2023年度、第1回目の開催となる本コンテスト。テーマは今回も「3DCGを用いた静止画作品」で、138点の応募が集まった。審査は国内外のアーティスト達によって行われた。優秀賞&審査員講評コメントをご紹介しよう。
※講評コメントは全て原文ママ
■作品募集ページ
■結果発表イベント:Youtube Friday(3/17配信)
■作品応募条件・審査方法について
応募作品テーマは「3DCGを用いた静止画作品」。審査員はいずれも全作品の中からお気に入りの作品を選び、持ち点20の中から配点する。合計得点の高い作品から表彰されるシステムとなっている。参加対象は高校生から専門学校生、大学、大学院生など教育機関在学中の方が対象だ。通学中でなくても、クリエイティブ分野における就業経験のない方であれば応募OKとしている。
優秀作品1位~10位
第1位:『Holiday breakfast』 獲得点数:58点
野口隆成さん(HAL大阪)
HAl大阪1年生の野口と申します。背景モデラーを目指して日々作品作りに励んでおります。
●作品解説
「休日の朝、山小屋に泊まり、朝日を浴びながら、朝食をいただく。」晩秋の朝日と美味しそうな目玉焼きの再現を目指して制作しました。
●使用ツール
Maya, Arnold, Substance 3D Painter, Photoshop
●入賞コメント
ずっと憧れていた賞を受賞することができ、誠に光栄でございます。正直、圏外だと思っておりましたので本当に驚きました。今後も、より良い作品を創り出すために、より一層の研究と努力を重ね、成長し続けていきたいと思います。最後に、主催者の皆様および審査員の皆様へ、貴重なご意見と機会をいただけたこと、厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
●審査員コメント 抜粋
▼【秋元純一(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
全体的な絵のまとまりが素晴らしい。朝日の雰囲気が気持ちよく、正直こんな朝食に憧れる。柔らかいナプキンの微妙な歪みや、バターの包装紙のシワ、カーテンのゆらめきなど、ホーローや木材の硬さとの対比も非常によい。また、食材というチャレンジングなモチーフにも果敢に挑んでおり、及第点だと思う。惜しむらくは、減点要素もまた料理にある。まず、バゲットかカンパーニュなどのハードパンの輪郭がきれいすぎる事が問題だ。これは、電動のスライサーでカットしない限りこうはならないと考えられる。それでも少し崩れる部分はあるはず。また、パンの断面だが、こうした高発酵のパンの場合、焼成時にガスが発生する為、内部にクラムと呼ばれる気泡の塊が出来る。それによって膨らむ現象を利用するのだが、小さい気泡が感じられるのみで、非常に詰ったパンになっている。これは重たくあまり美味しいパンに見えない。また、焼成時に上部に切れ目を入れてクープを開かせるのがその現象を手助けする事になるが、やはり断面を見てもそれを感じる事が出来ない。準主役級のモチーフだからこそ、こうしたディテールの説得力が必要になる。また、バターの質感に関しても、粘土の様に見えてしまい、SSS感などが感じられず、もったいない。目玉焼きとアスパラガスはパッと見はよく出来ているが、目玉焼きの黄身が綺麗すぎてもったいないので、もう少し白身との境目に膜感を感じるグラデーションを用いるなどすれば、更に良くなると思う。あと、湯気はもう少し抑え気味で良いと感じた。食材を扱うのは、CGにおいてはかなり難易度が高いものだが、これだけの完成度で絵作りを出来るというのは、チャレンジ精神を持っている作者ならではの努力を感じた。色々ダメ出しはしてみたが、トータルで非常に好印象。講評時に空腹時であれば、公平度合いが下がった可能性もあり得た作品だと思う。
▼【鈴木卓矢(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
まず素晴らしい点が、絵が綺麗とか丁寧につくってあるなとかという前に朝食の匂いと味が伝わってくるところが素晴らしいです。コービーの匂いや苦味、目玉焼きの胡椒の味、アスパラガスのバターの香り。ここまで五感を刺激する作品は今までなかったんじゃないでしょうか?モデル、質感、ライティングのどれをとっても高いレベルで表現できていると思います。一つ残念なのがボケあしがきついことですかね。自信がなかったのかわからないですが、パンもぼかさずにしっかり見せてほしかったです。パンの柔らかい食感までしっかり見せることで朝食としての完成度が高くなれば満点でした。今だとプレートとパンが塊としてのグループから外れてしまっているので朝食としての物足りなさを感じてしまいました。
▼【田崎陽太(Khaki/Environment Artist/Generalist)】
窓から差し込む光の表現が素晴らしいです。窓枠や木漏れ日の影のニュアンスが印象的でとても効果的です。手前に焦点を合わせることで主役が引き立つ演出も良いです。食べ物も全体的に美味しそうに見えますが中央のパンの質感だけ少し硬くて作り物感があるのが気になりました。
▼【若杉 遼(CGWORLD編集長/Sony Pictures Imageworks)】
何気ない日常の風景のように見えますが、見慣れている風景こそ少しの違和感があれば、それが大きく目立ってしまうと思います。この作品はそんな違和感がほとんどなく、ちょっとしたナプキンのシワや、オブジェクトの配置など細やかなに配慮されているのがとても良かったです!また構図的にも、ほとんどの人はもう少し下の方のお皿を中心にして作りたくなってしまうと思うのですが、うまく上のほうの空間も使って構図も作られているのでよりシネマティックなルックに仕上がっていて良かったです。
▼【コラット オダイッセイ(映画監督/VFXスーパーバイザー)】
ランチョンマットとナイフ/フォークが置かれたテーブルの上にドンと置かれた目玉焼きの乗った皿。きれいに配置されたわけではなく、ランチョンマットがよれ、ナイフ/フォークが下敷きになるかのように置けれている配置から、なんでもない日常感がすごく出ており、非常に自然に感じられるのが良いと思います。恐らく砂糖の入った小瓶、ミルクパン、スプーンの入っているコップ、バター等、あたり前にあるものがあたり前にあり、フレームアウトしているバターナイフにもちゃんと存在感を感じます。パンのディティールとして欠けや気泡などもう一工夫あればさらに良くなると思いますが、テーブルの木目やミルクパンの注ぎ口から液だれした跡など質感もとても自然に感じます。結果、全体としてとても「自然」に見えて良いと思います。
▼【slanted 鈴木康友(CGディレクター)】
ライティングが自然で朝の雰囲気がうまく表現されていて、全体として違和感なく見れました。全体的な完成度の高い作品だと思います。目玉焼きの描写も上手くできています。細部を見ていくとノイジーな部分があるのが惜しいです。テーブルの小物が白飛びしているのは少し抑えたいですね。また、トーストとバターの質感の表現が甘めなので、1つ1つのオブジェクトのディテールを丁寧に仕上げていけばさらに良くなると思います。
▼【アニマ 沖島 亨(キャラクターデパートメントマネージャー)】
季節、時間帯、温湿度、風、匂いなど、多様な要素が一枚絵で表現され、素晴らしい作品だと感じました。カーテンが揺れ、湯気が舞うなど、細かな演出も素晴らしく、ライティングや色使いも緻密に調整されているため全体的に自然な印象を受けました。窓から差し込む光や、インテリアのトーンを抑えることで、目玉焼きがより引き立って見えます。お気に入りの作品にあげさせていただきました。
▼【トゥエンティイレイブン 尾関昭宏(CGディレクター)】
パッと見た時点で実写かなと思えるくらい写実的な表現がうまく出せていると思います。露出のバランスなど光の演出も良く出来ていて、各アセットの質感もちゃんとそれぞれの素材感を感じられていると思います。しいて言うのであればレイアウトがちょっと散漫になっていてどこに目線を誘導しているのが分かりにくいところです。フォーカス的に見ると主役は目玉焼きかと思いますが、だとしたらちょっと画面下側するかなと思います。あと煙はここまで立たせなくてももっとさりげない程度でもいいかなと思います。また個人的に欲を言えば狭い範囲での絵作りは良く出来てるの分かったので、もっと広い範囲のでの絵を見てみたいです。
▼【メタサイト 菅原一敏(CEO/CGIディレクター)】
絵作りがすごく良いです。雰囲気が柔らかく狙った通りに出来ているかと思います。ぱっと見の違和感としては、バゲットの切り口が鋭利な点、アスパラの照りが強すぎる点、バターの質感でしょうか? 全体的なクォリティは素晴らしいと思います。
第2位:『自販機下の悲劇』 獲得点数:48点
和久田瑞希さん(京都外国語大学)
魅力のある作品を目指し、独学で日々CG制作に取り組んでおります。
●作品解説
「ジュースを買うための100円玉をうっかり落っことしてしまった」というシーンです。面白い構図になるように工夫しました。小物や表情からはキャラの性格がわかるよう心掛けました。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Marvelous Designer, Procreate, Arnold
●入賞コメント
CGWORLD関係者様および審査員の皆様、貴重なご意見と機会を頂けたこと、厚くお礼申し上げます。この度は2位にご選定頂き、大変光栄です。繊細かつ素敵な作品が並ぶ中、私の作品が2位を頂いてよいのかと身に余る思いです。しかしながら卑屈になるのではなく、今後の糧とし研鑽を積んでいきたいと思います。最後にCG制作のためにPCを買ってくれたお父さん、ありがとう。無駄にならぬよう精進して参ります。
●審査員コメント 抜粋
▼【鈴木卓矢(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
静止画作品としての躍動感が素晴らしいです。まさに瞬間を切り取った感じで前後のストーリーが想像できます。普通床の下の物をとるときは絵で言う所の左手で、うつぶせで肩を入れるように取ると思うのですがこれはあえて逆手で取ることによって100円玉を掴もうとする勢いが表現されているように思えます。足も見えているのでさらに滑り込むような勢いを感じますね。モデルに関して言うと草が貫通していたり等荒い点が目立ちますね。コインの質感も汚れすぎていたり細かく気になる所はあります。見せ方もぱっと見だと100円玉が落ちてきたように見えてしまうので、転がってきたという風に見せたければもう少し正面じゃなくサイドの部分を見せたりとか1割でも排水溝に落ち始めてるところを見せると分かりやすくなるし、リュックも少し後ろに下げるだけで距離感が出るので転がる感じがもっと出せると思います。ただ気にならないぐらい静止画としての作品性は素晴らしいものを感じました。
▼【行弘 進(Niantic/Art Director)】
ストーリー、構図、キャラクターの設定など、作者が伝えたいことが明確に読み取れる、非常に素晴らしい作品です。少女の表情と泥の付いた100円玉には、「本当は無くしたくない大切な100円だったのに、落としてしまったのではないか?」というような、深く考えさせられるストーリーを感じます。テストの答案など、細かい演出が散りばめられており、狭い空間を魚眼レンズの効果を最大限に活かしているのも、注目すべき点かと思います。ただ、ペットボトルや空き缶が少し分かりにくく、あまり意味を成してない感じがするので、配置やアングルを調整する事で改善できるかもしれません。また、被写界深度を浅くすることで、よりキャラクターや硬貨にフォーカスを当てた絵になるでしょう。
▼【コロッサス 佐藤桂(プロデューサー)】
構図、キャラクターの表情、100玉の見え方、ストーリーの一瞬の切り取り方が完璧と思いました。この前後のストーリーも見てみたくなりました。
▼【イメージ・ロジック 道明浩平(マネージャー)】
なぜ自販機の下に側溝があるのか突っ込みたくなりますが、とても面白作品だとおもいます。キャラクターの表情、100円玉の汚れ具合などでとても続きが見たくなる作品と感じました。
▼【ジェットスタジオ 石井裕(CGディレクター)】
構図が面白いだけではなく一目見て何が起こっているのかもしっかり伝わってくるためとても良い作品だなと感じました。またキャラも含めそれぞれのモデルのデザインの調和が取れているのでとても見やすかったと思います。画面の隅々まで意識して調整しているのが伝わり好感が持てます。
▼【グラフィニカ 3DCG部(スタッフ一同)】
全作品中、一番感情があった作品です。一瞬の出来事を切り取った感じで、思わず笑ってしまいました。面白い!! 多分ポージング等も完全にリアルではないデフォルメした処理のように見えますが物語を感じさせる構図やポージングが良くポスター等にも使えそうです。視線誘導がしっかりしていて、見る人にどのような気持ちになってもらおうとしているのかが明確ですね。
▼【ポリゴン・ピクチュアズ 坂間健太(CGディレクター)】
キャラクターとシチュエーションがユニークで良いなと感じました。先の展開を予感させる作品はすごく見ていて面白いです。カメラに伸ばしている手のディテールはもっと詰めた方が良いかと思います。シーン内で目を引く要素の一つですが、他の100円玉/表情に対して相対的にも気になってしまいました。人間の手を魅力的に見せるのは難しいですが、是非アプローチしてみてください!
