘を受けました!傾向としてどうしても「コンテスト受けの良い無難な作品」という物の考え方も有るかとは思いますが、その枠に囚われず制約の中でどこまで表現の幅を広げられるかに挑戦した作品も数多く有りました。それがとても嬉しいです。
キャラクターと背景の両方に言えることですが、ただクオリティの高い物を作る事だけではなく、その中でどの様に物語を語るかが大きなポイントになってきていると感じます。そこへ来るとライティングや構図への配慮が欠かせません。オブジェクトレベルではとても良い物を作っているのにも関わらず、最後の最後、ライティングや構図で大きく方向を見失ってしまっている作品は非常に勿体ないです。逸る気持ちもあるとは思いますが、最初に「どういった絵を作りたいのか」を見据え、それを最後の瞬間まで忘れないことが鍵になるのではないかと思っています。
皆様の素晴らしい作品の数々を講評させていただく素晴らしい機会を頂けた事に感謝が尽きません。ありがとうございます!
【採点結果】
キャラクター部門
大成龍聖 4点 金武倖平 3点 高橋涼太 2点 柿原諒也 2点 河村歩武 1点 謝花佑太 1点 望月 平 1点 土井彩未 1点 久保凜華 1点 松本星南 1点 田中正麻 1点 森島 光 1点 糀谷早南 1点
背景・プロップ部門
長久茉央 3点 玉木匠翔 2点 佐藤愛琉 2点 張 宇 2点 山﨑葵偉 2点 小林郁哉 2点 峯田愛子 1点 長谷川雄大 1点 森浦将希 1点 山下皇我 1点 大塩恒平 1点 中野花鈴 1点 渡邊 凜 1点
<< キャラクター/背景・プロップ部門 >>
鈴木卓矢氏
SAFEHOUSE
取締役・背景モデリングSV
http://safehouse.co.jp/
【総評】
今回も多数の応募ありがとうございます。今回からキャラと背景の審査が分かれましたね。僕の方では両方見させてもらいましたがオリジナリティーあふれる作品が目につきました。特に背景では面白いテーマや構図の作品だったりカメラからの見え方にこだわった作品が多かったように思えます。よく見るような構図でモデルとテクスチャーのデータクオリティーで勝負するのではなく、静止画のアート作品として勝負しに来ているように思えて審査する側としても今後の発展を期待せずにはいられませんでした。ただその表現力だけでは勝負にならないので、共感を得るための再現力や技術力という所も伸ばして今後審査員たちを悩ませるようなコンテストになっていけばいいなと思います。
【採点結果】
キャラクター部門
高橋涼太 5点 河村歩武 4点 久保凜華 4点 柿原諒也 3点 金武倖平 2点 土井彩未 2点
背景・プロップ部門
玉木匠翔 4点 小林郁哉 4点 山﨑葵偉 3点 長谷川雄大 3点 瀧川丈輝 2点 楯 圭吾 2点 坂本拳士郎 2点
<< キャラクター/背景・プロップ部門 >>
伊藤より子氏
ビジュアルデザイナー・講師
https://www.school.yorikoito.com/
【総評】
たくさんの力作があり、講評に力が入りました。今回はキャラクター部門も加わり講評も楽しみでした。プロ並みの作品も多く素晴らしい出来でした。背景とキャラ共に丁寧に作ってある作品がたくさんあるのですが、見せ方の工夫や目的をはっきりするとさらに良くなるのでは、と思う作品に目がつきました。きっと次回のチャレンジでは更に良くなるでしょう。
【採点結果】
キャラクター部門
久保凜華 4点 高橋涼太 3点 柿原諒也 2点 土井彩未 2点 北崎 隼 2点 國武柊羽 2点 松本星南 1点 田中正麻 1点 森島 光 1点 叶 欣 1点 渡邉凜久 1点
背景・プロップ部門
長谷川雄大 3点 森浦将希 3点 兼子奈緒美 3点 峯田愛子 2点 渡邊 凜 2点 平井達也 2点 玉木匠翔 1点 瀧川丈輝 1点 山口明日美 1点 後藤悠人 1点 枡田紘侑 1点
<< キャラクター/背景・プロップ部門 >>
若杉 遼 氏
CGWORLD編集長
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
Twitter:@Ryowaks
【総評】
毎年審査させて頂いているのですが、本当に毎回レベルが上がっているのが目に見てわかるレベルでした。特に背景の方はいい作品ばかりでいい意味でどの作品に点数を入れるのかかなり悩んでしまいました。結果的に点数の割り振りが少なくなってしまったのですが、それだけ全体的な作品のクオリティが上がっているという結果でした。それと同時に、よりリアルで綺麗な絵というだけでは勝負できなくなっている気がしていて、そこに作品としての魅力をどう見せるか、物語の奥行き、世界観の広がりが見えるか?という逆に根本的な部分が問われてきている気がします。実際に僕らの仕事でもストーリー、何を伝えるかという部分が最も大事になってきます。そういう意味でも今回の作品を作られた皆さんはしっかりその辺も考えられている方が多くて、将来ぜひどこかで一緒にお仕事が出来たらうれしいなと思ってしまいました!
