>   >  Villard スカルプティング・ラウンジ:Vol.01 Deer phantom beast [鹿 幻獣]~Concept Model 20周年記念・3ヶ月連続新連載第1弾!
Vol.01 Deer phantom beast [鹿 幻獣]~Concept Model 20周年記念・3ヶ月連続新連載第1弾!

Vol.01 Deer phantom beast [鹿 幻獣]~Concept Model 20周年記念・3ヶ月連続新連載第1弾!

STEP 04:Subdivision Levelsに切り替えてディテールをつくり込む

全体のスカルプト、パーツ作成が済んだら、ディテールのつくり込みに入っていきます。DynaMeshを切り、Subdivision Levelを各パーツにもたせていきます。DynaMeshの状態より、Subdivision Level状態の方が操作が軽く、より高ポリゴンを扱えます。またマテリアルをBlinnに変更してスペキュラを表示させ、より形状を把握しながら整えていきます。アルファなども効率的に使用していきます。


  • 正面からもしっかり確認します

  • ハイライトを載せて、毛と身体の密度感を確かめます


  • 2つの角はまったく同じにせず、差が出るようにします

  • 頭の角と質感が似ないように注意します

STEP 05:KeyShotでのレンダリング

モデルが準備できたらKeyShotに送りレンダリングしていきます。このとき、ZBrush to KeyShot Bridgeというプラグインを使用すれば、BPRボタンを押すだけでZBrushからKeyShotにモデルを転送できるので非常に便利です。今回は2つのライトと、KeyShotに標準搭載のAversis_Industrial-kitchen_3k.hdzの環境でレンダリングを行いました。マテリアルは「Tango Marble-41583」というフリー素材を使用しています。ライティングで作品の品質は格段に変わるので、自分の納得のいくライティングになるように作業を進めましょう。


STEP 06:Photoshopでの調整

レンダリングが終わったら、次にPhotoshopで色味の微調整や被写界深度などを加えていきます。一枚画の場合はレンダリング段階よりもPhotoshopで被写界深度を加える方が手っ取り早くねらった効果を得やすいです。また、作業をより効率的に行えるようにクラウン、奥行き、ノーマルの各マップを出力しておくと非常に便利です。


クラウン


奥行き


ノーマル


完成


今回は荒々しい造形でも美しさを演出してみました。バックライトを強くすることでより躍動感も演出でき、全体的に纏まりのある美しい作品になったのではと思います。



Profile.

  • 岡田恵太/Keita Okada(Villard Inc.)
    デジタルスカルプター、3Dコンセプトアーティスト。1991年7月生まれ、広島県出身。2012年大阪の専門学校を卒業後、大阪のゲーム会社に就職。2013年に退職し上京した後、1年ほど建設現場の作業員(荷揚げ屋)などをしながらZBrushを独学で習得し東京のゲーム会社へ就職。2015年からフリーランスとなり、PS4用ゲームのDLC『Bloodborne The Old Hunters』をはじめ主にクリーチャーなどのコンセプトモデルを手がける。2017年3月、新会社「Villard」を設立
    www.artstation.com/artist/yuzuki
    www.villard.co.jp




その他の連載