▼【デジタル・メディア・ラボ 鈴木(モデラー・ルックデブアーティスト)】
100円落としてしまった一瞬の緊張やコミカルな表情とポーズが面白いです。排水溝から生えてる植物が構図を作っていてナイスです。このあと上手くキャッチできますように。と願ってしまいました(笑)説明なしでも前後のストーリーを連想できて素敵です。
▼【CyberHuman Productions CGディレクター/3DCGアーティスト一同】
アーティスト陣で議論をする中、最高評価を付けた作品になります。アイデアと構図で見せ所を巧妙に絞られており、制作者に迷いがない印象を受けました。主人公が制服の下にジャージ履いている描写等の細かい部分にも拘りを感じます。絵全体の構図やシチュエーションが素晴らしいので、質感やタイトルのディテールを突き詰めると更に良い作品に仕上がるのではと思います。今後のご活躍が非常に楽しみです。
第3位:『Cafe』 獲得点数:34点
香月卓磨さん(HAL大阪)
3DCGとグラフィックデザインの両分野に興味があり、日々勉強をしております。下記のArtstationのURLから、他の作品をご覧いただけると幸いです。
https://www.artstation.com/mathildachan
●作品解説
街路に面したヨーロッパのカフェの店内の一角を制作しました。コンポジットは行わず、画像の出力はArnoldレンダリングのみを使用しました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Substance 3D Sampler, Photoshop, Illutrator, SpeedTree, Arnold
●入賞コメント
この度は3位を受賞でき、大変嬉しく感じております。自分や他の方の作品の講評コメントを読ませていただきました。プロの方々が、どのような目線や考え方で作品に向き合っているのかが分かり、とても参考になりました。作品につきましては、ライティングや構図、特にコンセプトのあやふやさを認識することができました。今回得た経験を糧に、より良い作品が作れるよう尽力します。
●審査員コメント 抜粋
▼【鈴木卓矢(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
すごく綺麗な作品です。モデリングもテクスチャーも丁寧に作られていてライティングも良い感じです。構図もこういう作品にありがちな感じですが開店前の静かな感じが出てていいと思います。ただちょっと作品としてパッとしないので空間に余白をもうすこし削っても良いのかなと思いました。もう少しだけカメラを近づけるといいかなと思います。そうするともっとアセットに注意が行くのでガラス戸のなかの商品をもう少し目が引くものに変えてあげるともっと作品としての要素がまとまってくるのかなと思いました。
▼【伊藤頼子(ビジュアルデザイナー・講師)】
細かいところに気を配り、小物がたくさんあってそれぞれよくできていますね!きっといくつかの写真から参考のしたのでしょうか。早い朝、のカフェ、と言うところでしょうか。ライティングはそつなく良いのですが、明るくたくさんバラバラと光源があり、どこをみて良いのかわかりません。リードアビリティにかけるところがあります。机にオレンジ(黄色)の光を当てるのも良いかもしれませんが、机と椅子は前傾で暗く落とし、中景の暗い所はもう少し光を入れて整理してはと。タイルの壁にほんのりピンクの光がありますがそこをもう少し強く当てたほうが朝っぽくなりそうです。天井に当たった光はもっと落としてもいいですね。良い作品なので少しいじったら更に良くなると思います。
▼【田崎陽太(Khaki/Environment Artist/Generalist)】
全体的に高レベルでまとまっていてとてもクオリティの高い作品だと思いました。特に造形や質感はほとんど気になる点もなく素晴らしいです。気になる点としてはライティングが若干単調な印象です。フォトリアルではありますがこの空間を演出するライティングとして、もっと魅力的なアプローチがあるのではないかと思いました。ただの日常ではなくシネマティックな雰囲気を目指すとより魅力的な作品になる気がします。
▼【東條あずさ(コンセプトアーティスト)】
ライティングが自然でとても素敵です。ところどころエッジが強く残ってたり、厚みが感じられなかったりするオブジェクトがあり、3D感を感じるのが少しもったいないので、そこを直すともっと素晴らしくなると思います。また、コントラストが強くて暗い部分が少し潰れすぎていて前景と中景がつぶれてしまっているのでアトモスフィアを少し足してみてもいいかもしれません:)ライティングなど、とても上手なので、今後もこのまま頑張ってください!応援してます!:D
▼【コラット 山元太陽(CGI Producer)】
全体として丁寧にまとまっていて良いと思います。少々窓の外がちゃんと見えすぎていて目線が窓の外に持っていかれてしまうのがもったいないように感じます。所どころシンプルな形状のプロップがきれいすぎるように見えるので(白いコップなど)もう少し使用感が出ると良いなと感じました。
▼【アニマ 沖島 亨(キャラクターデパートメントマネージャー)】
完成度が高く素晴らしい作品だと思いました。お洒落なカフェで朝の開店前の穏やかな空間を表現されています。窓から差し込むやさしい自然光を美しく表現されており、色使いが素敵だと思いました。また、椅子や机などのコーティングの使用感や質感の細部に至るまで丁寧に制作されている事に関心しました。高い技術力と観察力に加え、制作者が多大な労力を注いだのではないかと思います。細部に至るまで丁寧に作り込まれた素晴らしい作品だと思います。
▼【CyberHuman Productions CGディレクター/3DCGアーティスト一同】
構図の切り取り方・ライティング表現が上手く表現できている作品です。特にライティングは秀逸で、オブジェクトの素材によって光のコントロールが見受けられます。シンプルなテーマではありますが、これらの拘りから絵全体の完成度が高いです。丁寧な作品作りに非常に好感が持てました。今後のご活躍が楽しみです。
第4位:『1917 戦場』 獲得点数:33点
松田敬太朗さん(明星大学)
今年からBlenderの勉強を始めました。独学になります。
●作品解説
1917年代の陰鬱な第一次世界大戦に焦点を当て制作しました。イギリス軍を参考にしました。人の装備は自作、中の人間のリグモデルはアセットを使わせていただきました。
●使用ツール
Blender, Substance 3D Painter
●入賞コメント
CGWORLD関係者並びに審査員の方々にお礼申し上げます。審査員の方々の講評を通して、自分の作品の不足した要素や課題を知ることができ、非常に勉強になりました。また、同時にもっと成長したいと強く感じ、今回得た経験を糧に、精進してまいります。以下のリンクにて、日々の進歩を上げていきます。
Twitter:https://twitter.com/K_Jin3DCG
Art station:https://www.artstation.com/kee3
●審査員コメント 抜粋
▼【秋元純一(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
第一次大戦時の空気感がうまく表現出来ており、悲しみや凄惨さを感じさせる構図も非常に良い。金属と泥の対比も素晴らしく、特に泥の表現は非常に素晴らしいと思った。奥にいる彼が通ったであろう足跡も、そこで倒れている人からの目線の様な構図から得られるストーリーには、物悲しく、残酷なものを感じ取らずにはいられない。煙の匂いまで伝わってくる様な作品だと思う。ただ、だからこそ非常に惜しい部分もある。特に目につくのは戦車の説得力で、表面的な汚しを入れているのは理解できるが、重さをもっと感じたい。例えば、装甲の鉄板が綺麗に整い過ぎている部分などに、少しだけ歪みを入れるだけで、現実感がまして、急に重さを感じるポイントを稼ぐ事が出来ると思う。特にこういった重機などは、面積が広い部分が平らすぎると、どうしてもリアリティが出ない事が多いと思う。また、枯れ木のディテールが非常に甘い。特に手前上手の枯れ木だが、枝の末端などの処理に説得力がない。有機物は難しいが、こういったシチュエーションでは不可欠な要素なので、手を抜かずに詰められていれば、非常に高得点。また、火の粉も少しサイズ感が大きい気もするので、ほんの少し小さく抑えて彩度を抜くだけでもリアルになると思う。個人的には、カメラのアングルに少しバンクを入れても面白いと思った。
▼【宮川英久(Wizards of the Coast/シニアコンセプトアーティスト)】
大きな非の打ち所を感じない、完成度の高い作品だと思います。戦争の空気感を感じさせつつカッコ良い絵になっていると思いました。泥臭さと冷えた空気感、決して戦争が終わっていない緊張感も感じる作品ですね。気になる点としては破壊された木材です。これらはいつ、どのタイミングで破壊されたのでしょう?泥跳ねが付いていない割には破壊されてから時間が経過しているようにも見えます。手前の泥の感じからして、雨が降ったようにも思えるわけですから、もう少し湿度を感じさせる質感にする必要があったのではないでしょうか。戦車の下部のフォグの意図は理解できますが、少々強すぎるように感じました。とはいえ完成度の高く、カッコいい、ストーリーもしっかりと伝えられる力強い作品である事には疑いの余地が有りません。素晴らしいです。
▼【江場左知子(Fude/マットペインター)】
曇りのやわらかい光のなかに、くすぶっている煙の表現を随所に入れて、低い視点のカメラから奥に向かって自然に視線を誘導していて、構成も光の表現も上手だなと思いました。戦車の造形、テクスチャなど丁寧ですごくいい感じだと思います。上手〜画面中央にかけての樹木の描写が単調になっているので、樹木の有機的な密度のあるシルエットがもう少し描写できていたら、さらにリッチな絵になったことだろうな、ともったいなく思いました。遠景のボケ足も一考してみるといいかもしれません。画面中央の、影が濃い薬莢も目が止まってしまうので、形状やコントラストを見直してみると、全体がもっとよく見えるかなと思います。ちょっとしたことで、すごくよくなりそうな感じが、見ていて楽しかったです。
▼【若杉 遼(CGWORLD編集長/Sony Pictures Imageworks)】
ディテールの作り込みと、レイアウトの組み方、そして構図を使ってとても上手にストーリーを伝えていたと思います。こういうシーンだとどうしてもその特性上、色々なものが散らばりすぎて、下手をすると簡単にバラバラに見えてしまうと思います。そんな中この作品は、しっかりとディテールで作りこむ部分は作りこみつつ、世界観やストーリーのまとまりを維持していたと思いました。
▼【slanted 鈴木康友(CGディレクター)】
全体としてまとまっていているよく出来た作品です。戦場の情景がよく表現されていて空気感もあって、絵作りがうまいなと思いました。少しフラットな印象なのでコントラスト調整とカラコレも加えていくとより雰囲気が出てくると思います。背景の木のディティールの甘さと柵の支柱のリピート感が目立っていたのがもったいないと感じました。
▼【プロダクション・アイジー 中村智樹(CGプロデューサー)
全体的に統制がとれた、説得力のある画作りができていると思います。特に戦車の汚れのあたりや、手間の泥の感じはよく表現できていると思います。
▼【ポリゴン・ピクチュアズ 坂間健太(CGディレクター)】
実写映画の様な外連味と空気感で驚きました。ぬかるんだ地面、木材、ローテクノロジー故の不揃いな薬莢、汚れた戦車とコピペが中々許されない要素が盛りだくさんで脱帽です。戦車のキャタピラに付着している泥のディテールが足りていない様に感じますが、この地面を作れたのならもっと詰められると思います。期待しています!
