[PR]

ゲームだけではなく、xR系を含む映像やビジュアライゼーションなどノンゲームでの活用も急速に広がっているゲームエンジン。ここでは、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン(以下、UTJ)と、Unity/UE4を映像制作に導入しているブロスにゲームエンジンの現在と未来について聞いた。


  • ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社
    unity3d.com/jp


※本記事は月刊「CGWORLD + digital video」vol. 238(2018年6月号)からの転載となります

<1>近年のユーザー数の増加、ノンゲーム分野での活用

Unity
Unityは2016年にライセンス体系を変更し、それまでの買い切り型から月額サブスクリプション型へと移行しました。日本の場合で言うとライセンス数は2016年と2017年を比較して前年比50%以上の堅調な伸びをみせています。もちろん、新規ユーザー数、アクティブユーザー数も順調に推移しています。こうした背景には、全ての機能が無料で利用開始できる点と多くの技術的情報がインターネットで公開・蓄積されている点のほかに、25を超えるプラットフォーム出力をサポートしているマルチな点が挙げられるかと思います。ゲーム以外でのUnity活用も増える一方です。映像制作はもちろん、産業向けビジュアライゼーションでの利用もどんどん増えています。例えば医療分野でもUnityは使われていて、人体モデルをUnityに持ち込んで脳外科手術のVRシミュレータや、解剖学3Dアトラスのスマホ・タブレットアプリが作成されています。

【左】高精細頭部解剖アプリ「iRis」の制作風景/【右】「iRis」を実際の医療現場で使う様子

ブロス
UE4がリリースされた2012年あたりでは、主にコンソール/モバイルゲームの制作に限られていましたが、日本国内でのゲームエンジン利用はすでに増加傾向にありました。海外の事例では、UDK(フリー版のUE3)の登場後、かなり早い段階で建築ビジュアライゼーションに使用されていたと記憶しています。当社では、2015年から企業向けにUE4の研修を行なっており、年々件数は増え続けてます。2015~16年はCG映像関連制作会社からの問い合わせが多く、2017~18年にかけては製造業からの問い合わせが増える、という推移をみせています。ブロスは、設立当初からゲームエンジンをゲーム開発向けツールとしてではなく、主にオフラインレンダラ、ビジュアライゼーションツールとして着目していたため、事例もほとんどがノンゲームでの活用になっています。最近では、VRやARの制作に関するお問い合わせをいただくことも少なくありません。

<2>ゲームエンジンにおける注目のトピックや事例

Unity
VR・AR・MR分野や、最近ブームになっているバーチャルYouTuberでしょうか。また、機械学習分野もアツいです。Unityは機械学習アセット「Machine Learning Agents」というものをベータ公開していますが、今後ゲームエンジンが機械学習を使って実現できることは途方もなく多いと思っています。アーティストはツールの使い方をほとんど知らなくても、どういうスタイル・デザイン・アートを目指すかを機械に学習させることに注力すればよい、という未来になるかもしれません。

「Machine Learning Agents」の詳細はこちら。

ブロス
当社が注目しているゲームエンジンの活用事例です。❶『NHK ニュースチェック11』 水曜日レギュラー「ニュースのヨミ子」公共放送報道番組史上初、リアルタイムCGキャラクターがキャスターを務める/❷『UE4を使う建築写真家 矢内隆広氏』/❸『SEED ProjectPICA PICA』 プロシージャル、自己学習エージェント、リアルタイムレイトレーシングなどホットワードがちりばめられたEAのR&D部門による注目のプロジェクト/❹『Star Wars:Reflections』 GDC 2018で発表されたILMxLabのDXR/RTX(リアルタイム・レイトレーシング)デモ/❺『猿の惑星:聖戦記』 劇場用映画のプリビズ全カットをUE4で制作/❻『Twinmotion』 UE4カスタム版建築ビジュアライゼーションツール。今まで自社開発ツールとして発売していたが、2017年UE4ベースにシフト。割り切った機能、わかりやすいUI、導入しやすい価格など評価に値する/❼ The Mill『The Human Race』 カーコンフィギュレータとプロモーションショートフィルムをUE4で連携している/❽『Siren』 GDC2018で発表されたEpic Gamesによる次世代デジタルヒューマン。

