<2>日本本社のマネジメントも兼任しながら、バンコクのスタジオで社長として働く多忙な日々
――現在のお仕事で、おもしろいと感じる点はどんなところでしょうか。
日本と異なることが日常茶飯事なので、「海外で働いているな」と実感できる点がおもしろいですね。とは言え、大変なこともあります。たとえば言葉の壁がありますので、クライアントからいただく指示をタイ人のスタッフに伝えるのにとても苦労しますね。通訳に間に入ってもらって話をしていますが、たまに日本人でも理解が難しいような日本語の資料があり、その内容をクライアントの意図とずれることなく、うまく説明するのが大変です。また、会社の代表として会社のルールを決めていますが、タイ人スタッフのモチベーションが上がるようなルールについて相談しているときなどにも、文化のちがいを感じます。今後は他の会社にはない就業規則や福利厚生などを取り入れて、社員の定着率アップや新入社員募集に力を入れていきたいです。
――日本本社でもお仕事されているそうですね。
現在は、日本にあるアティック本社のマネジメント業務も兼任していますので、毎月1回、日本に戻り、本社の管理業務にも携わっています。アティックにいるリーダーやマネージャーに協力していただきながら、企業としてより良くなるよう、日々取り組んでいます。最近では東京とタイで作業の効率を上げられるよう、パイプライン制作に力を入れています。また、アティックでもデジタルアーティストとプロダクションマネージャーを募集していますので、興味をもっていただける方がいましたら、応募をお待ちしております(※詳細はコチラ)。
――バンコクでの生活はいかがですか?
バンコクは毎日暑いです。最高気温は日本の真夏日と変わらないと思うのですが、暑いのに室内に入るとエアコンが効き過ぎで、とにかく寒いです(笑)。毎年、雨季になると道路の冠水がすごく、大人の膝くらいの高さまで水が溜まります。
――タイ語や英語はどのように習得されましたか?
現在はタイに住んでいますが英語を全く使わないという日はなく、3割ほどは英語で会話しています。英語については高校を卒業した後に、数ヵ月アメリカに住んでいたことがあるので、昔の記憶を頼りに簡単な言葉でコミュニケーションしています。日本にいた頃よりも、英語を聞く&話す機会が増えたので、日常生活の中でも英語は勉強できます。ただ、特定のシュチエーションで使う機会が多く、話す内容に偏りがありますし、もともと高い英語力をもっていたわけではないので、今でも苦労することが多く「英語力をアップしたい」といつも思っています。タイ語については、最初は日常生活と弊社のスタッフに教えてもらうことで何とかなると思っていたのですが、なかなか勉強する時間をつくれなかったため、知り合いの日本人からタイ語学校を教えてもらい、その学校に通いました。今では、英語でどのように伝えれば良いかわからないときも、タイ語だと伝え方がわかるときがあるので、話す相手と話す内容によっては、英語だけ、タイ語だけ、もしくは、英語とタイ語を交えて話をするときがあります。
バンコクに来てからもうすぐ4年が経ちますが、最近になって少し業務が落ち着き、時間をつくれるようになりましたので、現在は、オンラインスクールでタイ語の勉強をしています。上達する一番の近道は、現地でタイ語または英語を話す友達をつくることだと思いますが、全く話せない状態で仕事を始めるとコミュニケーションを取れる機会が少ないので、海外に行く前に少し勉強してから行くのが良いかと思います。
――将来、海外で働きたい人へのアドバイスをお願いします。
海外で働くことを考える場合、欧米を思い浮かべる人が圧倒的だと思います。私は欧米のVFXスタジオのことはわかりませんが、日本から東南アジアに仕事を発注している企業も多いと思いますので、東南アジアで働く日本人は重宝されるのではないでしょうか。また、日本からの発注だけでなく、VFXスタジオによっては、欧米の仕事も受注していますので、様々な国のプロジェクトに関わることができます。働いているアーティストは英語が話せる人も多いので、英語を話すことができれば、コミュニケーションは苦にならないと思いますよ。海外で働いてみたいと考えている人は、欧米だけでなく、ぜひ東南アジアも候補に入れて、就職先を探してみてください。
スタジオ責任者として多忙な日々を送る石川氏
【ビザ取得のキーワード】
1.日本で一定年数以上実務経験を積む
2.タイのバンコクにスタジオを設立
3.現地の従業員を採用する
4.自分自身の実績や会社の情報をタイ国に提出し、就労ビザを取得
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