第5位:『戦争前』 獲得点数:29点
高 飛さん(日本電子専門学校)
自分は映画とゲームがとても好きで、自分の力でこの業界に力を貢献し、だからこそ今日まで頑張ってきた。
Artstation https://www.artstation.com/feiasdasd
●作品解説
初はSF映画のようなシーンを作りたかったんです,そして未来の戦争をテーマに、主人公を通して戦争の無力感や悲しさを表現したい。戦争がテーマなので寒色系を多用し、主人公と被写体は暖色系でコントラストをつけました。私はレイアウトをとても重視にしています、レイアウトを通じてシーンの広大さを表現したいです。
●使用ツール
DaVinci Resolve, Unreal Engine 5, Photoshop. マーケットプレイスで入手したアセットを作品の中で利用しました。
●入賞コメント
まず、賞をいただけて光栄です。私は1年生の頃からCGWORLDに作品が掲載されることを切望しておりましたが、今年卒業することになり、ようやくあの時の憧れが実現しました。
●審査員コメント 抜粋
▼【江場左知子(Fude/マットペインター)】
空間の広がりがある気持ちのいい構図です。透明感のある光のまわり方が美しく、この場所の冷たい空気も感じられて、ぱっと見てすぐに好感を持ちました。適度に余白というか、空間に包容力があり、物語の設定や解釈、場面をあれこれ想像できて、コンセプトアートとして大変よいと思いました。コンセプトアーティストとして十分に現場でお仕事をできる方だなと思いました。
▼【山本原太郎(ドリームワークス・アニメーション/Character Look Development Lead)】
非常によく作り込まれている作品だと思います。構図も、手前、ミドルグラウンド、バックグラウンの配置が奥行きを上手に演出しています。細かな地面のテキスチャリングもこだわりを感じます。ライティングも光と影を上手に演出していると思います。建物の雪がCGっぽいので、地面に行ったように、雪のディテールを加えると良いでしょう。建物の側面の壁にもこびりついた雪のテキスチャを加えると、建物がもっと馴染むでしょう。手前の建物と人物が暗いので、もっと明るくライティングしても良いと思います。今後の作品に期待しています。がんばってください。
▼【Alche 尾崎純一/川大揮】
スケール感と、ストーリを感じられる背景、画角に惹きつけられました。また、雪の降り積もり方、地面の露出の仕方なども素敵でした。一方で、スケール感の調整のために使われていたのか、左上にこの背景と全く関係ないマネキンが残ってしまっていたのが残念でした!(川)
▼【イメージ・ロジック 道明浩平(マネージャー)】
海外ゲームのコンセプトアートのクオリティでとても見ごたえのある作品だと存じます。荒廃している建物が多くある中でも所々電子部品が光っている部分もあり人がまだ人々が暮らし続けているのではないかと物語が湧き出てきます。
▼【トゥエンティイレイブン 尾関昭宏(CGディレクター)】
空気感や世界観がうまく表現できていると思いました。ただ全体的に質感が全て同じようなマットなもの(diffuseのみ)に感じたので、鉄、雪、氷などそれぞれの素材感をもう少し感じれるように映り込みや透過感、光の照り返しなど出せればもっと良くなるかなと思います。ライティングも、手前側もう少し全体的に影にして、中景の光が当たっている当たっている建物にめがいくようにしてもいいかもしれません。その上で人物もう少し画面中央に配置するとより画面中央に視線がいくので広い世界観が出せると思います。
▼【神央薬品 ノブタコウイチ(CGディレクター/プロデューサー)】
空気感やSFの感じは良く出ていると思います。寒い感じ、冷たい感じも出ているので狙い通りではないでしょうか。ちょっとだけ雪の質感が固すぎる感じがしたので、少し粉塵等の表現をして動の感じを入れても良いかもしれません。
▼【インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス ディレクター一同】
ぱっと見の完成度が高く感じました。細かなところまで描かれており、良いと思います。その分、UnrealEngineのグレイマンのようなものがAスタンスで映り込んでおり、エラーに見えるので残念に思いました。
第6位:『Magic hour』 獲得点数:28点
小南春斗さん(HAL名古屋)
好奇心を大事にしています!
https://luwden.artstation.com/
●作品解説
ボリュームやシミュレーションを取り入れた画作りにチャレンジしました。配色や構図には特に力を入れ、幻想的な作品を目指しました。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Substance 3D Designer, Photoshop, Bifrost 2.0, Arnold, Unity
●入賞コメント
この度は素晴らしい機会を頂き、誠にありがとうございます!ご講評の際に画作りや、チャレンジングな点を評価頂けた時には、思わずガッツポーズをしてしまいました。今回の制作で学んだボリュームを用いた画作りを、次回の作品にも活かせていけたらと思います。これからも好奇心を大事にしつつ、スキルアップに精進してまいります!
●審査員コメント 抜粋
▼【鈴木卓矢(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
すごく絵的によくできていますね。とてもきれいな作品です。逆光の感じで雲の透けているボリューム感も良く表現できています。色合いもとてもきれいでぱっと見の印象はとてもいいです。その反面ですがよく見てしまうとスケール感がよくわからなくなってしまいました。気球の籠が重そうな割りには気球が小さく見えてしまったり、ロープが太いのでキャラの大きさが分かりずらかったり、雲のシルエットとディティールのバランスから気球の大きさが分からなかったりともったいない部分が多いようにかんじます。あと背景モデル的な視点で言うとリズム感の出し方が単調です。1234と個数を単調に数えてるだけなので、個でなくて群を個として近中遠系のレイヤーを作ってあげるともっと空間の広がりが出るので画面外の広さがでて良くなると思います。
▼【山本原太郎(ドリームワークス・アニメーション/Character Look Development Lead)】
大変よくできている作品だと思います。ライティング、構図、影の処理、どれも効果的に演出されています。普通ならば避けようとする、雲というテーマに挑戦し、ボリュームを使っていることは特筆すべきだと思います。これらに留意し、一票を入れました。モデリングや質感もよくできていると思います。ただ、ロープの形状が不自然なのがもったいないです。せっかくなので、シュミレーションで形状を作ってみることに挑戦してもよいかもしれません。今後の作品にも期待しています。頑張ってください。
▼【コロッサス 佐藤桂(プロデューサー)】
マジックアワーの美しい色彩が良く表現できてます。光の当て方や、影の作り方、非常に計算されていると思います。一目見て、ぐぐっと引き込まれました。
▼【コラット 鎌田友樹(CGIスーパーバイザー/LookDevスーパーバイザー)】
・上空の壮大感が表現されており、夕日によるライティングでドラマを感じます。
・太陽のフレアや、奥の気球にdepth感を持たせるとより遠近感が出ると思います。
▼【Alche 尾崎純一/川大揮】
雲の密度と透過具合、近景以外の配置に幅を出せると、奥行きや空の多様性をさらに描けそうです。" 雲の形(構図)やライティングなど、とっても明るくなれる作品で、個人的にとっても好きな作品でした。今回の作品のために、必要な表現ができるツールを作成し、それを利用して画作りをされていたので、その点もとっても素敵だと思いました。(川)
▼【デジタル・メディア・ラボ ギギ(モデラー・ルックデブアーティスト)】
色とテーマは美しいです。右下の角を少し暗くし、青味を少し追加すれば、もっといいバランスはとれそうです。太陽から出ているFlareやメイン気球に目が行くようなSubjectの追加で話を作れそうだと思いました。
第7位:『Messed Up』 獲得点数:23点
石井雄大さん(デジタルハリウッド大阪本校)
音楽と映像を組み合わせた表現(MV制作、VJ等)に関心があります。3DCGを用いた映像制作技術を、さらに磨いていきたいと考えております。
●作品解説
室内のモデリングの練習として制作したもので、コンセプトとしては、ワンルームで生活している2,30代男性の汚部屋を意識して制作しました。目を背けたくなる光景ではあるものの、つい見入ってしまうような強いインパクトのある表現を試みました。
●使用ツール
Maya, Blender, Substance 3D Painter, Photoshop, Illustrator
●入賞コメント
自身の作品が受賞したことに、驚きと嬉しさが入り混じっています。オブジェクトの配置など、この部屋の住人の心情を想像しながら制作しましたので、審査員の皆様に、人物像やシチュエーションについて様々な推測をしながら見て頂いたことが大変嬉しかったです。また、課題点について的確な意見を頂き、自身の詰めの甘さを実感し、一層気が引き締まりました。この度は貴重な経験をさせて頂き、ありがとうございました。
●審査員コメント 抜粋
▼【秋元純一(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
非常に物量を感じ、ライティングもフラッシュ撮影の雰囲気がよく出ており、意欲的な作品だと思った。目をそむけたくなる程散らかっている、、と言うより汚れているが正解かもしれないが、それもまた作者の思うつぼなのだろう。撮影方法から想像して、電気が止められている程だらしがないのかと思えば、PCのモニターはついているし、玄関にはゴミ袋が散乱していて外に出ることもままならないし、もう滅茶苦茶でカオスな雰囲気は十分だ。それなのにカレンダーは今年のもので新しく、混乱してしまう。作品における物量感は申し分ないが、それぞれのプロップのディテールに甘い箇所も多々あり、惜しいと感じた。やはり空き瓶にはラベルが欲しい。(ハートランドビールであれば申し訳ない)また、コーラの空き缶などを見ても、テクスチャが両面に貼られてしまっているので、注ぎ口から見える内部が赤くなっていたり、そういったちょっとした詰が甘い部分が見受けられる。デニムに至っては、同じ作品内のものとは思えない位、質感が弱い。究極にだらしない情景を描くのだから、逆に至極丁寧にこだわって作る事で、そのギャップに芸術性を見いだせると思うが、非常にそこが惜しいと思う。
▼【宮川英久(Wizards of the Coast/シニアコンセプトアーティスト)】
一見して度肝を抜かれました。私自身も気を抜くとすぐに汚部屋の住人になってしまいます。その観点からしても「解る!」という恐ろしい説得力のある汚れ方、散らかり方をしていて楽しいやら悲しいやらでした。とにかくこの物量をアラを感じさせずに作りこみ、しかもオブジェクトの配置も絵の全体的な見え方を意識できていて素晴らしいと思いました。気になった点は幾つかあります。少々やり過ぎな壁の汚れは経年劣化を意識したそれになっているとは思うのですが、画面左側のマットレスのある側の壁の汚れの位置が少々高い位置までつき過ぎていると思います。基本的にここでは寝転がるわけですし、こういった汚れの大きな要因の一つは手垢だと思います。汚部屋とはいえ、ここはもう少し汚れの配置を絞ったほうがよいと思います。また、白く丸まった物がティッシュだと思うのですが、完全に丸まらず、もう少しはだけた部分があった方がリアリティもありますし絵としても魅力的です。この作品において違和感があるとすればライティングです。奥にドアがある事からこのライティングは窓から差し込む光でしょうか?一見すると懐中電灯で照らしたかのようなライティングで、意図せずしてホラー的な演出(いや、確かにこの部屋はホラーですが)になってしまっているように感じました。
▼【行弘 進(Niantic/Art Director)】
とにかく「怖い」です。(笑)見てはいけない、入ってはいけない部屋と思ってしまう、嫌悪感を感じると言う意味では作者の意図とした作品であり、大成功ではないでしょうか? フラッシュを焚いて撮影されたような表現や、説得力のあるゴミ袋や汚れた絨毯、壁などが本当に巧妙に作られています。更に考えて配置すると嘘っぽくなりがちな散らかり方が自然な感じを出しているのは素晴らしいです。ただ、空き缶などの質感が多少強すぎるのと、全体的な明るさや色調整を若干調整することで、より説得力のある仕上がりになるのではないかと思います。
▼【若杉 遼(CGWORLD編集長/Sony Pictures Imageworks)】
ライティングからディテール、オブジェクトの配置や構図など、それぞれがとても上手く調和していて、気味の悪いほどのリアル感が出ていたと思います。素晴らしかったです!こういったシーンでは、バラバラになりすぎて特定の意図した印象や世界観を維持するのが難しいと思うのですが、しっかりと、(恐らく)狙った通りの感情を引き出すような作品に仕上がっていたと思います!
