>   >  Villard スカルプティング・ラウンジ:Vol.31 Lion phantom beast [獅子 幻獣] ~Concept Model
Vol.31 Lion phantom beast [獅子 幻獣] ~Concept Model

Vol.31 Lion phantom beast [獅子 幻獣] ~Concept Model

STEP 04:全体の造形を仕上げる

今回のモチーフの象徴となる角を追加してより強く抽象的な印象を与え、さらにたてがみをはじめ全体のブラッシュアップをしていきます。造形が完成したら、仕上げに向けて準備をしていきましょう。


  • 【1】角を作成していきます。この角は草食動物系の角ですが、格好良いのでこの形を採用しました

  • 【2】角は目がいくポイントなので、細部までディテールを加えていきます。たてがみのディテールも追加しました


  • 【3】螺旋状の角の造形に沿うように追加しました

  • 【4】全てをディテールで埋め尽くすとうるさいだけの作品になってしまうため、緩急を意識します


【5】造形はほぼ完成です


【6】ZRemesherを使用しながらローポリゴンモデルを作成します


【7】ディテールを精査して造形は完了です


【ポイント】たてがみは特に情報量が多いですが、あえてディテールを潰すことで緩急を生んでいます

【8】KeyShotでの確認画面



STEP 05:レンダリング

ZBrushでの造形が終わったらMayaでUVの整理を行い、Substance Painterでテクスチャを作成してIrayでレンダリングします。今回は、生き物としてではなく「造形物」であることをイメージしているので、風化した感じやダメージ表現が必要です。高解像度での作業ができるように、UVはUDIM形式で作成しました。Substance PainterもUDIMに対応しているので、特に問題なく作業を進めることができます。


  • 【1】Arnoldでのレンダリング等ではなくディスプレイスメントマップを使用しないので、ローポリゴンモデルでもポリゴン多めで進めます。ゲームなどで使用するキャラクターモデルではないので、神経質になる必要はありません

  • 【2】ディテールの詰まったたてがみや目の行きやすい頭部周辺は、ポリゴンを多めにしています


【3】ローモデルでもそこそこディテールがありますね


【4】ZBrushのUV Masterで開いたUV。UDIM形式にしています。今回は4Kで進めていきます

【5】Substance Painterでのベイク用モデル。ディテールをしっかりと確保しています


【6】造形物のような風合いを目指して、Substance Painterでテクスチャを仕上げていきます


【7】色数が少ないと魅力が半減してしまうので、ある程度の色数になるように意識します



完成

▲Irayでレンダリングしたら完成です!

今回は造形物のようなイメージに仕上がるよう進めましたが、筆者の作風的にもこういったスタイルが心地良いと感じています。

Profile.

  • 岡田恵太/Keita Okada(Villard Inc.)
    デジタルスカルプター、3Dコンセプトアーティスト。1991年7月生まれ、広島県出身。2012年大阪の専門学校を卒業後、大阪のゲーム会社に就職。2013年に退職し上京した後、1年ほど建設現場の作業員(荷揚げ屋)などをしながらZBrushを独学で習得し東京のゲーム会社へ就職。2015年からフリーランスとなり、PS4用ゲームのDLC『Bloodborne The Old Hunters』をはじめ主にクリーチャーなどのコンセプトモデルを手がける。2017年3月、新会社「Villard」を設立
    www.artstation.com/artist/yuzuki
    www.villard.co.jp


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