【採点結果】
キャラクター部門
金武倖平 4点 大成龍聖 4点 柿原諒也 3点 安達一矢 3点 河村歩武 2点 蓬田悠太 2点 竹重悠登 2点
背景・プロップ部門
小林郁哉 4点 張 宇 3点 三原浩輝 3点 玉木匠翔 2点 佐藤愛琉 2点 山﨑葵偉 2点 長谷川雄大 2点 関根悠乃 1点 園田夏希 1点
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プロダクション・アイジー
https://cgworld.jp/jobs/10098.html
【総評】中村智樹氏(CGプロデューサー)
作品作り、お疲れ様でした。今回もCGをベースにレタッチしている作品がいくつか見受けられました。やりすぎてしまうと本来のコンテストの趣旨とかけ離れてしまうと思いますが、あくまでCGは手段でしかないので、作品作りである以上、CGでうまくいかないところはレタッチで補足していくのは全然アリだと思いました。
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用
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シーズクラフト
https://cgworld.jp/jobs/21040.html
【総評】立花大輔氏(プロデューサー)
今回の作品選びですが、出来栄えもさることながら、個人的な好みを重視しました。皆さんの作品からは、たくさんの情熱と愛情が伝わってきます。私は、良い作品作りにはこの情熱と愛情がとても重要だと思っています。これからもいろいろな作品に触れ、情熱と愛情を形にできる技術力と表現力をさらに伸ばしていってください。応援しています!
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
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コラット
https://cgworld.jp/jobs/30381.html
【総評】鎌田友樹氏(CGI SV)/鈴木春奈氏(Modeling SV)/(SONIC)今井紀久氏(監督・ArtDirector)/山下潤一氏(CGI Director)/山元太陽氏(VFXプロデューサー)
日々、ソフトの進化や制作手法の情報も手に入りやすくなっており、個人でも出来ることが増えた半面、やらなければならない事も増え、大変な思いをされながら制作されているかと思います。その努力の結晶をたくさん見ることができ、皆さんと一緒にお仕事が出来る日を楽しみにしております。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集/インターン募集
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exsa
https://cgworld.jp/jobs/21100.html
【総評】海老澤広樹氏(プロデューサー)
今年はキャラクターと背景プロップで応募が分かれていたためか、例年よりもキャラクターの作品が多かった印象です。また、キャラクターはもちろんですが背景作品でも、どこかで見た作品を真似たという感じでは無く、作り手の好みが出ていて、とても刺激になりました。応募してくれた皆さんの今後のご活躍を楽しみにしております!
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集
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ワンダリウム
https://cgworld.jp/jobs/30084.html
【総評】佐野覚氏(取締役/シニアデザイナー)
今回もレベルの高い作品が数多く、CGを覚えて1年程にも関わらずクオリティのある作品に仕上げてきているので、目を見張るものがあります。作品数としては、背景部門よりキャラクター部門の方が少ない印象でしたので、次回はキャラクター部門の応募が増えることを期待しています。この先、一緒にお仕事ができる日を心待ちにしています。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
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ジェットスタジオ
https://cgworld.jp/jobs/46.html
【総評】石井 裕 氏(CGディレクター)
個性的な作品が多く今回も楽しく拝見しました。空気感がしっかり表現されているもの、視線誘導などレイアウトがしっかりしているもの、ある一定の感情を強く想起させるもの、例年通りではありますが上記のような項目が感じられる作品を高く評価させていただきました。写実的な作品の評価はもちろん高いのですがそこにアーティスティックな要素をほんの少しでもよいので入れて頂けると印象に残るより良い作品になるかなと思っています。みなさん思い思いの、CGでなければ表現できないような絵が今後も見てみたいのでぜひ技術的な部分とアート的な部分どちらも突き詰めていってください。楽しみにしております!
