作品02:「退屈する」
投稿作品先ほどの作品よりはシンプルなポーズです。シンプルなアイデアだけに、先ほどのポーズよりももっとよくできた、完璧に近い素晴らしいポーズだと思います。ここではさらに良くするために、ポーズのコントラストについて考えてみます。
Point 1:コントラストコントラストというのはいわゆる、"対比"という考え方です。以前の記事でも書きましたが、僕がポーズを作るときに大切にしている基準があります。それが、"緊張と緩和"という考え方です。
"緊張と緩和"の基本的な考え方に関しては、以前の記事やブログに詳しく説明しているのですが、ここでは、もう少しシンプルに、ポーズを作るときにこの考え方をどのように実践するかという話をしてみようと思います。
"緊張と緩和"というのは、要は力が入っているか、入っていないかということなのですが、この考え方は必ずしも複雑である必要はありません。どういうことかと言うと、線などの抽象的なデザインからでもこの"緊張と緩和"という印象を作ることができるのです。
例えば、直線というのはどちらかというと緊張の(力が入った)印象があると思います。また、それに対して曲線は緩和の(力が抜けた)印象があります。このポーズでは、この2種類の線の印象のちがいを対比として見せることで、この2人のキャラクターのちがいをよりはっきりと見せられるかなと思います。
ドローオーバー左の女の子はしっかりと集中していて体は"緊張"している様子なので、全体的にもう少し直線に沿うようなポーズにしています。右のキャラクターはそのままでも曲線の印象なのですが、足を少し崩したり、頭の角度をもう少しつけることで曲線を強調すると、全体的に"緩和"の印象がつくれるのではと思いました。
今回の添削はこんな感じです。最後に、いつもエイド宿題に参加してくださってありがとうございます! 皆さん本当に素晴らしいポーズをつくってくださるので、僕も勉強させていただいています。ぜひまた今後も参加してくださると嬉しいです!
「エイド宿題」とは?
「エイド宿題」はTwitterで始めたクリエイターの皆さんへ向けた新しい企画です。オンラインスクールAnimationAidのクラス内で出している「ポーズをつくる」という課題を、Twitterでみんなでやってみようというとってもシンプルな企画です。
●参加方法とやり方
・毎週月曜日にTwitter(@ryowaks)でその週のお題を発表するので、そのお題に沿ったポーズをつくってみましょう。
・CGでつくった、もしくは絵で描いたポーズにハッシュタグ(#エイド宿題)をつけてTwitterに上げましょう。
・ぜひハッシュタグで検索して、他の人がつくったポーズも見てみましょう。
・エイド宿題とは?
https://ryowaks.com/what-is-aidshukudai/
・エイド宿題 これまでのお題
https://ryowaks.com/category/aidshukudai/
Profile.
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若杉 遼/Ryo Wakasugi
2012年にサンフランシスコの美術大学Academy of Art Universityを卒業後、Pixar Animation StudiosにてCGアニメーターとしてキャリアを始める。2015年にサンフランシスコからカナダのバンクーバーに移り、現在はSony Pictures Imageworksに所属。CGアニメーターとしての仕事の傍ら、CGアニメーションに特化したオンラインスクール「AnimationAid」を創設、現在も運営のほか講師としてクラスも教えている。これまでに参加した作品は『アングリーバード』(2016)、『コウノトリ大作戦!』(2016)、『スマーフ スマーフェットと秘密の大冒険』(2017)、『絵文字の国のジーン』(2018)、『スモールフット』(2018)、『スパイダーマン:スパイダーバース』(2019)など
●若杉遼 ブログ わかすぎものがたり
ryowaks.com
●AnimationAid
animation-aid.com