▼【ジェットスタジオ 石井裕(CGディレクター)】
ゴミや日用品などが乱雑ではあるものの、とても自然な形で配置されているので非常に面白みのある作品だなと思いました。監視カメラ、定点カメラっぽさもこの作品にプラスに働いているように感じられます。興味深く見てしまったがためではありますが、モデル同士にもう少し接地感が出てくるとさらに魅力的で説得力のある作品になるのかなと感じました。
第8位:『再会』 獲得点数:22点
石川薫子さん(横浜デジタルアーツ専門学校)
CGを学び始めて3年になりました。学生生活の終わりにコンテストに初めて応募することにしました。これからもCGを学び続けて自分の思うきれいな世界を追求し続けたいと思います。
●作品解説
庭の花を見るたびにその下に眠るハムスターのことを思い出します。そして再会した気分にもなるけれどそれも幻想にすぎないのでしょう。檻に閉じ込められた蝶は外に出ることは叶わないですが、安らかなひと時がそこにあるはずです。
●使用ツール
Maya, SpeedTree, Substance 3D Painter, Illustrator, CLIP STUDIO PAINT, Unreal Engine, Photoshop, After Effects. 植物や蝶のマテリアルにMegascansのものを使用しています。
●審査員コメント 抜粋
▼【東條あずさ(コンセプトアーティスト)】
モデリング、ライティング、コンポジションともにすばらしいです!フォーカルポイントがパッと見て蝶だとわかりました。絵作りが素晴らしいです。あとは最後にBWにして、バリューのコントラストのヒエラルキーをチェックしてみるといいかもしれません。左の光が漏れてるところのコントラストが一番強いコントラストになっています。フォーカルポイント以外でハイコントラストはどんどんつぶしていくともっともっと自然に蝶に目が行きます。素晴らしい作品です。応援してます。
▼【Alche 尾崎純一/川大揮】
情緒的なコンセプトに対して、総合的な構築力とバランス感を感じました。点の配分の中で最高点をつけています。構図、要素の選定、遠近感、ライティング、画角や被写界深度といったカメラワークがそのテーマを基軸にとても丁寧に組み立てられている印象を受けました。希望とも絶望とも言えるような状況を、その物語の解釈を完全には決定づけないままに、生と死、光と影、自然物と人工物といった二律背反を巧みに同居させることで描けていると思います。また、視点が人間の高さではないという点もこの物語の設定の中では重要なはずで、しっかりと考えられています。モデリングやテクスチャリングについても、歪みや凹凸、ランダム感、木目などのディティールや周辺環境の説明にも気を配っていることも感じ取れます。木板からの植物の生え方や屋根の落ちた建物の腐食具合などがリアリティを持てているか?といったブラッシュアップの余地はあるとは言え、タイトルや応募コメント含め、表現したいテーマに対する真摯な態度に大変好感を持ちました。
▼【アニマ 沖島 亨(キャラクターデパートメントマネージャー)】
時間が止まったかのような、安らかな空間を巧みに演出されておりチョウ達が何か語り合っているような、情緒的なストーリーが連想されます。この作品を見ていると、自然と穏やかな気持ちになっていくような感じがしました。さらに、空間の奥行や導線も巧みに表現されており、技術力や演出力も高いと感じました。お気に入りの作品にあげさせていただきました。
▼【インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス ディレクター一同】
レイアウト、ライティング、雰囲気づくりが上手く、とても好印象です。ちょうちょに目が行くように作られていると思いますが、パッと見ではそこまでスッと目が蝶に向かわなかったので、もし、主題として目立たせたければ、蝶だけ別の色系統にしてアクセントを強めてもいいかもしれません。花が全体に入り乱れてるのですが、光が差し込むエリアにもう少し集中させて、光の入りきらない場所は少なめにするなどするともう少し廃墟としての説得力があがるかと思います。
▼【デジタル・メディア・ラボ 李(モデラー・ルックデブアーティスト)】
蝶々のライティングがとても綺麗です。周りのオブジェクトも丁寧に作りこんでいます。絵作り能力がすごく上手だと思います。
第9位:『ここから先は徒歩。それでも進み続ける。』 獲得点数:15点
小川遼一郎さん(デジタルハリウッド(専門スクール))
去年、背景モデラー志望でデジハリに入学したものです。好きなものは心動かされる「エモさ」全般です。 CG業界のトップで活躍されている方々に評価していただける非常に貴重な機会でしたので、参加させていただきました。どうかよろしくお願いいたします。
●作品解説
この先はどこへ続くのか、闇か希望か、まだわからない。それでも進み続ける。その先の景色を見るために。
去年CGを始め、覚えることが多すぎて、気合を入れて乗り越えていこうと思っていた時の心境を表現しました。抽象的な表現なので、セミリアルを目指し、不思議で美しい世界観にするため、トゥーンで作らせていただきました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Photoshop, After Effects, Houdini
●入賞コメント
この度は様々な方に作品を評価していただき、大変光栄です。ありがとうございます!今回はセミリアルなトゥーンに挑戦しました。セルルックならではの色の出方、階調、コントラストの強さ、物量とそのアウトラインによる絵の気持ちよさ、これらを意識して作りました。あまりwho's nextではトゥーン作品を見ませんでしたが、この気持ち良さを共有できればと思い、応募させていただきました。本当にありがとうございます!
●審査員コメント 抜粋
▼【宮川英久(Wizards of the Coast/シニアコンセプトアーティスト)】
こういった題材だとリアルな表現手法を選びがちだと思うのですが、そこをあえてトゥーン調を選んだ面白さがきちんと絵の魅力にも繋がっていると思いました。特に白いもこもこ(煙と言う事で良いのでしょうか)のディフォルメ感は大胆な決断だったと思いますが、個人的にはアリだと思います。 なかなかに魅力的な絵ではあるのですが、如何せんこの設定が理解しづらい事は勿体無いところです。とても面白いと感じつつも、結局理解が及ばずフワフワした気持ちで作品を見ることになってしまいます。もう少しだけ設定を解りやすく見せる必要があると思いました。
▼【江場左知子(Fude/マットペインター)】
画面全体の完成度が高く、作品強度がある作品だなと思いました。絵作りにおいて、構図の気持ちよさはとても大事だと思いますが、小川さんはかなり確信をもって構図を作っておられるのではないかと思います。選択している作画スタイルからも、自分の美的判断基準をしっかり持っている方だということが感じられます。作家性のあるアーティストは、様々な制約のある商業作品の制作を大勢のなかまと一緒にするさいに、表現したいものを実現することの難しさに直面するかもしれません。とはいえ、その難しさを含めて、大勢の人と作品作りをするのは、とても面白いことでもあるので、是非業界で活躍していただけたらなあと思いました。
▼【若杉 遼(CGWORLD編集長/Sony Pictures Imageworks)】
スタイリッシュなトゥーン調のようなデザインで構成されつつ、圧倒的なスケールを見せられて圧巻でした。一般的にトゥーン調のようなフラットな画作りをしてしまうと、画の印象も、全体的にフラットな平たんな印象になってしまいやすいと思います。その点、この作品はトゥーン調のデザインで統一しつつも、奥行きや世界観の広がりを一枚の絵から見て取れる、迫力のある作品に仕上がっていたと思います。素晴らしかったと思います!
▼【トゥエンティイレイブン 尾関昭宏(CGディレクター)】
パッと見た時の物量感とこのルックに目が留まりました。ただ、レイアウトが雑然としているので、もっとどこを見せたいを意図して粗密を作った方がいいと思います。これだけディティールあるので細部まで見せたい気持ちは分かりますが、空気遠近で入れてるフォグをもっと強めにして見せたい部分だけちゃんと見せて、それ以外はうっすら感じるくらいな贅沢な絵作りしてもいいと思います。あと、各アセットがこれだけ作り組まれているので、煙もsphereで構成するのではなく、houdiniを使っているようなのでちゃんとシミュレーションかけた煙をモデル化して流体的な形状で表現っしたいところです。
▼【ポリゴン・ピクチュアズ 坂間健太(CGディレクター)】
すごい好きです。色々な質感が大量の情報量をもってかっこよくまとまっていると思います。特に黒を効果的に使っているのが良いですね。 視認性等、諸々吹っ飛ばしてテイスト勝ちしてると思います。
第10位:『神域』 獲得点数:14点
中村吹雪さん(日本工学院八王子専門学校)
現在私は3DCGや2Dペイントツールを用いてコンセプトアートやイラストの制作を行っています。将来的にはゲームや映画などの世界観などをアートとして表現できるような職種に就きたいと思っています。
Twitter:https://twitter.com/Reiya_mof
vivivit:https://www.vivivit.com/reiya_mof
●作品解説
管理者がいなくなり、参拝者もいなくなり朽ち果てた神社をコンセプトに制作しました。鳥居や建物、灯籠など人工物に緑が生い茂り自然に還る過程を作品にしました。大自然の中に存在する人工物が自然に飲み込まれている様子を表現する為に、鳥居や五重塔は3DCGモデルの段階で破壊し、破片などのシルエットが分かりやすいように配置しました。
●使用ツール
Blender, ZBrush, Photoshop, After Effects
●入賞コメント
この度はハイレベルな作品の中10位を受賞させていただきありがとうございます。普段講評をいただく機会があまりないので、現役のプロの意見を聞くことができとても貴重な経験でした。今の自分のレベルを再認識し、課題も見えてきました。今後は講評頂いたことを作品に生かしてさらに上の順位を狙えるように頑張ります。審査して下さった企業様、特別審査員の方々に感謝します。
●審査員コメント 抜粋
▼【鈴木卓矢(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
まずパッと見で目に入る美しさを感じる作品だと思いました。光が入る感じや色遣いなどとてもきれいだと思います。そしてその感じは画像を小さくすればするほど映えてきます。小さくすればするほど良く見えます。これはなんでというと光の表現や色遣いがイラストやアニメっぽいのにディティールがありすぎてノイズになってしまっているという事です。コントラストが強いので画面を大きくすればするほどごちゃついて見えてしまうのでディティールをつぶすとか、1ピクセルのコントラストをもっとぼかすとかしてあげるとノイズが落ち着いてきて色と光の形がもっと見えてくると思います。キャラも背景になじみすぎてしまっているのでキャラが立っている後ろの背景のディティールをもっと抜いてキャラが際立つようにしても良いと思います。
▼【江場左知子(Fude/マットペインター)】
作品の完成度が高く、特徴のある絵画的なマティエールと色の選び方で、美しい作品にまとまっているなと思いました。大変絵画的な仕上がりですが、しっかりベースのモデリングもされているようで、制作現場での多様な要望に対応できる技術も習得されているのかなと思います。記載いただいたURLのリンク先から、ポートフォリオにあるほかの作品も楽しく拝見させていただきました。アドバイスできることを思いつかないほどですが、もし実写映画のイメージボードやコンセプトを描く機会がありましたら、少し絵画的な表現を抑えて写実的な個性を出しすぎない方向にしたほうが、現場的には需要があるかもしれないです。イラストレーターとしての作品でしたら、そういう必要は全然ないと思います。
▼【ポリゴン・ピクチュアズ 坂間健太(CGディレクター)】
切り絵の様なハードなエッジと高いコントラストを持ったノイジーなディテールが表現として面白いと思います。 コンポジットの目安として「画面を縮小しても理解できる画作りをする」というものがありますが、今作はむしろ縮小するほど分かりやすいという性質があるように感じてユニークだと思いました。
▼【デジタル・メディア・ラボ 佐藤(モデラー・ルックデブアーティスト)】
重厚な題材を、明るく鮮やかな色彩と特徴あるフィルター処理によって個性を出しているとこが印象に残りました。朽ちた建物と水の処理など細かいところもとても良いです。
▼【CyberHuman Productions CGディレクター/3DCGアーティスト一同】
アーティスト陣で議論をする中、最高評価を付けた作品になります。絵作りのレベルが非常に高く「何故これ程できるのか?」と驚いてしまう作品です。タイトルから絵作りまで、明確なイメージを持って取り組んでいる印象です。ご自身の作風を持たれていて、その色をしっかり出せていることにも好感が持てます。中央の鳥居やキャラクターの見せ方を工夫すると更に良い印象になると感じました。今後のご活躍が非常に楽しみです。
第10位:『黄昏時の誘惑』 獲得点数:14点
藤原一弥さん(サントリー食品インターナショナル株式会社)
趣味でキャラクターモデリングを行っています。 丁度CGを初めて1年になりました。CG始めたての頃にWho’sNext?の作品を見て、私もいつか応募してみたいと思っており、今回挑戦させていただきました。
https://twitter.com/0_blender
●作品解説
セミリアルなキャラクターデザインが好きです。ゴシック、スカル、チェーンと自分が好きな物を詰め込んだ絵に仕上げました。
●使用ツール
Blender, Substance 3D Painter, Zbrush, Photoshop
●入賞コメント
この度は選出、ご講評ありがとうございました。趣味で一人で作っているとどうしても自分の作品に足りないところ、改善点等に気づきづらいためプロの方々の目線でのご講評はとても参考になりました。いただいたご指摘を糧として、これからも見る人を、おっ!!と思わせるような作品を作っていきたいと思います。また、趣味勢のおじさんとして次回も是非参加させていただきたいと思います!!