<3>ゲームエンジンを扱える人材の需要動向

Unity
どこの企業・スタジオも、アーティスト・プログラマー問わず優秀な人材を求めています。もちろん、Unityを使える人材も然りです。しかし「使える」という言葉が指す内容、つまりスキルセットはかなり広範囲です。そこでUnityでは「Unity認定試験」という認定制度を始めています。これは、Unityに関する知識と技能が一定水準に達していることをわれわれUnityTechnologies社が認定する制度で、試験で合否判定します。日本市場でもこの認定試験制度を普及させ、的確なスキル評価やキャリアパスへの活用など、人材面で求職側・求人側双方にとって有益な制度になるよう努めていきます。

Unity認定試験としてExpertレベルは3コースを展開

ブロス
様々な機能を横断してエンジンのしくみを理解しているアーティストと、広範囲の機能を把握しつつエンジンをカスタマイズするプログラマーは、どこの現場でも不足しているのではないでしょうか。今後コンソールやスマホゲームなどを中心とした国内人材需要は今までのような伸びをみせない可能性はありますが、映像業界やビジュアライゼーション用途においてオンラインレンダラを扱える人材の需要はますます増えていくと予測しています。さらに、製造業、建築業など非エンターテインメント分野でのコンテンツ制作においても、ツールの汎用性が増したことで、今までのように外部の制作会社へ映像制作を委託するのではなく、自社内のデザインチームでまかなう事例が増えるでしょう。

次ページ:
<4>プリレンダーからリアルタイムへの移行

INFORMATION

下記企業は積極的にゲームエンジン経験者を採用している。
ぜひ自分に合った業界、企業を探して欲しい。

プリズムプラス

スペシャルインタビュー記事はこちら!
cgworld.jp/jobs/30336.html

BIRDMAN

スペシャルインタビュー記事はこちら!
cgworld.jp/jobs/30166.html



*Artz(グローバルテクノロジーデザイン)
cgworld.jp/jobs/30338.html

アイレムソフトウェアエンジニアリング
cgworld.jp/jobs/30170.html

アカツキ
cgworld.jp/jobs/30476.html

アグニ・フレア
cgworld.jp/jobs/30162.html

オムニバス・ジャパン
cgworld.jp/jobs/10026.html

キャラバンズ
cgworld.jp/jobs/30387.html

Craft Egg
cgworld.jp/jobs/30471.html

Gatebox
cgworld.jp/jobs/30472.html

コマデン
cgworld.jp/jobs/30052.html

Cygames
cgworld.jp/jobs/30122.html

CGチェンジャー
cgworld.jp/jobs/30453.html

白組
cgworld.jp/jobs/10048.html

チームラボ
cgworld.jp/jobs/10062.html

トイロジック
cgworld.jp/jobs/21117.html

東映デジタルセンター ツークン研究所
cgworld.jp/jobs/21107.html

日本デザインセンター
cgworld.jp/jobs/21069.html

ハシラス
cgworld.jp/jobs/30465.html

Black Beard Design Studio
cgworld.jp/jobs/30060.html

Volca
cgworld.jp/jobs/30479.html

[[SplitPage]]

<4>プリレンダーからリアルタイムへの移行

Unity
リアルタイムとプリレンダーでほぼ見た目の画質の差異がなくなっている一方で、今までいちいちレンダリングしなければ確認できなかったルックデヴの分野などで急速にリアルタイムの活用が増えています。また直近では、フランスのPiXYZ Software社との提携により、大規模CADデータをUnityのリアルタイム開発環境にインポートできるワークフローを構築しました。大規模CADデータは自動車、機械、航空宇宙のような製造業や建築・建設業など大きな産業で扱われていますが、この業界にリアルタイムレンダリングの世界が拓かれるというインパクトは想像以上です。

自動車部品のCADデータをUnityでレンダリングしている様子

ブロス
主にオフラインレンダリングの映像制作を手がけてきたスタジオでは、オンラインレンダラとしてのゲームエンジン導入を進めていく際、ワークフローやテクニックが大きく異なることに戸惑いや混乱があるのも事実ですが、時間や機材などの物理的リソース制限を考慮すると、4K/8KのHDR映像、またはVR向けなどの全天周映像のレンダリングを、従来のオフラインレンダリングワークフローで行うことは困難になっていくため、必然的にゲームエンジンなどを組み込んだオンラインレンダリングフローへ移行していくのは間違いありません。またUE4.19以降ではUnreal Studioの登場で、CADデータのインポートとVRay for 3ds Maxからのマテリアル変換の自動化により変換作業工数の低減を実現しています。

