はじめまして! ボーンデジタルでテクニカルサポートを担当している黒河 建です。本連載では、ボーンデジタルのソフトウェア事業部テクニカルサポートチームが主体となって、様々なソフトウェアの深掘りと、クリエイターに役立つテクニカルな情報をお届けしていきます。
今回はイントロダクションとして、テクニカルサポートチームの取り組みと、今後予定している連載企画をご紹介!

黒河 建
ボーンデジタルのテクニカルサポート担当。前職ではIT企業にて基幹システムの導入に従事。現在はRevitを中心に、建築業界向けのサポート業務を担当している。
X:@BD_SoftwareDiv
※本記事は、月刊『CGWORLD + digital video』vol.320(2025年4月号)掲載の連載「TECH ROOM:このソフト、どこまでやれる?」を再編集したものです。

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INFORMATION

ボーンデジタル
「いつもクリエイターのそばに」をスローガンに掲げ、CG・映像分野の書籍出版、ソフトウェア販売、教育支援を展開するメディア「CGWORLD」の運営会社。ソフトウェア事業部では、各種ソフトウェアの販売に加え、セミナーやトレーニング、技術サポートなどのサービスも提供している。
www.borndigital.co.jp
「実は知らない」機能から制作のヒントを得よう
制作に勤しんでいると、新しいソフトウェアの情報やアップデート情報を追い切れないこと、ありませんか? 普段使用しているソフトウェアでも、使い慣れた機能でワークフローが出来上がっていて、「実は知らない」もしくは「使ったことがない」機能が意外とあると思います。
そこで、普段からユーザーの声を聞いているテクニカルサポートチームが、毎回特定のソフトウェアや技術を取り上げ、制作のヒントになるような情報をお届けしていくために、本連載を起ち上げました。今後「TECH ROOM」では、プロフェッショナルの方やメーカーの方をゲストにお招きして活用術を語っていただくほか、テクニカルサポートによる新しいツールや技術の検証など、様々な企画をお届けしていきたいと考えています。
この連載が、読者の皆さんのソフトウェア活用の幅を広げる情報の発信部屋となれば幸いです。お楽しみに!
テクニカルサポートとは?

テクニカルサポートとはなんぞや、と思われる方もいらっしゃると思うので、今回は第0回として、私たちの仕事についてご紹介したいと思います。
テクニカルサポートの主な業務は、当社が取り扱う各種ソフトウェアのユーザーサポートです。技術的なお問い合わせはもちろん、ライセンストラブルやネットワークに関するお困りごとにも対応しています。
そのほか、トレーニングの提供やセミナーの企画・実施、新しいツールの発掘・検証、取り扱い製品を組み合わせたワークフローの検証なども行なっています。
サポートの仕事① ソフトウェアのサポート

現在サポートを提供している主なソフトウェアをまとめてみました。上記のほかにも数多くのソフトウェアを取り扱っています。
チーム内にはエンタメ業界だけでなく、製造、建築、ファッションなど、様々な分野の担当者が在籍し、サポートを提供しているんです。一部の製品ではこまかな技術サポートが難しい場合もありますが、導入時やライセンスに関するサポートは全ての製品で提供しています。
また、テクニカルサポートチームは、購入後のサポートだけでなく、導入前の製品デモンストレーションや、有償サポートも実施しています。最近ではレンダーファーム管理ソフトウェア「Deadline」に関するお問い合わせが増えていて、環境構築から導入後の運用までの有償サポートを行う機会も多くなっていますね。
特定のソフトウェアを導入する際には、どこを効率化できるのか、既存のワークフローとどのように統合できるのかなど、検討すべき点が多岐にわたります。そうした課題に対し、できる限り柔軟に対応することを目指しています。
サポートの仕事② トレーニングの提供
テクニカルサポートは担当製品に関する技術的な知識をもっているので、各種ソフトウェアの基本的な使い方を学べるトレーニングも提供しています。ボーンデジタルで製品を購入された方を対象に無料トレーニングを提供したりもしますね。基礎的な操作をスムーズに覚えて活用できるようにサポートします。