●審査員コメント 抜粋
▼【秋元純一(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
ポージング、構図、色使いなど、非常に完成度の高い作品だと思う。キャラクターを扱う作品に点数を入れにくい(個人的に)のだが、その理由として、キャラクターを表現する意味を感じない事と、プロップや背景に気を使っていない作品が多いことが理由に挙げられる。それに引き換え、この作品は、キャラクター性が一発で伝わる作品であり、背景やプロップ類、また構図やポージングにもこだわりを感じ、こういったキャラクター作品を待っていたと感じた。まず、キャラクターの造形が非常に上手で、衣装の誂えも素晴らしく、テーマが統一されていて非常に好印象。また、多数配置された十字架のプロップにもかぶりがなく、非常にこだわりを感じる。背景もきっちり作り込んでいて、キャラクターの設定にあうものをチョイスしていると感じた。惜しいのが、背景とキャラクター、プロップのまとまりが良すぎて、溶け込んでしまっている部分もある。特にプロップはかなり溶け込んでしまっているので、ライティングやグレーディングで、背景との差別化をうまくできれば、絵的にはぐっと説得力が増すと感じた。
▼【田崎陽太(Khaki/Environment Artist/Generalist)】
モデリング、質感、構成(レイアウト、ポーズ)など高いクオリティでまとまっていて見た瞬間ハッと目を引きました。気になった点としては鎖と十字架のレイアウトが少し単調で平面的に感じました。もっと回転、Z軸、大きさなどのランダムさがあっても良いかもしれません。あと背景のぼかしの処理も若干チープに見えたので、そこを改善できるとより全体的なクオリティが上がるのではないかと思いました。
▼【山本原太郎(ドリームワークス・アニメーション/Character Look Development Lead)】
キャラクターは大変よく出来ていると思います。衣服やフリルの作り込みもとても良いと思います。質感がシンプルでCGっぽく、もったいないので、布のテキスチャの表現をもっと頑張りたいところです。浮いているメタルのオーナメントと、背景の色合いが似ていて溶け込んで見えずらいので、手前のオーナメントは暖かいライティング、背景は青っぽくするなど、コントラストが出るように工夫をすると良いでしょう。人物とオーナメントのカラミがわかりずらいので、チェーンの形状、オーナメントの角度や配置の調整を。今後の作品にも期待しています。頑張ってください。
▼【グラフィニカ 3DCG部(スタッフ一同)】
キャラクターの衣装のモデリング、質感、背景共にとても密度が高くてよいと思います。惜しい点としては、キャラクターが何をしている動作なのかがわからないので、わかるようなポージング(併せて手が衣服と同じ色なので分かりづらいので手が認識できるように)や表情をさせたら良いかなという点と、肩のあたりの質感・造形は骨や筋肉の付き方が人体を感じさせないので、肌の持つ透明感を感じさせることができれば服の質感との差をつけることができるので画面が決まりやすいかと思います。
▼【メタサイト 菅原一敏(CEO/CGIディレクター)】
最初に目を引くのが衣装のドレープやシワでした。布質感も良くシルバーとの対比も良かったです。髪に躍動感があると尚よさそうですね。
12位~19位
第12位:『Eternal Blue』 獲得点数:13点
佐々木ルヘール瑠唯さん(ECCコンピュータ専門学校)
現在は既に希望する企業様から内定を頂いており、就活中には挑戦出来なかった様々なCGの表現を研究しながら日々過ごしています。やりたいことに挑戦出来る機会が増えたので国内、海外問わず様々なコンテストなどに挑戦しています。
●作品解説
水槽に囲まれたラウンジをイメージして制作しました。海の中に光が差し込むようなライティングを表現するために光の筋がいくつも出るように計算しながら制作しました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Unreal Engine 5, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【宮川英久(Wizards of the Coast/シニアコンセプトアーティスト)】
作品を一目見て、物凄く興味を掻き立てられ惹きこまれた…のですが、同時に理解するのに時間がかかるというジレンマを抱えているな、というのが正直な印象です。例えばそれはピアノ(で合っていますでしょうか)のデザインの独創性が裏目に出ている(デザイン自体は素晴らしいです。個人的にすごく好きです。)点や、この空間のライティングが非日常的だったりする事が原因で、絵の構図が理解しづらい物になってしまっている事が原因だと思います。意欲的で魅力のある作品だからこそ抱える問題とも言えると思います。ですから、ことこういった作品の場合は絵の中のコントラストの配置が大きな鍵になります。そこを意識してライティングや質感の設定などを調整する、究極的にはレタッチする事で見やすい絵に微調整してみて下さい。ライトシャフトは意味があるので必要な演出なのは理解していますが、やはり絵の構図を見えづらくする悪影響も感じます。ので、バランスを見つつ弱めるなどの工夫は必要そうです。
▼【Alche 尾崎純一/川大揮】
とても魅力的な画作りだと思いました。作家性の発露とも言えるような特有の色使いが美しく、昨年の作品をすぐに思い出しました。画面の大部分を青が占めていますが、柔らかく暖かな心地よさを感じます。同時に神聖で洗練された印象もあります。個性をしっかり出しながらもバランスを保った状態で着地できているのが大変素晴らしいです。鑑賞者に空間体験や物語を想像させるような要素が加わると時間的な奥行きや臨場感のある画になっていくと思います。
▼【神央薬品 ノブタコウイチ(CGディレクター/プロデューサー)】
青で統一された幻想的な空間を表現出来ていてとてもすてきだと思いました。もう少しコーティクスや光の揺らぎなども多用して水の表現をしてみたり、チンダルとか少しあっても良いかもと思いました。
▼【メタサイト 菅原一敏(CEO/CGIディレクター)】
雰囲気がすごく良いです。光の感じ、空気感、質感などバランスが良い作品に仕上がっていますね。
第13位:『emotional』 獲得点数:12点
浪越秋帆さん(聖光学院高等学校)
普段は映像制作を主にやっています。映像の中における世界観の構築のために3DCGを用いた空間の構成を用いることが多いです。まだ技術は稚拙ですが、よろしければ覗きに来てください。
twitter→https://twitter.com/torochmov_
●作品解説
定形化されてしまいがちな「エモ」について考えました。僕たちが廃校から想像できる感情はどのようなものだろうと考えたとき最初に浮かんできたのは、思い出の中の笑顔でした。いろんな感情が存在していたはずなのに最終的には美化される「エモ」には違和感を感じます。
●使用ツール
Blender, Substance 3D Painter, Photoshop,After Effects, CLIP STUDIO PAINT
●審査員コメント 抜粋
▼【秋元純一(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
世界観がまとまっていて、絵にもコンセプトがあり、面白くも不気味に仕上がっていると思う。よく見ると、背景、プロップ類も丁寧に作られており、写実的に表現されていると感じた。外の樹木にリアリティが欲しい点、ブラウン管の表現方法などはもう少し頑張りたい。ブラウン管は、撮影機材にもよるが、絵の構図を見るに動画を意識していると考えられるが、フレームレートによっては走査線の表現などが欲しい所だ。また、画像のにじみやディフュージョンもあると更に良い。また、映す画像にはピクセル感やRGB感が感じられるが、少し縦長のピクセル感を出して、モアレ表現などを含めると尚の事説得力が出るのではないだろうか。
▼【行弘 進(Niantic/Art Director)】
作者が考えたコンセプトを上手く表現できてる作品です。露出や光と影のバランスが素晴らしく、すべてを見せようとしていないところが良いと思います。それにより、視線が惹かれる要素に集中でき、廃校の教室の雰囲気や埃っぽさが非常にリアルに表現されています。コンポジットで調整されているのか、レンダリング後のCGっぽさが感じられず、モニターの形状が微妙に異なるなど、細かい工夫がよく考えられているように感じました。
▼【プロダクション・アイジー 中村智樹(CGプロデューサー)
教室内を薄暗くしているため、ひとつひとつのモデルのディティールは見えないものの、それによって画面内の顔文字の違和感が引き立てられているように感じました。
▼【ジェットスタジオ 石井裕(CGディレクター)】
非日常感のある風景ではありますがどことなく郷愁を誘う、独特な雰囲気の味わい深い作品だと思います。西日の感じもとてもよく表現されていてそこもまた良いですね。何かしらの感情を刺激してくる1枚だなと思いました。
第14位:『迷い込んだ先に』 獲得点数:8点
中本 萌さん(デジタルハリウッド大阪本校)
事務職で働いていましたが、創る仕事に抱いていた憧れを現実にしたいと思い、経験のない世界に飛び込みました。セルルックのアニメーションで3DCGに興味を持ったので、アニメ業界で仕事ができるよう日々研鑽しています。
●作品解説
旅行中、道に迷った先で見つけた、雑貨屋さんで撮影した1枚をイメージして制作しました。非日常と遭遇し、不思議さに浸っている時間をアンティーク家具やペンダントライトで表現しました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【宮川英久(Wizards of the Coast/シニアコンセプトアーティスト)】
全体的にとても良くできている作品で見ごたえがあります。特にライトの配置のバランス感覚が非常に素晴らしいです。部屋の中のオブジェクトも人の導線を意識しつつ、生活観を排除する事で「ああ、ここはお店なのだな」と瞬時に理解させる事に成功しています。これはなかなか容易にできる事ではないと思います。ライトの配置自体は素晴らしいのですが「これらのライトはどこからか売り物として仕入れてきたのだろうか?」という疑問があります。当然、お店なのですから元々据え付けられている室内灯もあるべきですが、天井から吊るされているライトはその形状のランダムさから売り物のアンティーク家具に見えてしまうのです。そうすると、これらの商品が売れてしまえばお店はどんどん暗くなってしまうのでは…?といった疑問が沸いて来てしまうのです。画面右側の棚等はもう少しがたついた雰囲気、ランダム感が欲しいなと思いました。
▼【行弘 進(Niantic/Art Director)】
以前住んでいた地域に、同じような雰囲気を持つアンティークショップがあったのを思い出しました。丁寧に作られたそれぞれのモデルのマテリアルの違いも分かりやすく、説得力のある照明が更に作品のフォトリアリズムのクオリティーをいい具合に引きあげています。また、同じ大きさや形の多数のランプが吊り下げられている事で、部屋の奥行き感がより分かりやすく感じられました。ディテールレベルの提案ですが、値札タグが付いていたり、ぶら下がっていると更にそれっぽくなるかと思います。古くからある店の雰囲気をさらに引き立たせるために、床にもっと物を置いたり、奥にラグを敷くことでフロアのブレイクアップをすることも良いかもしれません。
▼【プロダクション・アイジー 中村智樹(CGプロデューサー)
かわいく、温かみのある、雰囲気がいい作品だと思いました。アンティーク調の家具の塗装剥がれや汚れなど、細かいところもちゃんと作りこまれているところが好印象でした。
▼【神央薬品 ノブタコウイチ(CGディレクター/プロデューサー)】
現実的な照明をこういったレイアウトすることによって非現実的な良い雰囲気が出ていて面白いと思いました。映りこみとかも良い表現の手助けになっていて良いですね。
第14位:『Mischief』 獲得点数:8点
新井 輝さん(デジタルハリウッドSTUDIO吉祥寺)
他業種からCG業界に転職するために勉強中です。イラストから動画制作まで様々なことに取り組んでいます。
https://hikaru5382.artstation.com
●作品解説
アニメーションのサムネイルとして作成しました。黒猫と女の子の日常をイメージし、ライトを明るめにして温かみのある作品にしました。
●使用ツール
Blender, Photoshop, Substance 3D Painter
●審査員コメント 抜粋
▼【コロッサス 佐藤桂(プロデューサー)】
色の使い方がうまいと思いました。計算されているなと思います。とくにオレンジ色が温かみを感じます。キャラクターの表情や、ポーズに工夫をして、二人の感情が表現できてくるとよいと思います
▼【コラット 米山和利(代表取締役/CGI Producer)】
個人的に雰囲気が好きな作品です。少女のネコに向けられた目線が若干冷めた印象を受けるのは私だけでしょうか? 情報量の少ないキャラではありますが、少女の表情やペンを握る手の感じなど、丁寧に作られているという印象です。ネコが逆に静物的な印象を受けるので、もう少し動きを感じられポージングだったら更に良かったと思います。
▼【slanted 鈴木康友(CGディレクター)】
温かみのある世界観でほっこりしました。個人的に好きな作品です。黒猫と女の子の表情もいいですね。パーカーのデザインが気になりました。デフォルメする際にリアルに基づいた形状になるとよりいいと思います。背景にもっと奥行きを持たせるかオブジェクトをより意味合いのあるものにすればさらに世界観が広がりそうです。現状だとギターと女の子の服の色がが馴染んでしまっているのがもったいないです。
▼【CyberHuman Productions CGディレクター/3DCGアーティスト一同】
色味や全体の質感から、柔らかい空気感が表現できており、制作者が描きたい空気感を確実に表現できていると感じました。猫のポーズや目線を少し工夫すると更に素晴らしい作品になると観じました。他業種からCG業界へ転職活動中とのことで、応援しています!
第16位:『神の壁』 獲得点数:7点
Hiro Haruさん(株式会社ユニバーサル建設)
独学で3Dを初めてまだ1年半の初心者ですが、背景モデラーとして就職出来るよう頑張ります。
●作品解説
「12世紀後半、神人になりたく神の領域まで手を伸ばす為に高い壁を建てた」
模様など細部、配置まで拘って作ったので是非見て下さい。
●使用ツール
Blender, 3Dcoat
●審査員コメント 抜粋
▼【田崎陽太(Khaki/Environment Artist/Generalist)】
ディティール、構図、雰囲気などどれも素晴らしいと思いました。特に画を演出するという意識が高く、見栄えを良くするためにさまざまな工夫をしているのが高評価です。ストーリー性を感じさせるコンセプトも個人的に好きです。気になった点としてはカメラに近いオブジェクトのクオリティが若干低く感じました。近くに映るもののディティールや解像度をもっと高くする意識を持つとよりクオテリティが上がると思いました。
▼【イメージ・ロジック 道明浩平(マネージャー)】
圧巻なクオリティと存じます。壁の上部に霧がかかっていてそれが建物の大きさを物語っていると感じました。
▼【ポリゴン・ピクチュアズ 坂間健太(CGディレクター)】
最早、世に出回っている作品として見たことある!という水準の作品だと思いました。石造りの建築物で、リピートをほとんど感じさせない情報量と作り込みに驚かされます。ただその分正門左右のの柱のヒビがコピペであることが気になってしまいました。ここまで来たら突き抜けて頂きたいです!