<5>最新の注目すべき機能

Unity
Unity 2018の「シェーダグラフ(Shader Graph)」は非常にオススメです。これまでスクリプトで書く必要があったシェーダ作成を、ノードベースのグラフィックツールで直感的に作成できるようになります。つまり、アーティストやデザイナーの方でもオリジナルのシェーダをつくれるわけです。実現している機能は実に多岐にわたるので、ぜひシェーダグラフに関する公式ブログ記事をご覧ください。

「シェーダグラフ」の詳細はこちら。

ブロス
今後実装予定の機能も含みますが、ゲームエンジンで注目している機能は下記の通りです。● リアルタイムレイトレース/●DCCツールとの連携強化(Unreal Studio、V-Ray for Unreal、Mayaライブリンク)/● ARテンプレートの追加/● リアルタイム クロマキー合成/● キャラクターAI機能の改善/● Datasmith+Pythonによるプログラミング

リアルタイムレイトレーシングのサンプル。【左】リフレクションON 【右】シャドウON
V-Ray for Unrealのレンダリングテスト

<6>今後の展開とゲームエンジンの未来

Unity
Unity 2018はグラフィックの機能が大幅に改善していますし、アーティストやデザイナーの皆さんでも使えるようなUIや機能も追加されています。触ったことがない人も、最近触っていない人も、ぜひUnity 2018に触れ、最新機能を体験してほしいと思っています。また、ゲームエンジンとして誕生したUnityですが、もはやゲーム業界だけで使われるツールではありません。映画やアニメなどの映像の世界、VR・AR・MRの世界、建設、医療、広告、都市シミュレーションなど、ゲーム以外の分野を挙げるときりがありません。そして製造業や自動車産業など、大規模CADの世界にもUnityは進出しました。本当にこの分野は巨大産業です。そういう世界でもUnityは今後活躍の場を広げていきます。

ブロス
直近の3年間でCG制作をとりまくグローバル・カレントはリアルタイムCG制作へ大きくシフトし、2018年5月現在すでにその転換点を過ぎていると当社は考えています。ゲームエンジンはDCCツールから映像制作ツール群の「プラットフォーム」に変貌を遂げようとしています。閉じた用途のツールにとどまらず、拡張性をもったことが大きな転機となり、今まで結びつかなかった異業種での導入も増えました。2017年後半から「ゲームエンジンをAI向け機械学習に導入したい」という問い合わせも急増。肌感覚ですが、他業種との共同技術開発が今後当社の事業展開の鍵になると考えています。

INFORMATION

下記企業は積極的にゲームエンジン経験者を採用している。
ぜひ自分に合った業界、企業を探して欲しい。

プリズムプラス

スペシャルインタビュー記事はこちら!
cgworld.jp/jobs/30336.html

BIRDMAN

スペシャルインタビュー記事はこちら!
cgworld.jp/jobs/30166.html



*Artz(グローバルテクノロジーデザイン)
cgworld.jp/jobs/30338.html

アイレムソフトウェアエンジニアリング
cgworld.jp/jobs/30170.html

アカツキ
cgworld.jp/jobs/30476.html

アグニ・フレア
cgworld.jp/jobs/30162.html

オムニバス・ジャパン
cgworld.jp/jobs/10026.html

キャラバンズ
cgworld.jp/jobs/30387.html

Craft Egg
cgworld.jp/jobs/30471.html

Gatebox
cgworld.jp/jobs/30472.html

コマデン
cgworld.jp/jobs/30052.html

Cygames
cgworld.jp/jobs/30122.html

CGチェンジャー
cgworld.jp/jobs/30453.html

白組
cgworld.jp/jobs/10048.html

チームラボ
cgworld.jp/jobs/10062.html

トイロジック
cgworld.jp/jobs/21117.html

東映デジタルセンター ツークン研究所
cgworld.jp/jobs/21107.html

日本デザインセンター
cgworld.jp/jobs/21069.html

ハシラス
cgworld.jp/jobs/30465.html

Black Beard Design Studio
cgworld.jp/jobs/30060.html

Volca
cgworld.jp/jobs/30479.html