>   >  新・海外で働く日本人アーティスト:アメリカから日本のゲーム会社に就職、そしてまたアメリカへ......。第18回:小島研人(Animation Director 兼 Vlogger)
アメリカから日本のゲーム会社に就職、そしてまたアメリカへ......。第18回:小島研人(Animation Director 兼 Vlogger)

アメリカから日本のゲーム会社に就職、そしてまたアメリカへ......。第18回:小島研人(Animation Director 兼 Vlogger)

<2>アニメーションディレクターの仕事をこなしながらVloggerとして情報を発信中

ーー現在、所属している会社でのお仕事で、面白いと感じているのはどんな点でしょうか。

小島:僕はゲームのキャラクターを動かす仕事をしているのですが、ここ数年でゲームエンジンとゲーム機のスペックが飛躍的に向上したため、今まで表現できなかったことがたくさんできるようになり、やりがいを感じています。僕が目標としているのは"ゲームのキャラクターをあたかも生きているように見せる"ということです。

ーー実際のお仕事では、どのような作業をされているのでしょうか。

主なワークフローは、下記のようなながれとなります。

  • ①クリエイティブディレクターとアートディレクターと一緒にゲームに登場するキャラクター像を決める
  • ②プロデューサーと一緒にモーションキャプチャの役者をオーディションで選定
  • ③テクニカルアニメーターと一緒にモーションキャプチャのプロセスをはじめとするアニメーションパイプラインの構築
  • ④クオリティや仕事の速度などを取り決めるための「Visual High Bar」を制作してプロジェクトのメンバーにプレゼンする

......あとはチームメイトに仕事を割り当てて、僕自信は誰もやりたがらないアニメーションの雑務を細々とこなしながら、チームのマネジメントに注力します。


ベイエリアで働く日本人CGクリエイターの皆さんと

ーー英会話のスキル習得のためには、どんな勉強法が効果的だと思いますか?

小島:海外に共通の趣味をもつ友人をつくることをオススメします。僕の場合ですと13歳で英語を話せない状態で渡米し、3ヶ月の間はほとんど誰とも話さずじまいだったんですが、その後、アメリカに持参したPCエンジンとメガドライブを武器に、現地の友達をつくる作戦を実行しました。そのおかげでゲーム好きの友達がたくさんできて、英会話もなんとなくできるようになりましたね。今ならSNSで似たような趣味をもつ人たちとつながりやすくなっているのではないでしょうか。Facebookやどこかのカンファレンス、友人のパーティーなどで出会った人とつながり、そこから英語で会話できるような関係をつくっていけるような気がします。

ーー最後に、将来、海外で働きたい日本のデジタル・アーティストへのアドバイスをお願いします。

小島:アメリカで長い間、アニメーターの採用担当者として応募者のレジュメやデモリールに目を通しているのですが、率直に言うと、就労ビザのサポートが必要な応募者の情報は僕のところまできません。全てリクルーターの書類選考でボツになってしまうからです。こちらの会社は採用する際に、引っ越し費用やビザサポート費用などを抑えるため、地元のスタッフから優先的に探すといったことが多いように思えます。

なので、まず海外で就職する上で大前提となるのが「転職先の企業にほしいと思わせるスキルをもっている」ということ。次に重要なのはコネづくりです。例えば5のスキルをもったAさんと、同じレベルのスキルをもっていて、かつ社員から紹介されたBさんがいた場合、断然Bさんの方が採用されやすくなりますから。LinkedInというSNSを使ってリクルーターが良い人材を探していますので、まずLinkedInでコネクションを増やすことをオススメします。最近、アメリカでのビザ取得は特に難しくなっていますが、必ずしも無理ではないと思います。また、アメリカ以外にもカナダなど、CGやゲームの会社が多い国では比較的ビザが取得しやすいと聞きますので、皆さんがんばってください!

最後に、僕のKentoonVlogと言うYouTubeチャンネルでは、アメリカ生活をテーマに様々な動画を配信しています。その中でも「アメリカの会社で働く」というシリーズの動画が、この「海外で働く」シリーズファンの方に楽しんでいただける内容になっていると思いますので、よろしければご視聴ください!

KentoonVlog「アメリカの会社を退職するプロセスを解説してみました」

【ビザ取得のキーワード】

1.アカデミー・オブ・アート大学を卒業後、日本へ帰国
2.ナムコで『鉄拳』や『ソウルキャリバー』などのプロジェクトで実績を積む
3.再渡米しルーカスアーツに入社、O-1ビザを取得
4.ルーカスアーツ入社1年半後にグリーンカードを取得

info.

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