第16位:『Black Magic Ritual』 獲得点数:7点
福村知紘さん(デジタルハリウッド大阪本校)
CGを初めて3ヶ月の作品です。現在、背景モデラーを目指して日々勉強をしています。
●作品解説
恋人を殺害した犯人に対して黒魔術を用いて復讐する女性をイメージして制作しました。なかなか思うようなテクスチャが作成できず、悪戦苦闘しました。
●使用ツール
Maya, Blender, Substance 3D Painter, Illustrator, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【伊藤頼子(ビジュアルデザイナー・講師)】
3ヶ月でこれだけできるとはすばらしいですね。蝋燭の光が当たるところはもう少し明確にして暖かくして、全体をもう少し全体を暗くしたほうが、ミステリアスだと思います。
▼【江場左知子(Fude/マットペインター)】
画面内のたくさんのオブジェたちを実直に作っておられるなと好感を持ちました。特にそれぞれのものの艶感の差をとても丁寧に表現しようとされていて、よいなあと思いました。反面、全体に同じ熱量でまんべんなく丁寧に作画してしまっていることで、作品の主題がぼやけてしまっており、そこがちょっともったいなく思います。フォーカルポイントを設定して、画面の目線の流れのようなものを意識して、画面の中の密度感に緩急をつけるようなイメージで構成を考えてみると、作品として更にぐっと良くなると思います。
▼【slanted 鈴木康友(CGディレクター)】
とてもよくできた作品だと思います。オブジェクト1つ1つを見ても非常に丁寧に制作されていて好感がもてます。全体を見た場合、どこを見て欲しいのかがわかりにくかったので、パッと見たときに視線を引くように見せたいところを強調する絵作りを意識するといいですね。ロウソクが光源だと考えるならもっとビネットを入れて、暗い空間に見せたほうが中央に視線が集まり、ダークな雰囲気も出ると思います。
第16位:『門番』 獲得点数:7点
金武倖平さん(トライデントコンピュータ専門学校)
ゲーム業界のモデラーを目指して日々勉強を続け、約1年になります。これからも様々な表現に挑戦していきたいです。
https://twitter.com/moyomotter
●作品解説
ダンジョンで待ち構えるミノタウロスをイメージして制作しました。リアルに見える皮膚の質感や迫力の出る構図を意識しました。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【田崎陽太(Khaki/Environment Artist/Generalist)】
キャラクターの造形、質感、ポーズ等が高いレベルでまとまっていて素晴らしいと思いました。迫力があります。リアルな質感を目指したとのことですがフォトリアルというよりはセミリアルという印象を受けましたが、個人的には好きな質感です。全体的なクオリティは高いですが絵作りとして少しシンプルな印象を受けたので天井から光が差し込むなど、絵が映えるための演出をもっと入れるとより良くなると思いました。
▼【山本原太郎(ドリームワークス・アニメーション/Character Look Development Lead)】
キャラクターのモデリング、テキスチャリング共に大変よく、頑張って作りあげている作品だと思います。鎧などのエッジの処理もよく作り込みがされています。足のモーションブラーは本来アニメーションをなめらかに見せるためのフィルム効果ですので静止画の場合は必要ないと思います。手の質感が全体的にスペキュラーが均一でCGっぽいので、テキスチャリングの作り込みを。爪の色が肌と一緒なのでもっと明るくしたほうが良いでしょう。武器のスパイクボールは頭の上に振り上げているほうが、キャラクターの怒りを演出できるかも知れません。今後の作品も楽しみです。頑張って下さい。
▼【グラフィニカ 3DCG部(スタッフ一同)】
モンスターの造形は大変良く作成できており、顔の表情やスカルプト、ライティング、テクスチャ作業までの丁寧な作業が好感を持てます。モンスターに関しては左手の部分まで作業する時間がなかった様に見えるのが残念です。若干UVシームが残っているのと、ノーマルマップの密度が足りない気がします。 あとクオリティアップするとすれば背景でしょうか。現状ですとモンスターのスケールが分かりづらいのでもっと広い空間にしてカメラを煽り気味にすると巨大感が出て良いと思います。またライティングをバックライト気味にして、目の赤い光を強調すると引き締まって更によくなると思います。
第19位:『いってらっしゃいませ』 獲得点数:6点
梅田誠也さん(HAL名古屋)
VRChatというゲームが大好きで、同ゲームをきっかけに3Dキャラクターデザイナーを志し社会人から専門学校へ再進学をしました。オリジナルのアバターを制作するほか、ヴァーチャルマーケットという作品展示会に出展しています。
https://nagonnagonn.booth.pm/items/3627940
●作品解説
かわいく美しくなるようにデザインと造形を頑張りました。デザインのコンセプトは「メイドのプリンセス」です。特に力を入れた部分はボリュームのあるふわっとした髪の毛です。背景は写真を合成し、ゲームのポスターのような雰囲気に仕上げました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Procreate
●審査員コメント 抜粋
▼【宮川英久(Wizards of the Coast/シニアコンセプトアーティスト)】
女性の可愛らしさや柔らかさを表現できている作品だと思います。髪のボリューム感も良く出ていて良いと思います。パステル調の色味もテーマにマッチしていますね。個人的には背景とのミスマッチが気になりました。ライティングが合致していないので合成された様に見えてしまっている事はもちろん、絵としての構成やシチュエーションが見えてこないというのも作品への感情移入の妨げになっています。画面いっぱいに制作した物を見せたい気持ちは解りますが、作品としては窮屈で息苦しい見え方になってしまっていますから、背景の城をもう少し小さくするなどの調整が必要だと思います。
▼【山本原太郎(ドリームワークス・アニメーション/Character Look Development Lead)】
とてもよく作り込まれている作品だと思います。全体のバランスもよく、シルエットもきれいになるように形状がまとめられており、髪の毛の流れ方も頑張っているのが分かります。服の個々のパーツに厚みを感じるようにエッジ処理をすると良いかもしれません。顔のすぐ隣の髪を、後ろ髪にあわせて、少しなびいている形状にするともっと自然に見えると思います。顔の無表情なので、なにかしらの表情を追加しても良いかもしれません。背景は写真は使わず、自らCGで作る努力をしましょう。今後の作品もたのしみです。頑張ってください。
▼【グラフィニカ 3DCG部(スタッフ一同)】
リアルな作品が多い中、セル調の作品の中で一番印象に残りました。キャラクターの造形が丁寧に作り込まれていて可愛らしく作成出来ていると思いますし、見下ろす感じのレイアウトも見る人の視線を意識しており印象的です。背景が後ろに置かれているだけなので、例えば、城に通じている道を作成してその道の上にキャラクターが立っている感じにした方が背景と一体になって更に良くなると思いました。
第19位:『8月の帰り道』 獲得点数:6点
木坂裕晴さん(日本電子専門学校)
私は背景モデラーを目指してモデリングを勉強しています。繊細な建物などのモデリングは得意ですが、今後はUEなどを使った絵作りにも力を入れていきたいと考えています。目標は、背景モデラーとコンポジターのゼネラリストとして、幅広い表現ができるようになることです。
●作品解説
友達と遅くまで遊んだ帰り道をコンセプトに作成しました。見たことがあるような懐かしい風景をイメージできるように丁寧なモデリングを心掛けました。また、テクスチャには色にバリエーションを持たせたうえで作品の雰囲気を崩さないように淡い色に統一させました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, NUKE, Asset Maxtree
●審査員コメント 抜粋
▼【行弘 進(Niantic/Art Director)】
この絵を見て、作者がまさに懐かしい、昔通ったような路地を表現したいという意図が感じられました。作者の観察力や忍耐力が細部までのディテールに反映されており、見ている人の想像力を掻き立てます。例えば、店の前のカブのライトがついているので、もしかしたら出前を持って帰ってきているのか、それともこれから配達に出かけるのかと想像してしまいます。改善点としては、テクスチャで汚れや古びた感を表現することはできていますが、モデル自体にもっと歪みや欠けたエッジ、直線を崩すことで、よりリアリズムを増すことができると思います。また、暖簾やのぼりが板っぽい印象がありますので、もっと布らしさを表現すると良いでしょう。左手前の電柱と後ろののぼりの位置も少し改善することで、のぼりが電柱の一部のような印象を与えなくなると思います。そして、コンポジットもされるということであれば、露出や色調整を多少調整することで、よりフォトリアルな絵に仕上げることができるでしょう。
▼【東條あずさ(コンセプトアーティスト)】
好きなコンセプトです。ライティングやアイディアはすばらしいです。すべてが少し整然としていて3D感がぬぐえないのでジオメトリーを崩してみたり、かたむけたりと工夫してみるとぐっとよくなる気がします。また、前景から背景までコントラストがほぼ一定なのでアトモスフィアを足してDepthをもっと感じられるようにするとぐっと良くなる気がします!細かいディティールなど、いい目を持ってらっしゃると思います:)!応援してます!
▼【イメージ・ロジック 道明浩平(マネージャー)】
なぜか懐かしい空気感が感じられる作品と存じます。1個1個の作り込みをしっかりされていて見ごたえがありますがフォトリアルを目指すのであればテーマが8月の帰り道とのことで8月と帰り道をあまり感じられないかなと存じます。テーマが絵だけで感じられるようにしていくにはどうすればいいのかなどを考えてみるのもいいのかなと思います。
第19位:『like an angel.』 獲得点数:6点
足立幸翼さん(HAL名古屋)
3DCGデザイナー、モデラーを目指し作品を制作しています。映画や格闘技が好きです。
●作品解説
天使をモチーフにイメージしたものを形にしました。人の手の届かない世界をイメージし、今までにないデザインで造形しました。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Marvelous Designer, After Effects, Photoshop, Substance 3D Painter
●審査員コメント 抜粋
▼【Alche 尾崎純一/川大揮】
コンセプチュアルな画作りと、細部までのこだわりを感じてえらばせていただきました。天使のリングのグラデーションや透明感、翼一つ一つの作り込みなど、どれもとっても素敵でした。
▼【インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス ディレクター一同】
我こそ天使だと言わんばかりの振る舞いとは裏腹に林檎に蝕まれた衣装に、天使のそれとは全く異なる質感の翼が見事に合わさっていて引き込まれていきました。鳥やトカゲの関連性や、なぜ手だけ無傷でいられるのか等疑問も残る箇所が有ります。
▼【デジタル・メディア・ラボ 内田(モデラー・ルックデブアーティスト)】
モデルのデザインがとても好みでした。天使の輪の魅せ方やライティングが神々しい雰囲気が出てていいなと感じました。もう少し翼の造形に丁寧に作ってあげたほうがもっとかっこよくなるかなと思います。
▼審査参加企業・アーティスト
<<特別審査員>>
秋元純一
トランジスタ・スタジオ
CGディレクター・取締役副社長
2006年に株式会社トランジスタ・スタジオ入社。専門学校時代よりHoudiniを使用し続けて現在ではCGWORLD.jpにて「Houdini Cook Book」を連載中。
www.transistorstudio.co.jp
【総評】
今回は、いつにもまして意欲的な作品も増えていて、更に楽しく講評させて貰えた。それと同時に、やはり似たようなものも多く、なぜかモチーフかぶりもあるのが不思議な所だ。オリジナリティを出すというのは中々に難しい事だし、それを更に表現として成立させるというのは、至難の技ではないと思うが、逆に、そこにまた勝機も隠されていると思う。王道も素晴らしいが、隙間産業も捨てたものではないと思う。表現者としては、やはり流行りに乗っかるのはシャクだし、でも王道もやりたいし、の狭間でこれから一生戦う事になる訳だが、どうせこれからその道を通らざるを得ないのであれば、ギラギラしている時に、チャレンジングな表現をしてもらいたいと、切に願う。老獪なやり口がどんどんと身にしみている自分だからこそ、こういった機会をもらって講評する度に、少しだけ若返って背筋が伸びる思いだ。
【採点結果】
野口隆成:3点 和久田瑞希:3点 松田敬太朗:3点 藤原一弥:3点 高 飛:2点 石井雄大:2点 香月卓磨:1点 小南春斗:1点 浪越秋帆:1点 三原浩輝:1点
江場左知子
Fude
マットペインター
東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業・同大学院絵画研究科修了在学中に、(株)バンダイビジュアル・デジタルエンジン研究所勤務、その後、Motor/lieZ(モーターライズ)、(株)特撮研究所勤務を経てフリーランスに。2007年よりFude主宰。主な参加作品は『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『日本沈没』『宇宙兄弟』『のぼうの城』『永遠の0』『アルキメデスの大戦』『ゴーストブック おばけすかん』ほか
https://www.fude-vfx.com/
【総評】
今回、講評を書かせていただいた作品以外にも、光るところのあるものが沢山ありました。作者自身が工夫を凝らして楽しんで制作している作品は、見ていて面白いし、絵として魅力があるなと感じます。お仕事として作品に携わるようになっても、新しい学びと楽しむことを忘れずに制作に取り組んでいけるとよいと思います。
【採点結果】
高 飛:5点 小川遼一郎:4点 中村吹雪:4点 松田敬太朗:3点 福村知紘:3点 石井雄大:1点
山本原太郎
ドリームワークス・アニメーション
Character Look Development Lead
慶應義塾大学経済学部卒業後、オムニバス・ジャパンを経て2003年よりドリームワークスに転籍。代表作はマダガスカル、シュレック、ヒックとドラゴン、メガマインドなど。最新作は2022公開の『Badguys』『Puss in Boots2
https://www.dreamworks.com/
【総評】
今回の応募作品は力の入った作品が多いのが印象的でした。様々なツールを用いて、作品の内容も複雑に、レベルアップしていると思いました。審査をさせていただいている身としては、限られた点数の配分にとても苦労しました。これだけ皆様の情熱と技術力があれば、業界の将来も明るいと思います。どうかこれからも様々な作品を作り続けてほしいと思います。
【採点結果】
大橋昇悟:2点 野口隆成:1点 香月卓磨:1点 高 飛:1点 小南春斗:1点 石井雄大:1点 小川遼一郎:1点 藤原一弥:1点 佐々木ルヘール瑠唯:1点 梅田誠也:1点 新城青空:1点 Jason Yaputra:1点 矢野凌太朗:1点 河内宏実:1点 山崎太志:1点 須藤太陽:1点 立石優那:1点 髙橋佳奈:1点 大神康資:1点
東條あずさ
コンセプトアーティスト
同志社大学経済学部を卒業後、
https://twitter.com/azstj518
https://www.instagram.com/azuubanana/
【総評】
若いアーティストの方々の作品を見ることができてとても刺激になりました。独自の世界観を押し出したこ作品が多く素晴らしいです。面白いアイディアも多かったのですが、現実世界のものや映画、フォトグラフィー、名画のスタディをもっとしたそのアイディアをもっとうまく伝えられるようになるかも?という方が多かった気がします:)みなさんのご活躍をこれからも応援してます!!
