>   >  新・海外で働く日本人アーティスト:第13回:小林 烈(Skulley FX - CG / VFX Supervisor)
第13回:小林 烈(Skulley FX - CG / VFX Supervisor)

第13回:小林 烈(Skulley FX - CG / VFX Supervisor)

<2>CG/VFX Supervisorとして、楽しみながら試行錯誤を重ねる日々

ーー現在の勤務先は、どんな会社でしょうか。

Skulley FXは、元々はミュージックビデオの仕事を多く手がける会社でした。ビヨンセ、マライヤ・キャリー、ケーティー・ペリー、レディー・ガガなど、有名なアーティストの仕事に参加させてもらいました。入社してから何年か経った後に少しずつ映画やコマーシャル、テレビショーに移行し、最近ではテレビドラマの『ウエストワールド』 、映画では『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』『ワイルド・スピード ICE BREAK』、『アノマリサ』 などに携わっています。『アノマリサ』でははじめてストップ・モーション・アニメーションに挑戦したのですが、この作品は2016年の第88回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされました。

『アノマリサ』予告編
© Anomalisa, LLC 2015. (C) 2016 Paramount Pictures.

ーー現在、携わっているお仕事の面白いところはどんな点でしょうか。

現在はCG/VFX Supervisorとして働いています。まだわからないことだらけで試行錯誤の毎日ですが、仕事のための勉強やプレッシャーもやり甲斐になっていて楽しいです。僕のメチャクチャな英語にもイライラしないで一緒に働いてくれている仲間達には感謝ですね(笑)。また、撮影現場に行くことも楽しみの1つです。撮影のやり方ひとつで、その後の僕らの仕事が楽にも大変にもなるため責任重大で緊張しますが、オフィスで働く時間が長い僕にとっては、とても新鮮で刺激になります。


社内BBQ大会にて

ーー将来、海外で働きたい人へのアドバイスをお願いします

僕の周りには、僕も含めてアメリカにやって来て後悔している人は1人もいないです。なので「思い立ったら、すぐ海外に行きましょう!」......と言いたいところですが、現在、アメリカでは就労ビザを取るのが難しくなってきているので、できれば日本で実務経験を積んで"自分の強み"をデモリールで表現できるようになってからの方がよいと思います。現在のアメリカの状況を考えると、もしかすると日本で経験を積むことがいちばんの近道(※)かもしれません。日本で実務経験があった知人たちは、アメリカで働いていた人たちの紹介でビザもサポートしてもらい、スムーズに海外での就職を決めていたようです。日本人アーティストは真面目に働くこともあり、気に入られることが多いようなので、ぜひがんばってみてください。

※日本で現場経験を積んでおくとO-1ビザを取得できる可能性が高くなる。詳細については書籍『ハリウッドVFX業界就職の手引き』の「第2章:アメリカの01ビザについて」にもあり

【ビザ取得のキーワード】

1.美容室Hair & Make Earthでアート・ディレクターとして働く
2.F-1ビザを取りアメリカへ留学
3.カリフォルニア州立大学ノースリッジ校アート専攻アニメーション学部を卒業
4.Skulley FXに就職しH-1Bビザを取得、3年間経験を積みO-1 ビザを取得。現在は、グリーンカードを申請中

info.

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    www.borndigital.co.jp/book/648.html

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