<2>Pixomondoで映画・TVシリーズのVFX制作に打ち込む日々
――現在の勤務先は、どんな会社でしょうか。
Pixomondo Torontoは主に『パワーレンジャー』、『スター・トレック:ディスカバリー』など、映画やTVシリーズのVFXを制作しています。リラックスした環境で、アーティストを「アーティストでいさせてもらえる」、実に落ち着いたスタジオです。もちろん、職業柄忙しい時期もありますが、基本勤務時間はフレッキシブルなので、朝が苦手な人や僕のように小さな子供がいる人にも優しい会社です。共働きですが、朝夜と家族との時間がとれるのでとてもありがたいです。
――現在のポジションの面白いところは何でしょうか。
Pixomondoでは、主にクリーチャーを担当しており、現在は『スター・ウォーズ』関連のプロジェクトの新作に携わっています。アセットの最初から最後まで(モデル、テクスチャ、ルックデヴ)をやらせてもらえるので「自分のもの感」と思い入れがあり、やりがいがあります。Soho VFX時代から積み重ねてきたMayaのスクリプト能力も評価され、気分転換でコードを組めるので飽きることがないです。
「アセットの最初から最後までまかせてもらえるので、思い入れとやりがいがある」と高坂氏
――英語や英会話のスキルはどのように習得されましたか?
僕はアメリカで育ちました。習得のコツは、英会話に慣れること、英語で考えることだと思います。とはいえ、幼少の頃は学校でも日本人だらけの学校でしたので、ESL(外国人向けの英語クラス)を抜け出すのにそこそこ苦労しました。
英語は完璧じゃなくていいんです。大事なのは「コミュニケーション=伝えること」ですが、僕の周りでは英語を聞くのが苦手で指示通りにタスクをこなせていないケースや、うまく説明できていないケースなどを見てきています。今では動画サイトなどでも英語が勉強できます。好きなコンテンツを英語でひたすら聞くのもいいですが、やはり実践に勝るものはないと思います。
――将来、海外で働きたい人へのアドバイスをお願いします。
いきなり大手に入る必要はないので、まず入れるスタジオから入って1、2年の経験を得て、移籍するのもありです。日本人は才能があるのに、海外に進出する人は未だに少ないです。
面接ではデモリールを見せながら、「自分が何を担当したのか、何をサポートしたのか」、などを自信をもって自分を売ることができれば、大抵チャンスはもらえます。
人事も暇ではありません。デモリールを見て、優れた人材だと思わなければ、面接はしません。後はその人の人柄や、「ホンモノ」なのかを見ます。応募の返事がなくても、面接で失敗しても、自分には適任だと思ったのならば、受かるまでひたすら頑張ってください! 応援しています!
Pixomondo Torontoのアセットチームと
【ビザ取得のキーワード】
1.アメリカで育ち、永住権を得る
2.日本国籍の妻の永住権取得の為、アメリカ国籍を取得
3.妻のカナダへの転職と同時に妻を通してカナダの就労ビザを取得
4.2年後カナダで永住権を得る
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