>   >  業界のトゥーンシェーダ好きが大集合ー「僕らがトゥーンシェーダが好きなワケ」~Unite Tokyo 2018レポート(5)~
業界のトゥーンシェーダ好きが大集合ー「僕らがトゥーンシェーダが好きなワケ」~Unite Tokyo 2018レポート(5)~

業界のトゥーンシェーダ好きが大集合ー「僕らがトゥーンシェーダが好きなワケ」~Unite Tokyo 2018レポート(5)~

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン主催の技術カンファレンスUnite Tokyo 2018の3日目において、「トゥーンシェーダートークセッション #2 僕らがトゥーンシェーダーが好きなワケ」と題したトークセッションが行われた。2日目に行われた「トゥーンシェーダトークセッション#1『リアルタイムトゥーンシェーダ徹底トーク』」に対してビギナー向けと銘打って開催された当セッションは、蓋を開けてみれば前日に負けず劣らず、トゥーンシェーダ好きがディープにその愛を語る非常に濃い時間となった。その模様をレポートしよう。

TEXT&PHOTO_神山大輝 / Daiki Kamiyama(NINE GATES STUDIO
EDIT_小村仁美 / Hitomi Komura(CGWORLD)



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<1>リアルタイムトゥーンシェーダの気になるところ

本セッションでは、2日目のトークセッションに登壇したユニティ・テクノロジーズ・ジャパンコミュニティエバンジェリスト小林信行氏、同社アーティスト京野光平(ntny)氏、アークシステムワークスディレクター/テクニカルアーティスト 本村・C・純也氏に加え、シーエスレポーターズGugenka事業統括/専務取締役 三上昌史氏、面白法人カヤックアートディレクター松村昌宏氏、miHoYoテクニカルディレクターJack He氏、エクシヴィ代表取締役社長 近藤"GOROman"義仁氏、同社ビジュアルディレクター室橋雅人氏の8名が参加。技術的なトピックが多かった2日目のトークセッションと異なり、実際にコンテンツを提供する側の参加者が多いため用途や展望的な話題が中心となった。

前列左から松村昌宏氏(面白法人カヤックアートディレクター)、Jack He氏(株式会社miHoYoテクニカルディレクター)、三上昌史氏(株式会社シーエスレポーターズGugenka事業統括/専務取締役)、本村・C・純也氏(アークシステムワークス株式会社 ディレクター/テクニカルアーティスト)、後列左から近藤"GOROman"義仁氏(株式会社エクシヴィ代表取締役社長)、室橋雅人氏(同社ビジュアルディレクター)、小林信行氏(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン コミュニティエバンジェリスト)、京野光平氏(同 アーティスト)

質問:その1は、リアルタイムトゥーンシェーダの注目点について。従来はプリレンダー作品が多かったものの、現在はマシンスペックの向上などに起因してリアルタイムでの活用事例が非常に多くなって来ているリアルタイムトゥーンシェーダ。三上氏は「アニメ系のVR/ARコンテンツをつくる中で、3DCGの用途が多岐に渡っていると感じています。今まではアニメ用、ゲーム用など個別につくられていた3DCGが、(リアルタイムトゥーンシェーダを用いて)1つのモデルで多目的に使えるようにしたいという話は良く聞きます」と回答した。

また、活用事例として、室橋氏よりOculus RiftとOculus Touchを使ってリアルタイム配信が行える「AniCast」の説明も行われた。また、同様にマンガ文化と深く関わる松村氏からは、カヤックが独自に開発した「カマクラシェーダーズ」と呼ばれるマンガ風の描画が可能なシェーダ群についても紹介があった。

<2>よく使う機能、使ってみたい機能

質問:その2に対しては、普段使うシェーダの種類やそれぞれのクリエイターがトゥーンシェーダを扱う上で気にするポイントなどが語られた。「モデリングはMayaで行いますが、最終的にはユニティちゃんトゥーンシェーダー2.0を使っています。アニメ表現においては、ペンのアウトラインが最も大事だと思っているので、そこが綺麗に出せるのがポイントです」とコメントした三上氏に同調するかたちで、室橋氏も「線の太さ、あとは陰影部分をすごく気にしています」と回答。また、Jack氏は「Multi-Channel Rampを用いており、3つのレイヤーでシェーダをつくっています。ブラシでシェーディングの部分を拡散することで、セルシェーディングとスムースシェーディングのどちらにも対応しています」と語った。

Jack氏による「Multi-Channel Ramp」を用いたシェーダ構築の解説スライド

また、質問にもあった機能面に関する話題として、近藤氏は「新しい機能やアイデアをつくるためには、インプット量を上げるのが大切。インプットありきのアウトプットなので、新しい機能を思いつくときは風呂の中だったりします」と回答し、その後は鉛筆や筆で描いたような漫☆画太郎シェーダが欲しいという話題で会場を笑いに誘った。

<3>それぞれの表現のポイント

質問:その3に対しては、技術的な面と演出的な面での回答に二分された。技術面では、カヤックによるVRゲーム『Tataite Kabutte VR』について、松村氏からは同作の鎧の深みのある表現はRim Noiseで表現し、また怪しげな雰囲気を出すためにCubeColorで6面方向からのリムライトで世界観を表現したと説明。

Tataite Kabutte VR

また、Jack氏は「まずは目や髪などメッシュ位置を完璧に決めます。メッシュが完璧で可愛くできてから、シェーダレンダリングに移ります」と自身のメッシュに対するこだわりを語り、京野氏も「トゥーンシェーディングはメッシュの時点でかなりちがいが出ます。本物の人間風につくろうとするとダメだったり、あえてCGっぽくつくった方が良かったりなど、試行錯誤がかなりあります」と同調した。

そして、演出的な面においては、三上氏は具体的なワークフローを提示しながら「VRモバイルアプリをつくる際は、メインの3Dアーティストとプログラマーの2名編成でやっています。現段階ではキャラクターを大きくアニメーションさせてしまうと開発コストが上がるため、眠っているとか本を読んでいるといった"その世界にキャラクターが普通に住んでいる感じ"になるよう意識しています」とコメントした。

三上氏が提示した実装ワークフロー

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<4>キャラクターのルックと輪郭線

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