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
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ボンズ
https://cgworld.jp/jobs/30724.html
【総評】安東容太氏(3DCGディレクター)
中学生の方や社会人として働きながら趣味でやられている方など、様々な方の作品にとても刺激をうけました。作りたいものを一生懸命作り続けた学生の頃を思い出して懐かしくも感じました。是非これからも創作活動を続けていっていただきたいと思いますし、CGを仕事にしたいと思っている方は希望の職種や作品ジャンル、業種にてご活躍されるのを心から願っております。今回は貴重な機会をいただき、皆様ありがとうございました。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
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トゥエンティイレブン
https://cgworld.jp/jobs/30481.html
【総評】尾関昭宏氏(CGディレクター)
今回は例年以上にクオリティラインが上がって作品のレベルが平均化されてきていると感じました。逆に言えばその中で何か突出したものが無いと評価されにくい厳しい環境になってきたかなと思います。それは私たちの現場でも同じで、ある程度のクオリティは速い段階で出るようになってきましたが、その先を目指すとなるとやはり何かプラスアルファを突き詰めていく必要があります。今回の審査を通して改めてそのプラスアルファを出す大切さを実感いたしました。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/CG未経験可
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ニエイチ
https://cgworld.jp/jobs/30738.html
【総評】林 一喜 氏(CGディレクター)、八木敦也氏(CGデザイナー)、金 伸謙 氏(CGデザイナー)、宮坂京祐 氏(CGデザイナー)、苗 広潤 氏(CGデザイナー)、山中秀馬氏(プロデューサー)
技術の差はあれど、どの作品もテーマやコンセプトがしっかりしており皆様からの熱意が伝わります!絵のクオリティや驚かされるアイデア等もあり、とても楽しく全てワクワクしながら拝見させていただきました。それ故にとても悩ましい審査でした。これは我々も常日頃考えていることですが、映像から想像させる、心に留まる強い絵作りとは何か。その答えは様々な場面で変わるものですが、今回皆様の求める答えの助力になるコメントがあれば幸いです。今後また皆様と出会えますよう心より楽しみにしております!
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可
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神央薬品
https://cgworld.jp/jobs/21046.html
【総評】ノブタコウイチ氏(CGプロデューサー/ディレクター)
毎回審査員として参加させていただいておりますが、毎回皆さんの情熱とパワーに圧倒されております。自分も皆さんたちに負けてられないと、自分自身に喝をいれております。今この情熱をプロになってからも大事にしていって頑張ってください。いつか皆さんとご一緒出来る日を楽しみにしております。
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/CG未経験可
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白組
https://cgworld.jp/stdatabase/10048.html
【総評】髙橋正紀氏(VFXスーパーバイザー)
全体の作品を拝見させて頂いての感想は皆さんの作りたいコンセプトがはっきりしている事です。これは物作りの上で非常に大切なことです。作る上でのモチベーションにも成りますし、何をどう作ってどう伝えるかの指針になります。学生時代は非常に短いです。限られた時間で思いっきり自分の作品を作って行ってください。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
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slanted
https://cgworld.jp/jobs/30207.html
【総評】帆足宣彦氏(CG Director)/西村崇氏(Lead CG Artist)
皆さんの作品は本当に素晴らしかったです。どの作品も細部まで丁寧に作り込まれていて、見ているとその世界に引き込まれました。それぞれの作品から、物語や雰囲気がしっかりと伝わってきました。いくつかの作品では、光や質感の表現をもう少し工夫することで、さらにリアルで説得力のあるものになると思いました。しかしどの作品も個性が光っていてこれからの成長が楽しみです。皆さんが今回のコンテストで得た経験を活かして、さらに素晴らしい作品を作り続けてくれることを期待しています。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
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KOO-KI
https://cgworld.jp/jobs/34.html
【総評】KOO-KI CGチーム
皆様の熱意ある素晴らしい作品を拝見する機会をいただきすごく刺激になりました。全体的な表現のレベルの高さや独創性が光る一方、もう少し詰めれればと感じたもったいない作品も散見されましたのでツールや技術の熟練度だけではなく、何を表現したかったのか一目で分かる明確な客観性を養うことも必要です。学生のうちにしか作れないものもあるので、意欲的なチャレンジ精神も忘れずに自身の経験や感受性を磨き、見た人の心を動かすような独創性あふれる作品を生み出せるよう目標に向かって飛躍されていくことを期待しております。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集/インターン募集
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萌
