株式会社360Channel(本社:東京都港区、代表取締役社長:小松恵司、以下360Channel)は、グループである株式会社コロプラ(本社:東京都港区、代表取締役社長:宮本貴志、東証プライム:3668、以下コロプラ社)に、自社の独自メタバースシステム、”WEBmetaverse”を提供し、約800名規模の全社総会キックオフ&アワードを開催した。

コロプラ社の社員総会はコロナ禍以降オンライン配信で行っていたが、オンライン配信は感染リスクの低減や移動時間の削減などにつながる一方で、一方通行になりがちな会話形式やリアルタイムでのコミュニケーション制限等が発生することから、組織の一体感不足や参加意欲の低下といった課題があった。そこで、社員同士がインタラクティブにコミュニケーションがとれる有効な手段として、2023年11月にメタバース開催が初めて採用された。開催後のアンケートでコロプラ社員から好評だったため、リアル開催との比較検討の結果、今回の社員総会でも続けて採用された。

メタバース空間での実施によるメリットやポイント、ノウハウを以下にまとめた。

なぜメタバースで社員総会?

コロプラ社では、下期社員総会の実施にあたり、「メタバース空間」と「社員が会場に出向いて行うリアルでの開催」で比較検討が行われた。

4月にコロプラ社が発表したVI(ビジュアル・アイデンティティ)のリニューアルおよびコーポレートキャラクター「クマ」のアップデートといったブランドイメージの強化について社内浸透を図るため、コロプラ社員ひとりひとりがモノづくりに対する姿勢や会社の歩みを理解し、さらには社員自らの言葉でコロプラ社について語れるように、一方通行ではなくインタラクティブに理解を促すことを重要視していた。

そこで、360Channelからは、メタバース空間にアップデートしたコーポレートキャラクターのバーチャルギャラリーを設置し、社員総会の前から閲覧できる環境を用意すると共に、展示されている内容からクイズが出題されるクイズ企画を提案した。

結果、下記3つの要素において、リアル開催よりもメリットが大きいと判断し、メタバース空間での開催に至った。

1.ブランディング強化を社内に効果的に浸透

バーチャルギャラリーの設置や、それに紐づいたクイズイベントの開催など、視覚的楽しさとゲーミフィケーションを融合した体験を社員に提供でき、リブランディング内容に対してリアル開催よりも能動的な認知を促せる。

2.コスト的優位性

800名規模のイベントの場合、会場費や移動時間等を考慮するとメタバース開催の方がコスト的に優位。

3.会社資産としての活用

開発した空間は資産として残る為、今後の社内外イベントで活用可能。(例:会社説明会、メディア発表会等)

なぜ360channelはメタバース事業に力を入れているのか

コロナ禍をきっかけに、展示会場などでのイベントの実施が困難となり、メタバース空間を活用したバーチャルイベントが活発になった。様々な案件を手掛ける中で、バーチャルイベントを最大限活用できるポイントを発見した。

1. リアルではできない長期間開催とメインイベントを最大限に盛り上げる仕組み

事前に空間をオープンし、ユーザ様の交流や事前学習ができる場として提供し、メインイベントに盛り上がりの最高潮を持ってくることが可能。リアルでは、会場を借りたり、設営に多大な費用がかかる中、バーチャルであれば一定のコストに抑えることできるのもメリット。

2.リアルとメタバースの融合による効果最大化

リテール企業の事例で、大型店の期間限定エリア(物産展など)では、店舗内送客に課題があった。店舗入り口にて、メタバース会場で物産展を開催している旨を宣伝し、何を販売しているかバーチャル上で見て回ることができ、簡単なミッションを達成するとクーポン券が出てくる仕組みを用意。2週間で数十万人がバーチャル空間を訪れ、期間限定エリアへの店舗内送客に大きく貢献した。

イベントの様子

イベント会場メインモニター。配信スタジオからLIVE配信する映像がメインモニターに映し出される。社員はクマのアバターに扮して参加。モーションによって、拍手や手を振ったり、紙吹雪を投げることができる。アワードパートでは、チャットボードが出現し、「おめでとう」や、「8888(パチパチ)」など賞賛の声が上がった。

クイズパートで利用されたクイズエリア。メインモニターの後方に位置し、司会と社長から発表されたクイズの回答を実際にアバターを操作して、ABCエリアに入って回答。正解発表後は、エリア内で正解エリアにミニ花火が上がった。クイズシステムが導入されており、クイズUIの表示や、回答後は自動で正解数が集計され、ランキングの表示も可能。

事前オープンした”クマギャラリー。クイズの問題がこの中の情報から出題されることを事前に通知し事前学習ができるよう、本ギャラリーのみ社員総会の数日前からオープン。忙しいクリエーターも自分のペースで閲覧することができ、リブランディングの内容の認知を能動的に促した。

XR最適化のノウハウでWEBmetaverseを実現

WEBmetaverseは、スマートフォン、PCVR端末の”Webブラウザでサービスを提供している。バーチャルイベントなどを行うメタバース領域のサービスにおいて、アプリと比較しても遜色ないグラフィックをWebで実現している。

  • UnityのWebGL向けビルドを利用時の画面イメージ
  • ライトやコリジョン、スポーンポイントなどのUnity上での設定画面

一般的にパフォーマンスが出にくいと言われるUnityWebGL向けビルドを利用しており、モバイルゲームより一段階進んだパフォーマンスチューニングが求められる。コロプラでは2016年から取り組んできたXRでの最適化ノウハウがあり、これに大いに役に立った。

快適なFPSを維持するためには単なるGPU負荷だけなく、メモリの使用量およびCPU側のオーバーヘッドなどを減らす必要がある。また、Universal Rendering Pipelineはそれをほぼ自動的に行うが、半透明描画の明示的な分離やShaderGraphなどの個別の最適化も行っている。

アバター数を多く表示するために、不必要なアニメーションの処理などを行わないようにCulling等も細かく設定している。また、描画だけでなく通信面でも独自システムを開発。参加者は50人毎の各ルームに割り振られるが、管理者アバター(司会など)は全てのルームで動きやボイスが同期している。ここでは1Nでの理論上無制限の配信が可能である。

※全ての対象端末で円滑に動作するよう、パフォーマンスを考慮して1ルームあたり50人に制限している。ルームが満室になると自動で別のルームが立ち上がり、最大で2万人の同時接続が可能。

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