>   >  2021年はスマートグラス元年! 先陣を切って発売されたNrealLightと『スペースチャンネル5 AR』体験版の可能性
2021年はスマートグラス元年!  先陣を切って発売されたNrealLightと『スペースチャンネル5 AR』体験版の可能性

2021年はスマートグラス元年! 先陣を切って発売されたNrealLightと『スペースチャンネル5 AR』体験版の可能性

2020年11月にKDDIから発売されたスマートグラス「NrealLight(エンリアルライト)」。対応スマートフォンに接続して使用するグラス型ARデバイスだ。発売に先駆けて開発者キットとUnity向けのSDKが公開されており、誰でもアプリを開発してストアで公開できるしくみが整っている。ローンチに合わせてリリースされた『スペースチャンネル5 AR』体験版と共に、企画意図や開発の工夫やARの可能性などについて聞いた。


INTERVIEW&PHOTO_小野憲史 / Kenji Ono
EDIT_三村ゆにこ / Uniko Mimura(@UNIKO_LITTLE



VRに続いて活況を呈するARデバイス製品

「Oculus Quest 2」の発売に沸いた2020年のXR業界。それに続く2021年は、5GそしてARの年になる......。そうした期待感を裏打ちするかのように発売された製品が「NrealLight」だ。中国のスタートアップ企業、Nreal Ltd.がKDDIと共同開発したスマートグラスで、2020年12月にau Online Shopと全国のKDDI直営店で発売が開始された。大手キャリアが本市場に本格参入するとあって、発売前から話題を集めており、市場では品薄の状態が続いている。

▲NrealLight

NrealLightは、スマートフォンに接続して使用するグラス型ARデバイスだ。発売時で対応している端末は「Xperia 5 II SOG02」、「Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06」の2機種(今後追加予定)で、通常のAndroidアプリをグラス内で表示し大画面で利用できるミラーリングモードと、グラス内で空間上に映像を映し出すMR(Mixed Reality)モードを実装している。これにより、目の前に広がる220インチ規模のプライベートな仮想スクリーンで、ゲームや動画などのコンテンツを楽しむことができる。なお、型番からわかるとおり、au製の端末のみに対応している点に注意が必要だ。

またMRモードでは、スマートフォンをコントローラ代わりに使用し、端末を傾けたりタップしたりして操作できる。ミラーリングモードではモノラル映像だが、MRモードではステレオ3Dで映像が表示されるため、より自然なゲーム体験が可能だ。VRと異なり周囲の状況が常に可視化されており、スタンドアロンデバイスと同じく自由に動き回ることもできる(屋外での使用は推奨されていない)。

すでにダンスミュージカルアクション『Space Channel 5 DEMO for NrealLight』(以下、『スペースチャンネル5 AR』体験版)などの専用ゲームがGoogle Playで配信されており、今後も増加していく見込みだ。

●『スペースチャンネル5』とは?

あらかた20年前にドリームキャスト用ゲームソフトとして発売された、音楽とダンスをテーマとした伝説の音楽ゲームで、当時より国内外で数多くのファンを持つ。 未来の宇宙テレビ局「スペースチャンネル5」を舞台に、リポーターである主人公"うらら"が謎の宇宙人"モロ星人"とダンスと歌で戦い、モロ星人にヘンテコに踊らされてしまった人々を救出し、宇宙を救う。2019年12月に20周年を迎え、2020年には最新作となるVR用ゲーム『スペースチャンネル5 VR あらかた★ダンシングショー』(以下、スペースチャンネル5 VR)が発売され、話題となった。

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▲『Space Channel 5 DEMO for NrealLight』

NrealLightのもう1つの特徴が、開発者向けのエコシステムが整備されていることだ。公式サイトを通じて、Unity向けのSDK「NRSDK」 が無償で入手でき、公式エミュレータも存在するので、Unityエディタ上でMRモード向けのアプリ開発が可能だ。有償の開発機材(※1)も存在するが、NrealLightと対応スマートフォンを用意すれば、Androidむけアプリを開発するのと変わらない感覚で、専用アプリを開発できる。完成したアプリはGooglePlayで自由に公開することも可能だ。 技術サポート用に公式のSlackチャンネル(英語)も用意されている。

※1:DevKit、もしくはNrealLightと対応スマートフォン。いずれも有償

Nreal開発者向けサイト

このように、これまでにないオープンなプラットフォームとして起ち上がったNreal(※2)。5G普及という追い風も受けて、大きな可能性を感じさせる製品になっている。ARはVR以上にコンテンツの文法が固まっておらず、文字通り未知の領域であることもクリエイターの興味をかき立てる要因の1つだろう。どのような意図で市場に投入されたのか、KDDIの担当者に話を聞いた。

※2:NrealLightはデバイス名で、Nrealはプラットフォーム全体を意味する

▲2020年11月26日(木)には、au SHIBUYA MODIにて『スペースチャンネル5 AR』体験版のメディア向け体験会が開催され、多くの報道陣が詰めかけた



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