https://cgworld.jp/jobs/30602.html
【総評】キャラクター部門:平岡氏(代表取締役/アニメーション監督)
皆様にたくさんのアイディアで楽しませて頂きました。まだまだ実力の向上中かと思いますので、この先より魅力的な作品に期待しております。狭い業界ですので、いつか皆様とお仕事ご一緒できる機会が楽しみです。
【総評】背景・プロップ部門:植木氏(CG背景モデリングディレクター)
一枚絵としてどのように見せたら良いのか、構図やライティングなどしっかり考えて作業されていると思う作品が多く、素晴らしいなと感動したのと、とても刺激をいただきました。背景はオブジェクト作成だけではなく総合的な絵作りのスキルが求められますので、CGだけではなく説得力のある絵作りをするために色々な知識をインプットしていくこと、観察力を磨く事も大事なのではと思います。皆さんの作品からこちらも改めて気付かされる部分もあり、たくさん勉強させていただきました。ありがとうございました。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
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カヤックアキバスタジオ(カヤック)
https://cgworld.jp/jobs/30498.html
【総評】天野清之氏(プロデューサー/ディレクター)
つくるって楽しいですよね。どんなことを考え、そしてどれだけ試行錯誤をして作られたのか想像しながら拝見しました。どんなものにも意味があって文化的であったり歴史的であったり。そういう知識を学んで考えて形にしていくことはとっても重要なことなんだけども。みんなの作品もどうなんだろうな?どんな解釈なのかなっと見ていたら朝になってました。
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/アルバイト募集/インターン募集
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ポリゴン・ピクチュアズ
https://cgworld.jp/jobs/10101.html
【総評】坂間健太氏(演出/CGディレクター)
世界観で見せるものやクオリティで見せるものなど多種多様で面白かったです。モチーフからして独自性の高い作品が多かったように感じます。既存の手法を精錬していく、だけでなく独自のテイストやクリエイティブが爆発的に発散されていくといった流れを持った世代なのかなと感じました。一緒にモノ作りが出来る日が楽しみな反面、自分もうかうかしていられないなと気が引き締まる思いです。
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/インターン募集
<< キャラクター/背景・プロップ部門 >>
OMNIBUS JAPAN
https://cgworld.jp/jobs/10026.html
【総評】宗片純二氏(CG部部長/CGスーパーバイザー)
一目で印象に残る作品が多く、楽しんで審査をさせて頂きました。応募期間は短かったですが、思った以上に作品数が多く、様々な学生のイメージを見れて満足しております。今後、この中から仕事をご一緒できる人材が出てくることを感じさせる良いイベントでした。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
<< キャラクター/背景・プロップ部門 >>
メタサイト
https://cgworld.jp/jobs/30529.html
【総評】菅原一敏氏(代表・CGIディレクター)
今回は部門別になった事でそれぞれに力作揃いでした。魅力ある作品が沢山あり学生だけではなく個人で応募されている方も多くおられました。兎にも角にも表現のクォリティが高くなっている事が喜ばしく感じています。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/インターン募集
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東映株式会社ツークン研究所
https://cgworld.jp/jobs/21107.html
【総評】
キャラクター部門&全体講評:饗場一輝氏(リードCGデザイナー)
背景・プロップ部門:森香那海氏(CGデザイナー)
プロを目指している方も多く、熱の入った作品も多かったので今回もとても楽しく拝見させていただきました。高めたCG技術を活かして何を伝えたいのか、見た人にどういう気持ちになってほしいのかが明確に伝わる作品が魅力的に感じました。また、良いと思った作品も多くありましたが惜しいと思ってしまう作品もありました。面倒だと感じたとしても、もう一歩踏み出すことで見えてくるものもあると思うので、客観的な目線を見失わずに完成までもうひと手間かけてみましょう。作品やご自身のPRから熱意や日々の努力が伝わってきて、審査をしながら私も身が引き締まる思いです。今回応募してくださった皆様が成長なされて生み出されてくる作品がとても楽しみです。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用
<< キャラクター/背景・プロップ部門 >>
MARK
https://cgworld.jp/jobs/30126.html
【総評】齊藤壮平氏(CG Director)、高津直人氏(CG Director)、高橋 豪 氏(CG Director)、成田大輔氏(CG Producer)
応募作品の数と作品一つ一つに対する熱量に圧倒される審査となりました。社内審査でもなかなかの盛り上がりとなりましたが、作品の審査基準としてはやはり物量やCGとしてのクオリティ(リアリティ等)というよりは、「一枚の絵として良いか」「パッと目を引くか」が審査の大きな基準となっていた気がします。私たちの仕事における心構えとしても、同じことがいえると思うのですが、CGの技術や知識で頭でっかちにならず、本来の絵としての良さを追及することの大切さを、再認識させてもらえた有意義な審査となりました。来年も素晴らしい作品に出合えることを楽しみにしております。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/2026年度採用/CG未経験可(PM)
企画・運営_池田大樹(CGWORLD)