【採点結果】
石川薫子:5点 大河原ひかり:5点 香月卓磨:2点 石井雄大:2点 木坂裕晴:2点 峯田愛子:2点 藤原大和:1点 松本有紗:1点
行弘 進
Niantic
Art Director
96年に映画『Independence Day』の製作に参加したのを皮切りに、20年以上に渡りMatte Artistとして50作品以上の映画製作に関わる。成熟した映画の世界から新しいARテクノロジーに魅力を感じ、2018年Industrial Light and Magicを退社。現在NianticでArt DirectorとしてAR開発に携わる。代表作:スターウォーズ/フォースの覚醒、パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト、ハリー・ポッターとアズカバンの囚人など。
nianticlabs.com/ja
【総評】
今回は前回よりも更にレベルの高い作品が多く、皆様のコンテストへの熱意が感じられました!本当に細かく作られている作品が多く、全体的にアセット制作のクオリティーレベルが上がっていると感じました。ただ、その一方で、構図、ライティング、色のバランスなど、魅力ある絵作りの要素が疎かになってる作品も多く見られました。あとほんの少しの工夫があれば、プロが作ったような絵と思えるような惜しい作品も沢山ありましたが、それぐらい将来有望な若い才能が出てきていることに自分自身インスパイアされました。
【採点結果】
野口隆成:3点 石井雄大:3点 和久田瑞希:2点 岡本啓太郎:2点 江澤幸紀:2点 香月卓磨:1点 石川薫子:1点 浪越秋帆:1点 中本 萌:1点 木坂裕晴:1点 山本晴之祐:1点 宗吉祥吾:1点 松本有紗:1点
田崎陽太
Khaki
Environment Artist/Generalist
ファンタジー・サイファイの世界観構築を得意とし、コンセプトアートからフィニッシュまで全てのワークフローを一貫して担当。2022年、ルーマニアbranchで活動。
https://khaki.tokyo/
【総評】
今回のコンテストには多くの参加者の方々から素晴らしい作品が多数出品され、審査員として非常に悩まされました。一般的に、技術力の高い作品が目立ちましたが、独自性や個性を感じさせる作品がもう少し増えて欲しかった印象もあります。 それでも、参加者の皆様は、作品制作に向けた熱意や努力、そして創造性を存分に発揮され、審査していく中で印象的な作品が数多くありました。 今後も、参加者の皆様が個性豊かで独創的な作品を制作し続けてくださることを期待しています!
【採点結果】
野口隆成:4点 香月卓磨:3点 Hiro Haru:3点 松田敬太朗:2点 藤原一弥:2点 金武倖平:2点 佐々木ルヘール瑠唯:1点 木坂裕晴:1点 三住 篤:1点 田村研人:1点
伊藤頼子
ビジュアルデザイナー・講師
アメリカの映像制作の現場で30年以上の経験を持つ。21歳の時に自費で渡米。絵本のイラストレーション、ゲーム業界を経て1997年DreamWorks Animationに参画し12年間勤務。ビジュアルデベロップメントアーティストとして携わった『マダガスカル』では、日本人として初めてアニメーション業界のオスカーと言われるアニー賞にノミネート。その後Sony Animation, Illumination Entertainment, Netflix animationに参画。現在アメリカやヨーロッパを拠点に、教育者として後進の育成にも力を入れる。
https://www.school.yorikoito.com/
【総評】
とても力作が多く採点に困りました。みなさん学生さんでまだまだこれからです。まだCGを初めたばかりの方などの力作があり、この先が頼もしいです。自分の得意分野を更に伸ばして、追求し、誰にも負けない力をつけてどんどん外に出て欲しいです。
【採点結果】
野口隆成:2点 高 飛:2点 小南春斗:2点 香月卓磨:1点 浪越秋帆:1点 Hiro Haru:1点 福村知紘:1点 趙 錦輝:1点 加藤 萌:1点 照井雄大:1点 Jason Yaputra:1点 倉澤輝圭:1点 久我菜桜:1点 山形一颯:1点 矢野凌太朗:1点 宗吉祥吾:1点 中川友葉:1点
鈴木卓矢
SAFEHOUSE
取締役・背景モデリングSV
大学卒業後、Square-EnixのVisualWorksに入社。その後アメリカに渡り、BlizzardEntertainment のCinematics 部署でSeniorArtistとして背景のデザインからモデリングまでを担当。2019年初めにドイツのArtDirectorとタッグを組んで、日本にSAFEHOUSE inc.を設立。自身の経験をもとにBlizzardと同じ環境レベルでのアーティスト教育を心掛けている。
http://safehouse.co.jp/
【総評】
毎回思いますが学生のクオリティーが高いですね。今回140作品ほど見させていただきましたが、クオリティーの平均化が始まってきているなと感じました。一番良いのを10のクオリティーとしたときに5、6、7あたりがすごく増えて平均値が年々上がってきましたなと。なので点数を1点2点あげたいなという作品が多くなってきたなとおもいます。その中でも基本を丁寧に作られているのは頭一つ抜けて、そこから表現力が高いのがさらに一つ抜けてきている印象です。点数を取れていない作品はみんな同じような課題を持っているようにも思えます。スケール感、質感、ライティングのどれかが欠けているような感じです。その逆もあって表現力は高いけど作り方が荒いなっていう作品も多いのも確かです。このトレンドが今度どうなっていくのか個人的にすごく楽しみです。
【採点結果】
野口隆成:4点 和久田瑞希:4点 香月卓磨:3点 松田敬太朗:3点 小南春斗:2点 石川薫子:2点 石井雄大:1点 中村吹雪:1点
宮川英久
Wizards of the Coast
シニアコンセプトアーティスト
熊本県出身。『Disneyland Resort: Guardians of the Galaxy – Mission Breakout!』(2017)、インドネシア最大級のテーマパーク『MNC Park』など、世界的なプロジェクトの第一線で活動。マイクロソフト・343 Industriesに所属しゲーム『HALO Infinite』のコンセプトアートを手がけた後、現在はWizards of the Coast社にて
シニアコンセプトアーティストとして勤務
https://www.artstation.com/supratio
https://twitter.com/HidehisaM
【総評】
全体的な作品の質が高い一方で荒削りながら非常に創造性豊かな作品も多い中で、見ていてとても楽しいと同時にクリエイターとして大いに刺激と学びを頂きました。ありがとうございます。そんな素晴らしい作品たちに講評し採点させていただく事は大変に光栄な事ですが同時に恐ろしくもあります。技術の研鑽も非常に重要では有りますが、だからと言って没個性にはなって欲しくないです。皆様のクリエイターとしての尖った部分を大切にして欲しいと心から思います。皆様の更なる飛躍を期待しています。
【採点結果】
和久田瑞希:3点 石井雄大:3点 松田敬太朗:2点 野口隆成:1点 香月卓磨:1点 石川薫子:1点 小川遼一郎:1点 佐々木ルヘール瑠唯:1点 浪越秋帆:1点 中本 萌:1点 西尾美樹:1点 河内宏実:1点 宗吉祥吾:1点 大神康資:1点 杉谷昂亮:1点
若杉 遼
CGWORLD編集長
Sony Pictures Imageworks
2012年にサンフランシスコの美術大学Academy of Art Universityを卒業後、Pixar Animation StudiosにてCGアニメーターとしてキャリアを始める。2015年にバンクーバーに移り、現在はSony Pictures Imageworksに所属。CGアニメーターとしての仕事の傍ら、CGアニメーションに特化したオンラインスクール「AnimationAid」を創設、現在も運営のほか講師としてクラスも教えている。
Twitter:@Ryowaks
【総評】
全体的にCGの画としてのクオリティの高さを目指しているだけでなく、映画のようなよりシネマティックなレイアウトを意識して作られているような作品が多かった印象です。シネマティック作品ではその世界観やストーリーが伝わらないと成立しないと思うのですが、しっかりとその辺りを意識して作られているのが作品を見ていて伝わりました。 CGをただ単に綺麗な映像を作るという目的ではなく、上手にその先の世界観やストーリーのための手段として使えていたので、作品の広がりやその奥や裏にある物語を見せてもらえた気がします! 本当にレベル高く細かな演出まで考えて作られていて、皆さんアーティストとしてとてもレベルが高い感じました。僕自身も作品をみていてとてもインスピレーションを頂きました、ありがとうございました!
【採点結果】
野口隆成:3点 松田敬太朗:3点 高 飛:3点 石井雄大:3点 小川遼一郎:3点 浪越秋帆:3点 足立壮太郎:2点
▼審査参加企業
コロッサス
誰かの作りたいを叶える! 株式会社コロッサスは創業以来、高解像度のキャラクター制作やフルCGムービーを数多く手がけてきました。 CGをただの技術としてではなくエンタテインメントの中でどう表現に結び付けていくのかを常に模索しています。
https://cgworld.jp/jobs/30000.html
【総評】佐藤桂(プロデューサー)
今回は、物語を感じる絵作りを心掛けている作品が多いように感じました。 1枚の絵で、テーマを決めて、みなさんが試行錯誤をしながら取り組んでいたことが、作品を見ただけで伝わりました。 これからもCGスキルを磨くだけではなく、いろんな作品を見て、考えて、私たちを魅了する作品を作って欲しいと思います。 一緒にがんばりましょう!
