⑦層積雲(そうせきうん)
厚みがある白色や灰色の雲のかたまり。曇り空の代表的な雲が層積雲です。雨を降らせることは少ないです。
⑧層雲(そううん)白色や灰色の霧状の雲で、10種の中では一番低高度にできる雲です。その高度は1,000m以下です。
⑨積雲(せきうん)地面が温められると、上昇気流が発生します。水蒸気が水に変わる高度は気象条件によって大体決まっているため、積雲の底は平らになります。また、水滴の密度が高いため光を通しにくく、下側が灰色に見えます。
POINT!積雲は地表が暖められてできるので夕方には薄れ消えてしまいます。つまり、夜空には積雲は存在しません。日中に撮影した素材を加工し、夜の空に流用するときは注意が必要ですね。
⑩積乱雲(せきらんうん)高度が上がると気温は下がっていきますので上昇力は衰えず、どんどん上に成長します。しかし、雲頂があるポイントに到達すると、積乱雲はそれより上に成長できなくなります。すると今度は横に広がり、上部が平らになる場合があります。このポイントを「対流圏界面」というのですが、言葉だけ聞いてもピンと来ませんよね。高度が上がるとどんどん気温が下がっていきます。標高が100m上がると気温は0.6度も下がるそうです。しかし、ある高度を越えると、今度は高度が上がるごとに気温も上がっていきます。その境界線を「対流圏界面」といいます。
このことを知っていると、積乱雲の上面が平らになっているのを見たとき
「あそこが対流圏界面なんだね」
「そうだね。するとあそこが高度12kmぐらいかな」
といった会話ができるようになったりします。
ほとんどの雲がこの十種雲形のどれかに当てはまります。空にはどれか1種類だけが見えているわけではなく、何種類かの雲が組み合わさっていることが多いです。また、上層雲と下層雲では高度がまったくちがうので動くスピードも方角も変わってきます。日本の上層に吹いている季節風は時速360km(秒速100m)にもなります。高度1万mを飛行するジェット機は、追い風のときと向かい風のときでは速度が時速にして300kmも変わってしまうそうです!
POINT!CGで作成した雲を動かすときは、雲は形状によって高度がちがうこと、高度がちがうと風速・風向がちがうことなどを意識して、上層雲と下層雲の動く方向や速度を変えてみると説得力が出てくるかもしれませんね。