<2>海外での就職を希望する人は「悩む前に行動を!」
――現在の勤務先はどんな会社でしょうか。簡単にご紹介ください。
Digic Picturesは、主にゲームのシネマティクスムービーを制作しています。常にプロジェクトを複数走らせていて、様々なテイストの作品にチャレンジすることができます。勤務時間は朝9時から18時までの8時間で、18時にはほとんどの人が帰っています。おかげでワーク・ライフ・バランスのとれた生活ができるようになりました。また、イベントも大切にする会社で、チームビルディングやクリスマスのほか、1年に1度D-DAYという社員全員で遊ぶイベントがあります。
Call Of Duty: WWII - DIGIC Pictures Drama Reel
――現在のお仕事の面白いところは、どんな点でしょうか。
私は基本的には背景のジェネラリストとして、レイアウト、モデリングからテクスチャ、ルックデヴまで一貫して担当しています。プロダクション・コンセプトや、マットペイントまで作業することもあり、ゲームのストーリーテリングを考えながら世界観を構築していく作業は、とても楽しいですね。基本的に自由度が高く、コンセプトからずれなければ、自分のやりたい表現ができます。特に、私は想像力を使って自分で絵づくりしていく作業が好きなので、今の仕事はあっていますし、アーティストとしても非常にやりがいがあります。Digic Picturesの強みである、世界から注目されているゲームのシネマティックスに関われるというのもモチベーションになりますね!
――英語や英会話のスキル習得はどのようにされましたか?
初めはPodcastを聞いたり英語教材などで独自に学んでいましたが、アウトプットの練習をしたいと思い、英会話教室に通い始めました。基本的に「自分の言いたいことを英語で言えるようになりたい」という目標をもっていたので、マンツーマン形式で、毎回の授業内容をカスタマイズできる場所を選びました。その都度、自分の苦手な文法の部分や、面接前には自分で聞かれるであろう質問集をつくり、それを使って面接対策などをしてもらいました。また、The Gnomon Workshopなどのセミナー動画で、プロセスを伝えるための言いまわしの勉強もしました。
日常会話に関しては、友人や同僚との会話が効果的でした。その点、PPIで働いていたときは外国からのスタッフが多かったため、日常的に英語を話す機会があり、学んだ英語をアウトプットできて勉強になりました。PPIではほかのスタッフも英語に対する意識が高く、良い環境であったと思っております。
――将来、海外で働きたい人へのアドバイスをお願いします。
海外のスタジオで働きたいと思っている方は、悩みすぎる前に行動に移すことをおすすめします!
悩むだけの1ヵ月と実行した1ヵ月とでは大きな差があると思います。まずは、飛び込んでみてから判断する。そして、目の前の問題の具体的な解決策を探っていったほうが、より早くゴールに近づけるかと思います。そのときの状況と周りの反応で、やるべきことや目標が見えてくるはずです。
ねらいの会社に見てもらえる作品制作や、会社の使用しているツールを学ぶなど、常に自分自身で分析を行い、できるだけ早く実行しましょう! とくに英語は仕事でも生活でも重要になってきますので、早めに準備するとよいと思います。そして何よりも大事だと思うのがタイミングです。つねにアンテナを張って、チャンスを逃さないようにしましょう。自分の力を信じて恐れずに目標に向かって一歩踏み出してください!
お仕事中の横井さん。自由度が高く、やりがいのある環境だと言う
【ビザ取得のキーワード】
1.日本大学芸術学部デザイン学科を卒業する
2.日本国内の著名なゲーム・スタジオでキャリアを積む
3.3年間、SIGGRAPHやLinkedinなどで海外スタジオの情報を幅広く収集する
4.ハンガリーのDigic Picturesに就職、就労ビザを取得
info.
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