【採用対象】
23年度採用/24年度採用/CG未経験可(応相談)
コラット
コラットは3DCGを中心としたビジュアライズに特化した会社です。 映像分野、ゲーム分野、アニメ分野、その他イベントなど、様々な分野の制作経験があります。ジャンルに拘らないからこそ得られるノウハウがそこにはあります!
https://cgworld.jp/jobs/30381.html
【総評】オダイッセイ(映画監督/VFXスーパーバイザー)、鎌田友樹(CGIスーパーバイザー/LookDevスーパーバイザー)、山元太陽(CGI Producer)、米山和利(CGI Producer/代表取締役)
たくさんの応募作品があり、見せ方も千差万別なため楽しく採点/講評させて頂きました。今回弊社では4名の担当者がそれぞれの意見で講評させて頂いておりますが、それぞれ異なった意見となっております。さらに今回は数多くの企業/アーティストさんが講評されておりますので、1つの作品に対し様々な角度からの講評があると思います。決して正解は一つではございませんので、ご自身の中で腑に落ちたものから順に参考になさっていただければと思います。
【採用対象】
2023年度採用/2024年度採用/2025年度採用/アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可
Alche
Alcheは2019年に創業し、メンバーの平均年齢が20代のチームです。 VR・メタバース領域において日常をより色鮮やかにするようなデジタルコンテンツの開発を行っているクリエイティブチームです。 これまで、RADWIMPS様、フジテレビ様などのメタバースでのイベント、ライブ体験などを作ってきました。
https://cgworld.jp/jobs/30678.html
【総評】尾崎純一/川大揮
今年もCGWorld主催の"WHO's NEXT"が開催されました、その全体講評を記すにあたり、ますます高まる全体のレベルに改めて敬意を表します。年々上昇するクオリティは、参加者たちの熱意と努力の賜物であり、さまざまなジャンルからの応募が、その豊かな創造性を物語っています。2023年のWHO's NEXTでも、また新たな素晴らしい作品や作者に出会うことができ、多様な視点から楽しめる作品が揃っていました。2023年を境にCGの作り方、モデルの作り方はAIの台頭と共に変わってくるでしょう。その中で、日々の鍛錬などを作品にどう活かすか、来年以降も楽しみにしております。最後になりますが、弊社としては、このような作品制作の中で、新たな表現の舞台としてのメタバースという領域にも少し興味を持っていただける方がいれば幸いです。
【採用対象】
2023年度採用/2024年度採用/2025年度採用/アルバイト募集/インターン募集
slanted
自動車映像制作からはじまり、実写合成、背景制作、CGキャラクターアニメーションまで、VFX、フルCG、 あらゆる手法を駆使し、企画サポートから完パケまで、幅広く対応します。
https://cgworld.jp/jobs/30207.html
【総評】鈴木康友(CGディレクター)
応募作品数も多く、見ごたえのある作品も数あり審査に悩みました。まず一目見て引き付けられる絵かどうかを重視して、次に細部の作りこみを基準に採点させていただきました。印象に残った作品はどれもコンセプトとこだわりが伝わってくるものでした。今回講評させていただいて個人的にとても刺激を受けました。皆様の今後のご活躍を楽しみにしております。
【採用対象】
2023年度採用/2024年度採用/2025年度採用
プロダクション・アイジー
『最高の作品を作る』ことこそが、Production I.Gのミッションです。 その一点にスタッフ一同が向かっています。作品が完成し、自分の名前がクレジットされ、その作品によって、多くの人に感動を届けることができる。ほかでは得難い経験がここにはあります。
https://cgworld.jp/jobs/10098.html
【総評】中村智樹(CGプロデューサー)
今回は例年以上に背景モデラーの方が多い印象でした。また、リアリティある画作りが得意な方が増えているようにも感じます。一方で、振り切った作品が見てみたい、CGならではの表現が見てみたいとも感じました。来年就職の方も多くいらっしゃるようなので、次回以降そのような作品が見れたらと思います。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用
イメージ・ロジック
イメージ・ロジックは、COMPUTER GENERATED IMAGERY FOR "STORY". 3DCG・デジタルの力で「物語」を創るスタジオです。 ゲーム・アニメーション・劇場映画におけるCGを使った、3DCGアニメーション、VFX制作に力を入れており、新たなデジタルコンテンツの創出・展開を目標に据えています。
https://cgworld.jp/jobs/30522.html
【総評】道明浩平(マネージャー)
多くの方が多様な作品を応募されているだけあって、独自のテーマと強い物語性を感じる素敵な作品が多い印象でした。想像よりも若い方も多く、将来どのような作品を作っていくのかとても楽しみです。またゲームエンジンを使った作品も多く今後、リアルタイムレンダリングが主軸になっていく傾向かなっと感じました。まだまだ皆様が多くの作品を作っていくにあたってゲームエンジンを選択するというのが当たり前になっていくと思いますのでプリレンダリングと遜色のない作品を期待していきたいと存じます。アーティストとしてとして活躍されていく皆様とご一緒にお仕事を出来る時をお待ちしております。
【採用対象】
2023年度採用/2024年度採用/2025年度採用/CG未経験可
アニマ
『スゴイをカタチに。』をVISIONとし、ハイクオリティなCG映像を中心にオリジナル作品も手掛けるアニメーションスタジオです。昨年6月より、オリジナル映像作品の制作を目標に、ANIMAオリジナル作品出版プロジェクトを始動いたしました。
https://cgworld.jp/stdatabase/10009.html
【総評】沖島 亨(キャラクターデパートメントマネージャー)
今回、このような素晴らしいコンテストに参加させて頂きありがとうございました。個性的で魅力的な作品が多く、どれも素晴らしいものばかりでした。そして「WhosNext」を目標に労力を注いできたクリエーターの皆様、本当にお疲れさまでした。未来を担うデザイナーとして、今後の活躍に期待しています。皆様とお仕事ができることを楽しみにしています。
【採用対象】
2023年度採用/2024年度採用/インターン募集
ジェットスタジオ
【Don't stop exploring and Go on creating the future.】 ジェットスタジオは2001年にスタートしたCGプロダクションです。2011年にはベトナムのホーチミン市に「JET STUDIO VIETNAM INC.」を設立し、「グローバル × クリエイティブ」という新たなビジネスモデルにも挑戦しています。
https://cgworld.jp/jobs/46.html
【総評】石井裕(CGディレクター)
今回初めて参加させていただきましたが個性的で各々のこだわりが色濃く出た作品が多く、一つ一つをとても楽しく拝見することができました。業界的にもパッと見のクオリティは年々上がっていっている印象ではありますがやはり最後に差が出てくるのは強いこだわりの部分だと思っています。このコンテストではしっかりとしたコンセプトやこだわりをもって作品作りに臨まれている方が多い印象で自らも良い刺激をもらうことができました。今回のように自分の好きなものをいかに相手によく見せてやろうか、というチャレンジは今後の仕事にもいかせる貴重な体験だと思います。これからもその気持ちを忘れずに制作続けていってください。皆様の今後のご活躍を楽しみにしております!
【採用対象】
2023年度採用/2024年度採用
トゥエンティイレイブン
わたしたちトゥエンティイレブンは、「最高クオリティー」を追求するCGデザイナー集団です。ひたむきに「最高クオリティー」を追求してきました。その姿勢、実績が高く評価され、今日では数多くの企業から有名タイトルのCG、VFXの製作をご依頼いただき、厚い信頼を得ています。
https://cgworld.jp/jobs/30481.html
【総評】尾関昭宏(CGディレクター)
今回数多くの作品を拝見させていただき、その中から直感的に魅力を感じた作品に加点致しました。コメントはで仕事で求められるような内容を意識してコメントさせていただきましたが、更なるクオリティアップに活かしていただければ幸いです。
皆さんの今後のご活躍を楽しみにしております。
【採用対象】
2023年度採用/2024年度採用/アルバイト募集/インターン募集
神央薬品
映画、CM、ゲーム等ジャンルに縛られず実写からフルCG、アニメと分野に拘らずクオリティの高いアニメーションによって映像に命を吹き込む事を得意とするプロダクションです。2021年度よりVFX·エフェクト部門を設立しより幅広い部門での対応が可能になるようになりました。
https://cgworld.jp/jobs/21046.html
【総評】ノブタコウイチ(CGディレクター/プロデューサー)
今回も非常に多くの作品が応募されてその意欲・意識の高さに毎回驚かされております。また年々クオリティが上がっているのもただただ関心しております。
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用
グラフィニカ
私たちグラフィニカは、アニメーションを中心に幅広いジャンルで様々な映像制作を請け負っています。 作画や仕上、3DCGといったパート単位での受託案件で高いクオリティを発揮することはもちろん、総合力を発揮して元請制作も可能な「総合デジタルスタジオ」です。
https://cgworld.jp/jobs/10159.html
【総評】3DCG部(スタッフ一同)
参加頂いた皆様、作品制作お疲れ様でした! これまでにない技術や表現をところどころに強く感じる作品がたくさんあり、選考が大変でしたが、画面の密度だけでなくストーリー性も感じさせる作品を中心に選ばせてもらいました。見た目だけの完成度ではなくビジュアルに意味を込めて楽しむことができる作品は強いと思います。今後も色々なものを観て作品を作っていって欲しいです。皆様の今後の伸びしろに大いに期待しております。
【採用対象】
2024年度採用/インターン募集/CG未経験可(札幌スタジオのみ)
ポリゴン・ピクチュアズ
ポリゴン・ピクチュアズは1983年創立の、世界の中でも有数の歴史と実績を誇るデジタルアニメーションスタジオです。国内外から集結した300名以上のクリエーターが、日々コンテンツの企画制作に力を注いでいます。
https://cgworld.jp/jobs/10101.html
【総評】坂間健太(CGディレクター)
こんなものが作りたい!そんな気持ちが爆発している作品が多くあって自分も良い刺激を頂けました。プロとして映像を作り続ける上で一番大事なのはそんなモチベーションだと思います。この先制約も増えていくでしょう。大変な作業で疲弊もするかも知れません。
そんな中でもなお輝いていけるのは「面白そう!」を持ち続けられる人だと思います。今、この時期に考えている事や思っている事を大事にしてください。一緒に仕事ができる日を楽しみにしています!
【採用対象】
2024年度採用/2025年度採用/インターン募集
インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス
弊社は2012年5月にCGプロダクションとして発足し、VFXやイベント演出など様々なコンテンツのCG制作を担当してまいりました。現在はゲーム案件やARなどのエンターテインメントコンテンツに軸足を置き、そこで得たリアルタイム技術の知見を活かしながら、幅広いコンテンツのCG制作・企画・演出を行っております。
https://cgworld.jp/jobs/30125.html
【総評】ディレクター一同
平均レベルが今回もまた一段上がってきた印象です。例年にくらべると絵作り、ライティングで魅せることに注力している作品が多く、アセットのクオリティで勝負している作品は少なく感じました。全体的に絵作りとしてうまくまとまっている作品が多いのですが、教科書的な枠組みの絵作りに収まってしまっている印象も同時に受けました。そのため、似通った印象を受けるものが多く、抜きん出て良いと感じた作品はありませんでした。難しい話ですが、学んだ知識をそのまま使うのではなく、自分なりの表現にうまく利用することができれば、より個性的で魅力的な作品を作っていけると思います。皆さまの今後の飛躍に期待しつつ、いつかお仕事でご一緒できる機会を楽しみにしております。
【採用対象】
2023年度採用/2024年度採用/2025年度採用/インターン募集/CG未経験可(研修生制度)
デジタル・メディア・ラボ
ハイエンドのCG技術はもちろん、コンセプトワークやデザインワークも含めた総合的な映像制作を行えるプロダクションスタジオ。 SIGGRAPHやANNECYを初めとした海外コンテストの入賞作多数。 近年、リアルタイムCGにも力を入れておりUNREALENGINEやUNITYの納品実績もあり。
https://cgworld.jp/jobs/10070.html
【総評】佐藤・鈴木・李・ギギ・内田(モデラー・ルックデブアーティスト)
作品の幅も広がり、さらに見ごたえが増しました! 毎回クオリティアップしており、こんな優秀なアーティストが業界に入ってくることと思うと、とても楽しみです!
【採用対象】
2023年度採用/2024年度採用/2025年度採用/アルバイト募集/インターン募集
メタサイト
札幌にあるCGプロダクションです。主にBlenderを利用した3DCGを中心に映像コンテンツ制作を行っておりますが、特にジャンルを決めずに楽しい事を追求して行きたいと考えています。Live2Dなどの2Dアニメーション制作からハイエンド3DCGまで。トリックアートやウェデイングムービーなど多様なコンテンツ制作を手掛けています。
https://cgworld.jp/jobs/30529.html
【総評】菅原一敏(CEO/CGIディレクター)
全体的に絵作りが上手な作品が多い印象を受けました。雰囲気が良い作品は見る側も気分が良くなりますね。ディティールの詰めが年々良くなっているのですが、違和感に気を配って作られると尚良くなると思います。今後もますます良い作品と巡り会いたいです。
【採用対象】
2023年度採用/2024年度採用/2025年度採用/インターン募集
CyberHuman Productions
CyberHuman Productionsは、「技術(Cyber)」と「人間(Human)」の融合を目指すクリエイター集団です。 AI・CG等の技術とクリエイターの力で、クリエイティブの新しいステージを切り拓き、インターネットを通じて、渋谷から世界を震撼させます。
https://cgworld.jp/jobs/30372.html
【総評】CGディレクター/3DCGアーティスト一同
社員総動員で審査をさせていただきましたが、皆さんのこだわり抜いた作品を拝見することができて、一同刺激を受けながら審査をさせていただきました。「こんなに表現できるの?」と驚く事も多々あり、表現力・想像力の高さを感じました。自分自身の作品の意図を相手に伝える機会はとても貴重です。この機会に自ら挑戦している皆さんは大変素晴らしいと思います。CyberHuman Productionsは、従来の慣習にとらわれず3DCG/AI/XR等の最新技術を使用した新しいクリエイティブ作りに挑戦しています(株式会社サイバーエージェント小会社)。今後アーティストとして活躍されていくであろう皆様とお仕事をご一緒できることを楽しみにしています。
【採用対象】
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