サポートの仕事③ セミナーの企画・実施
ボーンデジタルでは「CGWORLD」が主催するイベントだけではなく、ボーンデジタル主催のセミナーやウェビナーを多岐にわたって実施しています。セミナーの企画・運営には事業部の垣根を超えて多くのメンバーが関わっており、テクニカルサポートチームも日々寄せられるユーザーの声を反映しながら、企画の検討から当日の運営までを担当しています。
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▲ボーンデジタルが主催するHoudiniセミナー「Houdini Master Class」。2024年10月開催時にはInsomniac GamesのXray Halperin氏の講演のほか、SideFXセッションやテクニカルアーティストのトークイベントを実施しました
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▲リアルタイムレンダラ「D5 Render」 の無料ハンズオンを、建築ビジュアライゼーションに携わるユーザー向けにボーンデジタルで実施しました。参加者は手ぶらで受講することができます。第2回は3月25日に実施。今後も定期的に開催予定です!
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▲今年1月に開催されたFlow Production Tracking(以下、Flow PT)セミナー。業界を牽引するディレクター・プロデューサーを登壇者としてお招きし、基礎的な内容にとどまらず、経営管理にも活かせるFlow PTの活用術について講演いただきました
セミナーの難易度や規模も様々で、アニメ・映像・ゲームといったエンタメ業界に限らず、製造・建築・ファッションなど幅広い分野に貢献できるよう活動を続けています。ユーザーが今求めていることを常に考えながら企画を立案することが、私たちの原動力にもなっていますね。
最近では、海外アーティストを招いたセミナーも積極的に開催しています。クリエイターを刺激する内容を更新していきますので、ご興味のある方はぜひご参加ください!
テクニカルサポートが選ぶ今注目のソフト|AdonisFX

Inbiboが開発したマッスル&スキン・フェイシャルシミュレーションツール
対応ソフトウェア:Maya、Houdini(予定)
inbibo.co.uk/adonisfx
© 2025 Inbibo LTD. - All rights reserved
※ボーンデジタルではお取り扱いしておりません(2025年4月現在)
「AdonisFX」はキャラクターの筋肉や皮膚、脂肪などのシミュレーションに使用されるソフトウェアです。バージョン1.5ではMaya 2022-2025に対応していて、アルファ版ながらもHoudini 20対応版も公開されています。単体でも動作しますが、ボーンデジタルが提供するMaya用のリグ・アニメーションのフレームワーク「eST3」との組み合わせも可能で、肉体の表現を効率的に追加できます。
次回予告|ZBrush

ZBrush
ゲスト:Maxon所属ZBrushトレーナー・成川大輔さん
さてさて! 前置きが長くなりましたが、次回の第1回は「ZBrush」についてお話しします。MaxonのZBrushトレーナー・成川大輔さんをお招きし、意外と知られていないZBrushの機能や、最近アップデートされて便利になったポイントなどを紹介する予定です。
ZBrushには作業の効率化が見込める機能が多くあり、その活用の幅も広がっています。「馴染みの機能ばかり使っていて自分のワークフローから抜け出せない!」というクリエイターに向けて、「こんな機能があったのか!」と新たな発見がある内容をお届けできればと思います。


また、ZBrushはiPad版もリリースされ、より手軽に使える環境になりました。iPadを用いて素早くアイデアを形にしたり、イメージを共有できるようになっています。高速でファイルを転送できる「GoZ」機能で他製品と連携し、既存のワークフローにZBrushを組み込むこともできます。
ZBrushをまだ使ったことがない方も、ぜひ次回をお楽しみに!
SUPPORT ROOM
■気になるソフトウェアがある方
製品の購入や導入におけるご質問はこちらからお寄せください。
creators.borndigital.co.jp/public/application/add/142
■すでにソフトウェアを活用中の方
使用におけるお困りごとやご質問はこちらからお寄せください。
support.borndigital.co.jp/hc/ja/requests/new
INFORMATION

月刊『CGWORLD +digitalvideo』vol.320(2025年4月号)
特集:海外進出ガイド 2025
定価:1,540円(税込)
判型:A4ワイド
総ページ数:112
発売日:2025年3月10日
TEXT_黒河 建/Takeru Kurokawa(ボーンデジタル)
EDIT_李 承眞/Seungjin Lee(CGWORLD)